軽井沢ホテルブレストンコート
藤澤舞子 (入社13年目)
軽井沢ホテルブレストンコート
藤澤舞子 (入社13年目)
軽井沢という豊かな自然のなかで、生涯一度の思い出となる唯一無二のウエディングを演出する。それが、軽井沢ホテルブレストンコートの藤澤舞子の仕事です。新郎新婦だけの挙式から、100人以上の披露宴まで。軽井沢を選ぶ方々の願いに応えるために出来ることは何なのか。…藤澤はそんな思いを胸に、新郎新婦と参列者が心から幸せを感じるひとときにするにはどうしたらよいかを常に考えています。
歴史ある教会での挙式と、最適なタイミングで料理を供する披露宴。あるいは木陰が心地よい庭のある別荘での滞在型ウエディングパーティーなど、この清涼な空気に包まれた軽井沢の地を満喫するウエディングをひと組ごとに作りあげています。
ウエディングは人それぞれで異なるもの。でも軽井沢を選ぶ方は、やはり一流のおもてなしと料理にはこだわりがあります。「私の仕事は数時間の披露宴をどう作り上げるかのお手伝いですが、ご希望を形にするため丁寧に打ち合わせし、遠方からお越しの参列者の方々にも印象深い一日になるよう、心と頭をフル回転させてます」
宿泊の場合はチェックインからサポートし、別荘を会場とされる滞在型の方にはお部屋の準備も入念にし、お招きする気持ちを形にしていきます。「常にどんな場合でも、200%満足していただきたいですから。特に女性にとって結婚式は一生の思い出。新婦の思いを受け継ぐようにと色々な情報をお聞きし、それを実現してさしあげたいんです」。
プライベート感のある別荘ウエディングは軽井沢ならではの魅力。「大人になってから家族でゆっくり語り合うことは少なくなっているので、久しぶりに集まって、暖炉の前で夜が更けるままに語り合っていたり、焚き火を囲んで過ごす様子などが印象的です」。家族や小さい頃から見守ってくれた親戚、大切な友人など二人にとって本当に大切で結婚を報告したい、一緒に過ごしたい方たちだけで過ごす空間と時間は格別。「新郎新婦がどのように過ごしたいかを想像して、事前に伺っている進行の中でも乾杯までの時間を長く取ったり、テラスでのデザートビュッフェを行ったりとベストの過ごし方を出来るよう工夫しています」。
先日「ピクニックウエディング」をテーマにした結婚式を担当。
「鮮やかな緑の中、新婦は白いロングドレスに真っ白なスニーカー、新郎は蝶ネクタイに揃いの白いスニーカー。参列の皆様もラフな服装で参加されました。
残念ながら雨だったのですが、どうしても大自然の中で人前式をされたいとのご希望でしたので、急きょテントをご用意しました。お二人のイメージを実現するべく、調理チームと一丸になり、豪華なBBQやパエリアなどで願いを叶えるよう取り組んだ、印象的な結婚式でした」。新郎新婦からは「雨が降って残念だったけど、肩を寄せ合うように集まって食事ができたので、とても親密に過ごせました」と喜びの声をいただいたとのこと。
→軽井沢ホテルブレストンコート
前職はスポーツ量販店で販売や仕入れの仕事をしていたが中途採用で入社。
ウエディングの介添役を経てレストランでサービスを担当し、5年前からバンケットサービスで披露宴を運営する。
星野リゾートに入社する前は、スポーツ量販店で勤務していた藤澤。そこから転職する際、上司にもらったこんな言葉が今の彼女のスタート地点になりました。「他人の人生の起点に関われる仕事は、良いよ」。
その言葉を彼女はこんな風に受け止めました。「ウエディングという形が大事なのではなく、大切な人とレストランで食事をする、ホテルに滞在をする、結婚式をする。いらっしゃるお客様にとってそれぞれにここにいらっしゃる理由があり、大切な人生の岐路になっていくのだと気づいたんです。その言葉は私にとっての新たな起点になりました」。
挙式後にまた訪れてくださると、本当に嬉しいですね。レストラン時代、介添えをさせていただいたお客様が数年ぶりに会いに来てくださったときも、ああ嬉しいなあと思いました。
挙式中に緊張のあまり、気を失われた新婦がいらして会場は騒然。そのとき、たまたま外に救急車の救急救命士さんがいらっしゃって、お手伝いしてくださったんです。その後、新婦のお母様からお礼状をいただき、助けてくださった救急救命士さんとは今も交流があります。新婦って準備で大変。前日よくお休みになれない方もいるんです。当日はご負担のないようにしてさしあげたいですね。
星野リゾートは子どもが生まれても一定時間内で働ける制度があったり、会社内がみんな家族的なムードもあるので、社内結婚しても働きやすい環境なんですね。私の夫は軽井沢でネイチャーツアーなどを行うピッキオにいます。私と同じ趣味で、休日はよく二人で山登りやワイナリーに出かけます。
塩尻のワイナリー。軽井沢から車で2時間くらいなんですよ。誰か飲めない人に運転してもらうのがおすすめですが(笑)。そして、白馬の山の中腹にある白馬鑓温泉もいいですよ。車で4時間、登って4時間。そこにテントを張ります。地熱であったかいんです。「自分ってちっぽけだな」と思えますね。
仕事はとても楽しいけれど、忙しい日々がずっと続くと、旅に出たくなりますね。冬の時期に長いお休みを頂くことが多いので、「寒いところから脱出したい!」という感じ(笑)。年に1回、12泊くらいの休暇をいただきます。
山登りとロッククライミングが趣味なので、このところは毎年、タイに行っています。プーケットの対岸にあたりに、立派な岩があるんです。観光はあまりしなくて、主人と一緒に、何にもしないか、岩に登っているか、ですね。
ロッククライミングのための道具と、カメラ。飛行機に乗れるギリギリの重さになってしまいます(笑)。
文:森 綾、撮影:ヒダキ トモコ、イラスト:山田 だり