開館前の30日間、奈良監獄にゆかりのある30組が日替わりで登場する特別企画「美しき監獄と30人」。
第23回目は、今回のプロジェクトで設計を担当した安井建築設計事務所の松島 忍 さんです。
第23回目は、今回のプロジェクトで設計を担当した安井建築設計事務所の松島 忍 さんです。
工事は関係者すべての同意を得て、ようやく着手することができます
重要文化財の修復は、普通の建物の修復に比べるとハードルが高くなります。たとえばA棟では、ミュージアムとして活用するため、隣接する部屋との間の壁を抜き、展示スペースが連続するような改修を行いました。その場合、開口部の幅はバリアフリーの観点から必要最小限に抑える、また開口部の位置は隣接する部屋との間の壁を抜く場合や外観上の既存の出入口を拡げる場合を比較し、より文化財の価値を損なわない位置とするなど、きちんとした理由がないと壁を抜く許可が下りません。さまざまな個所に関し、有識者で構成される「保存活用検討委員会」でこうした説明を重ね、文化庁の同意を得てようやく工事が始まります。
かつて受刑者たちが暮らしていた空間に身を置くと、自ずと「自由とは何だろう」という思いに捉われます。私自身、明確な答えは出ていませんが、その人にとっての可能性があるということ、それが自由なのではないかと思います。逆に言うと、自由があるからこそ、そこに可能性が生まれ、前へ進んでいくことができるのではないでしょうか。
PROFILE

松島忍 さん
安井建築設計事務所 設計部 部長
松島忍さんは、安井建築設計事務所の設計部に在籍。大学では工学部都市工学科で都市計画を学ぶ。安井建築設計事務所では、神谷町トラストタワーをはじめ、大規模プロジェクトを多く手掛け、今回の保存活用プロジェクトでは、奈良監獄の建造物全体の文化財改修に関わる設計や耐震補強の解体工事に携わる。
Instagramでも「美しき監獄と30人」を公開中。ぜひこちらもご覧ください。





