開館前の30日間、奈良監獄にゆかりのある30組が日替わりで登場する特別企画「美しき監獄と30人」。
第8回目は、C棟の出品アーティストのひとり、西尾美也さんです。
第8回目は、C棟の出品アーティストのひとり、西尾美也さんです。
受刑者が書いた詩を布片に刺繍することから始まります
C棟で展開するアートプロジェクトの作品名は「声を縫う」です。「声」とは、受刑者が書いた詩の一節。その一節をプロジェクト参加者が布片に刺繍し、それをまとめて展示します。布片の大きさは煉瓦大。奈良監獄が煉瓦造であることに由来しています。参加者は奈良在住の方々を中心に200名以上で、できあがった布片は約2000枚です。私自身、奈良監獄の存在を知り、かつ奈良少年刑務所の受刑者達が書いた誌集に出会ったとき、アートが刑務所と社会をつなぐことはできないかと思いを巡らせ、「声を縫う」に辿りつきました。犯罪者という言葉で定義するのではなく、許せない部分と同時に共感できる部分も持った人間。それが受刑者です。彼ら彼女らが書いた、心の叫びのような詩に触れ、その一節を刺繍することで、少しでも受刑者の人間性に近づくことができれば、と思います。
PROFILE

西尾美也さん
アーティスト
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。おもに衣服を題材とし、装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目。市民や学生との協働によるアートプロジェクトを国内外で展開し、アートが社会に果たす役割を実践する。奈良県立大学の准教授在職中に奈良監獄の圧倒的な存在感に触れた。アートが介在することで、刑務所の内と外を繋ぐ試みを模索する中で、奈良監獄ミュージアムからアート展示の依頼を受け、「声を縫う」アートプロジェクトを立ち上げる。
Instagramでも「美しき監獄と30人」を公開中。ぜひこちらもご覧ください。





