ご当地サポーター
長野県・松本でワインや日本酒を手掛けるおすすめ酒造7選をガイド

美ヶ原高原を水源とする湧き水が豊富で、名水の街として知られる松本。冷涼で日照量が多い気候や土壌などがワイン用のぶどう栽培に適しているなど醸造環境に恵まれているエリア。数々の賞を受賞するなど品質の高い酒蔵やワイナリー、ブルワリー直営のタップルームなどを紹介します。

松本平産のぶどうのみで造る、こだわりのワイン

松本駅から車で20分ほどにある「山辺ワイナリー」は、自社農園と契約農家で育てた松本平産のぶどうのみを使ってワイン造りをしています。ぶどうの持つ個性や味を引き出すため、ブレンドを行わず、単一品種での醸造にこだわり、ぶどう品種名が記されているワインを製造・販売。日本ワインコンクールで6年連続受賞しているワインや、外務省から注文を受けているワインなど、評価の高いワインに多くの人が魅了されています。
ワインで使用しているぶどうの種類は11品種。ヴィンテージ別に47商品ほどが揃い、店頭で試飲ができるので好みのワインを選べるのもうれしいポイントです。

自社農園でも育てているぶどう

美ヶ原高原のふもと、標高600m~850mの山辺地域は、長野県ぶどう栽培の発祥の地とされるエリア。長い日照時間と昼夜の寒暖差が、高品質な信州のぶどう産地として知られ、冷涼な気候がワイン醸造用品種の栽培にも適しています。自社農園の広さは1.2ヘクタールあり、シャルドネ、ピノ・グリの他、カベルネ・ソーヴィニヨンを育てています。メルローやピノ・ノワールも植え始め、数年後にはフルボディのワインを楽しめる予定。
ワイナリー横には、ワインとのマリアージュが楽しめるレストランや農産物直売所もあり、人気の場所です。

ご当地サポーターコメント
それぞれ年毎に飲み比べができるのが嬉しい!併設された農産物直売所もおすすめです。
山辺ワイナリー
  • URLhttp://www.yamabewine.com/
  • 住所長野県松本市大字入山辺1315-2 MAP
  • アクセスJR松本駅から車で約20分、美ヶ原温泉から車で約5分
  • 営業時間8:30~17:00
  • TEL0263-32-3644
  • 駐車場無料

受賞歴のあるワインや有機ワインなどが好評

ワイン用のぶどう栽培に適した長野県の中で、松本平の南側に広がる塩尻市桔梗ヶ原は代表的な産地。1927年(昭和2年)創業の歴史あるワイナリーで、地元の契約農家の他、自社農園で栽培したぶどうを使用し厳正な品質管理のもと、ワイン醸造を行っています。
日照量が多く収穫期の温度差が大きい桔梗ヶ原は、火山灰の土壌で水はけがよく良質なぶどう栽培に最適。自社のぶどう畑には、メルローやシャルドネといった欧州系の品種を10種類以上栽培しています。また、アメリカの農家と契約し、高温多湿の日本では生産が難しい有機栽培のぶどうを使った、有機ワインや有機ジュースも好評です。
夜明け前の香りを封じ込めた状態で収穫するナイトハーヴェストや、ワインコンクールで受賞を重ねる「ミュゼ ドゥ ヴァン」シリーズは、このワイナリーが誇るブランドです。

ご当地サポーターコメント
飲みやすくて深い味わいと評判のワイナリー。ミュゼ ドゥ ヴァン松本平ブラッククイーンを使ったレーズンチョコレートは、ワインのおつまみとしても相性が良いです。

試飲もできる塩尻駅内の直営店

JR塩尻駅ビル1階の株式会社アルプス直営店「野田屋」には、ワインやジュースが並び、試飲もできます。信州土産も取り扱っているので気軽に立ち寄って購入でき、おすすめです。

野田屋(株式会社アルプス直営店)
  • URLhttp://www.alpswine.com/
  • 住所野田屋 長野県塩尻市大門八番町9-1 MAP
  • アクセス野田屋 塩尻駅東口1階
  • バスアクセス本社 塩尻駅より塩尻市コミュニティすてっぷくん「小野駅」行き乗車、「室町」下車徒歩約4分
  • 営業時間10:00~19:30
  • 定休日無休
  • TEL野田屋 0263-53-8204
    本社 0263-52-1150
  • 駐車場無料(30分間)

農園見学や試飲もできる老舗ワイナリー

ぶどうの産地として知られる桔梗ヶ原は、海抜700mに広がる信州塩尻の丘陵地帯。1911年(明治44年)に林五一氏が入植し、ぶどうなど果樹栽培を始めました。1919年(大正8年)にワイン専用品種の栽培に着手してワイン醸造を始めた、農園としては100年以上の歴史を持つワイナリー。
農家から始まった林農園のモットーは、桔梗ヶ原の自然を味と香りに活かすために「良いワインは、良いぶどう作りから」と、畑の改良や栽培法の研究にも力を注ぎ、国際ワインコンクールで数々の権威ある賞を受賞するようになってきました。
本社の隣にある自社農園を中心にワイン専用ぶどうを栽培。工場は見学できませんが、自社農園はいつでも見学が可能。常時10本の試飲が用意してあるので、自分の感性に合ったワインを購入できます。

県内で唯一、希少な貴腐ワインを扱う

自然発生する貴腐菌によって生まれる「貴腐ぶどう」。1933年に貴腐化したぶどうを見つけてから、収穫時期や発酵方法を試行錯誤して生まれた希少なワインが「五一わいん 貴腐」です。貴腐化したぶどうを一粒一粒選定し、専用のプレス機を使って絞り、2年かけて熟成。収穫量が少ないうえに手間と高い技術を要する貴腐ワインは、糖度が高く独特で濃厚な味わい。五一わいんは県内で唯一、貴腐ワインつくりに挑戦し続けています。

ご当地サポーターコメント
貴腐ワインは後味はすっきりとした上品な甘さです。口の中に、ぶどうの香りが広がります。
五一わいん
  • URLhttp://www.goichiwine.co.jp/
  • 住所長野県塩尻市大字宗賀1298-170 MAP
  • バスアクセスJR塩尻駅より塩尻市コミュニティすてっぷくん「桔梗ヶ原病院前」行き乗車、「ワイナリー前」下車徒歩約2分
  • 定休日売店 年末年始(事務所 土・日、祝日、年末年始、お盆)
  • TEL売店 0263-52-7911(事務所 0263-52-0059)
  • 駐車場無料

江戸末期から醸造し続ける、歴史ある酒蔵

松本の蔵元が姿を消すなか、現在も唯一松本城下で醸造・販売を続けている蔵元「善哉酒造」。江戸時代末期創業以来、仕込み水として使用しているのが、敷地内に湧き出る名水「女鳥羽(めとば)の泉」。環境省「平成の名水百選」にも選ばれ、松本市内に10カ所ある「まつもと城下町湧水群」の一つです。
店の前に「女鳥羽の泉」がこんこんと湧いているので、地域に開放し、住民の方や近くのそば屋、お店などでもこの水を使っているとのこと。まろやかな口当たりでお茶やコーヒー、みそ汁などもおいしくなるそうです。

二本柱は「善哉」「女鳥羽の泉」

銘水「女鳥羽の泉」と長野県産美山錦とアルプス酵母で醸した純米吟醸は、火入れをせず生で貯蔵し、出荷前に瓶詰、火入れをするので香り高くフレッシュ。「女鳥羽の泉」と「善哉」を杜氏と蔵人が精魂込めて醸造しています。
事前に予約すれば酒蔵を見学できます。酒蔵に併設の直売所「穂髙酒店」では、清酒や甘酒など善哉酒造の全商品があり、ほとんどが試飲できるので訪れた人でにぎわっています。

ご当地サポーターコメント
とてもアットホームで、いろいろ説明をしていただきながら試飲できます。
善哉(よいかな)酒造株式会社
  • URLhttps://www.mcci.or.jp/www/yoikana/
  • 住所長野県松本市大手5-4-24 MAP
  • バスアクセスJR松本駅より松本周遊バス「東コース」乗車、「伊織霊水」または「薬祖神社」下車徒歩約5分
  • 営業時間8:30~17:00、穂髙酒店 9:00~
  • 定休日日曜、祝日、年末年始、8月13日~16日、穂髙酒店 不定休
  • TEL0263-32-0734、穂髙酒店 0263-32-0013
  • 駐車場無料

長野県産の米と北アルプスの天然水を使った、こだわりの地酒

左から「純米大吟醸 N.A.C. 金紋錦」2,200円、「みぞれりんごの梅酒」1,760円、「手いっぱい」3,080円(各720ml)
左から「純米大吟醸 N.A.C. 金紋錦」2,200円、「みぞれりんごの梅酒」1,760円、「手いっぱい」3,080円(各720ml)

機械化が進む中、あえて手造りにこだわり続ける酒造メーカー「大信州」。契約農家と二人三脚で育てた長野県産の酒米「ひとごこち」と「金紋錦」を使用し、北アルプスの清らかな天然水で造る酒は、柔らかい口当たりときめの細かい舌触りが特徴です。芳醇な香りと米の旨みを存分に生かすために、手掛ける酒のほとんどは濾過をせず、すぐに瓶詰めして冷蔵貯蔵。酒のおいしさを最大限に引き出しています。

国際的な賞にも輝くほどのおいしさが魅力

店内には国内外の賞を受賞した証が数多く飾られている
店内には国内外の賞を受賞した証が数多く飾られている

大信州本社併設の専売所「原田屋」では、大信州で製造されるほとんどの日本酒を販売。店舗スタッフが丁寧に説明やアドバイスをしてくれるので、求める味わいや喉ごしにぴったりの酒を購入できます。季節に応じてその時々のおすすめを試飲することも可能です。
酒の他にも、前掛けやTシャツなどのオリジナルグッズも多く取り揃えていて、県内外から多くの大信州ファンが足を運びます。また、店先に湧き出る天然水は自由に飲むことができ、容器に入れて持ち帰る人もいるそうです。

大信州専売所 原田屋
  • URLhttp://www.daishinsyu.com/information
  • 住所長野県松本島立2380 MAP
  • アクセス松本電鉄下新駅より徒歩約10分
  • 営業時間10:00~18:00、土・日曜、祝日10:00~17:00
  • 定休日お盆、年末年始
  • TEL0263-47-0895
  • 駐車場無料

150年もの歴史を誇る、松本を代表する地酒

まろやかな味わいが人気の「アルプス正宗」。左から、「純米吟醸中汲み」1,579円、「純米大吟醸」2,138円 、「風穴貯蔵純米酒」1,273円(各、720ml)
まろやかな味わいが人気の「アルプス正宗」。左から、「純米吟醸中汲み」1,579円、「純米大吟醸」2,138円 、「風穴貯蔵純米酒」1,273円(各、720ml)

2019年で創業150年を迎えた松本の老舗酒造メーカー。全国的には「アルプス正宗」の銘柄名のほうが、通りがいいかもしれません。地下62mから汲み上げるアルプス山系の伏流水と長野県産の米を使い、さらに麹(こうじ)の良さを引き出して「寒造り」で造られる酒は、豊かな香りとまろやかな味わいが特徴。100年近い歴史をもつ銘柄名は、山登りが好きな四代目当主が北アルプスの山並みにちなんで付けたものだそうです。

蔵直結の直売所では試飲も楽しめる

亀田屋酒造の酒が全て揃う「酒遊舘」
亀田屋酒造の酒が全て揃う「酒遊舘」

製造された酒は、蔵直結の販売店「酒遊舘」で購入や試飲ができます。試飲は有料で、持ち帰り可能なおちょこを300円で購入。試飲可能な大吟醸や純米大吟醸などの銘柄から、7種類のお酒を一杯ずつ味わうことができます。
酒造りが休みになる春から秋にかけては、施設の見学が可能に。約130年前に建てられた母屋や酒蔵内を、作業に従事するスタッフが、酒造りの話をしながら丁寧に案内してくれます。

亀田屋(かめたや)酒造店
  • URLhttps://www.kametaya.com/
  • 住所長野県松本市島立2748 MAP
  • アクセス松本電鉄下新駅から徒歩約4分
  • 営業時間9:00~17:00、土・日曜9:30~
  • 定休日毎月第3日曜日、お盆期間、年末年始
  • TEL0263-47-1320
  • 駐車場無料
  • メモ母屋・蔵見学は要電話予約。見学料無料

Made in Matsumotoのクラフトビール

生ビールは常時5種類。これにプラス季節限定銘柄も用意。ボトルは各495円、グ ラスは620円
生ビールは常時5種類。これにプラス季節限定銘柄も用意。ボトルは各495円、グ ラスは620円

松本市内にある醸造所で、アルプスの山々の豊富な水を使用し、地元の人々から愛されるビールを仕込んでいます。松本ならではの味わい、風味を追求し、最高級のモルトをたっぷり使用した「マツモト・トラディショナルビター」や、漆黒の松本城をイメージした黒ビール「マツモト・キャッスルタウン」など、定番ビールは4種類。この他に、季節ごとに味わえるビールも展開。より新鮮な味わいを実現するために、朝に収穫する地元産ホップを使用した「フレッシュホップビール」や、県内産のブドウを使用したビールなどが楽しめます。

地元の人との情報交換も楽しいタップルーム

木を基調とした落ち着いた雰囲気の店内
木を基調とした落ち着いた雰囲気の店内

松本市のメインストリート・中町通りにある「松本ブルワリー」直営のタップルームでは、醸造所直送のクラフトビールをボトルの他、生ビールでも楽しめます。1階はカウンターのスタンディング席、2階はテーブル席で構成。昼のオープンと同時に、地元の人々だけでなく外国人観光客なども多く訪れ、ビールを片手に街の情報交換の場としても大いに賑わっています。
Tシャツやトートバッグなどオリジナルのグッズも取り扱っていて、松本旅行のお土産におすすめです。

松本ブルワリーTAPルーム中町店
  • URLhttps://matsu-brew.com/
  • 住所長野県松本市中央3-4-21 MAP
  • アクセスJR松本駅から徒歩約12分
  • 営業時間13:00~19:00
  • 定休日火曜
  • TEL0263-31-0081
  • 駐車場無し

観光を楽しんだ後は、歴史ある浅間温泉で疲れを癒してはいかがでしょうか。音楽に造詣が深い松本の文化を楽しめるよう、館内では毎晩コンサートを開催。長野ワインを味わいながら、旅情溢れる時間を過ごせます。

八種十三通りの湯浴みで、浅間温泉を満喫する

毎晩開催の「ロビーコンサート」(無料)
毎晩開催の「ロビーコンサート」(無料)

松本駅から車で約15分。国宝松本城の奥座敷として栄えた浅間温泉。閑静な温泉郷に佇むワインと美食を楽しめる温泉旅館です。現代建築家の先鋭的な感性と、日本の伝統工芸美が調和したデザインが特徴です。温泉では、日本では珍しい「ラディアントバス」(体温より少し高い温泉が循環する寝椅子型の温浴方法)や、檜の芳香を楽しむ「檜おがくず風呂」、「寝湯」など八種十三通りの湯浴みで、松本城主の御殿湯(ごてんゆ)もあったという浅間の湯を堪能することができます。夜は音楽の街、松本にちなみ、地元の音楽家によるロビーコンサートを毎晩開催しています。地元産ワインも常時50種類以上そろえ、音楽とワインに酔いしれる時間を過ごすことができます。

界 松本
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