参拝ルートもご紹介「出雲大社 観光完全ガイド」
島根県の代表的な観光名所で、縁結びの聖地といわれるパワースポットをご紹介します。「出雲大社(いづもおおやしろ)」にお祀りされている神様は「因幡の白うさぎ」の神話で有名な「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」で、縁結びの神様として広く親しまれています。観光のピークは、全国津々浦々の神様が出雲の地に一堂に集まるとされる旧暦10月(11月)。そのため全国では「神無月」とされる一方、出雲の地では11月を「神在月(かみありづき)」と呼びます。
初めて訪れる神社は、作法が分からないことから戸惑ったりすることもあります。そこで、出雲大社のおすすめの参拝ルートや作法をご紹介。参拝前に一読して、素敵な縁結びの旅を楽しみましょう。
〈出雲大社ってどんなところ?〉
1出雲大社はなぜ「縁結びの聖地」なの?
神様が人々の縁を話し合う「神集い」
なぜ出雲大社が「縁結びの地」とされるのか、確かなことは分かっていません。一説には、旧暦10月(11月)に全国から出雲に八百万の神々が集まるとされる「神集い」で、集まった神様が人々の縁を話し合う、という信仰が広まったことから「縁結びの聖地」と呼ばれるようになったとか。
11月は神事も多く、出雲に神様をお迎えする「神迎祭(かみむかえさい)」を皮切りに、境内で執り行われる「神在祭」「縁結大祭」、神々を見送る祭事「神等去出祭(からさでさい)」まで、あらゆる神事が執り行われます。
2「だいこくさま」ってどんな神様?
古事記にも登場する良縁祈願の神様
縁結びの神様として有名な、出雲大社の御祭神である「大国主大神」。別名「だいこくさま」としても親しまれています。代表的なご利益は「良縁祈願」のほか、子授、夫婦和合、五穀豊穣、商売繁盛などさまざまあるとされています。
数々の困難を乗り越えて国を開拓した国造りの神様として知られ、「国譲り神話」はその国土を天照大御神(あまてらすおおみかみ)に譲ったという物語。そして国譲りの代償として造営されたのが、出雲大社のもととなったお社であるとされます。
〈出雲大社のおすすめ参拝ルート〉
3鳥居をくぐって境内へ
参拝のスタートは「勢溜(せいだまり)の鳥居」がおすすめ
出雲大社の鳥居は全部で4つ設けられており、鉄筋コンクリート製、木製、鉄製、銅製と全て違う素材で造られています。参拝の前後に買い物やグルメを楽しみたい方は、門前町の無料駐車場に停めて、門前町のすぐ近くにある二の鳥居「勢溜の鳥居」から参拝をスタートするのがおすすめです。
鳥居を全部しっかりくぐりたいという方は、10分ほど歩いたところにある一の鳥居「宇迦橋の大鳥居(うがばしのおおとりい)」から参拝をスタートしましょう。
「祓社(はらえのやしろ)」で心身を清める
勢溜の鳥居をくぐると、全国でも珍しい「下りの参道」があります。道中、右手にある「祓社」は、多くの方が見落としがちな小さな社ですが、実はとても重要な場所。お参りすることで心身を清められるとされているので、ぜひ立ち寄っておきましょう。
ちなみに、祓社の裏手に回ると小さな階段があり、下りると「浄の池(きよめのいけ)」が広がっています。休憩所もあるので、道草感覚で池の周りをのんびり散歩してみるのもおすすめです。
四の鳥居をくぐる前に「ムスビの御神像」へ
松並木の参道を抜けたら、手水舎で両手を清めましょう。拝殿へ向かう前に立ち寄りたいのが、四の鳥居である「銅鳥居」の手前に設置された「ムスビの御神像」です。
「古事記」において大国主神は、幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)という2つの魂に出合うことで神様としての知識や教養を身につけ、「ムスビの大神」という神になったとされています。つまり「ムスビの大神」とは、大国主神の別名のこと。像は、日本海の荒波から現れた幸魂・奇魂を大国主神がいただく場面を表現しています。
4拝殿(はいでん)
出雲大社の参拝作法は「2礼4拍手1礼」
一礼をして銅の鳥居をくぐり、「拝殿(はいでん)」で参拝を行います。1963年(昭和38年)に建立され、戦後最大の木造神社建築ともいわれています。一般的に神社では「2礼2拍手1礼」ですが、出雲大社の参拝作法は「2礼4拍手1礼」。2度拝礼をして、4回かしわ手を打ち、最後に1度拝礼します。
拝殿に限らず、出雲大社境内の社殿は全て同様の作法で参拝を行います。毎年5月14日に開かれる年1度の例祭では「8拍手」をするのに対し、日常的にはその半分の「4拍手」で神様をお讃えします。
5御本殿(ごほんでん)
御本殿を望みながら、「八足門(やつあしもん)」の前で参拝しよう
拝殿の後方へ歩くと、大国主大神が鎮座する「御本殿(ごほんでん)」が見えてきます。本殿の正面の石段を上がり、八足門の前で本殿を望みながら参拝を行いましょう。普段の参拝では門の先へ進むことはできませんが、正月期間(おおよそ5日頃まで)は解放され、中へ進むことができます。
八足門は、柱に美しいケヤキ材を使用するなど、境内の中でもひと際目立つ装飾を持つ建物。御本殿の大屋根や千木(ちぎ)などは、2008年から執り行われた「平成の大遷宮」の際に新装されました。
神様のお宿「十九社(じゅうくしゃ)」も参拝しよう
御本殿から「素鵞社(そがのやしろ)」へ向かう途中にあるのが、出雲大社ならではの細長い社「十九社」。神在月に全国から集まった神様のお宿となる社で、棟には19の部屋が連なっており、神在祭の期間中は全ての扉が開かれます。
日頃は全国の神様を遥拝(ようはい)する社殿とされていますが、全国の神様に参拝できることから、神在月には参拝客の行列ができることも。十九社は本殿を中心として東西に2棟あり、向かい合う形に建てられています。
6素鵞社(そがのやしろ)
本殿裏手に鎮座する、隠れた最大のパワースポット
御本殿の参拝後は西側の「神楽殿」へ向かう方も多いのですが、ぜひ御本殿の真後ろへ回って「素鵞社」に足を運んでみましょう。大国主大神の祖先にあたり、神話の「八岐大蛇(やまたのおろち)退治」でも有名なスサノオノミコトが祀られている社です。
八雲山の岩盤を背景に、境内全体を見守るように建つ素鵞社は、特に大きな力が宿るといわれる隠れたパワースポット。境内の比較的静かな場所にあり、近づくと不思議と強い神気を感じられる場所です。
八雲山の岩に触れて神気を感じる
御神体とされる八雲山の麓にある素鵞社。社の裏手では、八雲山の岩肌に直に触れることができます。禁足地である八雲山そのものに唯一触れることができる場所であり、触れると強い神気を感じる人も多いスポットです。
社の床下には神迎の地「稲佐の浜」の砂が入った木箱があり、素鵞社で清められた砂は撒くことで土地を清めるご利益があるといわれます。稲佐の浜で採った砂を持参して素鵞社に供えれば、代わりに同じ分量の砂をいただけるので、希望する方はぜひ持参してみましょう。
7神楽殿(かぐらでん)
日本最大級の大しめ縄。「神楽殿(かぐらでん)」を参拝しよう
境内を流れる素鵞川を渡った先にあるのが、日本最大級の大しめ縄がかけられた「神楽殿」。長さ約13m、重さは5.2tにも及ぶしめ縄は圧巻の大きさで、参拝がてら、出雲大社のシンボルを背景に記念撮影をする方も多く見かける場所です。
社内の大広間は270畳もの広さがあり、日頃から祈祷、結婚式などさまざまな祭事行事が執り行われているため、周辺では袴姿の新郎や白無垢姿の新婦を見かけることも少なくありません。
〈もっと知りたい!出雲大社の魅力〉
8ウサギの石像
かわいいウサギの石像を見つけよう
境内には「因幡の白うさぎ」の神話にちなんだかわいいウサギの石像が約60体設置されています。祈ったり、夫婦で杯を交わしたりと表情もいろいろで、相撲の神様を祭る「野見宿禰(のみのすくね)神社」の前には、まわしを締めたウサギの姿も。
白うさぎは物語の中で、大国主大神と、最初の妃である八上姫(やかみひめ)のあいだを取り持った「縁結びのシンボル」として知られる存在。参拝しながら石像を探し歩くのも出雲大社の楽しみ方のひとつです。
9御朱印をもらおう
出雲大社オリジナルの御朱印帳も。境内で御朱印をもらおう
出雲大社では4種類のオリジナル御朱印がいただけます。拝殿の裏側に受付所がある御本殿の御朱印、神楽殿に向かって左手に受付所がある神楽殿の御朱印のほか、出雲大社の東側にある「北島国造館」でも2種類の御朱印がいただけます。
出雲大社オリジナルの御朱印帳は、御本殿がデザインされた白地、八雲をイメージした雲がデザインされた紺地の2種類。いずれもシンプルながら品のあるデザインが人気です。御朱印帳は神楽殿のほか、拝殿裏手の受付所でも購入ができます。
- 出雲大社
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- http://www.izumooyashiro.or.jp
- 島根県出雲市大社町杵築東195 MAP
- 一畑電車「出雲大社前駅」から徒歩約5分
- JR「出雲市駅」から一畑バス(出雲大社・日御碕行)乗車、「正門前」下車。出雲空港から出雲大社直通連絡バスあり(1日2便)
- 参拝 6:00~19:00、お守り所 6:00~19:00、宝物殿 8:30~16:30
- 無休
- 無料
- 0853-53-3100(8:30〜16:30)
- 無料
- 16:30より警備の都合上、十九社から北側へは行けなくなります。
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