王道から進化系まで。仙台でずんだ餅&スイーツが楽しめるおすすめの店5選

枝豆をすりつぶし、砂糖や塩を加えたずんだ餡と、やわらかなお餅を合わせた「ずんだ餅」は、宮城県をはじめとする東北地方で古くから親しまれてきた郷土料理です。素朴ながらもどこか懐かしい味わいが魅力で、老舗の伝統の味わいから、ずんだをアレンジした進化系スイーツまで、幅広いラインナップが揃います。今回は、仙台市内でずんだ餅やずんだスイーツが味わえる甘味処やお土産店を厳選してご紹介します。
「ずんだ」とは

「ずんだ餅」は、笹かまぼこ、牛タンと並ぶ宮城県の三大名物のひとつ。「ずんだ」とは、ゆでた枝豆の薄皮を丁寧に取り除いて、食感が残る程度にすりつぶし、砂糖と少量の塩を加えて作る、鮮やかな緑色の餡のこと。それを、つきたての白い餅にたっぷりと絡めたものが「ずんだ餅」です。
ずんだの歴史は、戦国時代にまでさかのぼるといわれています。名前の由来には諸説あり、以下のような説が伝えられています。
・豆を打つ音を擬音語として「ずんだ」と表した
・豆を打つ(つぶす)作業を「豆打(ずだ)」と呼び、それが訛って「ずんだ」になった
・伊達政宗が陣中で「陣太刀(じんだち)」の柄を使って枝豆をつぶして食べたことから「じんだち」→「じんた」→「ずんだ」になった
・仙台藩の農民「甚太(じんた)」がつぶした枝豆を餅に絡めていたことから「甚太餅(じんだもち)」と呼ばれ、それが訛って「ずんだ餅」になった
いずれも定かではありませんが、この食べ方は東北一帯に広まり、とくに政宗公の領地と重なる地域に根付いていることからも、歴史的背景と深く関わっていると考えられます。
枝豆特有の香りと素朴な甘さ、粒々とした食感が、モチモチとした餅と絶妙に調和するずんだ餅。緑と白の美しいコントラストも魅力で、現在ではお土産やスイーツとしても広く親しまれています。
1ずんだ茶寮 仙台駅ずんだ小径店
厳選した枝豆を独自に配合した、贅沢な味わいのずんだを使用

仙台銘菓「萩の月」で知られる菓匠三全が展開する「ずんだ茶寮」は、ずんだを使ったスイーツの専門店。仙台駅構内のずんだ小径店では、テイクアウトの他、店内でのイートインも可能です。
おすすめは、お茶と一緒に楽しめる「ずんだ餅(塩昆布付き)」のセット。味も香りも強く風味豊かな枝豆を厳選し、より洗練した味わいになるように、職人によって独自にブレンドしたずんだを使用。ここでしか出合えない深い味わいに仕上げています。粘り気とコシのある餅は、宮城県産「ミヤコガネ」を餅米から丁寧につきあげています。
新感覚な味わいの「ずんだシェイク」も人気

人気商品の「ずんだシェイク」も、仙台を訪れたら味わいたい名物のひとつ。バニラ風味のシェイクに特製ずんだをブレンドした、粒々の食感を楽しめる新感覚なシェイクです。店頭で、作りたての香り高いおいしさをいただけます。
2024年に誕生した「ずんだあんバター最中」にも注目。国産バターをずんだで包んだ餡ともなかの皮を、食べる直前に自身で合わせていただくスタイルで、餡の豊かな風味ともなかのパリッと香ばしい食感のハーモニーを楽しめます。

- ずんだ茶寮 仙台駅ずんだ小径店
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https://zundasaryo.com/
宮城県仙台市青葉区中央1-1-1 JR仙台駅3F MAP
JR仙台駅構内
物販9:00~21:00 喫茶10:00~18:30(L.O.18:00)
無休
022-715-1081
無し
2彦いち
ずんだ餅をはじめ、こだわりの和スイーツを味わえる甘味処

商店街の横道にたたずむ、どこか懐かしい雰囲気の漂う甘味喫茶。定番のずんだ餅は、専門店から仕入れたモチモチのお餅に、なめらかな口当たりの自家製ずんだ餡を合わせた一品です。イートインでは、箸休めの赤しその実の漬物とお茶と一緒にいただけます。
ずんだ餅の他にも、クリームあんみつやぜんざい、パフェなどのスイーツと、うどんやおこわなどの軽食も提供。北海道十勝産の小豆から作る餡にもこだわりがあり、おしるこはつぶ餡とこし餡の2種類から選べます。
昔ながらの趣ある店内でゆったりとしたひとときを

もともと料亭として建てられた日本家屋を改装して1976年(昭和51年)に開業しました。そのため店舗には料亭時代の面影が残っており、入り口の石畳や店内窓から見える庭に和の趣を感じられます。
創業当時から変わらない人気を誇るあんみつは、たっぷりのボリュームも魅力のひとつ。夏だけのかき氷や冷やし中華、冬だけの温かいうどんといった季節限定のメニューも好評です。地元に根ざした一軒として親しまれるとともに、観光で訪れる方からも好評を集めています。

- 彦いち
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宮城県仙台市青葉区一番町4-5-41 MAP
JR仙台駅から車で約4分
JR仙台駅から徒歩で約12分
地下鉄 勾当台公園駅から徒歩約5分JR仙台駅から仙台市営バス乗車、「商工会議所前」下車徒歩約2分
11:00〜18:00(L.O.17:30)
月曜
022-223-3618
無し
3村上屋餅店
老舗店で手作りの「づんだ餅」を堪能

1877年(明治10年)創業の行列のできる和菓子店で、ずんだ餅発祥の店としても知られています。定番の「づんだ餅」に使われているずんだ餡は、枝豆の薄皮を手作業で取り除き、すり鉢で豆をつぶすところから手作りしたもの。砂糖と塩だけのシンプルな味付けが、枝豆本来の風味を引き立てます。宮城県産のもち米「みやこがね」を使い、杵つきでモチモチに仕上げたお餅もおいしさの秘訣。イートインでは、づんだ、ごま、くるみの3種類の餡を食べ比べできる「三色餅」が人気を集めています。
季節限定の人気和菓子も要チェック

同店では定番人気のづんだ餅以外に、おはぎや大福をはじめとする和菓子も販売。栗を使った和菓子や桜餅といった季節を感じる期間限定品も登場します。特に冬から春にかけて販売される「いちごミルク大福」は、白あんと生クリームを合わせた口溶けのよいまろやかなオリジナル餡と、大きなイチゴの甘酸っぱさが相性抜群。その他、水まんじゅうを笹で包んだ「笹のしずく」も評判で、どちらもリピーターが絶えない名物商品です。

- 村上屋餅店
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宮城県仙台市青葉区北目町2-38 MAP
JR仙台駅から車で約6分
JR仙台駅から徒歩約12分
地下鉄 五橋駅から徒歩約10分9:00〜18:00(イートインは17:00までに入店)
月・火・水曜
022-222-6687
無し
4エンドー餅店
最高級品種の秘伝豆を使った「極みづんだ餅」

1948年(昭和23年)創業。厳選素材と伝統製法にこだわったづんだ餅が看板商品の老舗和菓子店。づんだには、宮城で獲れた国産の枝豆を100%使用。添加物を一切加えず、塩と砂糖のみで仕上げており、豆本来の甘みを味わえます。もち米には宮城県石巻市で作られたブランド米「みやこがね」を採用し、杵つき製法によって柔らかくモチモチの食感を引き出しています。中でも「極みづんだ餅」には最高級品種といわれる秘伝豆を使っており、より芳醇な香りと上品な甘みを楽しめるのが魅力です。
甘味もおこわも楽しめる、地域に愛される和菓子店

店内には少人数で利用できるイートインスペースも併設。「づんだ餅」と「極みづんだ餅」が1個ずつセットになった「づんだ食べ比べセット」をいただけます。
づんだ餅の他には、北海道産小豆を使ったあんこ餅やくるみ餅といった定番商品に加え、春には桜餅、冬にはいちご大福などの季節限定の商品が登場。さらに「みやこがね」のお米に、国産のシイタケやニンジン、ゴボウを加えて出汁醤油で炊き込んだ「味付けおにぎり」も人気。地域の方々を中心に、長く愛され続けている老舗です。

- エンドー餅店
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https://www.zundamochi.com/index.php
宮城県仙台市青葉区宮町4-7-26 MAP
JR仙台駅から車で約10分
JR東照宮駅から徒歩約2分JR仙台駅から仙台市営バス乗車、「東照宮駅」下車徒歩約2分
8:30〜18:00
木曜
022-223-9512
無し
5甘味処すずや
進化系のずんだスイーツに舌鼓

もなかをはじめとする和スイーツが人気のお店です。看板メニューは「ずんだカタラーナ」。軽やかな食感のもなかに、香り豊かな宮城県産の秘伝豆ずんだと、ずんだペーストを練り込んだカタラーナ、モチモチの白玉を一度に味わえる一品です。注文後にもなかに具材を挟み提供しているため、もなかのサクサク食感とずんだ豆のつぶ感をしっかり楽しめます。毎朝お店で生地を仕込み、注文後に茹でたてで提供しているこだわりの白玉も絶品。「ずんだ白玉」や「ずんだ白玉あんみつ」も、おすすめです。
テイクアウトでもイートインでも楽しめる

もともとはテイクアウト専門店としてもなかを使ったスイーツを販売していましたが、2020年秋に現在の場所へ移転。以降は、テイクアウトだけでなく店内でも楽しめるようになりました。
店舗1階のカウンターでは「ずんだカタラーナ」をはじめとするもなかを購入可能。2階には仙台出身の作家やイラストレーターの作品が飾られているカフェスペースがあり、和スイーツやドリンクをゆったりと楽しめます。

- 甘味処すずや
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https://www.instagram.com/suzuya_enjiandco/s
宮城県仙台市青葉区一番町2-3-37 MAP
JR仙台駅から車で約4分
JR仙台駅から徒歩約10分
地下鉄 青葉通一番町駅から徒歩約2分JR仙台駅から仙台市営バス乗車、「青葉通一番町駅」下車徒歩約2分
12:00〜18:30(L.O.18:00)※土・日、祝日は11:00〜
不定休(公式Instagramにてお知らせ)
無し