【スタッフによる館内ガイド】まるで東海道の旅人気分。箱根の魅力に浸る「界 箱根」
箱根湯本温泉の旧街道沿いに佇む、温泉旅館「界 箱根」が、2025年8月にリニューアルオープン。東海道の宿場町として旅人をもてなしてきた箱根の風情を今に伝えています。
全室から須雲川を望むリバービュー客室をはじめ、木漏れ日が差し込む風景画のような露天風呂、箱根の歴史を体感できる「ご当地体験」など、旅を豊かにする魅力が館内にはたくさん散りばめられています。
そこで今回は、みちくさガイド編集部が実際に滞在しながら、施設を知り尽くしたスタッフの案内で館内を巡ってきました。スタッフだからこそ語れる“隠れた見どころ”とともに、箱根旅をより楽しむヒントをお届けします。
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界 箱根
山口 友莉子さん
2022年星野リゾート入社。界 箱根にてフロント、サービス業務を担当。界 箱根リニューアル期間には界 奥飛騨での勤務経験も。趣味は動物園巡りと自然の中でのんびりすること。
スタッフ
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みちくさガイド編集部
その土地に住んでいるからこそ知っているエリアのおすすめ情報をお伝えする、ちょっと“みちくさ”したくなるサイトを運営しています。
体験者
1.客室
伝統と遊び心が光るご当地部屋「箱根ごこちの間」
アートや寄木細工が彩る空間で、東海道の旅人を追体験
今回滞在したのは、清流・須雲川に面した和室。客室は、「東海道」をテーマにしています。広々としたリビングのソファに身を沈めると、窓いっぱいに広がる緑に包まれます。難所越えの歴史に思いを馳せつつ、現代の快適な宿で疲れを癒やす。そんな粋な「箱根ごこち」を存分に味わえる空間です。
山口さん
壁面を彩るモダンなアートは、かつて旅人が雨雪を凌ぐために使った「三度笠(さんどがさ)」や「引廻し合羽(ひきまわしがっぱ)」を表現しています。
寄木細工のルームキーや風呂敷。手に取るたび心が弾むアメニティ
客室には細かなこだわりが感じられるアイテムが揃っています。手に取るたびに木の温もりを感じるルームキーやトレーは、伝統工芸・寄木細工のもの。アメニティも充実しており、和漢生薬成分のスキンケアセット完備で、身軽に宿泊できるのが魅力です。
特に印象的なのが、歯ブラシ等を包む界オリジナルの「風呂敷」。着心地の良い滞在着に着替え、風呂敷を提げて温泉へ向かうスタイルが、東海道の旅人気分を高めてくれます。
山口さん
「風呂敷」は、界の施設ごとに色が異なり、界 箱根は「新緑と紅葉」をイメージした配色です。お持ち帰りでき、旅の記念としても楽しめます。
2室限定。プライベートと団欒を両立する「箱根ごこちスイート」
2025年8月に誕生したばかりの客室「箱根ごこちスイート」も案内してもらいました。客室のテーマは「大人の家族旅」。親世代と子世代が互いの生活リズムを崩さず、適度な距離感を保ちながら快適に過ごせるよう、広いリビングの他、独立した2つのベッドルームがあります。
リビングで家族団欒のひとときを楽しんだ後は、ベッドルームで各々の時間を過ごせます。客室露天風呂や専用の湯上がりスペースもあり、いつでも気兼ねなく湯浴みが楽しめるのもポイント。
山口さん
一緒に旅行する楽しさを味わいつつ、プライベートな時間も確保できるため、大人の家族旅におすすめしたいお部屋です。お客様からも『それぞれが気兼ねなくくつろげた』と好評をいただいています。
2.温泉
まるで風景画のような眺めにうっとり。自然と一体になる大浴場
川音と新緑に包まれる半露天風呂
大浴場は、壁一面が切り取られた半露天風呂。目の前には風景画のような景色が広がり、湯坂山の緑と須雲川の清流とひと続きになったかのような開放感を味わいながらの湯浴みを楽しめます。
泉質は冷え性などにも良いとされるナトリウム-塩化物泉。塩分が肌を覆うため、湯上がりの肌はしっとり滑らかで温かさが持続します。また、サウナと水風呂も併設されており、心も体もととのいます。
山口さん
春から夏は鮮やかな緑、秋は真っ赤な紅葉、冬は雪化粧と、四季折々で異なる景観が楽しめます。年中通して特におすすめの時間帯は、やわらかな朝日に包まれ、湯面と木々がきらめく朝7時頃です。
手ぶらで通える気楽さと、くつろぎの湯上がりタイム
温泉好きにとって嬉しいのが、脱衣所にはバスタオルやフェイスタオルはもちろん、和漢生薬成分を用いた化粧水などのアメニティが一式完備されていること。客室から持ち出す必要がなく、思い立った時に「手ぶら」で何度でも温泉へ向かえます。
大浴場の前にある湯上がり処では、アイスキャンディーやドリンクを片手に一休み。特に「片浦レモン水」は、小田原の名産ならではの爽やかな味わい。甘酸っぱい冷たさが火照った体を優しく鎮めてくれ、気づけばついつい長居してしまいました。
温泉の知識を深めて 、効果を高める「うるはし現代湯治」
界では、「うるはし現代湯治」として、湯治の知恵を現代に活かすプログラムが充実しています。夕食前には、布に描かれたイラストで歴史や入浴法を学べる「温泉いろは」に参加。参加の証としてご当地のスタンプを押した「お湯印帳」がもらえます。
翌朝は、中庭で行う「現代湯治体操」に参加しました。実際にわらじを履いて足指を踏ん張る感覚は新鮮で、少し難しいのもご愛敬。東海道を行き交った旅人に思いを馳せながら、心地よく体を目覚めさせる貴重な時間でした。
山口さん
「お湯印」には、温泉地名と共にその土地ならではのモチーフが描かれており、施設ごとにデザインが異なります。お湯印帳を手に全国の「界」を巡り、旅の思い出をコレクションしていくのも楽しみが広がります。
3.食事
一品一品に箱根の歴史が詰まった料理
「明治の牛鍋」がメインの会席料理
夕食は、歴史にゆかりある素材をふんだんに取り入れた会席料理です。メイン料理の「明治の牛鍋」は、通常は割り下を使用するところを、味噌ベースの味付けで仕上げた一品。欧米人や上流階級の人々が訪れ、西洋文化が早くから取り入れられた、箱根ならではの味わいです。
料理に込められた歴史背景を聞きながら味わうことで、より奥行きのある食体験に。箱根の文化と歴史に触れられる、印象深い夕食となりました。
山口さん
東海道の歴史にちなみ、かつて飛脚が使用した「はさみ箱」を模した器で先八寸を提供しています。実はこの器にはちょっとした仕掛けがあります。ぜひ実際に滞在して、体験してみてください。
一日の始まりを穏やかに彩る、箱根のご当地朝食
界の「ご当地朝食」は、地域の食材や調理法を取り入れた和食膳です。箱根名物の「甘酒」を使った目覚めの一杯に始まり、小田原ゆかりの練り物を使ったせいろ蒸しが並びます。
朝の食卓からも箱根らしさを感じられました。やさしい味わいながらも満足感があり、一日の始まりにしっかりと元気をもらえる朝食でした。
山口さん
せいろ蒸しは、東海道の旅人の疲れを癒した温泉の「湯けむり」に見立てた一品です。蓋を開けた瞬間に広がる湯気とともに、箱根ならではの風景を食事でもお楽しみください。
4.ご当地体験
昼と夜で異なる雰囲気の「さわ茶屋」でほっと一息
中庭にある「さわ茶屋」は、到着時や夕食後、湯上り、出発前など、いつでも何度でも自由にくつろげる空間です。昼と夜で異なる表情を楽しめるのも、さわ茶屋の魅力。
昼は、川のせせらぎと日差しに包まれる中、須雲川を望む席で季節のお茶とお団子をいただき、穏やかな時間を過ごせました。夜になると照明が落ち着いた雰囲気へと変わり、湯上がりにハーブティーや、箱根の薬草文化にゆかりのある焼酎を味わいながらリラックス。 静けさに包まれ、旅の余韻を味わえるひとときでした。
山口さん
東海道随一の難所として知られる箱根路には、かつて旅人が休憩するための茶屋が立ち並んでいました。「さわ茶屋」は、そんな旅人を迎えた茶屋から着想を得ています。
「寄木細工」の「ずく引き」を体験
界 箱根では、「寄木細工のずく引き」を体験できます。加工前の原木が一面に展示された「ご当地楽ルーム」は、職人の工房をイメージしたデザイン。ここで、寄木細工の制作工程の一部に挑戦しました。
実際にかんなを使って寄木を削る「ずく引き」に挑戦してみると、薄く均一に削ることの難しさに驚きました。わずかな力加減で仕上がりが変わる繊細な作業を体験し、改めて職人の緻密な技術を感じられます。
また、削ったずくを使ってオリジナルのフォトフレーム作りも。スタッフが撮ってくれた写真を入れて、体験の思い出を持ち帰れます。
山口さん
木の種類や組み合わせで色や模様が変わり、それが寄木細工のデザインを形作っています。体験後に改めて部屋の装飾やルームキーなどを見た際には、もっと愛着を持ってもらえると思います。
寄木細工のグッズも揃うショップでお土産探し
ご当地楽を体験した後は、併設のショップへ。寄木細工のグッズが豊富に揃っていて、体験の後だからか、ついつい手に取ってしまいます。ルームキーやティッシュケースなど、滞在中に客室で使用した商品も販売しているので、お気に入りのアイテムをお土産に購入できるのも嬉しいポイント。
界 箱根オリジナルパッケージのお菓子や、お酒なども揃っています。
トラベルライブラリーでゆったり寛ぐ贅沢時間
ロビーに併設されたトラベルライブラリーは、箱根の歴史や伝統工芸・寄木細工にまつわる書籍を取り揃えたパブリックスペース。目の前に広がる湯坂山の深い緑と須雲川のせせらぎに包まれながら、自由に楽しめるコーヒーやハーブティーを片手にゆっくりとくつろげます。
館内での過ごし方や明日の計画を練るのもおすすめです。
※掲載の内容は、記事更新日時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
スタッフにインタビュー!
- 山口さんにとっての「界 箱根」の1番の推しポイントを教えてください。
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山口さん
館内の至る所からご覧になれる、湯坂山の雄大な景観と須雲川の清らかな流れです。四季折々に表情を変えるこの自然は、私たちスタッフにとっても心の癒やしであり、日々の活力を与えてくれます。
- 季節ごとにおすすめの過ごし方や、おすすめな季節はありますか?
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山口さん
豊かな自然に囲まれ、湯坂山の四季折々の移ろいが美しく、訪れるたび違った魅力があります。個人的には春がおすすめで、エントランス前の桜が3月末頃に満開になり、とてもきれいで毎年楽しみにしています。
- 箱根を知り尽くしている、山口さんのおすすめスポットはどこですか?
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山口さん
芦ノ湖畔にある箱根園の「だっこしてZOO」がおすすめです。ふれあい型の動物園で、動物と直接ふれあえます。私は2カ月に1度くらいのペースで定期的に通っています。箱根観光の際に、立ち寄ってみてください。
- 最後に、お客様には気づきかれにくいけど、ちょっとした工夫がされている「界 箱根のここだけ話」はありますか?
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山口さん
大浴場へ続く廊下には「今昔参勤交代」のデザインが施されています。箱根駅伝のランナーなど、現代的な要素を織り交ぜた遊び心溢れる意匠となっています。ご滞在の際、お気に入りのデザインを探してみてください。
滞在を終えた感想
館内随所に散りばめられた「寄木細工」をはじめとする工芸品や、自然に囲まれた温泉など、箱根ならではの魅力をじっくりと堪能できました。また、東海道の歴史や文化を感じられる演出もあり、東海道の旅人気分を楽しめました。

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