【2025年版】今年こそ訪れたい京都・嵐山エリアの定番&穴場紅葉スポット10選
大堰川(桂川)に架かる渡月橋、竹林が広がる嵯峨野、世界遺産の天龍寺など、京都市内で指折りの観光名所を数多く有する嵐山エリア。秋の深まりを感じる頃には、随所で日本的な風景に溶け込んだ紅葉シーンが見られるため、多くの観光客が訪れます。当記事では定番から穴場まで嵐山周辺のおすすめ紅葉名所10カ所を厳選。見頃の時期や開催予定のイベント情報なども併せてご紹介します。
1野宮(ののみや)神社
紅葉に包まれる黒木の鳥居は必見。源氏物語にも登場する古社
嵯峨野に広がる観光名所「竹林の小径」にあり、平安時代の作家・紫式部が著した「源氏物語 ~賢木(さかき)の巻~」にも登場する歴史の深い神社です。
当社のシンボルともいえるのが、本殿の正面に構える黒い鳥居。樹皮がついたままの黒木のクヌギを使用しており、秋が深まる頃には脇に構えるイロハモミジとの競演を楽しめます。
また、本殿の右奥にある苔庭は「じゅうたん苔」と呼ばれており、落葉の時期には緑と赤のコントラストが楽しめます。
縁結びの神様をお祀りする神社として、良縁を願う人々から厚い信仰を集める当社。境内の「野宮大黒天」そばにある神石「お亀石」をなでながら祈ると1年以内に願い事が成就するといわれており、良縁を願う男女に人気です。
【色づき始め】例年11月中旬
【見頃】例年11月下旬~12月上旬
【紅葉の種類】イロハモミジ、カエデ
2常寂光寺(じょうじゃっこうじ)
詫び寂びの建築美と錦秋の彩りの対比が見事
平安時代より数多の歌で紅葉名所と詠まれてきた小倉山の中腹に佇む寺院。慶長年間(1596〜1614年)創建と伝えられ、仏師・運慶作の仁王像がにらみをきかす仁王門は境内の中で最も古い時代の建築物です。仁王門としては珍しい茅葺の屋根で、侘び寂びのある建物と紅葉のコラボレーションが見事と評判です。
鐘楼や本堂前の階段をはじめ、200本余りのカエデが植えられている庭園など、見て回りたい紅葉ポイントが多数。本堂の裏手に立つ高さ12mの多宝塔(重要文化財)が色づく小倉山に溶け込む様は、多くのメディアで紹介されています。また、境内最奥にある展望台は錦秋の京都の街並みを一望できるイチオシの絶景ポイントです。
例年、紅葉が見頃を迎える11月中旬〜下旬には「本堂特別拝観」を実施。普段は非公開の書院にも入ることができ、江戸時代から変わらない景色が保たれているという庭園を眺められます。
【色づき始め】例年11月上旬
【見頃】例年11月中旬~11月下旬
【紅葉の種類】イロハモミジ、オオモミジ 他
▼本堂特別拝観
日時:2025年11月18日(火)~30日(日)
料金:本堂特別拝観山納料500円
場所:常寂光寺本堂・書院
3渡月橋
平安の頃より人々の目を楽しませてきた京都屈指の紅葉名所
嵯峨野と嵐山を隔てて流れる大堰川(桂川)に架かる全長約150mの橋。嵐山を借景にした姿は実に味わい深く、京都を代表する景観のひとつです。
平安時代初期には現在の位置より200mほど上流に架かっていたという渡月橋。時の亀山上皇が橋の上を移ろう月を眺めながら「くまなき月の渡るに似る」と述べたことからこの名が付けられました。
紅葉時期の混雑を避けつつ眺めを楽しむなら、橋の北詰から少し東に入った場所がおすすめ。府道29号の渡月橋交差点から清滝道三条交差点間の大堰川沿いに広がる「嵐山公園 臨川寺地区」からは、錦に染まる嵐山を背にした渡月橋を望むことができます。
毎年11月の第2日曜日には「嵐山もみじ祭り」を開催。渡月橋付近から今様船や平安管弦船などの優雅な船が大堰川のほとりに停泊し、嵐山の地にゆかりのある芸能を繰り広げます。
【色づき始め】例年11月中旬
【見頃】例年11月下旬~12月上旬
【紅葉の種類】イロハモミジ、オオモミジ、カエデ 他
▼嵐山もみじ祭り
期間:2025年11月9日(日)
時間:10:00~15:00頃(雨天中止)
場所:大堰川(渡月橋付近)
URL:https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=4066
4嵯峨野トロッコ列車
赤黄色に染まる渓谷をトロッコに揺られながら堪能
嵐山の脇を流れる保津川の上流は保津峡と呼ばれる紅葉名所。そんな秋の保津峡を満喫するなら、渓谷沿いを走る観光列車「嵯峨野トロッコ列車」の乗車がおすすめです。京都市側の始発駅であるトロッコ嵯峨駅から亀岡市側にあるトロッコ亀岡駅までの片道約7kmを約25分かけてゆっくりと走りながら渓谷美を堪能できます。
沿線にはイロハモミジやヤマモミジ、カエデなど約1,000本の紅葉樹が植えられており、秋が深まる頃には赤や黄色に染まる樹々の葉が車窓を鮮やかに彩ります。
5両編成の列車は全席指定席で、乗車券はトロッコ保津峡駅を除く各駅(当日券のみ)とインターネットでの予約購入が可能。5号車は窓の無いオープン車両となっていて、心地よい風や渓谷のせせらぎも感じることができます。
【色づき始め】例年11月上旬
【見頃】例年11月中旬~12月上旬
【紅葉の種類】イロハモミジ、ヤマモミジ、カエデ 他
- 嵯峨野トロッコ列車
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運行日:3月1日~12月29日
所要時間:トロッコ嵯峨―トロッコ亀岡約25分
水曜日は全便運休日の場合あり※繁忙期などは水曜日も運行
大人(12歳以上)880円、子ども(12歳未満)440円
075-861-7444(嵯峨野観光鉄道テレフォンサービス)
トロッコ保津峡駅を除く各駅の窓口で当日分を先着順で販売。またはホームページにて予約販売
5清凉寺
絵画のような紅葉を愉しめる、嵯峨野の隠れた古刹
渡月橋からまっすぐ北へ1kmほど歩いた先にある古刹。寺の入り口に立つ仁王門は和様と禅宗様を折衷したもので、二階二重門のすくっと立つ姿は「嵯峨の顔」とも称されています。
国宝「釈迦如来像」を安置しているため、「嵯峨釈迦堂」とも呼ばれている本寺。境内には多宝塔や阿弥陀堂など見どころが豊富です。
小堀遠州作とされている庭園をはじめ、境内のいたるところに紅葉スポットが点在。本堂裏側にある弁天堂付近では、お堂を取り囲むモミジの赤と木々の緑の鮮やかなコントラストを楽しめます。
美しい紅葉シーンをカメラに収めるなら本堂北の渡り廊下がおすすめ。窓の間を額縁に見立て、紅葉を装った弁天堂を絵画のように切り取ることができます。
【色づき始め】例年10月末
【見頃】例年11月上旬~11月下旬
【紅葉の種類】イロハモミジ 他
6大覚寺
嵯峨天皇ゆかりの国指定名勝で、秋の彩りを愛でる
平安時代のはじめに嵯峨天皇の離宮として造営され、現在は真言宗大覚寺派の総本山。弘法大師・空海が加持祈禱を行うなど由緒ある寺院です。
広大な寺域は「お堂エリア」と「大沢池エリア」に分かれており、お堂エリアでは重要文化財の宸殿や本堂の五大堂などを見学することができます。
大沢池は嵯峨天皇が築造したものといわれ、平安時代前期の名残をとどめる日本最古の人工の庭池として国の名勝に指定されています。池の周囲にはモミジと桜が交互に植えられており、紅葉シーズンには水面に反射してより一層の美しさを湛えます。
各所で紅葉狩りを楽しめる大沢池ですが、ひときわ高い人気を誇るのが「心経宝塔前広場」から「名古曽の滝跡」へと続く「もみじロード」。頭上を真っ赤に染まったイロハモミジの葉が覆い、園路を歩けば紅葉に包まれたような感覚を味わえます。
【色づき始め】例年11月上旬
【見頃】例年11月中旬~12月上旬
【紅葉の種類】イロハモミジ、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、イチョウ 他
7二尊院
「紅葉の馬場」と称される参道の紅葉は圧巻
小倉山の麓に鎮座し、平安時代初期に慈覚大師・円仁(えんにん)が建立した由緒ある寺院。入り口にある瓦葺きの総門は、1613年(慶長18年)に伏見城にあった薬医門を移築したもので、歴史を重ねてきた様子がうかがえます。
総門を抜けた先にある広い参道にはイロハモミジと桜が交互に植えられており、秋冷の候には参道の両側からせり出すように紅葉が覆います。赤や黄の色鮮やかな葉が幾重にも折り重なる様はまさに紅葉のトンネル。古くから都人の間で「紅葉の馬場」と呼ばれて親しまれており、嵐山エリアを代表する紅葉名所のひとつに数えられます。
他に、本堂の周辺や勅使門付近のモミジも美しいと評判。広大な境内のいたるところで秋景色を楽しめます。
【色づき始め】例年11月上旬
【見頃】例年11月中旬~12月上旬
【紅葉の種類】ヤマモミジ、オオモミジ、イロハモミジ 他
8嵐山公園 亀山地区 展望台(亀山公園)
展望台から錦秋の保津峡を見下ろせる絶景スポット
小倉山の南東部に広がる嵐山公園の亀山地区。渡月橋から見て北西部の丘陵地にあり、「亀山公園」の通称で市民から親しまれています。
アカマツを主木に桜、カエデを交え、木下にはヤマツツジが群生するなど多くの草花が生い茂る同園。園内には遊歩道がめぐっており、広場や休憩所などで染まりゆく樹々の様子を楽しめます。
観光の際は、保津川沿いの舟下り降舟場付近から入園するのがおすすめ。遊歩道を15分ほど登った山頂には展望台があり、「日本紅葉の名所100選」にも選ばれている保津峡の紅葉絶景を一望できます。
【色づき始め】例年11月中旬
【見頃】例年11月下旬~12月上旬
【紅葉の種類】カエデ、サクラ 他
- 嵐山公園 亀山地区 展望台(亀山公園)
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京都府京都市右京区嵯峨 MAP
京福電気鉄道嵐山駅から徒歩約10分(嵐山側保津川沿いの公園入口まで)
9鹿王院(ろくおういん)
苔の緑と真紅の紅葉のコントラストを堪能できる参道は必見
室町幕府三代将軍・足利義満が建立した宝幢寺(ほうどうじ)の開山塔として創建された寺院。足利義満筆の額が掲げられた客殿やお釈迦様の歯を安置する仏牙舎利殿など、貴重な文化財を見学できます。
紅葉時期は山門から中門にかけて続く石畳の参道が特に美しいと評判。参道脇には青苔が茂り、秋が深まる時期には苔の緑色と燃えるような紅葉のコントラストを見て回れます。
また、境内にある「鹿王院庭園」は日本最初の平庭式枯山水庭園とされており、京都市の名勝にも指定。秋が深まる頃になると赤黄色に染まる嵐山を借景にした庭園の随所で紅葉狩りを楽しめます。
例年、紅葉時期には参道と庭園をライトアップする夜の特別拝観を実施。仏牙舎利殿や庭園をはじめ境内各所が柔らかい光に包まれます。
【色づき始め】例年11月中旬
【見頃】例年11月下旬~12月上旬
【紅葉の種類】イロハモミジ、ヤマモミジ 他
▼鹿王院夜の特別拝観 2025
期間:2025年11月21日(金)~12月14日(日)
時間:17:00~19:30(最終受付19:00※事前予約制、各日150組)
夜間拝観料:3,500円(お茶とお菓子付き)
場所:鹿王院参道・庭園
備考:チケットは鹿王院公式ホームページにて購入
URL:https://mzt3p.hp.peraichi.com/
10宝厳院(ほうごんいん)
特別拝観時にしか見られない、秋色に染まる庭園美
京都五山第一位の格式を誇る「天龍寺」の塔頭寺院。室町時代に中国に二度渡った禅僧、策彦周良(さくげんしゅうりょう)禅師によって作庭された「獅子吼(ししく)の庭」を有します。
獅子吼の庭は嵐山を借景にした回遊式山水庭園で、峰が連なったような形状が特徴的な豊丸垣(ほうまるがき)や獅子の形をした巨岩・獅子岩など見どころが満載。秋には庭園を覆うように枝を伸ばしたイロハモミジが一斉に色付き、とくに美しいと評判です。
宝厳院に入山できるのは年に数回行われる特別拝観の時のみ。秋の特別拝観では、獅子吼の庭を見て回れる他、茶室「無畏庵(むいあん)」で心落ち着かせながら色付いた庭園を眺めることができます。
紅葉がピークを迎える例年11月中旬から12月上旬にかけては秋の夜間特別拝観を実施。日中の鮮やかな紅葉とは違った、静寂かつあでやかな美しさを堪能できます。
【色づき始め】例年11月中旬
【見頃】例年11月中旬~12月上旬
【紅葉の種類】イロハモミジ、オオモミジ、ドウダンツツジ、イチョウ 他
▼2025年 秋の特別拝観
期間:2025年10月4日(土)~12月14日(日)
時間:9:00~17:00(受付終了16:45)
拝観志納料(庭園):大人700円、小中学生300円(※宝厳院本堂特別公開は別途志納料が必要です)
場所:宝厳院庭園
URL:https://hogonin.jp/event/
▼2025年 秋の夜間特別拝観
期間:2025年11月14日(金)~12月7日(日)
時間:17:30~20:30(受付終了20:00)
拝観志納料:大人1,000円、小中学生300円(昼夜入替制:昼の参拝券で夜間拝観への入場および再入場はできません)
場所:宝厳院庭園
URL:https://hogonin.jp/event/


