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大阪銘菓「りくろーおじさんのチーズケーキ」のおいしさと人気の秘密を探る

「りくろーおじさんのチーズケーキ」といえば、大阪では言わずと知れた大人気のスイーツ。今や大阪のスイーツ土産の定番でもあり、大阪・なんばにある「りくろーおじさんの店」本店前やJR新大阪駅店で、「焼きたてチーズケーキ」を買い求める人々の行列はもはや日常風景です。そのおいしさと人気の理由とは?ひと口食べれば虜になってしまう、フワフワ食感の秘密から、焼きたてが味わえるカフェ、他の隠れた人気商品、購入できる店情報まで、全てご紹介します。

「りくろーおじさんのチーズケーキ」としておなじみの、フワフワ食感の「焼きたてチーズケーキ」。大阪府内に11店舗ある「りくろーおじさんの店」で販売している名物です。

そもそも店名の「りくろーおじさん」とは、創業者・西村陸郎氏のこと。16歳で大阪のせんべい問屋で働き始め、その後和洋菓子の製菓会社に転職。1956年(昭和31年)に23歳で独立して和菓子屋を創業し、パン屋の経営を経て、1984年(昭和59年)に二代目と共に「焼きたてチーズケーキ」を考案しました。「お菓子はやらこうないと(やわらかくないと)」が口癖だった陸郎氏がまずこだわったのが、生地のやわらかさ。さらに「焼きたて」のチーズケーキが世の中にまだなかったこと、またそのビジュアルや食感の良さが抜群だったことから、「焼きたて」にもこだわったといいます。そうして誕生したのが、他に類を見ない軽い食感の「焼きたてチーズケーキ」。ふんわりとやさしいおいしさは幼児から年配の方まで幅広い世代に受け、評判となりました。

チーズケーキの大ヒットにより、店は1988年(昭和63年)、陸郎氏の名前を冠した「りくろーおじさんの店」としてリニューアル。同時に陸郎氏をモデルとした「りくろーおじさん」のキャラクターも誕生し、チーズケーキの焼き印やパッケージに使われるようになりました。

また、「お菓子はお手軽価格であるべき」という陸郎氏の考えから、発売当初は1ホール500円という破格で提供。時代の流れで現在(2025年5月)は1ホール1,065円ですが、それでも手軽な価格であることに変わりはありません。カット売りではなくホールで提供するのも「切り分ける時間も楽しんでほしい」という陸郎氏の思いからだそう(一部店舗ではテイクアウトやイートインメニューでカットサイズの提供あり)。

1989年にオープンした、なんば本店
1989年にオープンした、なんば本店

今でもチーズケーキを焼きたてで提供する店はほぼ見かけませんが、1984年(昭和59年)の発売当時は、かなり画期的だったはず。チーズケーキの発売から5年後に「りくろーおじさんの店」を構えた頃の写真(上記)では、「焼きたてチーズケーキ」と書かれた大きなのぼりの下、多くの客がチーズケーキを目当てに並んでいるのがわかります。

今も大阪府内に展開する11店中の9店舗にオーブンを備え、「焼きたてチーズケーキ」の商品名通り 「焼きたて」を提供。2007年に74歳でこの世を去った「りくろーおじさん」の想いを継承しています。

「焼きたてチーズケーキ」1ホール1,065円 ※消費期限は冷暗所で当日、要冷蔵で3日
「焼きたてチーズケーキ」1ホール1,065円 ※消費期限は冷暗所で当日、要冷蔵で3日

なにわが誇るロングセラー「焼きたてチーズケーキ」の最大の特徴は、何といってもそのフワフワッとしたエアリーな食感。チーズの爽やかな風味と控えめな甘さで、アッという間に食べ終えてしまいます。多くの人が魅了される軽やかな食感をはじめ、そのおいしさはどうやって生み出されるのか、オープンキッチンを備えるなんば本店でその秘密を探りました。

デンマークから直輸入したクリームチーズを使用
デンマークから直輸入したクリームチーズを使用

まず、チーズケーキの豊かな風味につながるクリームチーズは、生産技術が高く、品質に厳しいデンマークの伝統ある工場から直輸入したものを使用。開発当時はかなり珍しかったデンマーク産チーズでしたが、数種類のクリームチーズを食べ比べ、チーズ特有の香りが最もマイルドだったことから採用されました。その他、卵や牛乳など素材はどれも品質や鮮度にこだわり、「毎日でも食べられるように」という陸郎氏の思いから甘さも控えめになっています。

また、ベーキングパウダーなどの膨張剤は不使用。卵白をミキサーでしっかり泡立てることと、泡立てた卵白の気泡をつぶさないよう手作業で他の材料と素早く混ぜ合わせて型に流し込むことで、あのフワフワとしたエアリーな食感を実現しています。

チーズケーキの底には、放射状にカットした時に全員が味わえるようにと、外周に沿ってレーズンを配
チーズケーキの底には、放射状にカットした時に全員が味わえるようにと、外周に沿ってレーズンを配

チーズケーキの底に散りばめられたレーズンにもこだわっています。使用するのは、蒸してやわらかい食感にした後に手作業で小枝を取り除き、シロップに漬け込んでふっくらと炊き上げたオリジナルのレーズン。一般的なレーズンは日持ちさせるために、糖度を上げてラム酒を入れ固く乾燥させますが、こちらではアルコールを入れない甘さ控えめの自家製シロップを使用。ほんのりとした甘さのやわらかいレーズンは、子どもでも安心して食べられ、爽やかなチーズケーキの絶妙なアクセントになっています
「レーズンなし」が好みの人は、包装箱の側面に書いてある「りくろーカット」にチャレンジ。「井」の字型にカットすることで、中央に「レーズンなし」の四角いチーズケーキが出来上がります。

チーズケーキは、約45分かけて焼き上げます。なんば本店では1回に12個、約5分間隔で朝から晩まで次々とチーズケーキが焼き上がり、その都度スタッフが「チーズケーキ、焼き上がりました!」の声とともに、ハンドベルでお知らせしてくれます。

オーブンから出してすぐのチーズケーキは、こんがりときつね色に焼かれ、上部はふっくらと弧を描き、見るからにフワフワ!焼き上がり後は一つずつ丁寧に型から外し、クッキングシートを剥がすと網台の上へ。網台に置かれる度に、その振動でチーズケーキがプルプルッと揺れるほどです。

行列に並びながらプルプルの様子も見られる、なんば本店のオープンキッチン
行列に並びながらプルプルの様子も見られる、なんば本店のオープンキッチン

過去には、プルプルと揺れるチーズケーキの動画がSNSで話題に。以降、カメラを構える人がいたら、スタッフが目の前でチーズケーキをプルプルッと揺らしてくれることもあるそうです

焼き印が押される時も、その度にチーズケーキがプルプルッ!
焼き印が押される時も、その度にチーズケーキがプルプルッ!

焼き上がったチーズケーキはレジのすぐ隣に運ばれ、その場で「りくろーおじさん」の焼印が次々に押されていきます。その様子を目の前で見るのも楽しい!

なんば本店では、「焼きたて」と少し時間の経ったものが用意され、購入する際は並ぶ列が異なります。ぜひ「焼きたて」を購入してみてください。

オーブンに付けられた「りくろーおじさん」のかわいい札は、次に焼き上がるケーキをスタッフに知らせる印。なんば本店のオープンキッチンをのぞいて、ぜひチェックしてみてください。

「超・焼きたてチーズケーキ」1ホール(約18cm)1,520円
「超・焼きたてチーズケーキ」1ホール(約18cm)1,520円

「焼きたて」を確実に味わうなら、なんば本店2階の喫茶室「陸カフェ ROOM」へ。なんと、オーブンから出したばかりの、熱々フワフワの「超・焼きたてチーズケーキ」が食べられます。オーダーすると、スタッフがベルを鳴らしながらチーズケーキを運んでくれ、目の前でクローシュをパカッとオープン!チーズケーキをプルプルッと揺らしてくれる演出もあります。
温かいチーズケーキのふわっふわでシュワ~ッと溶けていく食感は、併設のカフェならではの特権。「りくろーおじさん」こと西村陸郎氏が、まさにお客さんに食べてほしかったおいしさを堪能できます。

カフェでは1/4サイズ(450円)も提供していますが、焼きたてはホールのみ。数人でも一人でもオーダーすることができ、食べきれない分は持ち帰りも可能なので、ぜひ超焼きたてのおいしさを味わってみてください。

「超・焼きたてチーズケーキ」はなんば本店の他、彩都の森店のカフェでも味わえます。どちらも予約制ではありませんが、人気なので予約するのがベターです。

焼きたてはもちろん絶品ですが、家に持ち帰っても美味しくいただけるのが「焼きたてチーズケーキ」の特徴です。素材そのものの味をしっかり堪能したいならそのまま常温でいただきましょう。焼きたてのようなふわふわ食感を楽しみたいなら、電子レンジで20~30秒温めるのがおすすめです。
逆に、冷蔵庫でしっかり冷やすとしっとり濃厚な味わいが楽しめ、特に夏の暑い時期におすすめの食べ方です。好みや季節に応じて、いろいろな食べ方を試してみてください。

にっこり微笑んだ顔と髭、と長いシェフハットが印象的な「りくろーおじさん」の焼印。実は特別バージョンの焼き印が登場する時期があるのをご存じですか。10月はハロウィン仕様、12月はクリスマス仕様、2月1日~14日・3月1日~14日はバレンタイン&ホワイトデー仕様になり、ちょっとした遊び心に思わずにっこり。この時期に訪れる予定のある方は、ぜひいつもと違う「りくろーおじさん」をチェックしてみてください。

「とろ~りプリン」1個260円、3個入1箱780円、5個入り1箱1,300円 ※消費期限:3日(要冷蔵)
「とろ~りプリン」1個260円、3個入1箱780円、5個入り1箱1,300円 ※消費期限:3日(要冷蔵)

チーズケーキの専門店と思われがちですが、実は他にも隠れた名品がたくさんあります。その一つが「とろ~りプリン」。新鮮な牛乳と卵をたっぷり使い、じっくり時間をかけて焼き上げており、トロトロの食感とミルキーで濃厚な味わいが特徴。万人に愛される王道のプリンです。

「薪パイ」1本95円、8本入1箱860円 ※賞味期限:12日
「薪パイ」1本95円、8本入1箱860円 ※賞味期限:12日

日持ちするお土産として一押しなのが「薪パイ」。カリッサクッとした食感と、芳醇で濃いバターの風味が一般的なパイ菓子とは一線を画す隠れた名品。サイズが少し大きめなので、1本でも満足感は大。手作業で丁寧に1本ずつねじって作られ、しっかりねじられた箇所とそうでないところの食感の差も、おいしさにつながっています。

「アップルパイ」ホールサイズ1,680円、ハーフサイズ930円 ※消費期限:3日
「アップルパイ」ホールサイズ1,680円、ハーフサイズ930円 ※消費期限:3日

コク深いバターとハチミツで味付けた国産のリンゴをパイ生地で包み、香ばしく焼き上げた「アップルパイ」も人気商品のひとつ。ゴロゴロと大きめにカットされたしっとりと甘酸っぱいリンゴと、サクサク食感の香ばしいパイ生地が実によく合い、安定したおいしさです。

「二コマド」1個185円、5個入1箱925円 ※賞味期限:12日
「二コマド」1個185円、5個入1箱925円 ※賞味期限:12日

焼き菓子なら「二コマド」もおすすめ。上質のバターをたっぷり使い、アーモンドプードルの香ばしさも実に豊か。口あたりの軽さも絶妙です。

大丸梅田店
大丸梅田店

「りくろーおじさんの店」は大阪府内に全11店舗を展開しています。
新大阪駅や大阪駅をはじめとする主要駅の駅ナカや駅近にあり、旅の途中や帰りに購入しやすいのもうれしいポイント。JR新大阪駅ではJR新大阪駅中央口店(改札外)、エキマルシェ新大阪店(在来線改札内)、新幹線改札内店の3店舗を備えています。その他、大阪・梅田では 大丸梅田店、難波・心斎橋ではなんば本店と大丸心斎橋店があります。

大阪を訪れたら、カフェで熱々フワフワの「超・焼きたてチーズケーキ」を味わい、大切な人へのお土産や自宅用に「焼きたてチーズケーキ」を購入してみてはいかがでしょうか。

りくろーおじさんの店 なんば本店
りくろーおじさんの店 なんば本店
  • URLhttps://www.rikuro.co.jp
  • 住所大阪府大阪市中央区難波3-2-28 MAP
  • アクセスJR大阪駅から車で約17分
    JR大阪駅から地下鉄「梅田」乗車、「なんば」下車徒歩すぐ
  • 営業時間9:00~20:00※2階のカフェは11:00~17:30( L.O.16:30)
  • 定休日不定休
  • TEL0120-57-2132(本部お客様係)
  • 駐車場無し
  • メモ2階のカフェは予約可
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