熊本市で絶対食べたい「熊本ラーメン」のおすすめ店5選
器が提供された瞬間、ふわりとニンニクの香りが立ち上り、瞬時に食欲を増進。博多ラーメンとは異なる発展の歴史を持つ「熊本ラーメン」は、九州を代表する豚骨ラーメンの一つです。アクセントにニンニクをガツンと利かせるのが特徴で、スープの製法、麺の種類、トッピングなどは店によって様々。その違いを楽しむのも一興です。熊本市を中心に広がるソウルフードであり、市民に親しまれる一杯を求め、ラーメン店めぐりに出かけてみませんか。地元でも高い人気を誇る有名店5軒をご紹介します。
熊本ラーメンとは
九州には各地に多種多様な豚骨ラーメン文化が根付いていますが、熊本ラーメンもその一つ。豚骨ラーメンの発祥の地・福岡県久留米市から、熊本県玉名市を経て熊本市に豚骨ラーメンが伝わり、昭和20年代後半から独自に発展しました。その発展と進化の裏には、現在も熊本市中心部の上通(かみとおり)アーケードで営業する人気店「こむらさき」の創業者ら3人の職人の功績があったといわれています。
熊本ラーメンのスープは豚骨をベースに鶏ガラを加える店も多く、クセを抑えたマイルドな味わいが魅力。麺は中太麺で、揚げや炒り、焦がしニンニク油(マー油)など様々なスタイルで入れるニンニクの他、チャーシューやキクラゲなどがトッピングされているのが主な特徴です。
ちなみに、博多ラーメンではお馴染みの替え玉は、熊本ラーメンでは基本的に用意されていないといった違いもあります。
1ラーメン赤組
値段以上の満足感に驚く、地元で大人気の高コスパラーメン
感度の高いショップや話題の飲食店が並ぶ上乃裏通り沿いにある白壁の土蔵。一見ラーメン店とは思えない佇まいが目を引きます。
看板メニューの「熊本ラーメン」は、国産豚のゲンコツと背骨をじっくり炊いた、こってりとしたクリーミーなスープが特徴。熊本ラーメンでは珍しくストレートの細麺を使い、深いコクのあるスープとの絡みも絶妙で、スルスルと食べ進めたくなる軽やかさも魅力です。さらに、焦がしニンニクのマー油の香ばしさが食欲を刺激します。本場の味が580円で味わえるという、コスパの高さも人気の理由です。
おつまみもリーズナブル。夜はラーメン居酒屋としての利用も
スタンダードな「熊本ラーメン」以外にも、辛さが3倍まで選べる「激辛赤ラーメン」や、ちぢれ麺を使った「カレーラーメン」など、変わり種のメニューもあります。
その他「餃子」や「揚げ塩ホルモン」、「酢もつ」といったお酒に合う多彩なおつまみメニューも、300円前後からとリーズナブルに揃っています。お酒とおつまみを楽しんで、ラーメンで締めるという利用もできるため、サクッと夜ご飯を食べたい時にもうってつけです。
- ラーメン赤組
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- https://www.akagumi.jp
- 熊本県熊本市中央区上通町7-29 MAP
- 市電「通町筋」または「水道町」から徒歩約5分
- 11:00〜23:30(L.O.23:00)、金・土曜、祝前日〜24:00(L.O23:30)
- 1月1日、12月31日
- 096-325-8766
- 無し
2熊本ラーメン黒亭 下通店
オンリーワンのおいしさ。新鮮で濃厚な卵黄がのった玉子入ラーメン
初代が熊本ラーメン発祥の店の一つ「こむらさき」で修行した後、1957年(昭和32年)に創業。現在も昔ながらの優しい手作りの味を提供しています。基本となるスープは、脂肪分が少ない豚の頭骨を大量に炊き上げており、あっさりとしつつもコクのある深い味わい。自家製麺の中太麺は、つるっともちもちの食感にこだわり、小麦粉から厳選しています。
二代目が卵好きだったことから生まれた「玉子入りラーメン」は、今や看板ともいえる一品。卵と麺を絡めながら味わえば、オンリーワンのおいしさに出合えます。
自家製にこだわる情熱こそが、おいしさの秘訣
おいしさのためなら手間を惜しまないことを信条に、スープはもちろん、焦がしニンニク油、麺、チャーシューまで全て自家製。その味を求めて、今では国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れます。また、お土産用のラーメンや、社内で限られた職人しかレシピを知らない焦がしニンニク油もボトル入りで販売。自宅でもお店の味がそのまま楽しめると好評を得ています。
日々改良と研究を続けているそうで、昔から変わらないおいしさは、その研究への情熱から生まれているのかもしれません。
- 黒亭 下通店
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- https://www.kokutei.co.jp
- 熊本市中央区下通1-7-14 ノグチビル地下1階 MAP
- 市電「通町筋」から徒歩約5分
- 10:30〜21:00(L.O.20:30)、土曜〜23:30(LO23:00)
- 水曜
- 096-321-6202
- 無し
3こむらさき
熊本ラーメン発祥店の一つ。すっきりとした旨みが際立つ一杯
1954年(昭和29年)創業、熊本ラーメンの源流ともいえる老舗です。スープは豚骨をベースに、鶏ガラ、野菜をじっくりと煮込んだもの。余分な脂とアクを丁寧に取り去ることで、旨みはしっかり、しかしすっきりと雑味のない味わいへと仕上げており、豚骨特有のクセが少ないため幅広い世代に愛されています。
熊本ラーメンの特徴でもあるニンニクは、フライドとローストの2種類を使用。ニンニクの豊かな風味を重ねたスープを、やや細めの自家製麺が絡み取り、ひと口ごとに絶妙なハーモニーを生み出しています。
昭和の雰囲気漂う空間が、おいしさの良いアクセントに
店は創業から3年後に現在の場所に移転。手入れが行き届いた店内には、古き良き昭和の佇まいがそこかしこにあり、創業当時の雰囲気が伝わってきます。
メニューに目を移すと、「納豆ラーメン」やチーズが入った「ピザ風ラーメン」、鶏ガラであっさりとした「淡鶏麺(たんけいめん)」など、一風変わった独自メニューも並びます。伝統を守り継ぐ老舗である一方で、新たなおいしさに挑戦し続ける姿勢が、熊本ラーメンの歴史と文化をさらに発展させていくのかもしれません。
- こむらさき
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- http://komurasaki.com
- 熊本県熊本市中央区上通町8-16 MAP
- 市電「通町筋」から徒歩約5分
- 11:00〜16:00(L.O.15:30)、18:00〜22:00(L.O.21:30)
- 年末年始
- 096-325-8972
- 無し
4Ajisen World
熊本生まれ、世界育ち。熊本ラーメン界の重鎮が新境地を開拓
1968年(昭和43年)、7坪の小さな店舗から始まったラーメン店「味千ラーメン」。定番メニューの「味千ラーメン」は、秘伝の千味油を加えた香り高い豚骨スープにもっちり中太麺を合わせ、フライドニンニクチップの香ばしさを利かせた珠玉の一杯。現在では熊本だけに留まらず、国内外14カ国・700店舗以上で愛される味となりました。そして2023年4月に、世界各国で人気のメニューを逆輸入して開業したのが「Ajisen World」です。
中国やイタリアなど、世界各店で人気を博したラーメンが味わえる
熊本ラーメンの他には、中国の「麻辣ビーフラーメン」やシンガポールの「ボルケーノラーメン」、イタリアの「トマトラーメン」など、国際色豊かなラーメンが並びます。世界各国でラーメンを作り続けてきたからこそ提供できる本格的な味とあって、地元の方からも好評です。
他にも郷土料理の「太平燕」や、熊本県産のあか牛を使った「あか牛餃子」といった熊本ならではのメニューも。世界各国から老若男女が訪れる、ラーメン界の大物ニューカマーです。
- Ajisen World
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- https://www.aji1000.co.jp/brand_ajisenworld/
- 熊本県熊本市中央区手取本町5-1 HAB@2階 MAP
- 市電「通町筋」から徒歩約2分
- 11:00〜22:30(L.O.21:30)
- 1月1日
- 096-273-7700
- 無し
5天外天 熊本駅店
飲んだ後はなおさら美味。市民に愛されるあっさりラーメン
「飲んだ後の締めのラーメン」として市民から絶大なる支持を得る人気店。元々熊本市の繁華街にあった本店は2022年に隣町の菊陽町へ移転するも、現在は2019年にオープンした熊本駅店でその味を楽しめると、地元客や観光客でいつもにぎわいを見せています。
「ラーメン」は豚骨と鶏ガラのWスープです。創業以来炊き続けている豚骨スープに、その日に炊いた豚骨と鶏ガラのフレッシュなスープを足し、絶妙な濃度バランスを創出。締めに食べたくなる、後味すっきりの一杯が出来上がります。
熊本駅ビルという好立地。サッと立ち寄れる気軽さも人気を後押し
店は駅ビルに入っていることもあり、コアタイムを外した時間でもお客さんが後を立ちません。店舗間に扉がないオープンな雰囲気で、立ち寄りやすさも魅力です。
お酒好きの方が最後に行き着く場所として、長い間支持されています。ラーメンの仕上げにたっぷりと振りかけられたローストニンニクが香り立つ一杯は、飲んだ後の五臓六腑に染み入るおいしさ。ランチや夕食に、そして一日の締めに、地元の人には説明不要な人気店の味を堪能してみてはいかがでしょうか。
- 天外天 熊本駅店
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- https://www.facebook.com/tengaiten.station
- 熊本県熊本市西区春日3-15-30 肥後よかモン市場1階 MAP
- JR熊本駅直結
- 11:00〜22:00(L.O.21:30)
- 無休
- 096-342-6856
- 有料
MAP
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