暮らしに寄り添う沖縄の焼き物。個性豊かな「やちむん」の窯元6選
沖縄の焼き物「やちむん」は、ぽってりとした厚みと素朴な風合いが人気で、実用的。沖縄料理はもちろん、和洋中盛り付ける料理を選びません。そこで沖縄を訪れた際におすすめの窯元を6つご紹介します。伝統的な器を作り続けている工房や、新しい作風に挑戦する作家たちの個性豊かな器です。料理好き、器好きの方は、ぜひ自分用の沖縄土産に、やちむんを購入されてみてはいかがでしょうか?
1陶器工房壹(いち)
琉球王朝時代の「造形美」を追求した焼き物
「沖縄の自然や歴史、そこに暮らす人たちの生活などをひとつの作品の中にできるだけ取り込んで、伝えていけたら」と話す、京都生まれの陶芸家が営む窯元。琉球王朝時代に作られた「品格ある造形美」や、学生時代に博物館で見て衝撃を受けたという「卵の殻のような白」を意識して日々作陶しています。
400年ほど前に作られていたという壺屋焼よりも歴史のある、湧田焼(わくたやき)を現代のデザインにアレンジした「mintama(沖縄方言で目ん玉)」シリーズは沖縄で映える原色を使用。白化粧にコバルト絵付けが映える染付は、シンプルで端正な佇まいです。盛り付ける料理のことも考えながら作り上げる器は「もちろん自分でも使っています」と陶工。シンプルだけどインパクトの強い器は、生命力も感じられます。作品は工房2階のギャラリーで購入することができます。
【取扱店】工房2階ギャラリー、琉球民芸センター
- 陶器工房壹(いち)
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- https://toukikoubou1.com
- 沖縄県中頭郡読谷村長浜925-2 MAP
- 那覇空港から車で約65分(有料道路利用)
- 9:00~18:00
- 日曜不定休
- 098-958-1612
- あり
2井口工房
チャンプルーもパスタも。幅広い料理に使えるシンプルな万能器
読谷村の住宅街に工房を構える窯元。色鮮やかなコバルトブルーの釉薬を使った器は、バラエティ豊かなアイテムが揃います。やちむんというとぽってり厚みのあるものをイメージされる方が多いと思いますが、井口工房の器はシンプルで繊細。お皿やマカイ(お椀・どんぶり)、鉢などを手に持ってみると驚くほど軽く、食卓への出番の多い器であることがうかがえます。
「暮らしに溶け込む器が日々の料理を引き立て、毎日に活力を与えてくれますように…」作家はそんな想いを込めて製作しています。白や黒、ベージュ系の無地の器や、コバルトブルーの釉薬を使った柄の器は「盛り付ける料理を引き立ててくれる」と人気。毎週土曜日の13時~17時は工房売店で購入することができるので、ぜひ足を運んでみてください。
【取扱店】D&DEPARTMENT OKINAWAほか
- 井口工房
-
- https://iguchikoubou.com
- 沖縄県中頭郡読谷村字古堅93-372 MAP
- 那覇空港から車で約70分(有料道路利用)
- 098-989-5391
- あり
3nagaremo(ナガレモ)
雑貨のように日常使いすることができるシンプルな器
2019年にはじめた窯元。海にひょうひょうと漂う「流れ藻」が工房名の由来です。「盛り付ける料理が映えるように」とシンプルな仕上がりを心がけているそうです。
オリジナルの釉薬は1年かけて作ることもあるといい、独特で落ち着いたブルーは印象に残ります。イッチンという伝統技法で描きあげた白いカップは、女性らしい柔らかなイメージ。ぽってりとして手に馴染むナッツシリーズのスープカップは、汁物以外にも、サラダや煮物を盛り付けると、いつもとはちょっと違った食卓が演出できるかもしれません。
【取扱店】mano、藤井衣料店ほか
- nagaremo(ナガレモ)
-
- http://nagaremo.main.jp
- 工房では販売していません。販売店によって価格は異なります。
4北窯
沖縄を代表するやちむん作家4名による共同窯
器好きの方にはぜひ訪れてほしい、19の工房が集まる「やちむんの里」。その一番奥に位置する窯元で、1992年に4人の陶芸家が立ち上げました。力強い作風と美しい存在感が魅力の器を手がける者、ペルシャンブルーの釉薬を使い、沖縄やアジア、アフリカもモチーフにしたエキゾチックな作品を生み出す者、伝統を守りながら新しい技法や模様を取り入れ現代の暮らしに合う焼き物を作る者、そして力強いものから繊細なものまで作品の振り幅が広い者。同じ敷地内にそれぞれの工房を構え、異なる個性が光るやちむんを生み出しています。
年に4回ほど、13連房の大窯で焼かれる4人の作品は、北窯売店で購入することができます。
【取扱店】北窯売店
- 北窯(売店)
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- 沖縄県中頭郡読谷村座喜味2653-1 MAP
- 那覇空港から車で約65分(有料道路利用)
- 9:30〜13:00、14:00〜17:30
- 月曜(要電話確認)
- 098-958-6488
- あり
5eibou
やちむん×琉球ガラス。変化が楽しめる個性的な器
「他の人とかぶりたくない」という方におすすめしたい窯元。こちらの作家が手がけるのは、やちむんには珍しいパステルカラーを使ったカップ&ソーサーや器、四角皿の中央に琉球ガラスを敷いた「琉球ガラス溜まり四角皿」など個性的なものばかり。琉球ガラスを用いた器は光の入り方によって輝き方や色みが異なって見え、幻想的です。
琉球ガラスは釉薬との相性が難しいそうで、量を微調整しながら丁寧に仕上げています。「日常使いしていただく中で、少しでも楽しくなるように」と作家。お客様からの声を作品に取り入れながら、使い手に寄り添うモノづくりを心がけています。
【取扱店】まらなた、ゆんたん、ホテル日航アリビラほか
- eibou
-
- https://instagram.com/mijyu.1124
- 沖縄県中頭郡読谷村座喜味
- 080-6486-6571
- 工房での販売はしていません。販売店によって価格は異なります。
6工房双子堂
双子姉妹が手がける、食卓がパッと明るくなるビタミンカラーの器
大阪出身の双子姉妹が営む窯元。思わず歓声をあげてしまうほどカラフルで、かわいらしい器はインパクト大です。暮らしの中で出会う「色とりどりの沖縄の自然」や「南国の花鳥風月」を作品に取り入れ、「沖縄の鮮やかな色彩とコントラストに負けないやちむん」を目指して日々作陶しています。
姉が成形を、妹は絵付けを担当。使うたびに気分が明るくなりそうな器やマグカップ、フリーカップは料理を盛り付けるだけでなく、アクセサリートレイとして使ったり、インテリアとして飾ったりするのも素敵です。おうち時間を彩る目にも楽しいやちむんは、色違い・デザイン違いで揃えたいものです。
【取扱店】mofgmona no zakka(モフモナノザッカ)ほか
- 工房双子堂
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- https://www.instagram.com/futagodou/
- 沖縄県中頭郡大湾662 MAP
- 090-5976-6557
- 工房では販売していません。販売店によって価格は異なります。
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