【2024年版】沖縄の夏を代表する「沖縄全島エイサーまつり」の見どころ&楽しみ方
写真:沖縄全島エイサーまつり実行委員会
沖縄市コザで開催される「沖縄全島エイサーまつり」は、沖縄の夏の風物詩であり県内最大級のイベント。その歴史は古く、2024年で69回目を迎えます。地元の沖縄市はもちろん、沖縄県内各地からエイサー団体が集まるため、様々なスタイルのエイサーを楽しめるのが魅力です。スケジュールや会場へのアクセス、見どころ、楽しみ方などを紹介します。
「沖縄全島エイサーまつり」は、どんな祭り?
「エイサー」とは沖縄の盆踊りで、旧盆の夜に踊られる伝統芸能。三線の軽やかな音色と抒情的な歌に合わせて、男性の踊り手が太鼓を打ち鳴らしながら勇壮に舞い、女性の踊り手は膝丈の絣(かすり)の着物姿で、優美な踊りを披露します。起源については諸説あり、400年以上前に浄土宗の僧侶、袋中上人(たいちゅうしょうにん)によって伝えられたという説も。沖縄県内各地では古くから、旧盆の最終日に先祖をあの世に送り出す大切な儀式として、エイサーを踊りながら集落内を練り歩く風習が代々受け継がれてきました。
沖縄全島エイサーまつりは1956年(昭和31年)、コザ市(現沖縄市コザ)で「全島エイサーコンクール」としてスタート。コンクール優勝を目ざして、各青年会が技や衣装に工夫を凝らすようになり、女性の手踊りも加わるようになりました。現在はコンクールではなく、沖縄本島各地から選抜されたエイサー団体が伝統の演舞、あるいは趣向を凝らした演舞を披露する祭りとして人気を集めています。毎年、旧盆明けの最初の週末に、沖縄市コザ運動公園陸上競技場で開催されており、3日間で30万人以上の人が訪れます。
2024年の開催日程や観覧エリアは?
2024年の開催日程は、8月23日(金)から25日(日)の3日間です。例年、沖縄市内や沖縄県内のエイサー団体が出演していますが、2024年は沖縄市誕生50周年にあたるため、沖縄市の兄弟・姉妹都市からもエイサー団体がゲストとして招聘(しょうへい)されることになりました。23日は愛知県東海市、24日は山形県米沢市、25日は大阪府豊中市のエイサー団体が出演します。
初日の夜はゲート通り(県道20号線)をエイサー団体が練り歩く 「道じゅねー」が開催され、ゲート通り沿いに設けられる固定演舞会場も含めて18団体が参加します。道を踊りながら練り歩くという本来のエイサーの姿に近く、また演舞や演奏、表情を至近距離で見られるのも魅力。沿道、固定演舞会場とも見学は無料です。
24日は、会場を沖縄市コザ運動公園陸上競技場に移し、沖縄市の青年会がエイサーを披露する「沖縄市青年まつり」が開催されます。最終日の25日は沖縄県内各地の団体が勢ぞろいし、息の合った華麗な演舞を披露します。24・25日は演舞場周りの芝生エリアは入場無料ですが、会場全体を見渡せるメインスタンドには有料指定席も用意されています。
〈2024年「第69回沖縄全島エイサーまつり」イベントスケジュール〉
23日(金) | 18:30~21:00 | 「道じゅねー」 | ゲート通り(県道20号線) |
24日(土) | 15:00~21:00 | 「沖縄市青年まつり」 | 沖縄市コザ運動公園陸上競技場 |
25日(日) | 14:30~21:00 | 「本祭」 | 沖縄市コザ運動公園陸上競技場 |
〈チケット料金〉
SS席(全席指定) | 前売り券4,000円 | 当日券4,500円 |
S席(全席指定) | 前売り券3,300円 | 当日券3,800円 |
A席(全席指定) | 前売り券2,000円 | 当日券2,500円 |
B席(スタンド両翼席・全席自由) | 前売り券なし | 当日券1,500円 |
*子ども料金なし。ただし小学生未満で、保護者の膝上での観覧は無料
〈チケット販売先〉
沖縄市観光物産振興協会(コザ・ミュージックタウン1階)
沖縄市コザ運動公園陸上競技場
ファミリーマート eプラス(イープラス)
〈チケットに関する問合せ先〉
TEL:098-989-5566(沖縄市観光物産振興協会)
様々な演者で構成されるエイサーの豆知識
エイサーは男女数十人が隊列を組み、三線を弾きながら沖縄民謡を歌う「地方(じかた)」や「地揺(じーうてー)」、そして「大太鼓(うふでーく)」を中心に、踊り手たちが周りで踊るのが一般的な形です。
大太鼓は太鼓を抱えながらダイナミックな演技をしつつ、全体の音頭を取る重要な役割を担っています。太鼓にはその他、大太鼓より小ぶりな「締太鼓(しめでーく)」や、片面だけに革が張られた手持ちの太鼓「パーランクー」もあり、それぞれ音の高さが異なります。締太鼓は、太鼓が軽く動きやすい分、全身を大きく動かすアクロバティックな動きも見られ、演舞の華とも称されます。パーランクーは締太鼓よりも軽量であるため、子ども会のエイサーでよく使われていますが、旧与那城町、旧勝連町(いずれも現うるま市)などには、パーランクーを主体としたエイサーが伝わっています。
踊り手は力強い踊りを披露する男手踊りを「イキガモーイ」、しなやかに踊る女手踊りを「イナグモーイ」といいます。他に、高さ3~4mの旗を持って舞い踊る「旗頭(はたがしら)」や、顔を白塗りにして滑稽な踊りで観客を盛り上げる「さなじゃー」、「ちょんだらー」などで構成されています。
祭りの見どころや楽しみ方は?
エイサーの楽しみ方はたくさんありますが、何といっても見どころは大太鼓、締太鼓、パーランクーのリズミカルで迫力ある音の重なりの中、演者たちが魅せる華麗なバチ捌きと、歌や音楽に合わせた一糸乱れぬダイナミックな踊り。その圧倒的なパフォーマンスは、見ているだけで気分が高揚してきます。
基本的な団体構成は決まっていますが、近年は様々なフォーメーションが組まれており、団体によって、伝統を大切にしたり、新たな魅せ方を追求したりなど個性もいろいろ。楽曲も沖縄民謡だけでなく沖縄の曲やポップスを使用する団体もあり、それらの違いも楽しめます。
また旗頭が掲げる旗や、演者の衣裳も団体によってデザインが異なり、見ていて飽きることがありません。
24・25日には、本会場に隣接するサブグラウンドで「オリオンビアフェスト」が開催されるので、お酒好きの方はビール片手にエイサーを見学するのもおすすめです。
〈オリオンビアフェスト2024 in コザ〉
8月24・25日 15時30分~21時
沖縄市コザ運動公園サブグラウンド
フィナーレは「カチャーシー」と花火大会
最終日はすべての団体の演舞終了後、「カチャーシー」が始まります。カチャーシーとは沖縄の言葉で「かきまぜる」という意味があり、沖縄の祝いの席や宴席の最後に踊られる即興の踊りのこと。アップテンポの三線の音色に合わせて、あらゆる世代の人たちが両腕を高く上げ、しなやかに左右に振って楽しみます。本祭の演舞場であるグラウンドには各エイサー団体の演者たちはもちろん、観客たちも加わってまさに混然一体に。楽しく踊った後は、レーザー光線と仕掛け花火を駆使したレーザーショー、そして打ち上げ花火が始まり、3日間の祭りがフィナーレを迎えます。
会場への移動は時間の余裕をもって
沖縄県内で最大規模を誇るエイサーイベントだけに、祭り期間中は交通渋滞が予想されるだけでなく、会場周辺では交通規制も実施されます。会場には有料駐車場(前売り販売のみ)が設けられますが、台数が限られるため、レンタカーなど車で移動する場合は、沖縄市内に設置される臨時駐車場や無料シャトルバスなどを利用しましょう。公共交通機関の場合は路線バスを利用し、時間に余裕をもって会場へ向かいましょう。
〈祭り期間の交通規制〉
8月23日 17時~22時予定
ゲート通り、中の町なか通り
8月24・25日 20時30分~22時予定
国道330号と沖縄市コザ運動公園陸上競技場を結ぶグラウンド通り
8月24・25日は、沖縄市役所、沖縄市農民研修センター、泡瀬漁港の3か所に臨時駐車場が設けられ、13時30分から23時まで利用できます。
また、無料シャトルバスは
①沖縄市役所前
②沖縄市立図書館前
③沖縄市農民研修センター
④泡瀬漁港
⑤イオンモール沖縄ライカム
の5ヵ所から、20分に1本程度の間隔で運行します。
運行時間は各発着所から会場へは、13時30分~20時、
会場から各発着所へは14時~22時30分です。
〈路線バス〉
那覇からバスで向かう場合は、旭橋・那覇バスターミナルから琉球バス「国場(沖縄市向け)行き」で約40分、沖縄南インター下車、徒歩8分。
1沖縄全島エイサーまつり
- 沖縄全島エイサーまつり
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- https://www.zentoeisa.com/
- ゲート通り(県道20号線)(初日「みちじゅねー」)
沖縄市コザ運動公園陸上競技場(2日目「沖縄市青年まつり」、3日目「本祭」) - 2024年8月23日(金)~25日(日)※雨天決行
ただし台風や荒天の場合、時間や日程に変更が生じる場合あり - 098-937-3986(沖縄全島エイサーまつり実行委員会事務局)