第19回目は、刑務所の内と外をつなぐアートプロジェクトを進める、Prison Arts Connections共同代表理事の風間勇助さんです。
「監獄とアート」をテーマとする奈良監獄ミュージアムのC棟に、刑務所にいる人々が手掛けたアート作品を展示する部屋と、刑務所にいる作者に向けて来場者がメッセージを書く部屋を設けました。メッセージを書く部屋では、作品に対するコメントや、監獄ミュージアムへの感想などを来場者が綴り、それを後日私たちが刑務所に届けようと考えています。目的は、刑務所の内と外との交流をつくり出すことです。Prison Arts Connectionsは、これまで「刑務所アート展」を3回開催し、作品に対する来場者の感想を刑務所にいる作者に届けてきました。実感するのは、刑務所にいる人々も私たちと同じ人間で、同じ社会で既に共に生きているという当たり前の事実です。表現と向き合うと、そこには一人ひとり異なる人生があること、「受刑者」以外の様々な姿があることが伝わります。アートは、壁で閉ざされた環境から自らを再び社会へとひらくきっかけになります。その表現に応答するみなさんのメッセージが、暴力の連鎖ではない回復と向き合う社会につながっていくことを願っています。No one is free until we are all free!

風間勇助さんは、こうした活動に関わるようになった経緯を次のように語る。「かつて獄中作家でも知られた死刑囚の永山則夫の直筆ノートを目にして、大きな衝撃を受けました。大学では、アートが社会と共創していくための方法を学び、その根底には、芸術は万人のものであるという考えがあります。永山のノートとの出会いをきっかけに、見えない壁の向こうにいる人々と一緒に、アートに何かできることはないか、と考えたことが始まりです」東京藝術大学でアートマネジメントを学んだ風間さんは、現在、奈良県立大学地域創造学部講師を務める。「奈良で講師を務めるようになったのは、奈良監獄とは関係なく、まったくの偶然ですが、これも何かのご縁だと思っています」と風間さん。
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