#環境建築
エアコンなしで
心地よく過ごせる理由
高原の避暑地、軽井沢。窓を開ければ涼しい風が吹き込んできます。夏場であってもエアコンなしで過ごせる理由は、実はこの気候によるものだけではありません。「星のや軽井沢」では、客室の屋根に設けられた「風楼(ふうろう)」と呼ばれる小屋根が冷涼な空気の循環を促しています。温まった空気を風楼から排出し、涼しい風を取り入れることで空調設備を使用しなくとも客室内を快適に維持できる、自然を活かした省エネにつながるエコな建築設計です。
星野リゾートにとって、自然との共生保全は1914年に星野温泉旅館が創業した時代から向き合ってきた重要なテーマのひとつ。1929年当時には、日本で初めての小型の直水力発電所の導入もされていました。このようにエネルギー消費を抑え、環境に配慮することは、持続的な事業を営む上で代々受け継がれてきた大切な考えのひとつです。
1991年に現代表・星野佳路が経営を引き継いだ時点で導入されていた水力発電機に加え、代々受け継がれてきた環境への思いを受け継ぐという意味でも、化石燃料から自然エネルギーへの切り替えには大きな意義があると考え、地中熱と温泉排湯熱を活用する設備を導入しました。2005年に「星のや軽井沢」では、自分たちの使うエネルギーは自分たちで生み出す「EIMY(Energy in My Yard)」のコンセプトの下、使用するエネルギーの約7割を環境に負荷を与えずに生産する仕組みが実現したのです。