星野リゾート生誕の地で110周年を記念したSDGsツア ー「めぐみ巡るほしの」を開催しました

星野リゾート創業の地、軽井沢星野エリアは2024年に110周年を迎えました。110周年を記念し、SDGsツアー「めぐみ巡るほしの」を6月に初めて開催しました。このツアーでは、約1時間かけてエリア内を巡りながら、この場所の歴史やサステナブルな取り組みを星野リゾートのスタッフがご案内いたします。これまで一般公開してこなかった星のや軽井沢と水力発電所に立ち入ることができます。

#00

星野リゾート創業の地で培われた思想や文化

歴代の経営者は自然豊かな軽井沢で「自然との共生」をテーマにリゾート運営を行ってきました。星野エリア内にある滞在型リゾート「星のや軽井沢」は、前身である「星野温泉旅館」の開業当初から水力発電を活用しています。さらに自然環境と観光の両立を図り、野鳥研究室(現在のピッキオ)を設立するなど、自然との共生につながる活動を行ってきました。 この110周年の節目にあたり、これまで積み重ねてきた活動を、より多くの方に知っていただく一つの機会になればという想いで、このツアーを企画しました。

#01

110年続く、自然と共生するリゾートの姿に触れる

星野エリアでは、創業当初の1917年に木製水車で自家用発電を開始しました。1929年には本格的なタービンを導入し、自家用小水力発電所を誕生させました。発電機を入れ替えながら、現在も稼働を続けています。水力発電の原動力になっているのが、星のや軽井沢の中央を流れる川です。その周辺を歩きながら、星野エリアの歴史や星のや軽井沢の景観の話を交えて、星野リゾートのスタッフがご案内いたします。 星野エリアでは、SDGsという言葉が生まれる前から環境経営に取り組んできました。運営によって生じる廃棄物の焼却埋め立てごみが限りなくゼロに近づくよう、施設から出るごみを28種類に分別しています。中でも生ごみは近隣の牧場と提携し堆肥化しています。その活動によりできた堆肥で育った米を原材料にした日本酒をお土産としてお渡ししました。

#02

実際にご利用いただいたお客様の声

初開催のツアーは各回満員御礼で、総勢80名の方にご参加いただきました。ツアー後にお寄せいただいたアンケートから、リアルなお客様の感想をご紹介します。(一部要約、意訳させていただいております) 「普段立ち寄ることの出来ないところに行けたり、歴史を学ぶことができた」(20代・女性) 「星野リゾートの自然との調和を理解できる、普段行けない場所を散策できる」(50代・男性) 普段は入ることができない水力発電所や星のや軽井沢に立ち入ることに価値を感じていただける方が大勢いらっしゃいました。 また、SDGsの認知による環境経営への関心の高まりからご参加いただいたお客様も多くいらっしったようです。 「循環型社会を学校で学び、どのようなものがあるか気になり、環境経営を目で見て体験できる場所であったため、薦めたいと思う」(20代・男性) 「星野リゾートさんのSDGsの取り組みがここまでとは思わず、広まって欲しいと思いました」(50代・女性) 「自然との様々な共存の仕方を考えるのは良い事だと思うから」(40代・女性) 最後にツアー全体の感想に関するコメントもご紹介します。 「普段の事業を通して身近で実践されていることを説明されているので、子供から大人まで、知識や好奇心の大小を問わず大勢の方が楽しめる企画であるように感じました。水力発電の設備維持には水路保守等に責任と使命感をもって取り組む人たちにに支えられていること、台風などの大雨時には、特に現場の異常に気を使っている自然エネルギー利用の縁の下の存在があることを知ることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました」(60代・男性)

#03

ご好評につき、秋も開催が決定!

秋のツアーでは、100年続く水力発電所と星のや軽井沢を巡るコースに加えて、江戸時代から続く水路を辿るトレッキングコースを2日間限定で開催することにしました。 水力発電のエネルギー源となる水は、星野エリアの上流約1.3km、白糸の滝を水源とする湯川から取水しています。水路は途中で、星のや軽井沢の敷地へと流れ込むものと、御影用水へと繋がっていくものとに分岐します。御影用水は、今から350年以上前の江戸時代初期に、小諸の柏木小右衛門の発案によって開削された歴史のある用水路です。その用水路の一部を星野リゾートのスタッフが管理しています。水路を守るために行っている保守作業の様子の話を交え、水路脇を歩きながら案内します。

また、秋のツアーでは、「星野温泉 トンボの湯」の湯のりんご湯でりんごを仕入れている地元農家さんのりんごジュースを提供します。トンボの湯では、傷がついて出荷には向かない規格外のりんごを使用した「りんご湯」を例年秋に開催しています。りんごは地元農家の野元果樹園から仕入れています。信州の秋の恵みであるりんごを使用した100%果汁のりんごジュースを提供しています。皮ごとまるごと絞ったりんごジュースは濃くて甘みを感じられます。

【開催概要】

100年続く水力発電所と星のや軽井沢を巡るコース

日程
9月20日~10月26日の金・土曜日
時間
14:00~ *所要時間は60分前後
料金
大人 1,500円、中・高校生 1,000円 (税込み)
定員
10名
内容
ツアー参加費、りんごジュース

江戸時代から続く水路を辿るトレッキングコース

日程
9月28日(土)、10月26日(土) 
時間
11:00~ *所要時間は60分前後
料金
大人 2,000円、中・高校生 1,400円 (税込み)
定員
9名
内容
ツアー参加費、りんごジュース
SDGsツアー「めぐみ巡るほしの」秋

#04

column 信州大学農学部 准教授 内川先生からのコメント

~地域の農業や宿泊施設の脱炭素を支えるサステナブルな仕組み~

「星のや軽井沢」の小水力発電は、白糸の滝を水源とする一級河川湯川から取水した水と、同じく農業 用に取水した千ヶ滝湯川用水の水を用いて稼働しています。民間企業が自家水力発電する例はありますが、当地の希少性は、結果的に地域に貢献する形で取水施設の管理を星野リゾートのスタッフが担っている点にあります。 この農業用水は1650年代に開削された歴史があり、軽井沢町を含む下流域約500haの水田を潤しています。取水施設では、天候状況に応じて取水を止めたり、水路の流れを妨げる土砂や倒木を取り除いたりするなど管理がとても重要です。 今後、ますます農業従事者の高齢化でこれらの維持管理が難しくなることが予想されますが、本事例はそれを解決する素晴らしいモデルケースの一つになると考えます。 今から370年以上前の江戸時代に造られた水路を現代も活用し、未来に向けて新たな利用形態を模索し ているこれに関わる人々の姿を見ると、自然と共生する姿勢が連綿と息づいていると感じます。

右:信州大学農学部 准教授 内川先生 左:星野リゾート ファシリティマネジメント 阿部

信州大学農学部 准教授 内川 義行 信州大学農学部所属。専門分野は農業土木学・農 村計画学。農山村の新たな土地利用や棚田の整備 と保全技術などの調査・研究に従事している。2020年4月より現職。

施設のご紹介
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軽井沢星野エリア

星野エリア|公式|清流に寄り添うように自生していた100 本超のハルニレ(春楡)の木立を、ウッドデッキでつないだ小さな街を中心としたエリア。歴史ある教会、温泉、ホテル、自然ガイド、スケートリンクなど。

#脱炭素
地球規模での温室効果ガスの削減が求められるいま。脱炭素は地球規模で取り組むべき大きな課題となっています。連泊は移動時の二酸化炭素排出を抑える効果的な手段ですが、さまざまな手法で環境負荷の軽減に向かって試行錯誤を行っています。星野リゾートは、お客様の満足度を高めながら、環境負荷を抑える活動、発信を積極的に推進していきます。