使用済みペーパータオルがよみがえる。水平リサイクルが可能に

星野リゾートは、王子ホールディングスが確立した「ペーパータオルの循環型リサイクルシステム」を活用し、2025年6月より「使用済みペーパータオルを新たなペーパータオルに再生する水平リサイクル」を開始しました。この取り組みは、当循環型リサイクルシステムを導入した初めての事例となります。これにより、資源を効率よく活かしながら、環境への負担もさらに軽減できるようになりました。

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水平リサイクルとは?

「水平リサイクル」とは、使用済みの製品を別の用途に変えるのではなく、再び同じ製品として生まれ変わらせるリサイクル手法のこと。例えば、紙コップからペーパータオルへの再生は「異種リサイクル」ですが、ペーパータオルからペーパータオルへと元の製品に戻すのが「水平リサイクル」です。この方法は、資源の質を保ちながら廃棄物やCO2排出の削減にもつながるとして注目されています。

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ペーパータオルが抱える環境課題

1990年代から、廃棄物ゼロを目指す「ゼロエミッション」*に取り組んできた星野リゾート。2024年からは王子ホールディングスと共同で、「星野温泉 トンボの湯」の使用済みの紙コップを回収し、nepia製ペーパータオルへ再生する取り組みを推進してきました。一方で、使用済みペーパータオルの「水平リサイクル」には課題がありました。水を吸っても破れないよう強度を持たせたペーパータオルは水に溶けにくく、さらに使用後の汚れや臭いの影響で再資源化は難しいというのが一般的な認識でした。そのため、星野リゾートでも、使用済みハンドペーパーの多くは焼却処理され、その際に発生する熱を有効活用する「サーマルリサイクル」によって処理してきました。

※ごみの資源化 100%を目指す「ゼロエミッション」

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王子ホールディングスの独自技術で、水平リサイクルが可能に

そこで、王子ホールディングスは、独自の技術によりペーパータオルの溶解性を向上させ、効率よく紙の繊維を回収・再生する方法を開発。これにより、使用済みのペーパータオルを再びnepia製ペーパータオルに生まれ変わらせる「ペーパータオル to ペーパータオル」の水平リサイクルが実現しました。

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星野リゾート4施設で当システムを導入、本格始動へ

星のや軽井沢

軽井沢ホテルブレストンコート

軽井沢星野エリア 村民食堂

リゾナーレ八ヶ岳

星のや軽井沢

軽井沢ホテルブレストンコート

軽井沢星野エリア 村民食堂

リゾナーレ八ヶ岳

現在、星野リゾートでは「星のや軽井沢」「軽井沢ホテルブレストンコート」「軽井沢星野エリア 村民食堂」「リゾナーレ八ヶ岳」の4施設で、スタッフ用の手洗い場などに専用の回収ボックスを設置。ペーパータオルの回収と再生に取り組んでいます。 また、回収には、日用品を納品しているツチハシ社の既存の物流網を活用。新たな輸送の手間やコストをかけずにCO2排出の抑制にも配慮しています。 2025年1月〜2月にかけては、4施設から合計58.3kgの使用済みペーパータオルを回収。これは年間換算にすると約700kgに相当し、nepia製ペーパータオル約2,900パック分(1パック200枚入り)の再生が可能ということになります。 2025年6月には再生されたペーパータオルが各施設に納品され、本格的なリサイクルがすでに始まっています。

従来の紙コップのリサイクルに加え、「ペーパータオル to ペーパータオル」という完全循環型リサイクルシステムを実現。星野リゾートはこれからも、資源の有効活用を推進し、環境負荷の軽減に向けた取り組みを続けていきます。

施設のご紹介
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星のや軽井沢
長野県軽井沢町星野

「谷の集落に滞在する」をコンセプトとする滞在型リゾート。日本の原風景を現代に昇華させた敷地内を散策し、浅間山から湧出する源泉かけ流しの温泉を浴す。意のままに食事処を選び、自然を存分に感じる客室で寛ぐ。豊かな森に囲まれた谷の集落の滞在を提供します。

#脱炭素
地球規模での温室効果ガスの削減が求められるいま。脱炭素は地球規模で取り組むべき大きな課題となっています。連泊は移動時の二酸化炭素排出を抑える効果的な手段ですが、さまざまな手法で環境負荷の軽減に向かって試行錯誤を行っています。星野リゾートは、お客様の満足度を高めながら、環境負荷を抑える活動、発信を積極的に推進していきます。