雨の日でも楽しめる、金沢のおすすめスポット8選
「弁当忘れても傘忘れるな」という言葉があるほど、天気が変わりやすい金沢。急な雨に降られたら、室内でゆっくり過ごせるスポットへ。金沢ならではの体験が楽しめる他、しっとりとした庭園やアート鑑賞など、雨だからこそ見られる景色も待っています。
<金沢のおすすめ雨の日観光スポット>
1金沢21世紀美術館
雨の日こそ満喫できる現代アートを鑑賞
あえて正面玄関を設けない円形の美術館は、どこからでも入りやすい広場のような存在。建物を囲む芝生のエリアなど、無料で楽しめる交流ゾーンと有料の展覧会ゾーンで構成されています。コンクリートの壁面に巨大な黒い楕円形が見える「L’Origine du monde」は、展示空間そのものが作品。目を凝らせば凝らすほど、黒い円が浮かび上がったりくぼんで見えたり、あるときは迫ってくるようにも見え、ものと自分の関わりや存在を深く考えさせてくれます。
晴れの日とはまったく異なる光景に出合う
ガラスの廊下をまたぐようにつくられた「緑の橋」は、金沢の気候に適した約100種類の植物が絶妙なバランスで配置され、雨の日にはしっとりとした佇まいを見せてくれます。
ジェームズ・タレルの「ブルー・プラネット・スカイ」では、切り取られた天井から雨粒が落ち、タイルを濡らす水しぶきや波紋がその時だけのアートを創り出しています。屋外に展示されたオラファー・エリアソンの「カラー・アクティヴィティ・ハウス」は、シアン・マゼンタ・イエローのガラス壁が織りなす渦巻き状のパビリオン。雨に濡れた3色のガラスの美しさはまた格別です。
- 金沢21世紀美術館
-
- https://www.kanazawa21.jp/
- 石川県金沢市広坂1-2-1 MAP
- JR金沢駅から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「右・左回りルート乗車約20分、「広坂・21世紀美術館」下車徒歩すぐ
- 展覧会ゾーン10:00~18:00、金・土曜日は~20:00
交流ゾーン9:00~22:00 - 月曜日(祝日の場合は翌平日休み)、2019年12月20日~2020年2月3日は改修工事のため全館休館
- 展覧会ゾーン有料(展覧会により異なる)、交流ゾーン無料
- 076-220-2800
- 有料(30分無料)
2石川県立美術館
力強い色彩の古九谷(こくたに)をゆっくり鑑賞
古くから美術工芸が盛んな石川県の名品を数多く展示する美術館。特に充実しているのは、加賀藩時代の美術工芸品です。1650年〜1700年頃に作られた古九谷や、1800年代の再興九谷などは、風景や花鳥が描かれたものが多く色彩も豊か。華麗な絵画のような作品を見ることができます。国宝に指定されている江戸時代初期の陶工・野々村仁清作「色絵雉香炉」をはじめ、加賀藩前田家伝来の文化財も必見です。
併設のカフェで庭を眺めてひと休み
館内には石川県七尾市出身の有名パティシエがプロデュースしたカフェ「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」があります。天井までの大きな窓が開放的で、雨の日の庭の景色もまた素敵です。大納言小豆と白ゴマのムース、マンゴーのジュレを抹茶のムースで包んだ「和茶」など、季節で変わるケーキは約25種類。加賀棒茶にレモンの爽やかな香りをブレンドしたお茶「リベルテ」とともにどうぞ。この他、モダンな個室で本玉露と皿盛りデザートをいただくコース「コンセプトG」(要予約)も用意。アート鑑賞の後にぜひ立ち寄りたいスポットです。
- 石川県立美術館
-
- http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/
- 石川県金沢市出羽町2-1 MAP
- JR金沢駅東口から北鉄バス兼六園シャトル乗車約16分、「県立美術館・成巽閣前」下車徒歩約2分
- 9:30~18:00(17:30最終入館)、ル ミュゼ ドゥ アッシュ10:00〜19:00 (L.O.18:00)
- 無休(展示替え期間と年末年始は休み) ※ル ミュゼ ドゥ アッシュは営業
- 360円、大学生290円、高校生以下無料
- 076-231-7580
- 無料
3atelier & gallery creava(クリーヴァ)
モダンな九谷焼の器やアクセサリー作りを体験
武家屋敷通りのある長町に佇む複合アート施設。ギャラリー、ショップ&カフェ、陶芸教室の3つのスペースがあります。陶芸教室では九谷五彩や赤絵金彩の絵付けが、平日なら予約なしでも体験できます。週末にはろくろを使った器作り体験(要予約)も。もっと気軽にアートを楽しみたいときは、九谷焼アクセサリー作りがおすすめです。九谷焼の絵具と素地を生かした多彩なパーツから好きなものを選ぶと、リングやピアス、カフスなどに仕上げてもらえます。30分ほどで完成するので、その間はギャラリーやショップを巡りましょう。
蔵を再利用したギャラリーも見どころ
鉄筋の建物の中に築100年以上の蔵がすっぽり入ったユニークな造り。蔵の中はアートギャラリーになっていて、空間に調和し、暮らしにもなじむ工芸品や美術品の展覧会を開催しています。企画展のテーマは「おわん」や「漆とアロマオイル」など毎月変わり、石川県に縁のある工芸作家の作品を展示・販売しています。ショップでは、器やカトラリー、ポーチ、アクセサリーなど、若手作家の作品を購入できます。
- atelier & gallery creava(クリーヴァ)
-
- http://creava-kanazawa.jp/
- 石川県金沢市長町2-6-51 MAP
- JR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「左ルート」乗車約9分、「香林坊」下車徒歩約7分
- 10:00~17:00
- 水曜日(陶芸教室は水・木曜日)
- 076-231-4756
- 無料(3台)
4成巽閣(せいそんかく)
華麗な書院造りの建物
成巽閣は江戸時代末期、前田家十三代藩主・斉泰(なりやす)が、母のために兼六園に造営した奥方御殿です。2階建ての寄棟(よせむね)造りの建物で、御対面所「謁見の間」や、ヒノキの一枚板に花鳥を透かし彫りにした欄間、腰板に施されたカラフルな鳥のガラス絵が見られる「松の間」など、京出身の母への心遣いに満ちた優美な意匠がちりばめられています。柱のない長さ20mの縁側から望む庭の景色も見事で、雨の日にはしっとりとした美しさをたたえています。
天井と壁、色彩に趣向を凝らした部屋も
格式高い階下に対して、階上は7室からなる白木の数寄屋風書院造り。部屋ごとに異なる趣向を凝らした意匠が見られ、とりわけ目を引くのが「群青の間」と「群青書見の間」です。折上天井は目地に群青(ウルトラマリンブルー)が施され、江戸時代にこの鮮やかな色が使われていたことに驚きます。床の間や壁の色彩もなんとも華やか。障子の中央にはオランダ渡来のギヤマンがはめ込まれ、障子を開けなくても外が眺められるよう工夫されています。
- 成巽閣
-
- http://www.seisonkaku.com/
- 石川県金沢市兼六町1-2(兼六園内) MAP
- JR金沢駅東口から北鉄バス兼六園シャトル乗車約16分、「県立美術館・成巽閣」下車徒歩約1分
- 9:00~17:00(16:30最終入館)
- 水曜日(祝日の場合は翌日休み)、年末年始(12/29〜1/2)
- 企画展700円、中・高校生300円、小学生250円。特別展1,000円、中・高校生400円、小学生300円
- 076-221-0580
- 無料
5近江町市場
約180軒の店がひしめく金沢の台所
「近江町市場」は、約300年もの間、金沢の台所として親しまれてきた伝統ある市場。アーケードになっているので、雨の日の買い物も快適です。鮮魚店や青果店、精肉店、食料品店、菓子店など約180軒もの店が集まり、地元のお客様と観光客でいつもにぎわっています。特に鮮魚店では、9月〜6月に店頭に並ぶ、甘エビより甘いといわれるガス海老や、11月初旬〜12月末のみ漁が解禁になる貴重な香箱(こうばこ)ガニなど、北陸ならではの海鮮物が目を引きます。お店の人と会話しながら、おいしい食べ方などを聞くのも楽しいものです。
その場で楽しめる市場グルメを満喫
店頭に並ぶ商品をその場で味わえるのも、市場ならではの楽しみです。鮮魚店では生ウニやカキ、焼きたてのイカやエビなどを、フルーツ店ではカットフルーツやフレッシュジュースを手軽に満喫できます。魚介が入ったコロッケや、豆腐店が作るおからまん、豆乳ラテなど、ここならではのおいしいものが盛りだくさん。また、お寿司や海鮮丼、金沢おでんをイートインで味わえる人気店や名店が多いのも魅力です。お昼時は行列必至なので、早めの時間に訪れるのがおすすめです。
▶近江町市場のもっと詳しい情報はこちら
- 近江町市場
-
- http://ohmicho-ichiba.com/
- JR石川県金沢市上近江町50 MAP
- JR金沢駅から徒歩約15分
- 金沢駅から城下まち金沢周遊バス「左回りルート」乗車約5分、「武蔵ヶ辻・近江町市場」下車徒歩すぐ
- 9:00~17:00(店舗により異なる)
- 1月1~4日(店舗により異なる)
- 076-231-1462
- 有料
6国指定重要文化財 志摩
粋で艶やかなお茶屋文化にふれる
「ひがし茶屋街」が誕生した1820年(文政3年)建築の格式高い建物「志摩」。典型的なお茶屋の造りをそのまま残す建物として、一般に公開されています。お茶屋は2階が客間(お座敷)で、町家と違って間仕切り壁や押入れなどがない開放的な造り。遊芸を楽しむための粋で優美なしつらいです。紅殻(べんがら)色の壁が艶やかで、お座敷遊びの楽しげな風景が目に浮かびます。襖(ふすま)の引き手の七宝焼きなど、繊細で美しい意匠にも注目です。一方、1階には囲炉裏や井戸、石室などが残され、舞台裏の面影を今に伝えています。
庭を眺めながら抹茶を味わう
1階奥にある「寒村庵」では、足を下ろせるカウンター席で、抹茶と季節を感じる上生菓子がいただけます。暖かい季節には窓が全開になり、庭を眺めながらひと息つける静かな空間。雨の日には木々の緑がしっとりと濡れ、雨音が耳に心地よく響きます。雪が舞う季節もまた格別。いろいろな季節に訪れてみたいスポットです。
- 国指定重要文化財 志摩
-
- http://www.ochaya-shima.com/
- 石川県金沢市東山1-13-21 MAP
- JR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「右回りルート」乗車約10分、「橋場町」下車徒歩約5分
- 9:00~18:00、12~2月~17:00
- 無休
- 500円、小・中学生300円
- 076-252-5675
- 無し
7ひがしやま荘
ショップとアトリエが入居するシェアスペース
紅殻(べんがら)色の端正な町家が立ち並ぶ「ひがし茶屋街」は、雨の日の散策もしっとりとして粋なもの。その一角にある「ひがしやま荘」は、1938年(昭和13)年に建てられた建具屋をリノベーションしたシェアスペースです。アメリカ人店主が自身の作品や金沢の作家作品などを扱うクラフトの店「akashu」、能登・七尾の人気雑貨店「歩らり東山」、箱をデザインする会社のショールーム「ハコヲツム」、さらに美術教室と絵画のアトリエが入居。それぞれに味わいのある空間を楽しめるスポットです。
暮らしになじむ古い器に夢中
1階奥にある「歩らり東山」では、九谷焼をはじめとする江戸・明治・大正・昭和初期の器がずらり。アンティークだからと身構えず、暮らしの中に気軽に取り入れてほしいとの店主の思いから、400~3,000円と手頃な価格で揃えています。手描きで絵付けされた器は色合いもデザインも美しく、思わず目移りしてしまうものばかり。他にも、長く愛用できる輪島塗のお椀や手すき和紙など、能登の作家の作品も並びます。
- ひがしやま荘
-
- https://www.facebook.com/HigashiyamaZhuang/
- 石川県金沢市東山1-4-33 MAP
- JR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「右回りルート」乗車約10分、「橋場町」下車徒歩約5分
- 土曜日、第2・4日曜日10:30〜18:00
- 月〜金曜日、第1・3・5日曜日
- 090-8703-4743(歩らり東山)
- 無し
8ヤマト糀(こうじ)パーク
多彩な体験で発酵食文化を楽しもう
金沢市郊外の港町・大野で創業して100年以上、発酵食文化を発信する「ヤマト醤油味噌」。広い敷地に趣ある建物が立ち並ぶ「ヤマト糀パーク」は、さながらテーマパークのような趣です。ここでは糀蔵ガイド付きツアーや味噌汁飲み比べ、塩麹作りなど、様々な体験プログラムを用意しています。中でもおすすめは、ヤマトの生味噌と出汁、エノキやオクラなど好きな具材を混ぜて作る「みそぼーる作り体験」。体験時間は約20分、かわいくラッピングしたみそぼーるは、お湯を注げば即席味噌汁に。味噌のお土産も付いて1,000円とお得です。
糀料理ランチや「しょうゆソフトクリーム」も美味
天井が高く風情たっぷりの空間「発酵食美人食堂」。ここでは毎日気軽に糀を取り入れてほしいと、寝かせ玄米と月替わりの糀料理が楽しめます。この他「ひしほ蔵」では、蔵元おすすめの醤油や味噌、ポン酢、甘酒などをお土産に。ほとんどの商品を試食できるので、お気に入りの味がきっと見つかります。テイクアウトコーナーでは、「しょうゆソフトクリーム」や「玄米甘酒ソフトクリーム」も味わえます。
- ヤマト糀(こうじ)パーク
-
- https://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/koujipark.html
- 石川県金沢市大野町4丁目イ170 MAP
- JR金沢駅から車で約15分
- 10:00~17:00、発酵食美人食堂11:30~14:30(L.O.13:30)
- 水曜日(発酵食美人食堂は水曜日、第1・3火曜日、みそぼーる体験は水曜日、第2金曜日)、年末年始
- 076-268-5289
- 無料