ご当地サポーター
熱海のおすすめ散歩コース 〜歴史ある源泉「熱海七湯(あたみななゆ)」を巡る〜

湯治の地として発展してきた熱海には、町中に温泉の歴史を今に伝える名所が点在しています。その中でもおすすめは、温泉が湧き出る源泉スポット。入浴はできないものの、熱海駅から徒歩20分くらいの範囲にあるため散策しながら気軽に見て回れます。熱海のおすすめお散歩コースである「熱海七湯」を、巡りやすい順番でご紹介します。

熱海七湯を代表する源泉「大湯間歇泉」(※)は、熱海駅から歩いて20分ほど、「熱海ニューフジヤホテル アネックス」の脇道にあります。

昔は、地震が起きたと錯覚するほどの激しい揺れを伴いながら湯と蒸気を噴出していたと言われていますが、近年、徐々に噴出は弱くなり、現在は熱海市指定文化財として整備・保存され、人工的に湯を噴出させる仕組みになっています。4分に1回ほどのペースで激しく湯が噴出する様子から、昔の面影を感じることができます。

※間歇泉…一定の時間をおいて周期的に湯やガスを噴き上げる温泉

ご当地サポーターコメント
「市外電話創始の地」のモニュメントや、初代駐日英国公使オールコックの碑と愛犬トビーの墓石も併設されています。

熱海温泉を守護する湯前神社

「大湯間歇泉」のすぐ近くには「湯前神社」があります。「病を除く効果がある温泉がある」と神様からお告げがあり、祠を立てて神を祀ったという由来を持つ神社で、熱海の湯を守っています。湯前神社にお参りしてから七湯巡りをスタートするのがおすすめです。

大湯間歇泉
  • URLhttps://www.ataminews.gr.jp/spot/129/
  • 住所静岡県熱海市上宿町3 MAP
  • アクセス熱海駅から徒歩約20分
  • バスアクセス熱海駅から 湯~遊~バス乗車約20分、「大湯間歇泉」下車徒歩約3分
  • TEL0577-86-6231(熱海市生涯学習課文化施設室)

昭和の風情が残る遊技場や商店、喫茶店が並ぶ「銀座商店街」の中にあるのが「佐治郎の湯」です。
かつて佐治郎という人物の邸宅内にあったことからこの名が付きましたが、明治時代には「新かど旅館」という旅館が所有していたため、「新かどの湯」とも呼ばれていました。
また、眼病に対する効能があると言われていたため、別名「目の湯」としても親しまれてきました。時代によって呼び名が変わってきた源泉です。

ご当地サポーターコメント
目の湯という名前が残っているくらいですから、この湯も多くの人を救ったのかもしれませんね。
佐治郎の湯(目の湯)

夏は多くの海水浴客が訪れる熱海を代表する海岸「サンビーチ」のすぐ近くにあるのが「河原湯」です。古くはこの一帯、東浜と呼ばれた河原で、村人たちが自由に入浴できる唯一の入浴場として愛されていました。浴室の屋根が「瓦葺き」だったことから、「瓦湯」と称したともいわれています。

「河原湯」は、七湯巡りの中で一番海に近い場所にあります。そのためか塩分が非常に多く含まれていて、入浴するとお湯が白く濁るほどだったそうです。

ご当地サポーターコメント
現在は整備され往時のように瓦葺の屋根が掛けられています。
河原湯
  • URLhttps://www.ataminews.gr.jp/spot/125/
  • 住所静岡県熱海市銀座町12 MAP
  • アクセス熱海駅から徒歩約20分
  • バスアクセス熱海駅から湯~遊~バス乗車、「サンビーチ」下車徒歩約4分
  • TEL0557-86-6218(熱海市都市整備課公園緑地室)

1806年創業の老舗旅館「古屋旅館」の前に湧く「清左衛門の湯」。古屋旅館では、現在でもこの源泉からのお湯を使用しています。

昔、清左衛門という農民が馬に乗って走っていた時、湯つぼに落ちて死んでしまったことから、「清左衛門の湯」と呼ばれるようになったそうです。
この源泉には 「清左衛門の名前を呼ぶ声の大きさでお湯の湧き方が変わる」という、不思議な言い伝えがあります。

ご当地サポーターコメント
明治まではこの湯は、昼夜常に湧き出てたえることがなかったそうです。
清左衛門の湯
  • URLhttps://www.ataminews.gr.jp/spot/127/
  • 住所静岡県熱海市東海岸町1 MAP
  • アクセス熱海駅から徒歩約20分
  • バスアクセス熱海駅から湯~遊~バス乗車、「サンビーチ」下車徒歩約3分
  • TEL0557-86-6218(熱海市都市整備課公園緑地室)

昭和の湯治場風情を残す温泉宿として知られる「福島屋旅館」前にある「風呂の湯」。古くは、湯気が盛んに吹き出ていたため、ここで酒を温めたり饅頭を蒸して販売していました。湯には傷を癒す効果があったと言われています。

「風呂の湯」のすぐ近くには、もう1つ温泉が湧いています。他の源泉よりも温度が低く、塩分が含まれていないため「淡白無味常水を温めるもの」という意味から「水の湯」と名付けられたそうです。

泉質がまったく違う源泉が、すぐ隣から湧くというのも熱海の源泉の豊かさを感じるスポットです。

ご当地サポーターコメント
「風呂の湯・水の湯」ユニークな名前ですね。現在も2つの湯が寄り添うようにして佇んでいます。
風呂の湯・水の湯

元々、沢口弥左衛門、藤井文次郎、米倉三左衛門の庭湯を「平左衛門の湯」と称していた源泉です。しかし、付近に住む村人はこの土地が小沢であることから「小沢の湯」と呼んでいました。そのため、現在では「小沢の湯・平左衛門の湯」の併称になっています。

ここでは、現在でも噴き出している高温の蒸気を利用して、温泉卵を作ることができます。湯の蒸気の噴き出し口にザルが用意されているため、そこに生卵を入れて木蓋をして8分前後蒸せば完成。近隣のコンビニや酒屋で生卵が販売されているので、購入して試してみてください(天候によっては、蒸気の具合で作れないこともあります)。

ご当地サポーターコメント
「清左衛門の湯」と同様、人が大きな声で呼べば大いに湧き、小さな声で呼べば小さく湧き出たといわれています。
小沢の湯

「野中の湯」は、熱海駅から隣の来宮駅へ続く県道脇にある源泉。熱海駅から歩いて15分ほどのところです。かつてこの周辺一帯は、泥の中から温泉が噴いていて、杖でつくと湧き出したと言われています。また、ここの土は赤土で、壁を塗るための材料として使われていました。湧出地が非常に浅かった「野中の湯」は、入浴用としてはあまり利用されなかったため、お湯をためる湯枡がなかったと言われています。

お散歩コースの最後に回り、ここからパワースポットとして有名な「來宮神社(きのみやじんじゃ)」へは歩いて8分ほどなので、七湯巡りの最後にお参りするのもおすすめです。

ご当地サポーターコメント
石積みの湯釜からはもくもくと湯気が上がり、とても熱そうで見応えがあります。
野中の湯
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