長さ40cmのソーセージパンが名物? 茨城中心のパン屋「クーロンヌ」の「いつもできたて」に酔いしれた

こんにちは、ライターの辰井裕紀です。秘密のケンミンSHOWのリサーチャーから奥の深いローカルフードの道に迷い込み、「強くてうまい!ローカル飲食チェーン(PHP研究所)」などの本も書いています。
ローカルで展開する飲食店は地元で愛される料理を手軽に楽しめ、いろいろなものが画一化されがちな今でも、地域のオリジナリティを感じられるスポットです。
そんな私が行く今回のローカル飲食店は「クーロンヌ」。1994年に茨城県取手市で創業したパン屋で、別業態の店舗を合わせると、茨城県南部を中心に13店舗を構えています。
1. 土浦駅から徒歩0分のパン屋
今回お邪魔したのは「クーロンヌPLAYatré TSUCHIURA」という、土浦駅と直結した商業施設「プレイアトレ土浦」の中にある店舗です。
駅の利用客に親しまれるコンパクトな店舗で、同社の約100種類ものパンから、人気のパンを中心にラインアップされています。
話を伺うのは、株式会社クーロンヌジャポンのマネージャーでカスタマーサービス環境企画部長の今野裕輝さんと、クーロンヌPLAYatré TSUCHIURA店長の保科千亜希さん。

2. フランス伝統製法で日本人向けの「バゲット」
そんなクーロンヌでも、まず今野さんオススメの商品が「バゲット」。「バゲットのうまみはどこにも負けない自信がある」と語ります。
クーロンヌオリジナルのフランスパン専用粉、その名も「Couronne」は製粉会社と共同開発され、「かみしめるたびに小麦本来のおいしさを感じられる」とか。
さらにフランスのブルターニュ産のゲランド塩田で、9世紀以来機械をほとんど使わない伝統的手法で作られた塩を使い、自家製酵母ルヴァンによって低温長時間発酵で熟成させた自慢のバゲットが作られます。

フランスパンには細くて固い「バゲット」と、太くて柔らかい「バタール」がありますが、日本人向けにその中間のサイズと固さにしたのが「バゲット クーロンヌ」。
あくまでフランス伝統の製法を重んじたうえで食感・用途などのバランスを調整し、日本人向けに仕上げている、日仏ハイブリッドなパンなのです。
3. もともとは2倍の長さ? 約40mのソーセージパン
そのバゲット生地と一緒にソーセージを包み、高温で香ばしく焼き上げるのが不動の一番人気メニュー、「究極のソーセージフランス」。

もともとは「ロングソーセージフランス」という名前であったように、これでもかと長い40cmものロングソーセージを使ったパンです。
創業から数年後に誕生し、なんと、もともとはさらに2倍ほどの長さがあったとか。しかし作業性・生産性が悪く、そのままでは家に持ち帰れない人が多いため、半分ほどの長さに落ち着いたのだそうです。
ソーセージは千葉の「田谷ミートセンター」と共同開発し、千葉県産SPF豚を長時間熟成させ、さくらチップでいぶしてうまみを醸し出しています。
その「究極のソーセージフランス」を強い歯ごたえを感じながらかみしめると、ソーセージの香ばしさも鼻に広がり、かめばかむほどにパンと肉の味が湧き出てきます。

ちなみに、熟成はさせつつも、あえて発酵せずに歯切れをよくしているのがこだわりだとか。食べても食べてもまだある、おトクっぷりも十分に味わえる名物パンです。
4. 辛くて新感覚のシン・カレーパン
さらに保科店長の推しパンでもあるのが、「シン・カレーパン」。取材当時、このクーロンヌPLAYatré TSUCHIURAでは、一番人気に君臨していました。

数種類のスパイスとハバネロを使った辛めのカレーと、甘めのドーナツ生地の味の対比が味わえ、隠し味の「熟成にんにく酢」と米油100%が脇を固めます。
いただいてみると、カリカリッとしたパン生地に、カレーの後を引く辛さが楽しめます。名前の通り新しい息吹を感じるカレーパン。ひと味違った辛さを求める方はぜひ手に取ってみてください。

5. メロンパン&カスタードのおやつパンがいま人気
さらに、アーモンドの香りが口に広がる人気メニュー「シン・メロンパン」に、カスタードクリームを投入した「ムッシュのおやつ」。2024年に発売されて以来人気を博しており、こちらも保科店長のオススメ品です。

食べてみると、まずメロンパンの皮の甘さを感じます。さらに、みずみずしくクリアな甘さのカスタードクリームが、とにかくあふれんばかりに満載です。
今回いただいた中でも、個人的に最も気に入ったのがこのパン。今でも目の前にあったら即購入したくなる味わいです。

6. カリッとうまい「塩パン」&酒に合う「土浦ソルティドッグ」
さらに、「ゲランドの塩パン」も人気商品。サクッと歯切れのいい生地にたっぷりのオリーブオイルを塗って焼き、底をカリッと焼き揚げにしているとか。
食べてみると、文字通り塩気強めで歯ごたえがしっかりあり、それでいて手ごろなサイズと価格で手軽に楽しめます。

さらに、クーロンヌPLAYatré TSUCHIURAならではの商品が「土浦ソルティドッグ」。
専用ドッグパンにハーブソーセージとザワークラウトを挟んでおり、レモンゼストとドイツ産岩塩、マスタードバターで仕上げられています。
強めの塩気でお酒と一緒に楽しむ人もいる、人気メニューの一つです。

7. 1日何度も焼きいつもできたてのパン
例えばカレーパンの場合は、ときに「1日に20回」にも分けてパンを焼くことで、いつでも焼きたてのパンが食べられます。
なお、クーロンヌPLAYatré TSUCHIURAでは店頭で食べられるフードメニューとしてベーコンエッグやハンバーガーなどもあり、ドリンクメニューと合わせて、その場でもできたてを食べられます。

金曜の夜などは、同フロアの他店が販売しているビールなどのお酒とともに食べる人が目立つとか。
さらに、他のショップとのコラボメニューも出しているなど、いろいろなお店と一緒に味わえるのが、このクーロンヌPLAYatré TSUCHIURAならではの楽しさです。
8. 「お叱りウェブ」で顧客満足度アップ
ちなみに、公式サイトに「お叱りウェブ」なる名前の問い合わせフォームを設置しており、来たものに関しては主に店長が必ず返信しているそう。

あえて「お叱り」とうたっているのは、「本来自分たちが気づかなきゃいけないところを、お客さんから教えていただいている思いから」とのこと。
「お叱りはうちへの期待の表れであり、ファンになってくれるチャンスのタイミング」と語る今野さん。お叱りだけでなく、店員さんを褒めたい人もぜひ送ってみてください。

- クーロンヌPLAYatré TSUCHIURA
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茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F BOOK&TABLE内 MAP
JR土浦駅 直結
7:00~20:00
029-886-5626
9.クーロンヌPLAYatré TSUCHIURAまで徒歩0分。駅直結のホテル「BEB5土浦」

ホテル入口は土浦駅の改札からわずか10秒。クーロンヌPLAYatré TSUCHIURAもすぐそばなので、パンを買ってきて、部屋で食べると至福の時間に。
朝食付きプランだと、同じPLAYatré にある「パン工房クーロンヌ」、「特級鶏蕎麦 龍介」、「タリーズコーヒー」のいずれかのメニューを選択可能です。※「特級鶏蕎麦 龍介」は土日祝のみ
クーロンヌの場合、
・ソルティドッグ、サラダ、ミネストローネ、ドリンク
・ラップサンド、ミネストローネ、ドリンク
の、どちらかのメニューを選択できます。

自転車の街・土浦を楽しむホテルだから、サイクリングで名店・名所を回る旅はいかがでしょうか。