みちくさの達人
総重量約800g!茨城ローカルチェーン・グルービーの「海賊スパゲッティ」の大海に飛び込もう

こんにちは、ライターの辰井裕紀です。秘密のケンミンSHOW(日本テレビ系)のリサーチャーから、「何かを好きになるのは『知る』ことが一番近道」と誰かが言った通りにまんまとローカルフードが好きになり、さらにはローカル飲食チェーンの沼にはまった者です。

ローカル飲食チェーンは地域の食文化を形作る「ここだけのとっておきの味」を気軽に楽しめ、ときには一生モノの思い出まで味わえる魅力が詰まっています。

そんな私が今回お邪魔するのは茨城だけに10店舗を構えるパスタチェーン・グルービー。200種類以上のメニューがあり、「ミート納豆」なる茨城を感じさせすぎるパスタメニューまで存在します。そして、私が全国の味を食した中でも、有数のインパクトを誇る「海鮮とクリームの海におぼれるような名物スパゲッティ」を、ぜひとも紹介させてください。

この記事を担当したみちくさの達人

辰井裕紀ライター・番組リサーチャー

1983年創業、茨城県民の知名度は98%以上(?)とも思われるパスタチェーンのグルービー。女性客が9割、しかし麺も具材もたっぷりのビッグなスパゲッティをペロリと平らげる猛者が続出する店です。

やってきたのは、グルービーつくば東大通り店。独特の存在感がある店舗ですが、現社長がもともと建築士のため、店舗ごとに外装と内装のテーマがあります。

例えば玄関のスロープもガラスのようなものが埋め込まれており、水の流れをイメージしているそうです。正直、言われるまで気づけませんでしたが、何気ない所にも意図が込められていると思うと楽しくなるもの。

そして玄関で待っていてくださったのが、この取材のために、前もって社長さんにもいろいろ話を聞いてくれた、グルービーつくば東大通り店の店長・白石亮太さんです。

このグルービーつくば東大通り店は、「近代和風」のコンセプトで建てられ、中庭があり、全てのテーブルが窓に面しています。10店舗あるグルービーの中でも、つくば東大通り店が一番広い店舗で120席あります。

それぞれの座席が広々としているため、プライベートスペースを保てます。土地の広い茨城だからこそのゆったり空間です。

女性客が9割以上に及ぶ一端もここにあるそうで、白石さん曰く「女性は会話を楽しむお客様が多いので、この広くてゆっくり過ごせる空間のおかげで、多くご利用いただいていると思います」とのこと。

カフェ利用もできる店内で、さっそく頼んだ「アイスコーヒー」はグルービー独自ブレンド。華やかな味で甘味もあり、苦みは抑えめで、ブラックでも飲みやすく感じられました。

アイスコーヒー(430円)
アイスコーヒー(430円)

そして、目に付くのがとんでもないメニュー数!もともと喫茶店で、そのなごりでドリンクメニューも多いとか。

店舗によって多少の前後はあるものの、このグルービーつくば東大通り店の場合、ドリンクやサイドメニュー、デザート類だけでも91種類あり、それ以外の料理が132、欄外の店舗限定商品も加わると200種類を軽々と超えます。

お客さんの要望に応えるメニュー作りの結果、一時は350種類以上あったのですが、グルービーでは仕込みから調理まで店舗で行うため、メニューの人気に加えて店舗の負担を考慮して、数を絞っていったそうです。

数ある人気商品の中でも、海に面した茨城県東海村から生まれたパスタチェーンならではの名物があります。
それはダントツ一番人気の「海賊スパゲッティ」。他の人気商品と比べても、注文数が一桁違うと言いますから、その突出ぶりがうかがえます。

海賊スパゲッティ(1,690円)
海賊スパゲッティ(1,690円)

海賊スパゲッティにはエビ・イカ・カニ・ツナ・小柱……という海鮮具材がこれでもかと乗り、たっぷりのソースがかかっています。この手作りのトマトソース・ベシャメルソースは、配合を改良してよりおいしくなるように磨き上げられているもの。

海賊スパゲッティの生まれたいきさつは、今でも人気の「フーフースパゲッティ」が先にあったことから始まります。

フーフースパゲッティは「玉ねぎ+マッシュルーム+エビ」を、たっぷりのチーズなどとともにオーブンで焼くメニューですが、その豪華バージョン、食べ応えのある看板商品候補として海賊スパゲッティが考え出されました。

このクリームの層を割って麺をすくい上げると、トロットロのクリームがたっぷりと絡んで、「トロトロしたもの好き」としてはたまらない食感です。

「見よ、これが海賊スパゲッティの大海だ」とフック船長の声が聞こえてきそうな、とろとろクリーム。快楽の食卓を堪能できる
「見よ、これが海賊スパゲッティの大海だ」とフック船長の声が聞こえてきそうな、とろとろクリーム。快楽の食卓を堪能できる

食べ進めていくと、まず感じるのはボリューム。一般的に麺100~110gの店が多いと言われる中、麺が130g。ゆで上げ麺は280gにもなります。さらに具材やソースがこれでもかと乗り、パスタ1人前の総重量は約600gにまで達します。

さらに330円で大盛りにすると麺が1.5倍の195gとなり、ゆで上げ麺は420gに。具材やクリームも増えるため、さらなるビッグサイズとなるのです。

数あるメニューの中でも「たぶん一番大きい」というのがこの海賊スパゲッティ。麺にソース、魚介類を入れると総重量は約800gになり、大盛りにすれば1キロを超えるとか。

ゴロゴロと大ぶりの具材を次々と発掘する喜び
ゴロゴロと大ぶりの具材を次々と発掘する喜び

また、パスタはもちもちの「生スパゲッティ」にプラス150円で変更でき、「プレーン麺」と「ほうれん草麺」の2種類から選べます。白石さんによると、「通常の乾麺とはひと味どころか、全然違います」とのこと。

もともと柔らかい生パスタであり、さらに3分ほどゆでると「本当にもちもちの麺が出来上がる」そうです。とくにクリーム系やトマト系などのソースと合わせるのが「すごく絡みやすく、すごくオススメ」と、熱を入れて語ってくれました。

みちくさの達人コメント
とにかくクリーミーで、まんべんなくクリームとチーズが絡んでたまらない味わいです。ミルキーな味わいと豊かなコクが大きな満足感につながっています。また、以前乾麺バージョンも食べたのですが、たしかに生パスタのモチモチ感を堪能できました。

海賊スパゲッティ以外にも、豊富なメニューが揃うグルービーで思わず気になるのが「ミート納豆」。ミートソースと納豆をかけた、茨城らしいメニューです。ダジャレから生まれた迷作(?)とも言うべき一品ですが、売れているのでしょうか?

ミート納豆(1,400円)
ミート納豆(1,400円)

白石さんによると、やや答えにくそうに「正直、この店での売り上げはそうでもないです……(笑)」とのことですが、隠れ名物メニューとして君臨しています。

さらに、隠れ人気メニューはマヨネーズソース味のパスタ。白石さん曰く、「パスタでマヨネーズ味ってまず聞かないと思いますが、意外と合うし、リーズナブルで個人的にはおすすめ」とのことです。

マヨネーズソース味の「タラコ・ツナ・コーン(1,420円)」。レアなマヨネーズ味のパスタだけで4種類ある
マヨネーズソース味の「タラコ・ツナ・コーン(1,420円)」。レアなマヨネーズ味のパスタだけで4種類ある

白石さんが「意外と出る」と語るのが「ピラフ」。人気の筆頭格は「ホタテ貝柱とエビ」。ホタテとエビと玉ねぎしか入っていないこのメニューのように、シンプルなピラフが支持されているそうです。

ホタテ貝柱とエビ(1,430円)
ホタテ貝柱とエビ(1,430円)

海の味わいがごはん全体に染みて、かぶりつきたくなる味わいです。玉ねぎのアクセントも、予定調和を打ち破るうまさのエッセンスでした。

みちくさの達人コメント
具材やクリームがたっぷりの海賊スパゲッティに対して、シンプルであっさりしたピラフとのコントラストで、どんどん食べ進められます。誰かと行ってシェアして食べるのもいい感じ。

ピラフ類もごはんは300gとたっぷりサイズです。この他にも「海賊ピラフ」という、海賊スパゲッティのごはん版も人気だとか。

なお、これらの料理は「少し濃いめ」の味付けがなされています。茨城は農業が盛んな県で働き者も多く、濃い味付けを欲する人が伝統的に多かったため、社長は「味付けは濃く、量もちょっと多く」と意識してメニューを提供していたそうです。

ボリュームのあるメニューのため、残してしまう人のために、無料で持ち帰りの容器を用意しているので安心です。

そうそう、ピザも人気商品の一つ。生地から手作りし、オーダーに入って生地を伸ばして具材をのせて焼くのだとか。さらに、生地を伸ばす際に均等に伸ばして火が入りやすいようにするのもこだわりです。

マルゲリータピザ R(1,270円)
マルゲリータピザ R(1,270円)

つくば東大通り店にはグルービー唯一のケーキ工房があり、パティシエが全て手作りで腕を振るいます。

ナポレオン(660円)
ナポレオン(660円)

この日は頼めなかったのですが、ケーキを頼むとアイスが一緒についてくるのも魅力です。

店長の白石さんがおすすめするのは、店舗限定の「ナポレオン」です。パイ生地が使われており、2日目になるとサクサク感がなくなるため、このつくば東大通り店でしか出していない代物です。

もう一つ白石さんのオススメは「シュークリーム」。 これもパイ生地の鮮度の問題で他店では出せず、つくば東大通り店限定品です。

シュークリーム(367円)
シュークリーム(367円)

カリカリッとしたクッキー生地を割ると、たっぷり豊潤なカスタードクリームがあふれ出てきて、できたて感と香りを堪能できます。海賊スパゲッティとホタテ貝柱とエビピラフのコンビの量がとにかく多かったので、ホッとする味わいでもありました。
ケーキ類はここから他店へ向けて配送しますが、つくば東大通り店では作りたてを食べられるのが最大の魅力。種類も多く、目移りしながらケーキを選べます。

みちくさの達人コメント
思わずフォークについたカスタードクリームをペロッと舐めてしまうほどの味わいです。満腹の中で食べても、食べ終わるのが惜しく感じられました。

基本的に、ピザ以外にはレギュラーサイズのサラダがつくのもうれしいポイント。この日も前菜として真っ先に登場しました。

この日かかっていたのは、一番人気の「人参ドレッシング」
この日かかっていたのは、一番人気の「人参ドレッシング」

そしてグルービーのもう一つの名物といえば、そのサラダに予めかかっている「ドレッシング」。東海本店で作られたドレッシングが運ばれ、4種類のドレッシングが日替わりで出されています。

レジのそばで販売されているドレッシング(価格は変更される場合があります)
レジのそばで販売されているドレッシング(価格は変更される場合があります)

「人参」「ゴマ」「梅シソ」「セロリ」という4種があり、加熱処理していない「生ドレッシング」で、さらに保存料も入っていないので1ヶ月しか持ちません。地元スーパーでもよく売っており人気商品の一つだとか。着色料不使用に加え、普通のドレッシングが油分約60~75%と言われる中、油分が20%と低いのも魅力です。

基本的には最も新鮮なドレッシングが日替わりで出されており、レジにも「本日はこのドレッシングです」と表示されていますが、もし好き嫌いがあれば変更もできます。

みちくさの達人コメント
人参ドレッシングの甘みとともに食べるサラダは、さわやかテイストで、こちらも海賊スパゲッティとのいいコントラストになっていました。サラダに入っている、とろける「チーズ豆腐」も印象的です。

ちなみに「本日のスープ」も出していただきました。この日のスープは程よいトマトソース風味のスープで、具材がいろいろ溶け込んでぜいたく感を演出しています。

本日のスープ(390円)
本日のスープ(390円)

常連客が非常に多く、すでに親子2代・3代で愛される存在になっており、「お客さんが、お孫さんを連れてきてくれるのがうれしい」と語る白石さん。

さらに、「週末などにお待たせしてしまうお客さんが飽きずに待ってもらえるように」と始めたのがグルービーオリジナルのカプセルトイです。アクリルキーホルダーとエコバッグの2種類があり、当たり券も入っていて、ドレッシングや500円食事券などが当たります。

それにしてもとんでもないボリュームでした。たくさん食べることを見越して、この日は朝から食事を抜いてきたのですが、海賊スパゲッティ+ホタテ貝柱とエビピラフ+サラダ+スープ+シュークリームを一気に食べたら、腹がはち切れんばかりの状況になり、数年ぶりの「本当の腹パンパン」を味わったのです。

帰り道にヨタヨタと歩きながら、「茨城の腹ペコを満足させるグルービーおそるべし」と実感し、近くて遠い茨城の奥の深さを思い知る所存でした。

その中でも、ゆったりとした空間でたっぷりと味わった満足感が、今も心とカラダに残っています。

グルービー
  • 住所茨城県つくば市下広岡1055-684 MAP
  • アクセスJR土浦駅から車で15分
  • バスアクセスJR土浦駅より関東鉄道バスで18分、バス停「広岡」下車、徒歩10分
  • 営業時間平日 11:15~15:30、17:30~20:30
    平日以外 11:15~20:30
    ※3月、8月は全日11:15~20:30
    ※混雑が予想される日は11:15~20:30
  • 定休日12月31日・1月1日、第2、第4火曜日
    ※3月、4月、8月の第2、第4火曜日は営業
     祝祭日の場合は営業、翌日を定休日
    ※そのほか定休日は公式サイトを確認
  • TEL029-860-2112
  • 駐車場無料
  • メモ営業時間は公式サイトのカレンダー参照

ホテル入口は土浦駅の改札からわずか10秒。24時間まったり使えるラウンジで、仕事の残りを片付けながらゆったり過ごせます。
自転車の街・土浦を楽しむホテルでもあるから、愛車をじっくりと調整しながら、サイクリングで名店・名所を回るのも楽しいひとときです。

※掲載の内容は、記事更新日時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。