みちくさの達人
【2020年版】「いちご王国」栃木県で、旬のイチゴ満喫の旅

「とちおとめ」に「スカイベリー」、「なつおとめ」などイチゴの名品種を次々と生み出し、「いちご王国」として名高い栃木県。イチゴ狩りができる農園も数多く、シーズン中は多くの観光客で賑わいます。県産イチゴを使ったスイーツも豊富で、注目を集めています。
栃木県内にある星野リゾートの3施設「界 日光」「界 鬼怒川」「界 川治」では、イチゴを堪能できるスペシャルプランが期間限定で登場。宿で真っ赤な果実を満喫し、さらに旅の行き帰りにもイチゴスイーツの名店に立ち寄る、この季節ならではのイチゴ尽くしの旅に出かけてみませんか。

栃木県が誇る「スカイベリー」
栃木県が誇る「スカイベリー」

50年連続でイチゴの生産量が全国1位という、輝かしい実績を誇る栃木県。作付け面積も1位で、それを裏付けるべく、県内を旅しているとあちこちでイチゴ農園を目にすることができます。
栃木県のイチゴ栽培の歴史は昭和20年代、足利市や宇都宮市で栽培されたのが始まりといわれています。以降、「高冷地育苗」などの育苗技術や施設導入といった県をあげての研究開発が実を結び、1985年(昭和60年)に「女峰(にょほう)」、1996年には大粒で素晴らしい食味の「とちおとめ」が誕生。県の大切な特産品へと成長しました。今日も、栃木市にある日本唯一のイチゴ専門研究機関「いちご研究所」を中心に、新品種の育成や栽培の研究が進められています。

栃木県を代表する品種と言えば、強い甘味と程よい酸味のバランスが絶妙な不動のベストセラー「とちおとめ」、大きく美しい円すい形で艶やかな赤橙色が特徴で、口に含むと果汁がじゅわっとあふれ出る「スカイベリー」、そして果肉がやわらかく流通に向かないため幻のイチゴとも呼ばれ、濃熟した味が魅力の「とちひめ」。さらに、通常はシーズンオフとなる夏場から秋にも収穫できる「なつおとめ」があり、一年を通して楽しめるのはさすが「いちご王国」ならではです。

県内にたくさんあるスイーツ店の中から、県産のフレッシュイチゴをふんだんに使った、名物スイーツに出合える9店をチョイス。ゆっくりできるおしゃれなカフェが併設された店から、お土産用にサッと購入できるテイクアウト専門店まで、和洋取り混ぜてご紹介します。

ジューシーなイチゴと餅や餡、クリームがなじむ逸品

「日光 苺生大福(クリーム入)」230円
「日光 苺生大福(クリーム入)」230円

JR・東武鉄道日光駅から二社一寺へ向かう道中にある、創業100余年の老舗和菓子屋。「おしやま」といえば豆大福、といわれる伝統の技術や製法を生かし、四代目ご主人が10年ほど前から作り始めたのが「日光 苺生大福(クリーム入)」です。地元契約農家から届く粒揃いの「とちおとめ」を使用した、11月~6月末の期間限定品。イチゴをあえて小さなさいの目切りにしてあるため食べやすく、口に入れた瞬間に甘酸っぱい香りで満たされます。厳選した小豆と日光の清らかな水で風味豊かに仕上げた自慢のこしあんや濃厚な生クリームとも、自然となじみます。ほんのり甘いピンク色の餅で手包みした食感は、他では味わえない柔らかさです。

みちくさの達人コメント
「日光 苺生大福」は、星野リゾート 界 日光の「いちご滞在プラン」でも提供しています。中に餡子と生クリーム、そして刻まれた苺が入っています。甘さ控えめで、何個でも食べられるおいしさです。
菓匠 おしやま
  • 住所栃木県日光市御幸町614-1 MAP
  • アクセスJR日光駅・東武鉄道日光駅から徒歩約10分
  • 営業時間8:30~18:00
  • 定休日水曜
  • TEL0288-54-1597
  • 駐車場無料

しっとりケーキに「スカイベリー」100%のジャムをサンド

「ガトーショコラ(ホール)」1,840円、「スカイベリーのチーズケーキ&ジャム2層デザート」1個430円
「ガトーショコラ(ホール)」1,840円、「スカイベリーのチーズケーキ&ジャム2層デザート」1個430円

広大な敷地にスイーツショップやカフェ、イチゴ栽培ハウスなどが並ぶ「スローライフリゾート いちごの里」。150棟もあるハウスの多くで注目の新種「スカイベリー」が栽培されています。
スイーツショップの「ベリーベリーマルシェ」では、採れたばかりの新鮮なイチゴを使ったスイーツを、一年中買うことができます。イチゴ味のチョコレートと生クリームを使ってしっとり焼き上げた「ガトーショコラ」は、ほんのりピンクがかった色味で、「スカイベリー」100%のジャムを使用したガナッシュがサンドされています。箱入りで常温保存が可能なため、お土産にもぴったり。特製スカイベリーソースと、さっぱりとしたレアチーズを小瓶に詰めた「スカイベリーのチーズケーキ&ジャム2層デザート」もおすすめです。

みちくさの達人コメント
「ガトーショコラ」は、星野リゾート 界 鬼怒川の「いちご滞在プラン」でも提供しています。スカイベリージャムをサンドしたガトーショコラは重すぎず、イチゴを存分に感じられるご褒美スイーツです。
ベリーベリーマルシェ
  • URLhttps://www.itigo.co.jp/marche/
  • 住所栃木県小山市大川島408 「スローライフリゾートいちごの里」内 MAP
  • アクセスJR小山駅から車で約20分
  • バスアクセスJR小山駅からおーバス道の駅線乗車約25分、「いちごの里」下車すぐ
  • 営業時間9:00~18:00
  • 定休日無休(年に1~2回、メンテナンス休みあり)
  • TEL0285-33-1120
  • 駐車場無料

老若男女のハートをとらえるフォトジェニックな一串

「苺クリーム団子」216円
「苺クリーム団子」216円

栃木県産こしひかりを朝昼2回ついて作るこだわりの団子が大評判の老舗菓子店。団子の他、煎餅や和菓子も並びます。
店舗併設の「武平茶屋」では出来たての甘味を味わうことができ、11月~3月末には、Lサイズの「とちおとめ」を2粒分のせた「苺クリーム団子」が販売されます。餡は通常のこしあんとは異なり、手亡豆(てぼうまめ)を使用した餡をベースに、イチゴソースをミックスした「特製とちおとめ餡」。口の中でホイップクリームとまろやかに溶け合い、団子のモチモチ感と、果汁あふれるイチゴとの四重奏は最高の味わいです。串を持ってパクリと食べられる気軽さやスライスイチゴが並ぶキュートなビジュアルも、老若男女に愛される秘密です。他、農家と共同開発した5Lサイズの特大「スカイベリー」が丸ごと入った「いちご大福」もおすすめです。

みちくさの達人コメント
星野リゾート 界 川治の「いちご滞在プラン」では、武平作の「苺生クリーム大福」を提供しています。本物のいちごを使用したいちご餡と生クリームを、ふわふわの大福餅で包んだ一品です。
武平作(ぶへいさく)栃木本店
  • URLhttps://buheisaku.com/
  • 住所栃木県栃木市城内町2-15-1 MAP
  • アクセスJR栃木駅・東武鉄道栃木駅から車で約6分
  • 営業時間9:30~18:00(武平茶屋10:00~16:00)
  • 定休日元日
  • TEL0282-25-2575
  • 駐車場無料

完熟イチゴを贅沢に使ったスムージー

「おとめパーティーkiwami」1,800円
「おとめパーティーkiwami」1,800円

真っ赤に完熟した「とちおとめ」だけで作る、この上なく贅沢で食べ応え満点のイチゴスムージーの店。栃木県壬生町(みぶまち)のイチゴ農園が営み、4月~9月頃の期間限定でオープンしています。
4月~6月上旬には朝摘みイチゴをふんだんに使ったメニューが登場し、中でも「おとめパーティーkiwami」にはイチゴがなんと1.5パック分も入っています。甘い香りの「とちおとめ」をホイップクリームと一緒に食べ進んでいくと、冷凍イチゴとミルクをミックスしたスムージーが登場。さらに底には大きな角切りイチゴがゴロゴロ入っている充実ぶり。この期間は他に、イチゴ1パック分を使った「おとめパーティー」や「フレッシュ生おとめスムージー」があります。6月中旬以降は冷凍イチゴ(在庫がなくなり次第終了)やマンゴー、バナナを使ったメニューが楽しめます。

ベリーベリースムージー

「とちおとめ」の程よい酸味を生かした大人向けの味わい

左から時計回りに「タルトルージュ」420円、「ベリーヌとちおとめ」450円「ムラングシャンティ フレーズ」320円
左から時計回りに「タルトルージュ」420円、「ベリーヌとちおとめ」450円「ムラングシャンティ フレーズ」320円

JR黒磯駅から徒歩約5分にある洋菓子店。ガラス張りのシンプルな外観のため、外からも店内のショーケースに並んだ、彩り鮮やかで魅惑的なケーキに目が釘付けになります。
2月中旬~5月中旬頃には「feeze」独自のイチゴフェアが開催され、地元農家のイチゴを使ったスイーツが並びます。おすすめは、パンナコッタとイチゴのジュレコンポート、ラズベリージュレなどが層になった「ベリーヌとちおとめ」。ホワイトチョコのガナッシュムースと真っ赤な「とちおとめ」のコントラストが映える「タルトルージュ」は、甘すぎず大人向けの味わいです。
オーナーは東京や北海道などでスイーツ作りの経験を積み、故郷へ戻って開業をした実力者。栃木産の小麦や卵、牛乳などの食材にこだわって作った季節ごとのスイーツに出合えるおすすめ店です。

feeze(フィーゼ)

3つの大粒イチゴがこぼれんばかりに盛られたケーキ

「フレーズ」1個340円
「フレーズ」1個340円

20年以上続く、夫婦で営むパティスリー。毎朝2時半に起きてケーキ作りに取り掛かるというご主人が作るのが、イチゴたっぷりの「フレーズ」(12月~5月中の販売予定)。店からも近い、矢板市木幡(やいたしきばた)で育ったフレッシュで大振りなイチゴを3つのせた、見た目にもインパクトのある一品です。中のチーズスフレと生クリーム、イチゴソースはどれも濃厚でなめらか、生イチゴの程よい酸味と相性抜群。良心的な価格でお得感も満点です。
他にも「フロマージュ」や「トリュフ」など、数をたくさん作らず一つ一つに手間と愛情を込めて作られたトラディショナルなスイーツが並びます。

ウィーン洋菓子店「フレーズ」
  • 住所栃木県矢板市本町1-17 MAP
  • アクセスJR矢板駅から徒歩約5分
  • 営業時間10:00~18:00
  • 定休日火・水曜
  • TEL0287-43-9765
  • 駐車場無料

旬の県産イチゴをドーナツにアレンジ

左から「いちご クリームチーズ」240円、「いちご ファッション」210円(各税別)
左から「いちご クリームチーズ」240円、「いちご ファッション」210円(各税別)

東武宇都宮駅から約300mのところに、おしゃれなカフェや雑貨店が軒を連ねる「もみじ通り」があります。その一角に佇むお店が大人気のドーナツ専門店「ドー・ドーナツ」。フワフワの食感で季節を感じる彩り豊かなドーナツは、出来上がるとすぐ、飛ぶように売れていきます。
2月~4月には、「とちおとめ」や「女峰」を中心に、その時期に最もおいしいイチゴを取り入れた季節限定メニューが販売されます。「いちご ファッション」はオーガニックの全粒粉で焼き上げたオールドファッションに、ヒートドライのイチゴとホワイトチョコをデコレーション。「いちご クリームチーズ」は濃厚なイチゴピューレをミックスしたクリームチーズが入っています。どのメニューも併設のカフェでお茶と一緒に楽しめます。

ドー・ドーナツ
  • URLhttp://www.dough-doughnuts.com/
  • 住所栃木県宇都宮市西2-2-22 MAP
  • アクセス東武鉄道東武宇都宮駅から徒歩約4分
  • 営業時間10:00~18:00
  • 定休日月曜、第1火曜(月曜が祝日の場合は翌日休み)
  • TEL028-637-2522
  • 駐車場無料

ご当地キャラのイラストがかわいい、しっとりロールケーキ

「ベリーちゃんのロールケーキ」1,500円(税別)
「ベリーちゃんのロールケーキ」1,500円(税別)

鹿沼市のシンボルキャラクター「ベリーちゃん」をデザインしたロールケーキ。中のイチゴクリームは、県産「とちおとめ」を濃厚なピューレにして、生クリームに混ぜ合わせたもの。自然な甘酸っぱさとツブツブ感が味わえ、さらにかわいらしいピンク色は見た目にも楽しめます。「ベリーちゃん」の絵柄を忠実に再現するため試行錯誤し、2019年春にようやく完成して新作として売り出されました。丁寧な手作り感があふれる一品。現在は通年で販売しています。
他、「イチゴのフィナンシェ」や「いちごサブレ」など、イチゴを入れて焼き上げたこだわりの焼き菓子もたくさん並びます。

手作りケーキの彩花亭

クラッシュしたてのイチゴが入った鮮度抜群の名物アイス

「おとめバウムアイス」450円
「おとめバウムアイス」450円

全国の道の駅グルメを競う「道-1グランプリ」で、「もてぎのゆず塩ら~めん」がグランプリ3連覇を達成したことでも有名な「道の駅もてぎ」。
ここの「手づくりアイスコーナー」で12月〜5月末の期間に限定販売しているのが、完熟「とちおとめ」入りミルクアイスと、しっとりモチモチのバウムクーヘンがマッチした「おとめバウムアイス」です。イチゴのみずみずしさにこだわり、注文を受けてから丸ごと2~3粒をミルクアイスに入れてクラッシュ。イチゴのやわらかな果実とたっぷり滴(したた)る果汁が、さっぱり仕立てのミルクアイスに溶け込み、爽やかな甘さが楽しめます。中のダイス状のバウムクーヘンは、茂木産コシヒカリ100%の自家製粉米粉で作った人気商品で、単品販売も行っています。

道の駅もてぎ
  • URLhttp://www.motegiplaza.com/index.html
  • 住所栃木県芳賀郡茂木町大字茂木1090-1 MAP
  • アクセス真岡鐵道茂木駅から徒歩約12分
  • 営業時間手作りアイスコーナー 9:30~17:00(4~9月 ~18:00) ※土・日曜、祝日は30分延長。その他施設はHP要確認
  • 定休日第1・第3火曜(施設によっては営業。8月は無休)
  • TEL0285-63-5671
  • 駐車場無料

栃木県にある星野リゾートの3施設「界 川治」「界 鬼怒川」「界 日光」では、様々な体験ができる「いちご滞在プラン」が、期間限定で楽しめます。ご当地ならではの自然や文化と共に、摘みたてのみずみずしいイチゴや、オリジナルスイーツなどを満喫できる内容。イチゴの新しい魅力に出合える、各施設の「いちご滞在」をご紹介します。

イチゴ摘みやイチゴのおしるこ作りが体験できる

日光市の川治温泉にあり、どこか懐かしさの漂う風情が人気。「里山の知恵」をコンセプトにしたこの宿で楽しめるのが、敷地内にあるノスタルジックな水車小屋で、完熟イチゴを滞在中いつでも摘んで味わえる「里山いちご滞在」(1日1組限定)です。真っ赤に実った「とちおとめ」は、摘みたてを頬張ると甘い果汁と爽やかな酸味が満ちあふれます。
夜には囲炉裏(いろり)を囲み、新品種の「白いちご」や郷土料理の「板台もち」、日光市の和菓子店から取り寄せた上質な餡を使って、イチゴのおしるこ作りに挑戦。里山の冬を感じながら、作りたてで熱々のおしるこをいただくのは、この地、この時期ならではの特別な体験です。

「里山いちご滞在」
期間:2020年1月15日(水)~2月29日(土)
いちご滞在プランHP:https://kai-ryokan.jp/features/ichigo/

イチゴの食べ比べや豆皿選びが楽しめる

「とちぎ民藝が光る木漏れ日の湯宿」がコンセプトの温泉旅館。館内には、栃木県を代表する民芸品「益子焼」や「黒羽藍染」などが至るところに飾られています。
「民藝いちご滞在」では、益子焼を中心とした約300枚もの豆皿が並ぶ「豆皿ギャラリー」から好みの皿を選び、イチゴやお菓子を盛り付けてオリジナルのスイーツセットを作れます。また、「幻のイチゴ」ともいわれる「とちひめ」を含む3種のイチゴの食べ比べも、大きな楽しみの一つ。夜は「いちごと赤ワインの紙鍋 バニラアイスクリーム」を、朝は「いちご発酵ドリンク」もいただけます。
客室にはイチゴのアロマオイル、ベッドにはイチゴ柄ライナーが。イチゴ尽くしの時間を過ごせます。

「民藝いちご滞在」
期間:2019年12月10日(火)~2020年2月29日(土)
いちご滞在プランHP:https://kai-ryokan.jp/features/ichigo/

イチゴスイーツと共に夕陽や朝焼けを望める

中禅寺湖畔に立ち、霊峰・男体山も望める絶景の宿。ロビーには、江戸時代に将軍たちが「日光詣」をした際の休息場をイメージした「絶景茶屋」が、期間限定で登場します。
「絶景いちご滞在」(1日2組限定)では、到着時にウエルカムドリンクの「いちご甘酒」やウエルカムスイーツの「いちごの練り切り」がいただけます。夕暮れ時には「絶景茶屋」で、溶かした羊羹(ようかん)で赤と白のイチゴを味わう「紅白羊羹フォンデュ」のスペシャルサービスも。
翌朝の日の出時には、シャンパンや趣向を凝らしたイチゴスイーツを。神々しいほどに美しい冬の奥日光の景色と夕陽や朝焼けに見惚れる、至福のひとときが待っています。

「絶景いちご滞在」
期間:2019年12月1日(日)~2020年2月29日(土)
いちご滞在プランHP:https://kai-ryokan.jp/features/ichigo/

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