ふんわり、ヒンヤリ。日光「松月氷室」が作る天然氷の、至福のかき氷3選
明治時代から続く日光の老舗氷室、「松月氷室(しょうげつひむろ)」。当時とほとんど変わらない作り方で、今も自然と向き合い、厳寒の中で美しく澄んだ天然氷を切り出し、そのピュアな味わいを私たちに一年中届けてくれます。日光に旅したら是非食べてみたい、むしろその口溶けを求めてわざわざ日光を訪れたい、「松月氷室」の天然氷ならではの至高のかき氷を食べられる、おすすめ4軒をお届けします。
1日光茶屋
純朴な氷の味を引き立てるのは、シンプルな自家製シロップ
東武日光駅から徒歩約1分、駅から世界遺産「日光の社寺」まで続くかき氷激戦区でも屈指のロケーションにある店。「日光の天然氷」という最高の素材を活かすため、店が一番こだわっているのが削り方です。温度や湿度にまで気を配りながらゆっくりゆっくり、羽毛のようにふんわりとした氷を削り出していくのはまさに職人技。氷の状態に合わせ、削り途中で刃の角度を微調整することもあります。
氷そのもののおいしさを味わうにはこれが一番と、遠方からのリピーター客にも支持されているのが写真右の「手作り甘露」。氷砂糖を煮詰めただけのシンプルを極めた甘露シロップは、雑味のない純粋な天然氷の最高の引き立て役です。写真左の「梅酢」は1年間熟成させたまろやかな自家製シロップと漬けた梅が丸ごと楽しめる、さっぱりと夏向きのメニュー。もとはところてんにかけて提供していた梅酢を、スタッフがたまたまかき氷にかけてみたことから誕生した一品で、今では店の看板メニューになっています。
運ばれてきたかき氷は、まずは一秒でも早く口に含み、繊細で軽やかな氷の口溶けを楽しむのがおすすめです。その後、別添えのソースをかけると、ひと味ちがった食感が広がります。
いちご好きにはたまらないのが、地元でとれる「なつおとめ」を丁寧に砂糖漬けして作った「なつおとめイチゴ」。自然でやさしい色合いのシロップは、甘味と酸味のバランスが絶妙。漬け込んで味が凝縮されたいちごの実と、赤く熟したフレッシュいちごがトッピングされています。
「なつおとめイチゴ」で使うシロップは全て店の一角で作り、保存している自家製。いちご1kgと砂糖1kgを合わせて2週間漬け込み、やっと10人前分のシロップが出来上がります。砂糖が溶けてからは毎日50回以上かき混ぜ、空気を入れて腐敗を防ぎながら、大切に作られています。
もとは「日光東照宮」の敷地内で営業していましたが、2013年に日光駅至近に移転。ゆっくりとかき氷を食べられるスペースと環境が整ったことで、かき氷に力を入れるようになりました。夏場の繁忙期は奥に見える中庭も開放。中庭はペット同伴も可能です。
- 日光茶屋
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- https://gfby201.gorp.jp/
- 栃木県日光市松原町253 MAP
- 東武鉄道東武日光駅から徒歩約3分
JR日光駅から徒歩約5分 - 10:00~16:00
※シーズンにより変動あり。詳しくは要問い合わせ - 不定休
- 0288-53-2207
- 無し
2きものつゞれ屋 cafe千両茶屋
スイーツ感覚で味わう、パウダースノーみたいなかき氷
JR・東武日光駅から西へ徒歩約10分、創業50年になるレンタル着物屋さんが営む「café 千両茶屋」。アイデアマンのオーナーが、着物の他にも日光の観光業に役立てることをしたいとの思いでオープンした店です。
メイン商品は糖度47%を誇る、スイーツのような焼き芋。その焼き芋と相性のいいかき氷を、と考案したのが「松月氷室」の天然氷を使った「和風黒蜜きなこかき氷」です。粉雪のようなかき氷が、香ばしいきなこでふんわりと覆われ、上からはとろみのある黒蜜がたっぷり。食べ進めると中から白玉が出てくるサプライズもあり、ひんやりクールな和菓子感覚で楽しめます。ねっとりと甘みのある焼き芋と交互に食べれば、大満足間違いなしの一品です。
こちらはフルーティでさっぱりした酸味が魅力のマンゴー味。綿帽子のようなかき氷に、氷砂糖から作ったシロップをかけ、さらにマンゴーピューレを全面にかけ回した贅沢さ。氷の中にはカットマンゴーが入っていて、食感の違いも楽しめます。添えてあるのはクリーミーでまったりと濃厚なヨーグルト。お口直しに食べたり、かき氷にプラスしてミルキーな風味にするのもおすすめです。
きめ細かくさらさらの粉雪のようなかき氷が「café 千両茶屋」流。その秘訣は冷凍庫から出したカチンコチンの天然氷を即、削る手法にあります。冷凍庫から出したての氷塊はうまく削らないと割れてしまうこともあるため、熟練した技術が必要。ゆっくり時間をかけ、こんもりと降り積もったふわふわのかき氷は、はかなくも美しい味の記憶となってくれます。
土産物屋などが建ち並ぶ「日本ロマンチック街道」沿いにある店。世界遺産になっている日光の二社一寺からも徒歩約15分の距離なので、お参りや見学の前後に散策がてら立ち寄りやすいロケーションです。
- きものつゞれ屋 cafe千両茶屋
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- http://www.nikko-yakiimo.com/
- 栃木県日光市御幸町601-3 MAP
- 東武鉄道東武日光駅より徒歩約10分
- 10:00~16:00
※土・日曜、祝日は15:00を過ぎると受付終了となる場合あり - 不定休
- 0288-53-2208
- 無料
3松月氷室 本店
氷室直営のかき氷は、バラエティに富んで大人も子どももワクワク
栃木県今市市の市街地にある「松月氷室 本店」は、遠方からもわざわざ訪れる観光客で季節問わず大賑わいの超有名店。氷室直営のため、一年中天然氷のかき氷が味わえます。現在のようなかき氷を提供するようになったのは30年ほど前、4代目になる吉新昌夫さんが当主になってから。氷を引き立てるオリジナルのみつの開発や、地元産のいちごはもちろん、厳選した高級メロンやマンゴーなどを全国から取り寄せて斬新なメニューを生み出し、日々「松月氷室」のかき氷は進化してきました。
人気が高いのは地元産いちごをふんだんに使ったメニュー。中でも甘党にはたまらないと評判なのが、ショコラホイップ×チョコソース×フレッシュないちごソースのトリプル仕立ての「ストロベリーショコラホイップ」です。軽やかなホイップと繊細なかき氷は瞬く間に口の中で溶け、ストロベリーソースの鮮度抜群の酸味が程よいアクセントになっています。フレッシュソースたっぷりの「生いちごプレミアム」もおすすめです。
アールスメロンなど高級メロンを丸のまま半分使い、ジューシーな果肉とオリジナルのメロンシロップがけかき氷を合わせて贅沢にいただくのが、名物の「メロメロメロン」。練乳と炭酸水が付いてくるのがユニークです。甘い練乳メロン風味を楽しんだら、最後にはくりぬいた半玉メロンの器に炭酸水をプラス。器の果肉をこそげながら心ゆくまでメロンの旨味を堪能できる、心憎い仕掛けです。
クセや雑味がなく、透明感のある味わいの天然氷は、日光連山の清らかな湧水と厳しい冬の寒さが生み出した、大自然からのいただきもの。昔ながらの作り方を守り、丁寧にケアしながら密度と透明度を高く仕上げた純朴な氷を愛でながら、おいしいことはもちろん、ワクワクした気分で楽しく食べられる創意工夫が、「松月氷室」のかき氷には満ちています。
- 松月氷室 本店
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- https://x.com/shogetsu_nikko?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
- 栃木県日光市今市379 MAP
- JR今市駅から徒歩約6分
東武鉄道下今市駅から徒歩約9分 - 平日 11:00〜17:00
土・日、祝日 10:30〜17:00
※時期や天候により変動あり - 月曜(祝日の場合は営業、翌日休み)
- 0288-21-0162
- 無し
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