みちくさの達人
【大阪・関西万博】活気あるアジアの街を散歩する気分!?海外パビリオンのレストランで本物の味に触れる!アジア編

万博好きライターのBUBBLE-Bです。いよいよ会期も残り半分を切りました。猛暑の日が続きますが、夏休みということもあってますます盛り上がる大阪・関西万博。
私の入場回数も、もうすぐ20回に達します。パビリオンも9割は回ることができました。(残り1割がなかなか高い山なのですが…)毎回、驚きと感動をくれる万博。生の文化に触れることができるパレードやショー、そして現地の味を楽しめるレストラン。万博の魅力は語り尽くせません。

みちくさガイドでは、海外パビリオンのレストランを食べ歩いた「万博グルメガイド」として、世界各国の料理をご紹介したいと思います。これまで「ヨーロッパ編」と「中東編」を執筆させていただきました。今回は第3弾「アジア編」です。日本から比較的近いアジア諸国ですが、料理も様々な個性を魅せてくれます。おなじみの料理から、一風変わったものまでご紹介。そして最後は番外編として筆者イチオシ、万博開幕前にも話題になった日本のあの麺料理も紹介します!

この記事を担当したみちくさの達人

BUBBLE-B飲食チェーン店トラベラー
赤い球体が印象的なシンガポール館
赤い球体が印象的なシンガポール館

西ゲート付近の大屋根リングを歩くと、ひときわ目立つ赤い球体が二つあります。一つはよしもと waraii myraii館、もう一つはこのシンガポール館です。シンガポールは、国土の面積が東京23区とほぼ同じくらいという小さな国。この赤い球体は、地図上に描かれた赤い点に国土が隠れてしまうことから、このデザインになったそうです。
この赤い球体の名前は「ドリーム・スフィア」(夢の球体)。パビリオンの中では、夢を現実に変える不思議な体験が味わえますよ。

端末に自分の夢や希望を手書きして、上階のスフィアの中に行くと…!?
端末に自分の夢や希望を手書きして、上階のスフィアの中に行くと…!?

パビリオンの中は幻想的なアートに彩られ、まさに未来。その中にある「ドリーム・リポジトリ」(夢の集まる場所)は、端末のパネルに自分の夢を指で描きます。
そして上階のドリーム・スフィアに行くと360度のドームスクリーンにファンタジックな映像が広がり、そこに色んな人の夢が次々と浮かんでは消えていくという演出が楽しめます。もちろん、自分の描いた夢も出てきますよ!

そんなシンガポール館には、イートインも可能なレストラン「シオック!カフェ(Shiok! Café)」があります。「Shiok」は「最高に気持ちいい」や「美味しい!」という意味で使われるシングリッシュ(シンガポール風の英語)です。

シンガポールではコーヒーショップのことを「コピティアム」と呼び、街の至る所にあるそうです。また、シンガポールでは野良猫は「コミュニティ・キャット」と呼ばれ、地域で大切にされる存在。そんな野良猫がコピティアムに現れた様子が、アーティストであるイップ・ユー・チョン氏によって愛らしく描かれています。

 

「チキンライス」2,000円
「チキンライス」2,000円

そんなシオック!カフェでオーダーしたのは「チキンライス」。海南鶏飯とも呼ばれる、シンガポール定番のメニューです。猫の肉球をイメージした容器がかわいいですね。なお、この容器は売り上げの一部が犬猫保護団体へ寄付されるとのことです。
茹でられた鶏肉と、その茹でた汁で調理した長粒米。ダークソイソースとチリソースに、パクチーが添えられています。

柔らかく茹でられた鶏肉がとても美味しい
柔らかく茹でられた鶏肉がとても美味しい

ダークソイソースは少しビターなコクが楽しめる濃いソースで、たまり醤油にも近い味わい。もう一つのチリソースは、スパイシーさの中に爽やかな酸味のあるソース。2つのソースをそれぞれ味わい、少し混ぜたり、またはライスにつけて食べて、様々な味が楽しめます。

「揚げソルテッドエッグ・カスタードまん」750円
「揚げソルテッドエッグ・カスタードまん」750円

こちらは万博限定のスイーツとのことで食べてみました!外はサクサクに揚げられて、中には塩漬け卵を使ったカスタードクリームが入っています。甘味と塩味の両方が味わえる、ちょっと不思議な甘辛まんでした。

「マーリーのアイスバー」(カラマンシ―味) 750円
「マーリーのアイスバー」(カラマンシ―味) 750円

パビリオンの外にはアイスバースタンドもあります。マーリーとはマーライオンをモチーフにしたシンガポール政府観光局の公式マスコット・キャラクターで、カラマンシー、ライチ、マンゴー、ドラゴンフルーツミルク、ミルクコーヒー、あずきの6種類から選べます。
今回はカラマンシー味を食べてみました。レモンやオレンジのような爽やかな柑橘系の風味で、暑い日でも爽やかになれそうですよ!

みちくさの達人コメント
シンガポールは多民族国家で、マレー料理、中国料理、インドネシア料理など数多くの食文化が融合したのがシンガポール料理。チキンライスも、シンプルさの中に様々な国の食文化がクロスした味わいが感じとれました!
半分になったタイの伝統建築のもう半分はミラーに映るタイ館
半分になったタイの伝統建築のもう半分はミラーに映るタイ館

タイ館は毎日活気に溢れています。パビリオンの前にあるステージでは1日に何度もショーが上演され、その内容もみんなで歌えるノリの良いものです。ここでタイの挨拶「サワディカ」を覚えた人も多いのではないでしょうか。

そんなタイ館に入ると、まずはタイの挨拶「サワディ-」の発音を教えてもらいます。そしてメインフロアに移動して、タイの歴史や文化が迫力ある映像を鑑賞したら、ステージショーが始まります。タイ館のスタッフ達が歌って踊る中、最初に教えてもらった挨拶「サワディ-」を言うコール&レスポンスのコーナーもあって、陽気で明るいステージです。

ステージが終わって移動した次のエリアでは、タイの医療技術が展示されています。様々な薬や義足などの歩行器具、3Dプリンターで頭蓋骨を修復したモデルなど、「タイの智慧で未来を癒す」というコンセプト通り、充実した医療展示がされています。
私は今年2月にバンコクへ旅行に行き、美味しいタイ料理を楽しんできましたので、タイはとても好きな国の一つです。さあ、レストランに行ってみましょう!

「鶏のカオソーイ」1,490円
「鶏のカオソーイ」1,490円

タイ館のショップはテイクアウトのみとなっています。メニューは構成がシンプルで、タイの代表的な料理が数種類あるのみ。
今回オーダーした「鶏のカオソーイ」は、タイカレーに麺が入った料理です。食べてみると、タイらしいココナッツ風味のカレー。最初はまろやかですが、後からスパイシー。とても食べやすく、優しい味わいとなっています。そして面白いのが麺で、細い乾麺と、太い生麺が2層になって入っています。

そしてチキンは骨付きのものが丸ごと入っており、食べ応えがありました!カップヌードルサイズで小さめな商品なのでボリューム感はありませんが、タイで食べた料理そのものという印象でとても美味しかったです。

みちくさの達人コメント
日本国内には多くのタイ料理店がありますが、あえて万博で食べるのが面白いと思います。タイ館はパフォーマンスの熱気も高いので、余韻に浸りながら食べることができますよ!
蓮の花をイメージしたインド館
蓮の花をイメージしたインド館

開幕から遅れてオープンしたことも話題になったインド館。「バーラト」というのはサンスクリット語でインドを意味し、インドの国名としても使われています。
蓮の花のような外観のインド館の前には2つのオブジェがあります。左側の車輪は13世紀に建てられたスーリヤという世界遺産の寺院の壁にある、アショーカ・チャクラと呼ばれる法輪です。写真では見えないですが右側の合掌は、インドの挨拶「ナマステ」を表しているものだとか。いずれもインドの雰囲気、バッチリですね。

精神や伝統、そして現在と未来を表現したインド館
精神や伝統、そして現在と未来を表現したインド館

古代文明や精神文化の紹介から、現在の産業とテクノロジー、そして宇宙開発に至るまで時代を超越した展示内容が楽しめます。
でも館内に入った瞬間から、何だかスパイシーなカレーの香りが漂っているんです。あまりにもインドすぎる。でもこれは気のせいではないはず!
私はその香りを追いかけました。そして見つけました。

「パラクパニールとライス」1,800円
「パラクパニールとライス」1,800円

インド館の敷地にはテイクアウト専門のショップが設置されていました。カレーの香りはここでした!チキンビリアーニ、バターチキンとライス、サモサ、チキンティッカ、パニプリ…
そんな魅惑のラインナップから私が選んだのはこれ「パラクパニールとライス」です。パラクパニールとはほうれん草(パラック)とカッテージチーズ(パニール)のカレー。ほうれん草のカレーが好きな私は即決でした。パラパラな食感の長粒米と、スパイシーさとマイルドなコクの両方を兼ね備えたパラクパニールの組み合わせが絶妙で、まさに現地の味。ここが万博会場であることを忘れてしまうような食体験ができますよ。
あと、見た目で想像が付くと思いますが、ボリュームある内容量なんです。このお弁当だけで間違いなく満腹になれますよ!

「アイスマサラティー」600円
「アイスマサラティー」600円

カレーと共にマサラティーを頼みました。マサラとはヒンディー語で香辛料の意味で、紅茶に香辛料をブレンドしたインドのお茶です。その独特の飲み味で、インドの世界へとトリップできました!

みちくさの達人コメント
インドは不思議がいっぱいの魅惑の国という印象ですが、インド館はそんなインドのイメージをそのまま感じさせてくれました。フードもお手頃な価格なので、気軽に楽しめますよ!
大量の竹を使った外観がかっこいいマレーシア館
大量の竹を使った外観がかっこいいマレーシア館

まず外観に圧倒されるマレーシア館。大量の竹をファサードにしたその姿は、マレーシアの織物「ソンケット」をイメージしたものだとか。有機的で原始的、かつ優雅さのある建築は抜群のインパクトです。

屋台が展示されている
屋台が展示されている

マレーシア館に入るとフワっとしたスパイスの香りに包まれ、いきなりの異国情緒。そして屋台と食品サンプルが展示され、東南アジアの雰囲気が緻密に再現されています。
マレーシアの伝統的な住宅からクアラルンプールにある高層ビル、ドローンを使った農村風景、そして未来のスマートシティまで、現在進行形のマレーシアを見せてくれます。

「ナシラマ」1,600円
「ナシラマ」1,600円

1階にあるレストランでオーダーした「ナシラマ」。オーダーの決め手となったのは、メニュー表に「これぞマレーシア 本場の味です」と書かれていたためです。ナシラマとはココナッツミルクで炊いたお米のことだそうです。ご飯は長粒米が使われていました。右上のソースは濃い甘辛味で、味噌のような味わいです。ご飯の右側にあるのは鶏肉と小魚の揚げ物で、ガリっと硬めの食感でした。
マレーシアでナシラマの食べ方は、とにかく「混ぜる」そうです。それに従って混ぜて食べてみました。すると、これまでバラバラだったおかず類と米にソースが混ざり、甘辛テイストに彩られた弁当が完成。ソースの香りが鼻から抜けていくような味わいは、まさに異国情緒たっぷりでした!

みちくさの達人コメント
万博のパビリオンの中で、最も東南アジアの雰囲気を感じさせてくれるのがマレーシア館だと思います。展示はもちろんながら、1階のレストランでやっているロティチャナイ(薄く伸ばしたパン)の生地を作るパフォーマンスも必見ですよ!
巨大なビジョンが大迫力の韓国館
巨大なビジョンが大迫力の韓国館

誰もが圧倒される巨大なビジョンといえば韓国館です。ここに映される映像も手の込んだもので、立ち止まって最後まで見てしまった人もいるのではないでしょうか。

音楽を作る2040年の女子高生たち
音楽を作る2040年の女子高生たち

韓国館はコンセプチュアルな3つの展示が順番に楽しめるオムニバス形式です。第1展示ははあらかじめ録音した参加者の声を元に、AIが即興で音楽を作り、たくさんのライトが連動するディスコのような空間です。

第2展示は「荒廃した都市から、いのちの回復へ」をテーマとした空間です。廃墟を連想させるオブジェのパイプに息を吹き込むと、水素燃料電池が作動し、電気エネルギーが生まれ、純水が生成されます。この水は単に廃棄されるのではなく、命を芽吹かせる象徴として、大型の水滴や泡で可視化されます。来場者はこの水滴に直接触れたり、割ったりすることで「いのちの回復」を体験することができます。

そして第3展示は打って変わってK-POPをテーマにしたスクリーン。2040年に生きる韓国の女子高生たちが、祖父が残した楽曲を完成させていく過程を、音楽とダンスを軸に表現する未来的な映像が上演されます。
そんな韓国館、入り口とは逆サイドの左側にレストランがあります。

 

韓国館の左サイドにあるK-レストラン&ギフトショップ
韓国館の左サイドにあるK-レストラン&ギフトショップ

韓国料理といえば焼肉、キムチ、スンドゥブあたりが有名ですが、実はチキン系の料理がかなりの人気なのです。
韓国館のレストランは、韓国でフライドチキン専門店を展開するカマロチキンがプロデュース。専門店ならではの本格的な味を期待してオーダーしたのはこれ!

「韓国スタイルチキンバーガー チコバーガーセット」2,200円
「韓国スタイルチキンバーガー チコバーガーセット」2,200円

チコバーガー、ポテト、チルソンサイダーと氷入りのカップがセットになっています。この時点でチコバーガーのボリュームが伝わるでしょうか?

大きなフライドチキンがサンドされたチコバーガー
大きなフライドチキンがサンドされたチコバーガー

大きなフライドチキンに玉子焼き、トマト、玉ねぎ、レタス、チーズがサンドされたチコバーガー。さあ、かぶりつきましょう!
チキンは外はカリカリで中は柔らかく、ジューシーなモモ肉。ソースはピリ辛で、韓国らしい味付けです。具材も多いので、最後まで全く飽きずに食べ終わることができます。韓国館レストランのチコバーガー、ジャンクフード好きにはイチオシです!

みちくさの達人コメント
日本向けにアレンジすることも、ボリュームを少なめにすることもなく、本国そのままの姿で提供してくれる韓国館レストラン。お値段もお手頃なので、是非とも立ち寄ってください!
山をイメージした外観のTechWorld
山をイメージした外観のTechWorld

海外パビリオンではないのですが、玉山デジタルテックがプロデュースするパビリオン「TechWorld」は、台湾のコンテンツが展示されています。

巨木をモチーフにしたスクリーンと無数のタブレット
巨木をモチーフにしたスクリーンと無数のタブレット

TechWorldは、台湾島の自然から台湾の歴史や伝統、そして現在から未来の姿を最新のテクノロジーを使って表現しています。
何と言ってもメインシアターに圧倒されます。ここでは、台湾島の雄大な自然を表現した映像が巨木をモチーフにして作られたスクリーンに投影され、地面にある無数のタブレットも連動して自在に向きを変え、有機的に動きます。半導体などのテクノロジーで世界をリードする台湾らしい展示内容に圧倒されます。

台湾のセレクトショップ「神農生活」
台湾のセレクトショップ「神農生活」

TechWorldに併設されている神農生活は、台湾のセレクトショップです。グッズをはじめ、フードやドリンク類も販売されており、台湾好きにはたまらない空間となっています。

「神農生活ルーローハン」1,650円
「神農生活ルーローハン」1,650円

台湾のソウルフードといえばルーローハン(魯肉飯)ですね。五香粉の効いた醤油ベースのスープで豚バラ肉や椎茸を煮込み、ご飯の上に乗せた料理です。神農生活オリジナルの魯肉飯は、具材とご飯は仕切りで分けられており、食べる直前にご飯にのせることができます。
本国のルーローハンは臭いに癖のあるものもあるのですが、神農生活のルーローハンはとにかく食べやすく、誰にでも楽しめる味に仕上がっていました。煮玉子とたくあんも良いアクセントになりますよ。

みちくさの達人コメント
TechWorldの神農生活はルーローハンだけでなくタピオカミルクティー、マンゴーミルクかき氷、台湾ウーロン茶など、台湾を代表する味が勢揃いしています。おしゃれなパッケージにも注目ですよ!
姫路の有名店「えきそば まねき」の万博店「MANEKI FUTURE STUDIO JAPAN」
姫路の有名店「えきそば まねき」の万博店「MANEKI FUTURE STUDIO JAPAN」

最後に番外編として、日本のものを紹介したいと思います。万博には日本のレストランも多く出店していますが、そんな中でも大きな話題となった「えきそば まねき」は連日の満席です。
えきそば まねきは明治21年創業。姫路駅の構内で日本最初の「幕ノ内弁当」を販売したのがその始まりです。現在も兵庫県を中心にえきそば、駅弁の店として展開しています。

「究極のえきそば」3,850円
「究極のえきそば」3,850円

万博に出展してえきそば まねきといえばこの限定商品「究極のえきそば」でしょう!その価格に誰もがぶっ飛んだことは今も記憶に新しいです。
そもそも、まねきの「えきそば」は和そばではなく、かんすいを使用した中華そば。つまりラーメンの麺なのです。これはえきそばをベースに、帆立とはまぐりから出汁をとり、神戸牛の肩ロースを贅沢にトッピング。まさに美味しさの大渋滞と言えるでしょう。
温泉卵を割ると、黄身のまろやかさが神戸牛を包みます。これはまさに、すき焼き!これまで食べたことのない美味しさ攻撃、まさに「究極」でした。

大阪・関西万博のレストランアジア編、いかがだったでしょうか。日本から比較的近い国々ですが、やはり日本食とは全く違う文化がそこにありますね。長粒米を使うこと、スパイスを上手に使った味付けという2つが私の印象です。
万博も残り2ヶ月となりました。是非、最後まで楽しみましょう!

OMO7大阪では、万博をより楽しめる特別コンテンツを用意しています。万博はもちろん、行く前から行った後まで存分に楽しめること間違いなしです。
▶OMO7大阪|万博を楽しみ尽くす5つのポイントを紹介

※掲載の内容は、記事更新日時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。