ご当地サポーター
長崎県・雲仙エリアのおいしいに出合える、ランチスポット8選

有明海と橘湾に囲まれ、雲仙岳の山々に抱かれた自然豊かな雲仙エリア。ミネラル豊富な火山性の土壌で育まれた野菜をはじめ、ブランド肉や新鮮な魚介など、海の幸も山の幸も楽しめるのが魅力です。地元客からも愛され続けている老舗や、この土地ならではの食文化が楽しめるお店など、個性が光る選りすぐりのランチスポットをご紹介します。

食事もお土産さがしもできる、頼れる一軒

「地獄そうめん」650円。醤油で甘く煮た大分県産しいたけと島原産のちくわをトッピングしたシンプルなおいしさ
「地獄そうめん」650円。醤油で甘く煮た大分県産しいたけと島原産のちくわをトッピングしたシンプルなおいしさ

雲仙エリアや長崎県のお土産を幅広く揃える土産店に食事処が併設。「雲仙地獄」の目の前にあり、周辺に立ち上る噴煙や硫黄の香りを間近に楽しむこともできます。

食事処の名物は「地獄そうめん」。手延べそうめんの一大産地である、雲仙の隣、南島原市と島原市の郷土料理で、カツオ出汁でそうめんをぐつぐつと煮込んでいます。柚子胡椒を入れて味変するのもおすすめです。他に「肉そうめん」や「焼きそうめん」、フワフワの氷がのった「雪解けそうめん」といったユニークなものもあります。

お土産探しも、時間を気にせず「やらやら」と

1階はお土産店。2階の食事処はテーブル席の他、掘座卓の席やテラス席などもある
1階はお土産店。2階の食事処はテーブル席の他、掘座卓の席やテラス席などもある

1階には、雲仙市内をはじめ、長崎県全域の名物が勢揃い。お土産にぴったりな銘菓をはじめ、日本酒や焼酎といった地酒、子どもに喜ばれる駄菓子などまで販売しています。
さらに、みたらし団子や白玉を冷やした島原名物の「寒ざらし」など、テイクアウトできる甘味も。食べ歩きしたり、持ち帰って宿で楽しんだりと、手軽に味わえる一品です。

「やらやら」とは、雲仙を含む島原半島周辺の方言で「ゆっくり」の意味。温泉街散策の途中に立ち寄り、やらやらと過ごすのにうってつけのお店です。

ご当地サポーターコメント
地獄そうめんを召し上がった後は、蒸したまごやお団子などをテイクアウトして、雲仙地獄を散歩するのもおすすめですよ。
やらやらSAPIN(サパン)

雲仙の食材の魅力を、こだわりの洋食で堪能

「雲仙牛ビーフシチュー」2,400円。バゲットかライスかを選べる。プラス250円でドリンクがセットに
「雲仙牛ビーフシチュー」2,400円。バゲットかライスかを選べる。プラス250円でドリンクがセットに

良質な雲仙産の食材を厳選し、手作りにこだわった洋食を提供。料理のおいしさのベースとなるフォンドボー(出汁の一種)は、仔牛の骨と赤ワイン、野菜などを使って丁寧に仕込まれています。中でも、2012年の創業時から人気の「雲仙牛ビーフシチュー」は、3等級以上の希少な黒毛和牛「雲仙牛」を使ったこだわりの一皿。バラ肉やスネ肉を野菜とともに低温でじっくりと8時間煮込むことで、頬張れば口の中でほろりと崩れるやわらかさを味わえます。
他にも、「元祖 雲仙牛オムハヤシ」「オムトルコ」など、長崎らしい美味を楽しめます。

春から秋には、ドリンクなどを気軽に楽しめるカフェがオープン

正面は「グリーンテラス雲仙」。手前は愛犬と一緒に過ごせる「Marco’s Cafe」のテラス席。敷地内には⾜湯もある
正面は「グリーンテラス雲仙」。手前は愛犬と一緒に過ごせる「Marco’s Cafe」のテラス席。敷地内には⾜湯もある

2023年4月には、敷地内に軽食やドリンクを主体とする「Marco’s Cafe」がオープン。4月から11月までの土・日曜日や祝日、大型連休に営業しています。メニューは、雲仙温泉街にある「UNZEN山頂珈琲」のオリジナルブレンドのコーヒーの他、地元の⾷材をふんだんに使った「島原ミックスフライドポテト」や「雲仙⽜カレー」、「雲仙湯けむり塩ぷりん」など軽食が中心です。屋外のウッドデッキのソファ席やテラス席、足湯席も利用でき、天気のいい日には心地よい風を感じながら過ごせます。散策途中にひと息つきたいときや、ドリンクのテイクアウトなどにも最適です。

ご当地サポーターコメント
雲仙の観光情報を発信する「雲仙お山の情報館」の隣にあります。特に休日の昼時は行列ができることもありますので、オープンと同時に行くのがおすすめです。
グリーンテラス雲仙
  • URLhttps://greenterrace-unzen.jp
  • 住所長崎県雲仙市小浜町雲仙320 MAP
  • アクセス界 雲仙から徒歩約7分
  • 営業時間11:00〜15:30
  • 定休日水曜、年末
  • TEL0957-73-3277
  • 駐車場無料
  • メモ「Marco’s Cafe」は4〜11月の限定オープン。営業時間は11:00〜15:30

器ごと蒸して提供。160余年守り継がれる諫早だけのうなぎ文化

「上うなぎ定食」4,660円。鰻蒲焼6切れ、ご飯、肝吸い、漬物が付く。定食注文場合、ご飯はお代わり無料
「上うなぎ定食」4,660円。鰻蒲焼6切れ、ご飯、肝吸い、漬物が付く。定食注文場合、ご飯はお代わり無料

焼いたうなぎを底が二重になった「楽焼(らくやき)」という器で蒸して提供するのが長崎県諫早(いさはや)市独自のうなぎ文化。その独自のスタイルを構築し、提供を始めたといわれているのが、幕末の1863年(文久3年)創業の「元祖 鰻蒲焼 福田屋」です。

うなぎは南九州産の脂ののった上質なものを厳選。地元の醤油と酒を使った継ぎ足しの秘伝のタレをつけて焼き上げ、器ごと蒸して提供するため、タレの香ばしさをまとったふっくらとした身が味わえます。一度口にすれば、きっと虜になるおいしさです。

おいしさを引き上げる、歴史ある店の佇まい

テーブル席と小上がりの座敷のある1階。店の入り口はアーケード側と、その反対側の2ヶ所に設ける
テーブル席と小上がりの座敷のある1階。店の入り口はアーケード側と、その反対側の2ヶ所に設ける

店は諫早市内の中心地、栄町通りアーケード内にあります。趣のある現在の建物は、1929(昭和4年)に建てられた3階建ての木造建築。建設当初は町で一番高い建物として有名だったそうです。入り口から奥へ長く続く造りで、まさにうなぎの寝床のような建物。現在は1階部分のみが客席として使われています。扉や柱、床など重厚な造りに昭和初期の面影が色濃く残り、この歴史深い佇まいもおいしさの重要なエッセンスとなっています。

ご当地サポーターコメント
清らかな水、豊かな大地のなかで育ったうなぎに、たっぷりとかかる独自のタレが絶妙。タレだけでもご飯がすすみます。
元祖 鰻蒲焼 福田屋
  • URLhttps://fukudaunagiya-isahaya.com
  • 住所長崎県諫早市栄町1-13 栄町通りアーケード内 MAP
  • アクセス界 雲仙から車で約46分
  • 営業時間11:00〜14:00、17:00〜19:00(L.O.18:45)
    土曜、祝日11:00〜20:00(L.O19:45)
    日曜11:00〜19:00(L.O.18:45)
  • 定休日火曜
  • TEL0957-22-0101
  • 駐車場無料

地元の滋味が染み入るアットホームな古民家カフェ

「牛スジカレーそうめんセット」1,300円。魚のすり身を揚げたミンチ天や、小鉢、コーヒーが付く
「牛スジカレーそうめんセット」1,300円。魚のすり身を揚げたミンチ天や、小鉢、コーヒーが付く

築140年の古民家を改装したアットホームなカフェ。和やかな雰囲気の中で味わえるのは、地元の食材を使った定食メニュー。いち押しの「牛スジカレーそうめんセット」は、長崎和牛の牛スジをたっぷりと使ったカレーに、地元橘湾で獲れた煮干しの出汁を合わせた味わい豊かな一品です。そうめんは、手延べそうめんの有数の産地、長崎県南島原産を厳選。しっかりとしたコシとつるりとした喉越しのそうめんが、濃厚な旨みのカレーだしによく絡みます。

靴を脱いでリラックス。ゆっくりと流れる時間もごちそう

座敷には、世界で活躍する書道家・万美氏による書が飾られている
座敷には、世界で活躍する書道家・万美氏による書が飾られている

店内には、カウンターの他、小上がりの座敷があり、靴を脱いでリラックスして過ごすことができます。座敷の座卓には低い椅子も用意され、正座が辛い人や年配の方でもゆっくりくつろげると好評です。食後のコーヒーを飲みながら、静かな時間を楽しむのもいいでしょう。
「せっかく雲仙に来てくれたから、のんびり過ごしてほしい」という店主の思いが込められた「雲のなかcafé」。おもてなしの心が詰まった滋味深いメニューを味わいに、旅の合間に立ち寄りたい一軒です。

ご当地サポーターコメント
とても居心地の良いカフェです。雲仙市と長崎大学と雲仙市内認定店が連携して生まれた「雲仙ジオバーガー」も食べられます。
雲のなかcafe

名物「美人どうふ」を使った、ふわふわの揚げ出し豆腐が美味

「揚げ出し御膳」800円。揚げ出し豆腐に、みそ汁、ご飯、一つ一つ丁寧に作られた4種の小鉢が付く
「揚げ出し御膳」800円。揚げ出し豆腐に、みそ汁、ご飯、一つ一つ丁寧に作られた4種の小鉢が付く

地元の食材が楽しめる食事処と直売所が併設。食事処では、20年来の店の看板商品「美人どうふ」を使った定食などが楽しめます。福岡県産の大豆「フクユタカ」を使った美人どうふは、豆本来のやさしい甘さときめが細かくなめらかな食感が魅力。普段は豆腐が苦手な子どもでも食べられるという声も多いそうです。
人気の「揚げ出し御膳」では、揚げたてフワフワ食感の豆腐にやさしい味わいの出汁が染みた揚げ出し豆腐のおいしさをじっくり堪能できます。食後には、お土産に美人どうふを買って帰る人も多いそうです。

丁寧に作られた、やさしい甘さが染み入るおやつ

「豆乳アンダギー」400円、「きなこパン」1本200円、「いももち」400円
「豆乳アンダギー」400円、「きなこパン」1本200円、「いももち」400円

手間暇かけた手作りおやつも「吾妻の里」の目玉の一つ。土・日曜日のみ1日30パック限定で販売する「いももち」は、これを目当てに開店時から並ぶ常連がいるほどの人気商品です。さつまいもを練り込んだ、口溶けのいい餅はほのかな甘さで、1個2個とついつい手が伸びる一品。他にも、注文が入ってから揚げる、さっくりもっちり食感の「きなこパン」や、地元産大豆の豆乳を使った「豆乳アンダギー」など、素朴でやさしい甘さのおやつが目白押しです。

ご当地サポーターコメント
食事処では、定食以外にちゃんぽんやうどんといった麺メニューも人気です。ここで働く地元のお母さんたちの温かな接客にも癒やされます。
吾妻の里
  • URLhttps://www.azumanosatotoufu.com
  • 住所長崎県雲仙市吾妻町布江名762-1 MAP
  • アクセス界 雲仙から車で約32分
  • 営業時間食事処11:00〜15:00、直売所8:30〜17:30
  • 定休日無し
  • TEL0957-38-6553
  • 駐車場無料

「朝採れたまご」の濃厚なおいしさを、卵かけご飯で贅沢に

「卵かけご飯」550円。ご飯の大盛りはプラス50円、お代わりは1杯180円
「卵かけご飯」550円。ご飯の大盛りはプラス50円、お代わりは1杯180円

雲仙市の老舗養鶏会社が営む、卵の直売所兼カフェ。40年以上にわたって地元で愛されるブランド卵「太陽卵」を使った食事やデザートを味わえます。

黄身が濃くほんのり甘いのが特徴の「太陽卵」。卵そのものの味を楽しむなら、朝採れたての卵を提供する「卵かけご飯」がおすすめです。雲仙産の棚田米を使用した炊きたてのご飯に卵をのせ、カツオ出汁の効いた甘めの専用醤油をかけていただきましょう。卵と漬物は食べ放題なので、心ゆくまでそのおいしさを堪能することができます。

ついつい買って帰りたくなる、新鮮卵と卵スイーツ

オープン直後は「太陽卵 朝採れたまご」の箱がたくさん。2kg入り1,200円、3kg入り1,700円
オープン直後は「太陽卵 朝採れたまご」の箱がたくさん。2kg入り1,200円、3kg入り1,700円

直売所では様々な種類の卵を販売していますが、中でも飛ぶように売れていくのが箱入りの「太陽卵 朝採れたまご」。自宅用や手土産用に買っていく人も多いそうです。栄養価が高いだけでなく、総コレステロール量が一般的な卵より少ない点も、老若男女に愛される所以でしょう。
その他、太陽卵を使った「太陽ロールケーキ」や「黄味プリン」「エッグタルト」など、多彩な卵スイーツがショーケースにずらり。旅行中のおやつにもぴったりです。

ご当地サポーターコメント
「太陽卵」は、研究を重ねた良質な無添加の飼料を鶏に与えることで、ビタミンEが一般的な卵の10倍含まれていることがわかっています。おいしい上に栄養も満点です。
花たまご

お腹を空かせて出かけたい、老舗中華食堂の高コスパランチ

「秀珍風あんかけ焼きそば」700円。豚の角煮の他、白菜やしめじなどが入る
「秀珍風あんかけ焼きそば」700円。豚の角煮の他、白菜やしめじなどが入る

創業50余年を誇る中華食堂。おいしさはもちろん、お腹をしっかりと満たせるボリューム感と値頃感で、地元で高い支持を集めています。腕を振るうのは、東京の四川料理店で腕を磨いた二代目店主です。

一年を通して人気があるのは「秀珍風あんかけ焼きそば」。豚の角煮と野菜が入ったオイスターソースベースのあんかけに、パリッと焼き目を付けた香ばしい麺がよく絡みます。ごろごろと入った分厚い豚の角煮は、ほろほろっと簡単に崩れるほどやわらかく煮込まれ、さらに食欲を増進。思わず箸が進みます。

自家製ラー油がちゃんぽんのおいしさの決め手

「ピリ辛坦々ちゃんぽん」750円。コクのあるスープとピリッと爽やかな辛さが食欲をそそる
「ピリ辛坦々ちゃんぽん」750円。コクのあるスープとピリッと爽やかな辛さが食欲をそそる

もう一つ外せないのが、とんこつスープをベースにしたコクのある「ピリ辛坦々ちゃんぽん」。味わいの肝となる肉味噌と自家製ラー油、さらに胡麻ペーストのコクがスープに溶け出し、おいしさを格上げしています。チンゲンサイやもやし、キャベツも入って具だくさん。辛さレベルを普通から激辛まで選べ、四川料理の本格的な辛さを楽しむこともできます。

牡蠣がたっぷり入った「牡蠣ちゃんぽん(11中旬〜3月上旬)」は毎年常連が待望する一品。お腹を空かせて出かけたい中華メニューが揃い踏みです。

ご当地サポーターコメント
地元の方々から愛されるリーズナブルでおいしい中華料理店。席はカウンターの他に、小上がりのテーブル席もあります。「回鍋肉定食」や「油淋鶏定食」など定食メニューも人気です。
ふさや亭 秀珍(しゅうちん)
  • 住所長崎県雲仙市吾妻町平江名72-1 MAP
  • アクセス界 雲仙から車で約33分
  • 営業時間11:30〜L.O.13:30
  • 定休日不定休(月に1回)
  • TEL0957-38-2577
  • 駐車場無料

もっちり、つるり。サツマイモでできた島原半島の郷土麺

「ゴボウ天 六兵衛」850円。低温熟成し、甘みを引き出したゴボウをサクサクの天ぷらに
「ゴボウ天 六兵衛」850円。低温熟成し、甘みを引き出したゴボウをサクサクの天ぷらに

サツマイモ粉で作った麺を出汁でいただく、島原生まれの郷土料理「六兵衛」。1792年(寛政4年)に、島原半島の中央部に位置する普賢岳の大噴火が発生した際、大飢饉に見舞われた人々を救おうと島原の名主だった六兵衛が考案したといわれています。

お湯が沸いている釜の上で練った生地をおろし器に当て、手で押し出して茹でるという、昔ながらの製法で提供しています。茹で上がった麺は、つややかでもっちり。昆布と椎茸で取った香り豊かな出汁にもよく合います。

落ち着いた店内で楽しむ、「六兵衛」という歴史的食体験

店内はレトロな雰囲気。個室の窓からは穏やかな橘湾を遠くに見渡すことができる
店内はレトロな雰囲気。個室の窓からは穏やかな橘湾を遠くに見渡すことができる

店内に一歩足を踏み入れると、まるで民芸店のような、木のぬくもりあふれる空間が広がっています。テーブル席の他に個室も。店主自らが撮影した、雲仙の自然豊かな四季折々の風景を写した写真が随所に飾られているのも魅力のひとつです。

非常食や保存食として生まれたものの、料理としておいしい「六兵衛」。そのおいしさがあったからこそ、200年以上にわたり食文化として守り継がれてきたのでしょう。雲仙旅行で、ぜひ歴史的な食体験をしてみてはいかがでしょうか。

ご当地サポーターコメント
漫画『美味しんぼ』でも紹介されていたそうです。お芋の麺は、つるんとした喉越しで、まるでコンニャク麺のような、しかし歯切れは柔らかい不思議な食感です。
六兵衛茶屋 千々石店
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。