何度でもりたくなる名湯

湯めぐり手帖湯めぐり手帖

心や身体をほぐし、豊かな時間を過ごせる
日本の温泉。
星野リゾートには、湯船から望む美しい景色や
心を落ち着かせてくれる香りなど、
五感で愉しめる個性豊かな温泉が数多くございます。
温泉ソムリエのかたあきこさんによる
秋ならではの温泉の楽しみ方もご紹介。

大切な人との距離がぐっと縮まる、
温泉の旅へでかけてみませんか?

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温泉旅のススメ

「温泉に行きたい」「旅に出かけたい」と思う時、二つのサインが出ているように感じます。「疲れた、休みたい、リセットしたい」という静のサインと、「旬の味と季節を楽しみたい、ワクワクしたい」という動のサイン。心身の疲れを癒し、好奇心を刺激し、明日の元気まで与えてくれるもの。それが温泉旅の魅力です。
 旅先でいつも驚くのは、地元の方の肌が綺麗で笑顔が素敵なこと。これはきっと共同湯という社交場で磨かれたもの。温泉が湧く所に人が集まり、宿が立ち、旅人が訪れ、交流が生まれ、相手を思う気持ちが心を豊かに!
 旅は非日常。ふだんとは違う自然環境や旅館の美しい空間で、五感が刺激されたり、ほっとできたり、もてなしに癒されたり。温泉旅に出かけてゆったりとした時間を過ごしましょう。次第に笑顔が増えていくはずです。
「あの温泉旅館に行けば元気になれる」。そう安心できる場所が全国にあると人生がより楽しくなると思います。

のかたあきこ

旅ジャーナリスト。日本の「町・人・温泉・宿」をテーマに30年間、全国を取材。テレビ東京『ソロモン流』で「旅賢人」と紹介される。
宿本『旅美人SPECIAL』編集長。温泉ソムリエアンバサダー、サウナ・スパプロフェッショナル、日本温泉地域学会会員、銭湯検定ほか、入浴関連の資格多数。傾聴スペシャリスト、準サービス介助士、パーソナルリンパケアリスト、生活習慣病予防プランナー、健康マスター・エキスパート(普及認定講師)。 ほかに睡眠健康指導士や日本茶検定1級・日本茶インストラクターを取得し、旅と宿と日本茶とお風呂の素晴らしさを発信中!著書に「手わざの日本旅〜星野リゾート温泉旅館『界』の楽しみ方」(旅行読売出版社刊)がある。福岡出身。 http://nokainu.com

温泉づく秘密

秋を知らせる紅葉。例えば軽井沢のカラマツは黄葉に、嵐山のモミジは紅色に葉を染めながら次の季節を迎える準備をしています。紅葉して落葉するのは木に栄養を蓄えるための冬じたく。
色づきに絡めて、色づく温泉 “にごり湯”を紹介します。
奥入瀬渓流ホテルは硫黄が香るやや白濁した単純温泉。星のや東京は海のミネラルであるヨウ素を含んだ琥珀色の塩化物強塩泉です。
にごり湯といってもほとんどの場合、源泉はほぼ無色透明です。空気に触れることで、鉄分を含むものは酸化して鉄錆色に (代表例:伊香保や有馬)、硫黄成分は乳白色に (代表例:乳頭温泉郷、万座、草津)、メタケイ酸は青磁色 (代表例:別府明礬) になります。また珈琲色のモール温泉 (代表例:十勝川) は太古の植物に由来するフミン酸に色づきの秘密があります。
温泉は地球の贈り物。雨水などが長い年月をかけて地面に浸透する中で、ミネラルを蓄え、やがてマグマであたためられ地上に湧出。だから色や温度や香りは多種多様。その個性が入浴の楽しみになるわけです!

温泉芸術家

青森県奥入瀬渓流ホテルには岡本太郎制作の暖炉がシンボリックに存在しています。高さ8.5mもの暖炉『森の神話』は80歳の時の作品。奥入瀬を愛し、その色彩を「100万色もあるかのよう」と讃えています。静岡県吉奈温泉の御宿さか屋には自身設計の風呂があり、抱かれるような曲線美の湯船は独特の雰囲気を醸し出しています。
作家が愛した温泉宿も全国に点在。兵庫県城崎温泉を一躍有名にした志賀直哉の『城の崎にて』は、療養で訪れた三木屋で執筆した短編小説。川端康成の『雪国』執筆の新潟県越後湯沢温泉高半や、夏目漱石滞在の静岡県修善寺・菊屋、与謝野晶子ゆかりの群馬県法師温泉のほかに、宮沢賢治が過ごした岩手県大沢温泉、版画家・棟方志功ゆかりの岡山県奥津温泉など、心身の疲れを癒す温泉は作り手の創作意欲を刺激したことでしょう。
芸術家ゆかりの宿に泊まった時、作品世界とシンクロするような、はじめてなのに懐かしいデジャブ体験が訪れます。時代を超えて繫がる感動。
旅っていいなと感じる瞬間です。

秋に行きたい温泉宿秋に行きたい温泉宿

秋の夜長の温泉滞在、紅葉の湯町へ!秋の夜長の温泉滞在、紅葉の湯町へ!

暑さがやわらぎ過ごしやすい季節になりました。今年も、紅葉が色づく美しい湯町へ出かけませんか。
秋の味覚はもちろん、伝統工芸や地域文化にもふれられる温泉旅館を紹介します。秋の夜長を五感で楽しむ心豊かな旅!

栃木路で紅葉と民藝三昧の温泉旅

鬼怒川

鬼怒川に面した小高い丘の上に佇む宿。ガラス張りのスロープカーは紅葉を眺める特等席。モミジの中庭を囲むように宿は建ち、露天風呂では錦繍の山々と対面します。泉質は肌に優しいアルカリ性単純温泉。全48室が「とちぎ民藝の間」で、そのうち20室は温泉の露天風呂付きです。

  • 界 鬼怒川
  • 界 鬼怒川

栃木県/
鬼怒川温泉

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茶処ならではのもてなしと、
ふぐを楽しむ湖畔の宿

遠州

浜名湖畔にたたずみ、全33室がレイクビュー。保温と保湿に優れた温泉は、全国屈指の塩分濃度を誇るナトリウム・カルシウム-塩化物強塩泉。国産ヒバの露天風呂や、石造りの庭園露天風呂で満喫できます。中庭にはツツジと茶の木を交互に配置した「つむぎ茶畑」があります。11月頃にはツツジが紅く染まり、浜松の伝統織物・遠州綿紬のような縦縞が現れます。秋冬限定のふぐを味わい尽くす贅沢な会席「ふぐづくし会席」は10月下旬~楽しめます。

  • 界 遠州
  • 界 遠州

静岡県/
舘山寺温泉

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日本最古の美肌湯と国宝松江城の秋

玉造

玉造温泉は『出雲国風土記』にも登場する歴史ある温泉です。泉質はナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉。肌の古い角質を落とし、潤いをもたらす美肌の湯です。全24室に信楽焼か檜の温泉露天風呂が備わります。2015年に国宝に指定された松江城は車で20分。お堀を一周する堀川遊覧船で楽しむ紅葉風景は乙なもの。

  • 界 出雲
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島根県/玉造温泉

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のかたのオススメ星野リゾートの温泉宿のかたのオススメ星野リゾートの温泉宿

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界 秋保「紺碧の間」で秋保の渓谷美を堪能特設サイトへ

界 秋保は2024年4月、「仙台の奥座敷」と呼ばれる秋保温泉に開業しました。仙台駅から路線バスで40分ほど、奥羽山脈から流れる名取川沿いに宿は立ち、全49室が渓流ビューという眺めの良さが魅力です。温泉街からは少し離れていて、周囲は自然に包まれ、「杜の都」を感じさせます。

ロビーは前面がガラス張りの吹き抜け空間で、渓谷の緑と対面できます。ひとつ下の階の「せせらきラウンジ」には足湯テラスがあり、自然を五感で体感できます。このラウンジは館内一の人気スポット。仙台駄菓子や生菓子、ソフトドリンクやアルコールのもてなしが充実し、夜は地元音楽家の生演奏が披露されます。

客室は「紺碧(こんぺき)の間」と名付けられたご当地部屋です。「紺碧」は、名取川の渓谷「磊々峡(らいらいきょう)」の色彩に由来するとか。ピクチャーウインドウを採用して、風景を絵画のように楽しませてくれます。客室には仙台ガラスのアートや地元作家の茶器、部屋番号の札には白石和紙、寝室の障子には「こけし」の柄が隠れるなど、宮城のご当地要素を取り入れています。

夕食は大名の食事をイメージした会席料理。先付では、仙台麩に牛テールと仙台味噌のリエットを付けて味わいます。特別会席「新伊達会席」のメイン「牛の山海俵鍋」は、トリュフを浮かべた出汁に俵をかたどった牛肉をくぐらせ、ウニを添えて楽しむ贅沢な一品。牛タンやせりなど宮城県らしい食材も登場します。海の幸も満載です。地酒とあわせて楽しみましょう。

秋保温泉は1400年以上の歴史を誇り、天皇を癒したという「名取の御湯」の名が伝わります。皮膚病の名湯として知られ、仙台藩主・伊達政宗公も贔屓に。宿は自家源泉を2本所有し、内風呂は「あつ湯」と「ぬる湯」を用意。交互入浴で体のめぐりをよくします。露天風呂は巨石を配した庭園風の造り。泉質は「ナトリウム・カルシウムー塩化物泉」。よく温まり、肌をなめらかにします。

地域を体験するご当地楽は「伊達な宴」と題し、仙台藩ゆかりの地酒を注ぎながら宴の楽しみ方を知ります。名勝の秋保大滝をはじめ、渓谷一帯は10月中旬〜11月中旬、カエデやナラの競演で紅葉絶景に。周辺にはご当地ワインや地ビール処も点在し、美味と美景に出会える旅が楽しめます。

春夏秋冬、四季のある日本を楽しむ温泉旅。 これからもあなたの「湯めぐり手帖」には素敵なページが続いていくことでしょう!春夏秋冬、四季のある日本を楽しむ温泉旅。 これからもあなたの「湯めぐり手帖」には素敵なページが続いていくことでしょう!

星野リゾート公式サイト