飛騨高山で愛される「高山ラーメン」の名店5選。素朴な一杯に個性が宿る

「高山ラーメン」とは、昭和初期に屋台から始まったといわれる、飛騨高山のご当地ラーメンです。地元では「中華そば」や「そば」と呼ばれ、年末の年越しそばとして食べる家庭もあるほど親しまれています。専門店以外にも中華そばを提供する店は多く、その数は高山市内で3桁にのぼるともいわれています。魚介や野菜などの出汁に醤油スープを合わせて煮込み、細ちぢれ麺を合わせた、あっさりとした醤油ラーメン。卓上に置かれた酢をかけて、まろやかな味わいの変化を楽しむのも定番です。そんな高山ラーメンを求めて訪れたい名店をご紹介します。

三代続く老舗が守る、飛騨高山の伝統の味

「中華そば」900円は、澄んだスープが味わい深い王道ラーメン
「中華そば」900円は、澄んだスープが味わい深い王道ラーメン

1956年(昭和31年)に創業、現在は「父の味を食べて育った」という若き三代目店主が、代々受け継がれてきた中華そばの味を守っています。
煮干しなど魚介をメインに、豚骨と野菜で出汁を取り、岐阜県産醤油とともに大きな寸胴鍋で煮込むスープは、あっさりとしながらも旨みたっぷり。そのスープをまとった細ちぢれ麺は軽やかな歯ざわりで、どこか懐かしい味わいが広がります。
トッピングは、県産バラ肉の大判チャーシューとメンマ、ネギのみというシンプルさ。スープを飲み干す人も多い、まろやかな余韻が楽しめる一杯です。

メニューはシンプル。夏限定の中華そばにも注目

朝日町本通り沿いにある小さな店。昔から味もお品書きも変わらないという
朝日町本通り沿いにある小さな店。昔から味もお品書きも変わらないという

提供するのは、「中華そば」「チャーシュー麺」「ワンタン麺」のみ。お酒類も置かず、昔ながらの味づくりに向き合っています。
高山では珍しいというワンタン麺は、祖父の代から続く人気メニュー。ふわふわ、とぅるんとした皮が、あっさりスープによく合います。
GW明けから登場する「冷やし中華」も、リピーターが毎年楽しみにする一品。魚介の旨み豊かなタレに、おろし生ショウガがさわやかに香る、夏にぴったりの味わいです。

ご当地
サポーター

ご家族で営んでいる温かな雰囲気のお店です。スープを飲み干すと、丼の底に「鼓」の文字が現れるのにもグッときます。チャーシューの端っこを盛り盛りのせた、平日限定の「まかないチャーシュー麺」1,050円も人気です。

つづみそば
  • 住所岐阜県高山市朝日町52 MAP
  • アクセスJR高山駅から徒歩約10分
  • 営業時間11:30〜14:00、17:00〜20:00
    日曜11:00〜14:00
  • 定休日火曜、第4月曜
  • TEL0577-32-0299
  • 駐車場なし※近隣に提携駐車場あり(2,000円以上の利用で30分無料券サービス)

自家製の極細ちぢれ麺と、奥深い醤油スープを味わう

やや硬めに茹でた極細ちぢれ麺に醤油スープがよく絡む。「甚五郎らーめん(並)」1,000円
やや硬めに茹でた極細ちぢれ麺に醤油スープがよく絡む。「甚五郎らーめん(並)」1,000円

1983年(昭和58年)にオープンした人気店。名物の「甚五郎らーめん」は、自家製の極細ちぢれ麺に素朴で味わい深いスープ、醤油味が染みたやわらかな焼豚がよく合う一杯です。スープは、鰹節や煮干しなどの魚介と鶏ガラ、豚骨、野菜の出汁に、醤油を合わせてじっくり煮込んだもの。開店時から絶えず火を入れているため、時間が経つほど角が取れ、丸みのある味わいになるといいます。
途中で味変するなら、卓上のお酢がおすすめ。さらにガツンと食べたい方は、ニンニクをリクエストしてみましょう。自分でおろして加えれば、スープがより風味豊かに。昼営業では、ごはん1杯サービスというのもうれしい心遣いです。

夜は居酒屋としてもにぎわう店。持ち帰りラーメンはお土産に

お昼時は行列必至のラーメン店
お昼時は行列必至のラーメン店

夜は20時から深夜まで、居酒屋としても楽しめます。自家調合の特製ソースで味わう串カツやモツ煮、揚だし豆腐など、おつまみも豊富。喉越しのいい甚五郎らーめんは締めにもぴったりです。
さらにこちらでは、「お店の味をそのままご自宅でも楽しめるように」と、持ち帰り用ラーメンも販売。自家製麺と醤油スープに加え、焼豚、メンマ、ネギまで付いていて、本格的なラーメンが手軽に味わえるのが魅力です。

ご当地
サポーター

創業当初から持ち帰りラーメンを販売する、草分け的な存在。市内のスーパーでも販売されていて、自宅で「甚五郎らーめん」を楽しむ地元ファンも多いそうです。要冷蔵なので、旅の締めくくりに購入して、家でも高山の味を満喫しましょう。

甚五郎らーめん
  • 住所岐阜県高山市西之一色町2-132-1 MAP
  • アクセスJR高山駅から徒歩約5分
  • 営業時間10:30〜14:30(L.O.)、20:00〜翌2:00頃
  • 定休日年末年始、日・月曜の夜
  • TEL0577-34-5565
  • 駐車場無料

ガツンと響く、醤油の旨み豊かな中華そば

「中華そば(並)味付け玉子入」1,300円
「中華そば(並)味付け玉子入」1,300円

「高山でラーメン店に迷ったら、『しらかわ』に行けば間違いない」と称される、新進気鋭のラーメン店。鶏ガラをベースに魚介と香味野菜の旨みを重ねた出汁と、醤油スープを別々に仕込み、注文後に合わせて提供しています。
香ばしく炙った三枚肉のチャーシューに、メンマ、海苔、ネギ、そしてブラックペッパーをひと振り。スープをすすれば、醤油の塩味と香りが際立ち、ブラックペッパーのピリッとした風味もアクセントに。地元の製麺所に特注する細ちぢれ麺にコク深いスープが絡み、後を引くおいしさです。

並んででも食べたい、ミシュランガイドで評価された味

2012年にオープン。カウンターの奥にはテーブル席も
2012年にオープン。カウンターの奥にはテーブル席も

「ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版」で、ミシュランプレートにセレクトされた実績を持つ人気店。常に行列が絶えませんが、お品書きは「中華そば」の並と大のみという潔さゆえ、提供はスピーディー。明るい接客も心地いいお店です。
奥行きのある店内には、カウンター7席の他、4名用テーブルが2卓。縁起の良い龍のモチーフが飾られた雰囲気のいい空間で、醤油の旨みあふれる中華そばを堪能してみてはいかがでしょう。

ご当地
サポーター

こちらの中華そばは、醤油の風味がクセになる一杯。卓上にお酢があるのは高山ラーメン店の定番ですが、黒コショウを置いているのは「しらかわ」らしいポイントです。好みで振りかければパンチが増して、スープの香りがさらに引き立ちます。

麺屋しらかわ
  • 住所岐阜県高山市相生町56-2 MAP
  • アクセスJR高山駅から徒歩約10分
  • 営業時間11:00〜15:00頃(スープがなくなり次第閉店)
  • 定休日火曜
  • TEL0577-77-9289
  • 駐車場なし

のれんを引き継ぎ、先代直伝の味を今に伝える

厚切りチャーシューが4枚のった「チャーシューめん(並盛)」1,300円
厚切りチャーシューが4枚のった「チャーシューめん(並盛)」1,300円

1948年(昭和23年)創業の「豆天狗」が閉業することになった際、「地元で愛される中華そばの味を継承したい」と名乗り出たのが、同時期から飛騨市で製麺所を営む「麺の清水屋」。スープのレシピからチャーシューの炊き方に至るまで、先代から「これなら大丈夫」とお墨付きをもらい、その伝統の味を受け継いでいます。
スープは魚の節と煮干し、鶏ガラ、香味野菜の出汁に、醤油、ラード、鶏油を加えた秘伝のタレで味付け。熱が均一に伝わる釜を使って常に火を入れながら、新しいスープを継ぎ足して、コクのあるスープに仕上げています。

自家製麺へのこだわりが光る、滋味深い一杯

前身の豆天狗から使っている、座り心地のいい飛騨産業の椅子が並ぶ
前身の豆天狗から使っている、座り心地のいい飛騨産業の椅子が並ぶ

細ちぢれ麺はもちろん自家製。気温や湿度によって加水量やかくはん時間を調整するといい、麺づくりへの情熱が伝わります。
中華そばをオーダーすると、麺を40秒ほどサッと茹で上げて完成。つるつる、もっちりとした麺に、豚や鶏の旨みが溶け込んだ醤油スープがよく絡みます。ひと口ごとに、体に染み入るような滋味深さが広がって、箸が止まらなくなるおいしさです。
原点である中華そばに加え、高山では珍しい「つけ麺」も用意。こちらはコシのある極太麺を、濃厚魚介醤油のつけ汁で味わえます。

ご当地
サポーター

製麺所が営むだけあって、持ち帰り用の生ラーメンとつけ麺も販売しています。常温で1カ月ほど日持ちするので、自宅で楽しむのはもちろん、高山土産にもぴったりです。

豆天狗 高山本店
  • 住所岐阜県高山市下一之町3-3 MAP
  • アクセスJR高山駅から徒歩約15分
  • 営業時間11:00〜16:00(L.O.15:30)
  • 定休日不定休(インスタグラムで確認)
  • TEL0577-33-5177
  • 駐車場なし※近隣に提携駐車場あり

フレンチの発想で楽しむ、唯一無二の高山ラーメン

細ストレート麺があっさり塩スープによく合う「飛騨牛とび肉塩そば」1,700円
細ストレート麺があっさり塩スープによく合う「飛騨牛とび肉塩そば」1,700円

商店街に映える青いのれんと、イノシシの剥製が目印。斜め向かいに立つフレンチの人気店「ル・ミディ」の姉妹店です。
10種類以上あるラーメンは、本店で仕込んだブイヨンをベースに、メニューごとに異なるスープを展開しています。高山らしさを堪能するなら、飛騨牛の中でも最上級を表す「とび肉」をのせた「塩そば」を。チキンブイヨンに、シイタケや昆布、ニンニク、ショウガなどを加えた塩だれを合わせたスープは、澄んだ見た目ながら奥深い旨みを感じる味わいです。レアな飛騨牛とび肉は、熱々のスープでさっと火を通して味わえば、口の中でとろけていきます。

飛騨食材を生かした、独創的なラーメンで魅了

食券を買って注文するスタイル。奥には小上がりの席も
食券を買って注文するスタイル。奥には小上がりの席も

他にも、ブイヨンに醤油スープを合わせた「高山中華そば」をはじめ、辛さを効かせた「飛騨味噌ラーメン」、「飛騨いのししジビエラーメン」など、多彩なメニューが揃います。
注文後に本店で焼く飛騨牛ステーキをのせた油そばは、見た目も豪華な一杯。地元の学生から海外の観光客まで、多くの人を惹きつけています。
卓上にワインビネガーを用意しているのも、フレンチスタイルの店ならでは。スープに数滴たらせば、まろやかなコクがプラスされ、極上スープを最後のひと口まで楽しめます。

ご当地
サポーター

高山名物の飛騨牛と中華そばを一度に味わえる、オリジナリティあふれる一軒。飲みやすい南仏ワインもグラスで提供しているので、フレンチ仕込みのラーメンとのペアリングを試してみるのもおすすめです。

中華そば専門店M
  • 住所岐阜県高山市本町2-10 MAP
  • アクセスJR高山駅から徒歩約10分
  • 営業時間11:00〜14:30(L.O.)、17:30〜20:00(L.O.)
  • 定休日木曜、他に不定休あり(google mapで確認)
  • TEL0577-35-3566
  • 駐車場なし

平湯の居酒屋で楽しむ個性派ラーメン

「牛スジらーめん」1,500円、「漬けものステーキ」700円、飛騨のカップ酒495円〜
「牛スジらーめん」1,500円、「漬けものステーキ」700円、飛騨のカップ酒495円〜

奥飛騨温泉郷の玄関口・平湯でラーメンを味わうなら、こちらの居酒屋へ。鶏ガラスープに背脂を効かせた定番の「しょう油らーめん」をはじめ、昆布と鰹出汁が香る上品な味わいの「塩らーめん」、隠し味のニンニクが風味を引き立てる濃厚な「みそらーめん」など、5種類のラーメンが揃います。
中でも「牛スジらーめん」は、同店ならではのオリジナル。牛骨の出汁が染み渡るクリアなスープに、やわらかく煮込んだ牛スジがたっぷり入り、モヤシやメンマの食感もアクセントになっています。

飛騨の郷土料理と地酒で、心ほどける旅時間を

コの字型のカウンター13席のみ。仕事終わりに訪れる地元の方にも人気の店
コの字型のカウンター13席のみ。仕事終わりに訪れる地元の方にも人気の店

ピリ辛メンマやれんこんチップス、鶏皮餃子といったおつまみメニューも充実。季節の食材を使った一品料理は、店内のブラックボードでチェックできます。
白菜の漬物を焼いて卵でとじた「漬けものステーキ」、飛騨の木綿豆腐を揚げて甘めのタレとバターで味付けした「豆腐ステーキ」など、飛騨らしい郷土料理に出合えることも。
「さるぼぼ」をデザインした「久寿玉」をはじめ、飛騨高山のカップ酒とともに味わえば、旅気分もいっそう深まります。

ご当地
サポーター

店主おひとりで切り盛りすることが多いので、大人のみ4人までで訪れるのがおすすめです。ランチでは、お好きなラーメンに唐揚げか揚げ餃子、手羽先が付けられる「らーめんランチセット」もあり、ボリューム満点です。

らーめん酒場やどり木
  • 住所岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯721 MAP
  • アクセス平湯バスターミナルから徒歩約3分
  • 営業時間11:30〜13:30(L.O.)、17:30〜23:00(L.O.)
  • 定休日日・月曜(祝日の営業はgoogle mapで確認)
  • TEL0578-84-0027
  • 駐車場無料
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