ご当地サポーター
そばの名店が揃いぶみ。出雲・松江のおすすめ「出雲そば」6選

「日本三大そば」のひとつに数えられる、島根名物「出雲そば」。そばの実を殻ごとすべて挽く「挽きぐるみ」と呼ばれる製粉方法で作られたそば粉を使うのが特徴で、灰色がかった麺はそば粉の豊かな風味を楽しませてくれます。一般的には丸くて赤い漆器に盛られた冷たい「割子そば」と、茹でた釜湯を注いで食べる熱々の「釜揚げそば」があり、どちらも食べる時にそばつゆをかけていただきます。地域を代表するグルメなだけあって、出雲・松江エリアには歴史ある名店が多数点在します。そのなかから地元客も足繁く通うおすすめの蕎麦処をご紹介。参拝の前後に立ち寄りやすい、出雲大社周辺の名店もピックアップしています。

出雲大社のお膝元で味わう、おみくじ付きの割子そば

「縁結び天セット」1,530円。ぜんざいにはそば粉を使ったハート型の白玉が入っている
「縁結び天セット」1,530円。ぜんざいにはそば粉を使ったハート型の白玉が入っている

江戸時代後期から約240年続く、出雲そば最古の名店です。8代にわたって受け継がれる石臼挽きの「二八そば」は、島根県産をはじめ3種のそば粉をブレンド。創業時から変わらない甘めのそばつゆで、細めながらコシのある風味豊かなそばを味わえます。

観光客が多い繁盛期は8割以上の方が注文するというのが「縁結び天セット」。なめこおろしとウズラの2段割子そばに、そば粉使用の白玉が入った「そばぜんざい」、天ぷらのほか、おみくじやご縁袋が付いた人気セットです。

出雲大社から歩いて約5分の好立地

落ち着いた店内には1階にテーブル席と小上がり、2階にはゆったりとくつろげる個室が完備されている
落ち着いた店内には1階にテーブル席と小上がり、2階にはゆったりとくつろげる個室が完備されている

割子そばは単品でも楽しめ、通常の3段に加え4段、5段と選べるほか、1段から追加注文も可能。有精卵、とろろ、天玉など一段一段トッピングも様々なので、食べ比べも楽しめます。また、出雲そばのもうひとつの定番メニュー「釜揚げそば」もいただけます。

店の場所は、出雲大社の「勢溜(せいだまり)の鳥居」から歩いて約5分。参拝の前後に立ち寄る方も多いため、週末は行列をなすことがほとんどなので、来店は早めの時間帯がおすすめです。

ご当地サポーターコメント
割子そばは、そばの上に薬味をのせ、「の」の字を描くように少量のそばつゆをかけていただくのが基本の食べ方。残ったつゆは次の器にかけて食べ進め、最後に余ったつゆは、そば湯に入れて飲んでみましょう。
荒木屋
  • URLhttps://www.izumo-kankou.gr.jp/1640
  • 住所島根県出雲市大社町杵築東409-2 MAP
  • アクセス一畑電車出雲大社前駅から徒歩約10分
  • バスアクセスJR出雲市駅からバス乗車、「正門前」下車徒歩約5分
  • 営業時間11:00~17:00 ※そばが無くなり次第終了
  • 定休日水曜(祝日の場合は翌日)
  • TEL0853-53-2352
  • 駐車場無料

出雲大社エリアで人気を博す指折りの名店

店の代名詞ともいえる看板メニュー「三色割子3段」1,100円
店の代名詞ともいえる看板メニュー「三色割子3段」1,100円

出雲大社へ観光に訪れた多くの方が昼食の候補に挙げる人気のそば処。一番のおすすめは、とろろや生卵を薬味と一緒にのせた3段の割子そばです。比較的コシが強く食べ応えがあり、一本一本の太さが不揃いなのも手打ちされている証拠。日高昆布やウルメイワシで出汁を取ったつゆが、そばの豊かな香りを丁寧に引き立てます。

出雲大社から徒歩圏内にあり、午前10時半から営業。参拝の前後にも立ち寄りやすいお店です。

1人でも家族でも訪れやすい落ち着いた空間

女将をはじめスタッフは女性が中心で、店内は飾らない落ち着いた空間
女将をはじめスタッフは女性が中心で、店内は飾らない落ち着いた空間

暖簾をくぐると、正面にずらりとテーブル席が並び、左手前から店内奥にかけて小上がりが5卓。他店に比べると1人で訪れる方も多い印象です。

メニューには割子のほか、釜揚げ、月見、山かけ、さらにとろろと卵をのせた「淡雪」、大根おろしや花ガツオをトッピングした「ご縁そば」など、温かいそばも種類豊富に提供。ドロッとした濃厚なそば湯も同店ならではなので、割子そばを食べる際はぜひあわせて注文してはいかがでしょうか。

ご当地サポーターコメント
大根おろしをトッピングした「おろし割子」は、コシの強いそばの食感と香りをシンプルに楽しめるさっぱりとしたひと品。おろしの辛みとつゆの甘さが絶妙にマッチします。
そば処かねや
  • URLhttps://www.izumo-kankou.gr.jp/shinmon/6920
  • 住所島根県出雲市大社町杵築東659 MAP
  • アクセス一畑電車出雲大社前駅から徒歩約10分
  • バスアクセスJR出雲市駅からバス乗車、「正門前」下車徒歩約6分
  • 営業時間10:30~15:00(L.O.14:30)
  • 定休日木曜
  • TEL0853-53-2366
  • 駐車場無料

「献上そば」の名を冠する老舗の釜揚げそば

「釜あげそば」800円
「釜あげそば」800円

明治40年、のちの大正天皇にそばを献上したことから「献上そば」の名を許された、江戸末期創業の老舗。12代にわたって受け継がれるのは、出雲産そば粉を主に使用して昔ながらの製法で作る生粋の出雲そばです。

「釜揚げそば」は、熱々のそば湯に浸かったそばに、別添えのつゆをさらっとかけ、好みの量の薬味を入れて味わう一杯。挽きたて・打ち立て・茹で立てにこだわり、挽きぐるみの出雲そばらしい素朴な食感と、豊かな香りが楽しめます。

窓の外に日本庭園が広がる開放的な和空間

店内には小上がりとテーブル席を完備。庭園を眺めながら伝統の味を堪能するひとときは、まさに格別
店内には小上がりとテーブル席を完備。庭園を眺めながら伝統の味を堪能するひとときは、まさに格別

店舗があるのは、出雲大社から車で約6分走ったところにある文化施設「出雲文化伝承館」内。施設内には、かつて出雲平野の大地主だった江角家の庭園などが移築されているため、手入れの行き届いた広い日本庭園を眺めながらゆっくり食事が楽しめます。

明治時代の「出雲屋敷」、松平不昧公ゆかりの茶室を再現した「独楽庵」などもあり、店舗周辺の一帯が回遊できる庭園のようになっています。待ち時間や帰り際には、情緒溢れる施設内を散歩してみるのもおすすめです。

ご当地サポーターコメント
出雲市内に3店舗を展開する「羽根屋」。本店はJR出雲駅から徒歩約8分のところにあります。宿泊地や観光するスポットに応じて店舗選びをすると、効率よく観光が楽しめそうです。
献上そば 羽根屋 伝承館店
  • URLhttps://kenjosoba-haneya.com/
  • 住所島根県出雲市浜町520 MAP
  • アクセスJR出雲市駅から車で約14分
  • 営業時間11:00~14:30 ※そばが無くなり次第終了
  • 定休日月曜、12月28日~1月3日
  • TEL0853-25-0312
  • 駐車場無料

圧倒的な地元支持を誇る手打ちそば&カツ丼

カツ丼と割子そば2段が楽しめる人気メニュー「かつ丼セット」1,300円
カツ丼と割子そば2段が楽しめる人気メニュー「かつ丼セット」1,300円

地元の方御用達として知られたのも今は昔、現在は多くの観光客やお忍びで芸能人が訪れるほどの超人気店。地元産をはじめ国産の玄そば(殻のついたそばの実)を使用した挽きぐるみの手打ちそばは、コシが強めで香りも豊かです。「変化させて初めて変わらない味だねと言ってもらえる」と店主が語る通り、ウルメ節を使った甘めのつゆは時代に合わせて変化。

また、そばを凌ぐほどの人気を誇るのが、カリッとしたカツとふわふわの玉子の「かつ丼」。訪れた際にはぜひ味わっておきたい一杯です。

地元の人も観光の人も訪れる住宅街のそば処

店内はテーブル席が中心で、店内奥には二間続きの和室が広がっている
店内はテーブル席が中心で、店内奥には二間続きの和室が広がっている

出雲大社の門前町から細い路地に入った先の静かな住宅街の一角にあり、昼は常連さんや観光客で早い時間帯から賑わいます。

割子そばは3段、4段、5段から選べるほか、一段一段具材をトッピングした「三色割子蕎麦」も用意。中でも丼物とのセットメニューが特に人気で、かつ丼以外に親子丼、牛とじ丼が割子そばとともに楽しめます。食後には温かいそばがきが入った「そばがきぜんざい」をぜひ。
店内では「干蕎麦」も持ち帰り販売されており、2人前から購入可。出雲大社の土産にもピッタリです。

ご当地サポーターコメント
同店は、終戦後まもない1950年に創業。店名は初代店主が世の中の平和を願って名付けたものだとか。出雲大社エリアにあるそば処の中でも、比較的地元の方が多く利用する大衆的なそば屋さんです。
平和そば本店
  • URLhttps://www.heiwasoba.com/
  • 住所島根県出雲市大社町杵築西2034 MAP
  • アクセス一畑電車出雲大社前駅から徒歩約12分
  • バスアクセスJR出雲市駅からバス乗車、「正門前」下車徒歩約12分
  • 営業時間11:00~15:00(L.O.14:30)※そばが無くなり次第終了
  • 定休日木曜(臨時休業あり)
  • TEL0853-53-3240
  • 駐車場無料

「地伝酒」入りのつゆで味わう、石臼挽きの十割そば

十割の割子そばに、大和芋のとろろと生卵をのせた「とろろ割子」1,340円
十割の割子そばに、大和芋のとろろと生卵をのせた「とろろ割子」1,340円

地元産を中心に各地のそばが楽しめる店。すべて小麦粉などの“つなぎ”を混ぜない生粉打ち(十割)で、蕎麦実を3台の石臼で3回挽くなど、手間暇を惜しまず作るそばが評判です。

また、自家製のつゆには出雲地域で古くから特別な料理酒として親しまれる「地伝酒」を使用。濃厚な旨みと甘さが醤油のカドをとり、まろやかな味わいに仕立てています。一部に松江産の玄そばを使用するほか、トッピングで使う卵や芋も島根県産を仕入れるなど、地元素材にこだわる姿勢も魅力のひとつです。

松江城観光とあわせて立ち寄れるそば処

店内にはテーブル席のほか、広々と使える畳の座敷席も完備。家族連れも気兼ねなく利用できる
店内にはテーブル席のほか、広々と使える畳の座敷席も完備。家族連れも気兼ねなく利用できる

国宝松江城から徒歩圏内にあるため、観光がてらに立ち寄る人が多いこちらのお店。バス停が目の前にあるので、松江駅からのアクセスも至便です。

メニューは比較的シンプルで、冷たいそばは「割子そば」「とろろ割子」「せいろ(もりそば)」の3種。一番人気は「とろろ割子」ですが、そば本来の味を楽しむなら薬味のみで味わう「割子そば」もおすすめです。そば湯をかけた「釜揚げそば」や「とりそば」など温かいそばも揃っています。

ご当地サポーターコメント
近くの塩見縄手通りには、「小泉八雲記念館」や「松江歴史館」など人気の定番スポットが多数。松江観光の昼食にもピッタリなお店です。
神代そば
  • URLhttps://www.facebook.com/people/神代そば/100043733486869/
  • 住所島根県松江市奥谷町324-5 MAP
  • アクセスJR松江駅から車で約10分
  • バスアクセスJR松江駅から「ぐるっと松江レイクライン」乗車、「小泉八雲記念館前」下車徒歩約1分
  • 営業時間11:00~15:00(L.O.14:30)※そばが無くなり次第終了
  • 定休日水曜、不定休
  • TEL0852-21-4866
  • 駐車場無料

職人が栽培から手掛ける、自然派十割そば

そばぜんざいやそば湯も付く「割子そば」840円
そばぜんざいやそば湯も付く「割子そば」840円

契約栽培の地に自ら足を運ぶなど、そば作りをイチから追求する職人のお店。栽培に適した島根県奥出雲町で育ったそばの実を、石臼挽きで自家製粉。小麦粉などを使わずに打った「十割そば」は、太めで歯切れが良く、噛むたびに芳醇な香りが広がります。

サバ節や椎茸などで出汁をとったつゆは、少し甘めで旨みもたっぷり。また、職人がセレクトした地酒も置かれており、辛口の純米酒とともにこだわりの出雲そばを堪能する時間は、まさに至福のひとときです。

好みで選べる2種類のそば

1人でも家族でも立ち寄りやすいお店。カウンター席と4人掛けテーブル席のほか、奥には広めのテーブル席も
1人でも家族でも立ち寄りやすいお店。カウンター席と4人掛けテーブル席のほか、奥には広めのテーブル席も

創業からおよそ50年。民芸調の外観は松江の街並みに溶け込み、年季の入った梁や家具が囲む店内は、そばをよりおいしく感じさせる風情溢れる空間です。

温かいそばは、奥出雲町の特産であるマイタケを使った「マイタケ天ぷらそば」、出雲そばの定番「釜揚げそば」など地域色があるメニューを提供。一方の冷たいそばは2種類製粉されており、殻付きのまま挽いた「出雲そば」と、脱皮して挽いたいわゆる「江戸そば」の両方を味わうことができるのも魅力です。

ご当地サポーターコメント
ゴールデンウィークやお盆は休業日になることが多いので、大型連休はできるだけ避けて来店するのがおすすめです。
中国山地蕎麦工房 ふなつ
※掲載の内容は、記事更新日時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。