会津若松・猪苗代エリアで酒蔵巡り。おすすめの蔵6選

良質な米と水に恵まれ、全国有数の日本酒の産地として知られる会津地方。「全国新酒鑑評会」において、福島県は金賞受賞数最多の記録を更新し続けており、会津地方の蔵元がその半数以上を占めています。中でも会津若松には蔵元が多く、見学や直売所での買い物が楽しめる蔵もあります。会津若松・猪苗代エリアで、おすすめの蔵巡りを楽しんでみませんか。
1榮川(えいせん)酒造
磐梯の名水で仕込む清らかな日本酒

1869年(明治2年)に会津若松で創業し、酒造りに適した良水を求めて1989年(平成元年)に現在の場所に工場を移転。日本名水百選「磐梯西山麓湧水群」の清冽な地下水を使った酒造りを行う蔵元です。
代表銘柄の大吟醸「榮四郎」は、「全国新酒鑑評会」で金賞を受賞している杜氏(とうじ)入魂の一品。マスクメロンを思わせる香りと、まろやかで柔らかな口当たりが特徴です。この他、蔵限定販売の純米吟醸生原酒「磐梯しぼり」や、日本酒ベースの梅酒やリキュールも好評です。
工場見学と試飲を通じて日本酒に親しむ

工場ではガイド付きの見学案内も行っており、団体以外は当日の申し込みが可能。平日はビン詰めやラベル貼りなどの様子を通路から見ることができ、醸造休止期間の5~10月はモニター映像を中心に酒造りを紹介しています。
見学後は、工場の入り口にある売店「ゆっ蔵」へ。蔵を利用した趣きのある建物の中で、試飲しながらお酒を選べます。「榮川」のロゴが入ったおちょこや徳利(とっくり)などのオリジナルグッズも豊富で、お酒好きな方にプレゼントしても喜ばれそうです。

- 榮川(えいせん)酒造
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http://www.eisen.jp
福島県耶麻郡磐梯町更科中曽根平6841-11 MAP
JR磐梯町駅から車で約8分
ゆっ蔵10:00~16:30
ガイド付き見学案内時間10:00、11:00、13:00、14:00、15:00(所要時間20~30分)ゆっ蔵 水曜(12月は土・日曜、祝日定休)
見学 不定休0242-73-2300
無料
2末廣(すえひろ)酒造 嘉永蔵(かえいぐら)
元祖山廃仕込みを守り続ける歴史ある蔵元

創業は1850年(嘉永3年)。大正初期には日本酒製法の1つ「山廃仕込み」の祖と呼ばれる嘉儀(かぎ)金一郎を招き、試験醸造を開始したのが「末廣酒造 嘉永蔵」です。この嘉儀式山廃造りを伝承した日本酒「伝承山廃純米 末廣」は、国内外の数々の品評会で金賞を受賞している銘酒で、蔵の原点と言える1本。他にも、鑑評会で金賞に輝いた原酒を詰めた大吟醸「玄宰」や、福島県産の酒米「夢の香(かおり)」を使った純米大吟醸「ゆめのかおり」など、コンセプトのある日本酒が揃います。
蔵限定の日本酒も手に入る直売所も必見

嘉永蔵では昔ながらの手作業で酒造りを行っており、ガイドスタッフによる蔵見学ツアー(無料)も実施。予約不要で参加できて、仕込み蔵や酒造りの道具などを見学できます。
酒造りの知識を深めてから直売所へ行くと楽しみも倍増。試飲コーナーには、蔵限定の銘柄を含む日本酒や梅酒が並び、香りや味わいの違いを確かめながらじっくり選べます。
敷地内の「酒蔵カフェ 杏(きょう)」も隠れた癒しスポット。最古の酒蔵を改装したレトロな空間で、大吟醸を使ったケーキや仕込み水で入れたコーヒーが味わえます。

- 末廣(すえひろ)酒造 嘉永蔵(かえいぐら)
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https://www.sake-suehiro.jp/
福島県会津若松市日新町12-38 MAP
JR会津若松駅から車で約6分
JR会津若松駅から周遊バス乗車、「大和町」下車徒歩約1分
9:00~17:00(最終案内16:00)、カフェ10:00~17:30
酒造 第2水曜 12月31日 1月1日、 カフェ 水曜
0242-27-0002
無料
3鶴乃江酒造
ベテラン杜氏と女性杜氏による細やかな酒造りが評判

会津藩御用達頭取を務めた「永寶屋」から分家し、1794年(寛政6年)に創業。2019年秋に「黄綬褒章」を受賞したベテラン杜氏(とうじ)をはじめ、全国でも珍しい母娘の杜氏がいる蔵としても有名です。昔ながらの手作業にこだわり、ベテラン杜氏の醸す芳醇で旨口の「会津中将」シリーズをはじめ、母が麹(こうじ)造り、娘が仕込みを担当した辛口の「ゆり」シリーズなど、食中酒として楽しみたい日本酒が揃います。郷土愛も深く、会津産酒造好適米「五百万石」や「夢の香」と福島県の酵母を使用した日本酒造りにも取り組んでいます。
造り手の思いを聞きながら楽しく試飲

会津若松の七日町通りに面した木造の建物は大正末期に建てられたもの。中は直売所になっており、店内では定番酒から季節限定酒までの試飲ができます。運がよければ杜氏の説明を聞きながらお酒が選べるのも小さな蔵ならでは。各商品には使用している米や酵母、味わい、飲み頃の温度帯などが表示されていて、1本1本に愛情が感じられます。
酒蔵の見学は事前予約制で、繁忙期は対応できないことも多いため、早めに相談をするのがおすすめです。

- 鶴乃江酒造
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https://www.tsurunoe.com
福島県会津若松市七日町2-46 MAP
JR七日町駅から徒歩約5分
9:00~18:00※蔵見学は要予約
1月1日
0242-27-0139
無料(2台)
4名倉山酒造
国内外で評価が高い銘酒揃いの人気蔵

1918年(大正7年)に創業。「きれいな甘さ」を目指した緻密な酒造りに定評があり、2019年までの「全国新酒鑑評会」で11年連続金賞を受賞している実力派の蔵元です。
蔵の顔とも言える「名倉山大吟醸」は、最高の原料・技・条件で造られた日本酒で、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の五味が調和したフルーティーな飲み口が自慢。福島の酒米「夢の香(かおり)」と福島県開発酵母を使った純米酒「月弓」は、華やかさとふくよかさを併せ持ち、きれいな甘さを体感できる1本です。
酒蔵見学では貴重な仕込み蔵を公開

金賞受賞酒と吟醸酒以下の日本酒は蔵を分けて仕込みを行い、徹底した温度管理で旨味を引き出しています。蔵の見学は予約制で通年行っていて、貯蔵タンクを間近で見られるのも醍醐味。明治時代に建てられた蔵の内部も趣きがあります。
名倉山酒造の商品は県内出荷が8割を占めるので、現地で買うのがおすすめ。国内外の品評会で受賞歴のある銘酒が揃っているので、日本酒好きの方へのお土産にも最適です。

- 名倉山酒造
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http://www.nagurayama.jp
福島県会津若松市千石町2-46 MAP
JR会津若松駅から車で約8分
JR会津若松駅からバス乗車、「千石中央」下車徒歩約4分
9:00~17:00(蔵見学は要予約)
土・日曜、祝日
0242-22-0844
無料
5宮泉銘醸(みやいずみめいじょう)
酒質の設計から見直し、世界に通用する銘酒を創出

1955年(昭和30年)、会津若松市の「鶴ヶ城」前で創業。比較的若い蔵ながら、全国区の人気を誇ります。この蔵にとって大きな転機が訪れたのは、現4代目蔵元が帰郷した2003年。システムエンジニアとしての勤め先を辞め、4代目として蔵に戻ると、酒造り工程の見直しを進め、酒造設備を一新。技術を追求し続けた結果、2014年に行われた世界一おいしい市販酒を決めるコンクール「SAKE COMPETITION」の純米酒・純米吟醸の2部門で、「冩樂」が1位を獲得し、全国的に一躍脚光を浴びました。
4代目が全国向けに立ち上げた新ブランド「寫楽」をはじめ、福島県内の出荷をメインとしている「會津宮泉」も様々な品評会でグランプリを獲得しています。
良質な水と米を使って妥協を許さない酒造りを徹底

契約農家と共同で栽培している田んぼでは、「五百万石」や「夢の香」などの地元産酒造好適米を生産。また、地元産米の他、全国の特Aクラスの酒造好適米「酒未来」や「羽州誉」、「赤磐雄町」「東条山田錦」「吉川山田錦」など、全国的にも取り扱いの少ない米を使用し、常に酒質の向上を目指す酒造りに取り組んでいます。貯蔵についても、一般的な酒蔵では大型タンクで常温貯蔵することが多い中、「宮泉醸造」では、空気による酸化防止と常温劣化を防ぐためタンク貯蔵を行わず、全量瓶詰による冷蔵貯蔵を徹底しています。
工場の見学は不可ですが、漆喰と木で造られた蔵の外観だけでも見応えがあります。

- 宮泉銘醸(みやいずみめいじょう)
-
http://www.miyaizumi.co.jp
福島県会津若松市東栄町8-7 MAP
JR会津若松駅から車で約7分
JR会津若松駅から周遊バス乗車、「北出丸大通り」下車徒歩約1分
9:00~16:30(見学不可)
土・日曜、祝日 ※売店は無休
0242-27-0031
無料
6稲川酒造店
無濾過原酒の力強い日本酒で愛される老舗

1848(嘉永元年)に猪苗代町で創業し、無濾過原酒にこだわった酒造りを行う蔵元です。看板商品の「七重郎」は、当主が代々襲名する由緒ある名前を冠した日本酒で、純米無濾過に特化したシリーズを展開しています。
印象的な名前の「百十五」は、酒米の栽培から杜氏(とうじ)が手掛けた逸品で、米を育てている田んぼの脇を国道115号線が通っていることから命名されました。
「全国新酒鑑評会」で何度も金賞を受賞している「稲川 大吟醸」もファンが多い銘柄です。
猪苗代唯一の蔵元として地元流通を大切に

屋号の「稲川」は、日本酒の命である米を「稲」、磐梯山(ばんだいさん)の伏流水を「川」として命名。杜氏をはじめ、スタッフ全員が猪苗代町とその周辺の出身で、米と水も地元にこだわった酒造りを大切にしています。かつて猪苗代町には蔵元が5、6軒ありましたが、今では「稲川酒造店」1軒のみ。蔵の公開はしていませんが、事務所兼店舗でお酒を買うことができます。ほとんどの銘柄が地元流通のため、県外では見かけないものも多く、味わう楽しみもひとしおです。

- 稲川酒造店
-
https://www.sake-inagawa.com
福島県耶麻郡猪苗代町新町4916 MAP
JR猪苗代駅から車で約7分
JR猪苗代駅からバス乗車、「バスセンター」下車徒歩約2分
8:30~17:00
不定休
0242-62-2001
無料(2台)
<磐梯山を望む高原リゾートホテル>
観光を楽しんだ後は、磐梯山の麓の位置するリゾートホテルでくつろぎのひとときはいかがでしょうか。ホテル内では、会津の歴史や文化を滞在の中で感じることができます。
7星野リゾート 磐梯山温泉ホテル
会津文化を満喫し、一年中アクティブに過ごせる宿

日本百名山の一つである「磐梯山」が眼前にそびえ立ち、眼下には鏡の様に輝く「猪苗代湖」を望む場所に位置する「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」。温水プール、スパ、温泉が揃い、知られざる会津文化に触れる滞在をお楽しみいただけます。新緑から紅葉に燃え、深雪に包まれる季節までアクティブに過ごせます。雄大な自然と四季の移ろいの中での高原リゾートステイをお楽しみ下さい。

- 星野リゾート 磐梯山温泉ホテル
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https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/bandai/
福島県耶麻郡磐梯町大字更科字清水平6838-68 MAP
JR磐梯町駅から無料送迎バスで約15分
050-3134-8094(予約センター/9:30-18:00)
星野リゾート 磐梯山温泉ホテル 予約サイト