観る・味わう・体験する。白老町でアイヌ文化を体感できるスポット

©️(公財)アイヌ民族文化財団

2020年にアイヌ文化振興拠点「ウポポイ(民族共生象徴空間)」がオープンした白老町。アイヌ民族の文化伝承の地であり、暮らしに根ざしたアイヌ文化を感じられるスポットも町内にたくさんあります。アイヌ文化を見て・ふれて・体験できる施設、地元の人々とふれあいながら白老の魅力を味わえるお店などをご紹介します。

アイヌ民族の歴史と文化を体感

「国立アイヌ民族博物館」内の「プラザ展示」。アイヌ民族の伝統的な衣装や生活道具などが展示されている ©️(公財)アイヌ民族文化財団
「国立アイヌ民族博物館」内の「プラザ展示」。アイヌ民族の伝統的な衣装や生活道具などが展示されている ©️(公財)アイヌ民族文化財団

2020年7月にオープンしたアイヌ文化の発信拠点。ポロト湖に面した広大な敷地に、アイヌ文化と歴史の理解を深められる、日本初の国立博物館「国立アイヌ民族博物館」、体験型フィールドミュージアム「国立民族共生公園」などが整備されています。国立アイヌ民族博物館には歴史的資料に加え、現代の工芸家などによる復元資料も多数展示されており、見応えがあります。博物館1階のミュージアムショップやエントランス棟のショップでは、アイヌ工芸品やウポポイオリジナルグッズなどが販売。他にはないお土産が手に入ります。

伝統的な生活や芸能を体験し、音と光のステージに酔う

アイヌの伝統芸能の1つ「イヨマンテ リㇺセ(熊の霊送りの踊り)」。うねるような輪唱のリズムと美しい衣装に引き込まれる ©️(公財)アイヌ民族文化財団
アイヌの伝統芸能の1つ「イヨマンテ リㇺセ(熊の霊送りの踊り)」。うねるような輪唱のリズムと美しい衣装に引き込まれる ©️(公財)アイヌ民族文化財団

「ウポポイ」はアイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」。多様な人々が共生できる社会への願いが込められています。
広大な敷地内にはアイヌ民族の伝統的な生活様式や芸能を体験できる施設も多数点在。アイヌ古式舞踊を含む伝統芸能の鑑賞や工芸家による製作実演、アイヌ料理の調理体験など、ここでしか味わえない体験ができます。なお、体験プログラムは事前予約や別途料金が必要な場合があります。事前にウポポイウェブサイトを確認することをおすすめします。

ご当地
サポーター

2026年4月、アイヌ文化をモチーフにした遊具広場「トㇺトㇺ」が誕生。さらに本格ジビエを味わうレストラン「海空のハル」や地元食材たっぷりのフードコート「poro」もオープン。食べて遊べる体験型フィールドで特別な1日を。

©️(公財)アイヌ民族文化財団
©️(公財)アイヌ民族文化財団
ウポポイ(民族共生象徴空間)
  • 住所北海道白老郡白老町若草町2丁目3 MAP
  • アクセスJR白老駅から徒歩約10分
  • 営業時間9:00〜18:00(時期により閉園時間の変動あり)
  • 定休日月曜(祝日の場合は翌日以降の平日休み)、年末年始
  • 入場料大人1,200円、高校生600円、中学生以下無料
  • TEL0144-82-3914
  • 駐車場有料

気鋭のアイヌ伝統工芸家が営む工房兼ギャラリー

イナウと呼ばれる祭具とともに飾られたイタ(お盆)の存在感が、見る者を圧倒する
イナウと呼ばれる祭具とともに飾られたイタ(お盆)の存在感が、見る者を圧倒する

2011年に史上最年少でアイヌ伝統工芸家に認定された水野練平氏の工房兼ギャラリー。木材や彫刻刀が並ぶ製作現場とともに、アイヌ民族の生活道具であるイタやマキリ(小刀)などの作品を見ることができます。緻密で繊細な文様、煤(すす)と油で仕上げた味わい深いテクスチャーはアイヌ伝統のスタイル。「人に見せるためではなく、自分で使う道具に美しい文様を施すアイヌ民族の感性に惹かれる」と水野氏はいいます。昔ながらの手法を貫き、現代的なアレンジを行わないにも関わらず、自ずと宿る作り手の魂が、現代人の心をとらえてやみません。

イタで運ばれるコーヒーと気さくな会話を楽しむ

インダストリアルなインテリアとアイヌの伝統が共存する空間は独特の雰囲気
インダストリアルなインテリアとアイヌの伝統が共存する空間は独特の雰囲気

ギャラリーは、町内在住のモルタル造形作家・和田正樹氏とのコラボレーションから生まれたアーティスティックな空間。エゾシカやオオワシの剥製と木彫工芸がしっくりと調和し、不思議と心が落ち着きます。ギャラリーにはカフェも併設されており、コーヒーやビールなどがイタに載せて提供されます。水野氏の作品を入手するには注文から約1年かかるそうですが、木彫のコースターやピンバッジなどの小物類はその場で購入可能。気さくな水野氏とおしゃべりしながら、世界でひとつだけのお土産を選ぶのも楽しいものです。

ご当地
サポーター

一杯ずつハンドドリップで淹れるコーヒーは専門店に引けを取らないおいしさ。タイミングが合えば水野さんの手で淹れたコーヒーをいただけます。

Rempei Mizuno
  • 住所北海道白老郡白老町東町2丁目4-8 MAP
  • アクセスJR白老駅から徒歩約6分
  • 営業時間13:00〜17:00
  • 定休日月曜
  • 駐車場無料

圧倒的な独創性がみなぎる唯一無二の世界観

木に宿る神を彫り出したような「森の神」(中央)をはじめ、神秘的な作品の数々が並ぶ
木に宿る神を彫り出したような「森の神」(中央)をはじめ、神秘的な作品の数々が並ぶ

白老町内で随一のラインナップを誇る創作木彫専門店です。先代は戦後まもなく旅館や割烹、民芸品商社などを手広く運営。父から事業を継承した荒井修二氏は、独学で木彫技術を会得したそうです。その作風は、アフリカンアートのような生命力とアイヌアートのような緻密さが混じり合い、自由闊達で独創性にあふれています。木と向き合い、頭に浮かんだイメージをデッサンなしで彫り上げるのが荒井氏のスタイル。だからこそ一つとして同じ作品はなく、それぞれが魂を宿しているかのような神秘的なパワーを感じさせます。

アイヌの人々とともに歩んだ歴史が随所に

入口の扉にも個性豊かな木彫が施され来館者を迎える
入口の扉にも個性豊かな木彫が施され来館者を迎える

先代の頃からアイヌ民族の木彫師を雇い、観光土産の木彫熊やニポポ(人形)を製作していた荒井工芸館。白老の地に根ざしたアイヌ文化を尊重し、分け隔てなく接する姿勢に、アイヌの人々は深い信頼を寄せていたそうです。同館では現在も荒井氏の作品の他、アイヌの人々が製作した木彫作品を多数販売しています。作り手によって異なる熊の毛並みやニポポの表情など、一つひとつじっくり見ていると時間を忘れてしまいそう。民族を超えた木彫への情熱が渦巻く空間は、それ自体が唯一無二の作品といえるかもしれません。

ご当地
サポーター

エントランスから店内へ続く独創的な手彫りの扉も荒井氏の作品。まさに異空間への入り口です。

荒井工芸館
  • 住所北海道白老郡白老町大町3丁目3-26 MAP
  • アクセスJR白老駅から徒歩約4分
  • 営業時間10:00〜16:00(変動の可能性あり)
  • 定休日年末年始
  • TEL0144-82-2823
  • 駐車場無料

アイヌ伝統の生活空間を学べる体験プログラムが多数

体験プログラムの参加者が製作した鮭皮靴やゴザ。完成度の高い仕上がりに驚く
体験プログラムの参加者が製作した鮭皮靴やゴザ。完成度の高い仕上がりに驚く

自然と共生していたアイヌの人々のイオル(伝統的生活空間)の再生に向けて、アイヌの伝統や文化を伝える体験交流施設。「チキサニ」はハルニレの木を意味するアイヌ語です。チキサニでは、1年を通して海・川・山それぞれのイオルに基づくさまざまな体験プログラムを実施。アイヌ文化にゆかりのある山菜の採取・調理・試食体験、アイヌの伝統的な道具を使って鮭を獲る「マレ漁」体験、「チェㇷ゚」と呼ばれる鮭皮靴の製作体験など、アイヌの人々の伝統的な生活を体験できる機会が用意されています。

見て・ふれて・感じるアイヌ文化の奥深さ

手にとって見られる展示品も多く、リアルな質感や実際の使い方を肌で学ぶことができる
手にとって見られる展示品も多く、リアルな質感や実際の使い方を肌で学ぶことができる

施設内には、白老町内の方々が製作したアイヌ工芸品や復元された伝統的な丸木舟、アイヌ文化と深い関わりのある植物などが展示されています。アイヌ関連図書やDVDなどの資料も充実しており、コンパクトな空間に密度の濃い情報がぎっしりと詰まっています。
チキサニでは、今後も自然との共生をより実感してもらう取り組みを行っていく予定。例えば、植物の種まきから採取、加工、手工芸品の制作までを体感できる息の長いプログラムも構想中だそうです。体験プログラムは事前予約制。詳しくは電話にてお問い合わせください。

しらおいイオル事務所チキサニ
  • 住所北海道白老郡白老町末広町2丁目6-4 MAP
  • アクセスJR白老駅から徒歩約14分
  • 営業時間9:00〜16:00
  • 定休日月曜(祝日の場合は翌日休み)、年末年始
  • TEL0144-82-6301
  • 駐車場無料
  • メモ体験プログラムは電話にて事前予約が必要

白老に息づくアイヌ工芸の魅力を発信

伝統的な素材と手法で製作された刀帯や編袋、タマサイ(首飾り)などはすべて貴重な一点物
伝統的な素材と手法で製作された刀帯や編袋、タマサイ(首飾り)などはすべて貴重な一点物

白老町の公募で選ばれた地元事業者が、白老の魅力発信に取り組むチャレンジショップ。「ウポポイ」の近くにある観光案内所「ポロトミンタラ」に隣接する建物で、2022年春から3つのお店が営業をスタートしました。そのひとつ「pon epere(ポンエペレ)」では、町内でアイヌ工芸に携わる人々が製作したアイヌ刺しゅう作品や、アイヌ文様彫刻木彫を販売。アイヌの伝統的なゴザや編袋、美しいタマサイなども並んでおり、ウポポイの後に訪れた人々は「国立アイヌ民族博物館で観たものにここで出合えるとは」と驚かれるそうです。

美しいアイヌ文様を日常使いで楽しむアイテムも充実

アイヌの伝統的な衣装から現代のファッションにもマッチする雑貨まで豊富に揃う
アイヌの伝統的な衣装から現代のファッションにもマッチする雑貨まで豊富に揃う

アイヌ文様をあしらったトートバッグやコースター、Tシャツ、アクセサリーなど、日常の暮らしの中でアイヌ文様の美しさを楽しめるアイテムも多数ラインナップ。廃業した民芸品店の倉庫から見つかった古い木彫工芸品をリメイクしたキーホルダーなどもあり、他にはないお土産を探したい方にもぴったりです。しらおいチャレンジショップはポンエペレの他、ペットと一緒に利用できるエステサロン「KINKA」が出店しています。

ご当地
サポーター

しらおいチャレンジショップに隣接する「ポロトミンタラ」には白老町内の観光情報コーナーや物産ショップもあり、休憩がてら立ち寄るのにぴったり。外には遊具や蒸気機関車の展示もあるので、子ども連れにもおすすめです。

しらおいチャレンジショップ
  • 住所北海道白老郡白老町若草町1丁目1 MAP
  • アクセスJR白老駅から徒歩約4分
  • 営業時間ポンエペレ:10:30~17:00(4~10月)、11:00~16:00(11~3月)
    KINKA:10:00~17:00
  • 定休日ポンエペレ:月曜(4~10月)、月~水曜(11~3月)
    KINKA:水曜・不定休あり
  • TELポンエペレ:0144-82-2800 (休業日:090-9515-3327)
    KINKA:090-6264-5882
  • 駐車場無料
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