シュウマイ研究家が教えます!横浜旅がもっとおいしく楽しくなる、崎陽軒とシウマイ講座

横浜駅東口ポルタ地下街「中華食堂」の新メニュー「崎陽軒シウマイ大満足定食」

神奈川の中心地、横浜の食といえば、崎陽軒の「シウマイ」。実はシュウマイ自体が横浜発祥と考えられており、その歴史と魅力を知れば、横浜旅がもっとおいしく楽しくなるはず。崎陽軒だけでなく、全国のシュウマイを食べ歩き研究を重ねる、私、シュウマイ研究家のシュウマイ潤が、崎陽軒と「シウマイ」の特別講座を開講します!
(協力/崎陽軒)

この記事を担当したみちくさの達人

  • シュウマイ研究家

    シュウマイ 潤

    神奈川県生まれ。2015年頃からシュウマイ研究を開始し、インスタグラム「焼売生活」を中心に情報を発信。2026年9月現在、約2500種、約13000粒以上のシュウマイを食べてきた。TBS「マツコの知らない世界」をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞、ウェブなどさまざまなメディアでシュウマイについて語る。2022年6月22日に一般社団法人日本シュウマイ協会を設立。著書に「シュウマイの本」(産業編集センター)。
    インスタグラム「シュウマイ生活」
    https://www.instagram.com/syumai.life/

    みちくさの
    達人
1912年(大正元年)創業と言われている「華香亭本店」のシュウマイ。崎陽軒より古くからシュウマイを提供していた可能性が高い
1912年(大正元年)創業と言われている「華香亭本店」のシュウマイ。崎陽軒より古くからシュウマイを提供していた可能性が高い

崎陽軒がなぜ横浜のシンボル的存在なのか?様々な理由がありすぎて語り尽くせませんが、あえて入門編として、大きく三つのポイントに整理してみました。

1.そもそもシュウマイは横浜が発祥
日本全国を食べ歩き、その歴史や由来を調べてきましたが、日本で最も早く一般的にシュウマイが食べられるようになったのは、横浜の可能性が高いです。
江戸時代の開国地の中心地だった横浜には、外国人居留地ができ、そこで商売をする中国人居住区もできます。そこで、主に中国人向けに中国料理店ができはじめ、その中でシュウマイが存在したと考えられます。

2.横浜駅の売店として創業
一方、崎陽軒は1908年(明治41年)、横浜駅構内の売店として創業します。開業当時は横浜駅自体が現在の桜木町あたりにあり、崎陽軒店舗もそのなかで産声を上げました。ちなみに名物「シウマイ」は開業当初からは販売しておらず、牛乳やサイダーなどの飲み物、もち、寿司などを売っていたそうです。

3.中華街の定番を名物料理に
「シウマイ」が誕生したのは、横浜の中国料理店でお土産や先付けの定番になりつつあったシュウマイに、初代社長の野並茂吉氏が着目。横浜駅で買って電車内で食べられる「冷めてもおいしい」シュウマイにするために、当時南京町のシェフだった呉遇孫(ごぐうそん)をスカウトし開発。1928年(昭和3年)に現在も続く看板製品「昔ながらのシウマイ」が完成しました。あえて「シウマイ」と表記したのは、一説に初代社長の発音(なまり?)と中国語のイントネーションを踏まえてだそうです。

みちくさの達人

崎陽軒の「シウマイ」は2028年で生誕100年!その間、駅の売り子の「シウマイ娘」が小説や映画に登場したり、オリジナルしょうゆ差し「ひょうちゃん」がコレクターに人気を集めるなど話題になり、「シウマイ」人気を後押ししました。

横浜駅構内でシウマイを販売する「シウマイ娘」
横浜駅構内でシウマイを販売する「シウマイ娘」
「昔ながらのシウマイ」15個入
「昔ながらのシウマイ」15個入

「昔ながらのシウマイ」は現在も崎陽軒店舗で販売されています。そして、使用する具材は開発当初から変えておらず、創業からの味が今も支持され続けていることになります。

豚肉、タマネギ、グリンピース、干帆立貝柱、塩、胡椒、砂糖、でんぷん、そして皮の小麦のみ。実は保存料無添加であることは意外と知られていません。

味の特徴としては、豚肉と干帆立貝柱をミックスしたことで、「冷めてもおいしい」を可能にしたこと。その理由は、当時の崎陽軒は駅構内で調理済みのものを車内で食べてもらうしかなく、しかし南京町で提供されていたシュウマイは熱々の状態が基本で、冷めるとおいしさが半減してしまいました。そのおいしさを保つために、一年をかけて開発し完成したと言われています。

加えて、女性や子供でも一口で食べられるサイズ感も特徴の一つ。開発当時の南京町をはじめとする中国料理店のシュウマイは、おそらく倍ほどの大ぶりサイズが普通でしたが、揺れやすい列車内でこぼさず食べるための配慮で小さくしたそうです。

みちくさの達人

「冷めてもおいしい」を追求した結果、干帆立貝柱を使用したわけですが、この日本人に馴染みのある旨味が、「また食べたくなる」懐かしい味わいとなり、今日の人気を支える要因になっていると私は分析しています。

発売当初の「昔ながらのシウマイ」パッケージ
発売当初の「昔ながらのシウマイ」パッケージ
崎陽軒の主力商品の双璧をなす「シウマイ弁当」
崎陽軒の主力商品の双璧をなす「シウマイ弁当」

「昔ながらのシウマイ」と双璧をなす、崎陽軒を象徴する人気製品が「シウマイ弁当」です。販売数は1日約30000食、多い時は40000食に達し、その数は全国の駅弁の中でも圧倒的トップ。駅弁界の王者とも言える存在なのです。

経木の箱に入った弁当箱には、中央に「昔ながらのシウマイ」が5粒横に並び、その上に左から千切り生姜、切り昆布、鶏の唐揚げ、玉子焼き、あんず、かまぼこ、マグロの漬け焼き、角切りになった筍煮がおかずとして詰められ、シウマイの下側には俵形のごはんが8つ並び、黒ごまと青梅が添えられています。

人気の要因は様々ですが、個人的には駅弁界の「温故知新」であることに尽きると思います。1954年(昭和29年)誕生以来、マイナーチェンジしつつも主要構成は変わっていません。一つ一つの具材は極めてクラシックな和惣菜、見方によれば地味な存在(一般的にはシウマイも含めて)ですが、古くから日本人に親しまれている味ばかりであり、そのおいしさは時代を経ても色褪せず、実は若い世代も含めて食べ飽きず、「昔ながらのシウマイ」同様、また食べたくなる弁当と言えるのかもしれません。そんな思いを抱きながら「横浜みやげ」として帰路に買うのも、崎陽軒の乙な楽しみ方と言えるでしょう。

みちくさの達人

実は崎陽軒が「シウマイ弁当」より前に駅弁として販売したのは「ヤキメシ」。現在のもう一つの看板弁当の「横濱チャーハン」の前身といえる製品です。その後駅弁屋の原点に立ち戻って、幕の内弁当をモチーフにして「シウマイ弁当」が誕生したと言われています

歴代の「シウマイ弁当」の掛け紙
歴代の「シウマイ弁当」の掛け紙

崎陽軒は、国内では横浜を中心に神奈川県内をはじめ、東京、埼玉、千葉、静岡の1都4県で購入できます(海外は台湾でも購入可能です)。他、通信販売もありますが、基本的には冷凍かチルド商品。やはり、原則その日に食べる常温品を食べていただきたいものです。
その中でも、横浜でしか食べられない崎陽軒の味があります。崎陽軒をさらに深く知るためにも、ぜひ横浜旅の行程に盛り込んでください。

みちくさの達人

横浜エリアの崎陽軒ショップも侮れません。なかでも「横浜駅中央店」と「新横浜駅キュービックプラザ新幹線西口改札店」は他県では買えない製品が充実。特におすすめは、季節で食材が変わる「季節のシウマイ」。旬を感じられる横浜土産としてもおすすめです。

超贅沢シウマイやブッフェシウマイが楽しめる

「嘉宮」限定、オリジナルシウマイ盛り合わせ3種(フカヒレ、クワイ、サーモンチーズ)
「嘉宮」限定、オリジナルシウマイ盛り合わせ3種(フカヒレ、クワイ、サーモンチーズ)

横浜駅東口に建つ地上8階地下2階の「崎陽軒本店」は、横浜駅周辺の象徴の一つです。
1階は本店ショップに加え、ティーサロンを設置。2階は高級中国料理店「嘉宮」などのレストラン。「嘉宮」ではここ限定の「オリジナルシウマイ盛り合わせ3種(フカヒレ、クワイ、サーモンチーズ)」が味わえます。高級具材を熟練の技術で仕上げた一品は、全国的に見てもなかなか味わえない贅沢味です。
地下は横浜駅地下街ポルタから直結する「ビアレストラン亜利巴"巴"(アリババ)」。ランチはブッフェスタイルで、「昔ながらのシウマイ」の食べ放題が名物。夜はキリンビールの様々な種類のビールやクラフトビールとともに、「昔ながらのシウマイ」に加え、特製、カニ、エビ、チーズシウマイを熱々の状態で味わうことができます。

崎陽軒本店
  • 住所神奈川県横浜市西区高島2-13-12 MAP
  • 営業時間9:00〜23:00(詳細は各店舗による)
  • 定休日1/1および不定休

崎陽軒の食堂の原点ここにあり

崎陽軒「中華食堂」外観
崎陽軒「中華食堂」外観

崎陽軒本店と併設する形で、横浜駅地下街ポルタ内に立地。中華食堂は、崎陽軒における飲食事業の始まりとなった存在で、昔ながらのシウマイなどを定食スタイルで食べられるのはこの店だけです。特に横浜らしいメニューとしては、横浜名物麺「サンマー麺」と「昔ながらのシウマイ」5個、漬物、ドリンクがセットになった「ちょい呑みセット」。たっぷりとシウマイを食べたければ、2026年7月31日のリニューアル記念メニュー「昔ながらのシウマイ」20個(!)が入った「崎陽軒シウマイ大満足定食」がおすすめ。

中華食堂
  • 住所神奈川県横浜市西区高島2-16-B1 横浜駅東口地下街ポルタ MAP
  • 営業時間11:00〜23:00
  • 定休日無休

崎陽軒のシウマイのルーツの味

ホタテの旨みが詰まったオリジナルのシウマイ
ホタテの旨みが詰まったオリジナルのシウマイ

「昔ながらのシウマイ」を開発した呉遇孫の長男は、後に「順海閣」という中国料理店をオープンしました。現在は横浜中華街で営業中。崎陽軒のルーツを感じられる、ホタテの旨みが詰まったオリジナルのシウマイを味わうことができます。

順海閣本館
  • 住所神奈川県横浜市中区山下町147
  • 営業時間11:00〜22:00
  • 定休日無休

シウマイとシウマイ弁当製造の全てがわかる!

工場見学の様子
工場見学の様子

崎陽軒の工場は横浜に2ヶ所、東京に1ヶ所あり、その主要工場が新横浜にある「横浜工場」。ここでは「昔ながらのシウマイ」をはじめとする各種シウマイの製造と「シウマイ弁当」などの製造が行われていますが、事前予約すれば工場見学することができます。
見所はシウマイの製造ライン。一日約80万個を製造する様子は圧巻で、特に中身(練り肉)が大量に流れ落ちながら補充される様は大迫力!そしてできたばかりのシウマイを食べることもできます。他にも崎陽軒の歴史や「ひょうちゃんコレクション」もあり、前出の「シウマイ娘」の制服を着た記念撮影も!

崎陽軒横浜工場
  • 住所神奈川県横浜市都筑区川向町675-1 MAP
  • 営業時間9:00〜、10:30〜、12:30〜、14:00〜
  • 定休日月・木・日曜、月末および年末年始休
  • 入場料無料
  • メモ予約サイトからの事前予約制

横浜と崎陽軒の食と文化のつながりとともに、横浜での崎陽軒の楽しみ方を駆け足でまとめてきましたが、シュウマイ研究家として最後に言いたいのは、「横浜のシュウマイは崎陽軒だけにあらず」ということです。

先にも触れた通り、横浜は日本のシュウマイ文化の発祥の地であり、崎陽軒がシウマイを始める前から、南京町および横浜周辺にはシュウマイが親しまれてきた歴史があります。崎陽軒のシウマイ以前からシュウマイを提供する店は現在も残っており、より上級な横浜旅をするなら、ぜひ目的地の一つとして押さえておいて欲しいです。

同時に、崎陽軒以外のシュウマイを味わうと、崎陽軒の価値もさらに深く知ることができます。100年続く基本の味を守りつつ、現代でも横浜以外でもシュウマイ文化を発信し続ける存在。私自身、本稿をまとめながら、改めてそのすごさを噛み締めているところです。

以上、シュウマイ研究家による崎陽軒講座は終了。ですが、まだ伝え足りないことが多々あるので、次回講座の機会もあるかもしれません。それまでにぜひ一度は横浜を訪れ、崎陽軒とシウマイの知識と愛を深めておいてください。

OMO7横浜
OMO7横浜
OMO5横浜馬車道
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崎陽軒の本店や中華街をめぐる「横浜シウマイ旅」の拠点となる、テンションがあがる「街ナカ」ホテルをご紹介。

【アクティブな街歩き旅なら「OMO7横浜」】
JR関内駅の目の前。中華街や野毛エリアも徒歩圏内で、「順海閣」でのシウマイ食べ比べや、はしご酒の拠点にぴったりです。

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