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加賀百万石のシンボル、「金沢城公園」観光完全ガイド

兼六園に隣接する「金沢城」は、金沢の代表的な観光名所のひとつです。加賀百万石を築いた加賀藩前田家の歴代藩主の居城が次々と復元され、2001年に「金沢城公園」として開園しました。広い公園内は、見どころも豊富です。そこで、金沢城公園を訪れたら絶対に回りたいおすすめスポットをご紹介。園内をゆっくりお散歩しながら、史実を尊重しながら復元整備された建物を楽しみましょう。

加賀百万石の歴史と文化を今に伝える

金沢城のトレードマークである石川門
金沢城のトレードマークである石川門

もともと「尾山御坊(金沢御堂)」という浄土真宗の寺院があった場所にある「金沢城」。1580年(天正8年)に金沢城と改称して用い始め、1583年(天正11年)に、加賀百万石を築いた前田利家が金沢城に入ってから本格的な城づくりが始まりました。そこから前田家の歴代藩主の居城となり、約290年間繁栄しました。
度重なる火災で「石川門」と「三十間長屋」以外の建物は全て焼失してしまいましたが、復元工事が進み、2001年から「金沢城公園」として一般公開をスタート。そこからさらに復元整備が進み、庭園や門など当時の豪華絢爛さが少しずつ戻ってきています。

石川門に咲き誇る桜は圧巻
石川門に咲き誇る桜は圧巻

金沢随一の桜の名所としても知られている金沢城。4月上旬には、ソメイヨシノ、ヒガンザクラ、ヤマザクラなど約400本もの桜が咲き誇り、毎年大勢の花見客がその美しさを求めに訪れています。
ビュースポットとして特に人気なのが石川門です。雲海のようなモコモコ感たっぷりの桜と石川門のツーショットはこの時期ならでは。「大手堀」や「菱櫓(ひしやぐら)」の内堀に沿って咲き誇る桜も見逃せません。
夜は隣接する兼六園とともにライトアップをするので、昼とはまた違った表情の桜を楽しめるのも魅力です。

散策のスタートは石川門がおすすめ

石川門は兼六園と金沢城公園を繋ぐ入り口
石川門は兼六園と金沢城公園を繋ぐ入り口

金沢城公園の入場門は全部で5つ設けられています。「兼六園」とあわせて楽しみたい方は、兼六園の向かい側にある石川門からスタートするのがおすすめです。金沢城公園のメインゲートでもあるため、まずはこの門をくぐるのがおすすめです。
石川門は、1759年(宝暦9年)の大火によって一度全焼しましたが、11代藩主・前田治脩(はるなが)の代に再建されました。その後の大火では焼失を免れ、江戸時代から残る貴重な遺構として、国の重要文化財にも指定されています。

長い建物が印象的な「五十間長屋」

三の丸広場にそびえ立つ連結型の櫓
三の丸広場にそびえ立つ連結型の櫓

石川門をくぐり、「三の丸広場」でまず視界に入ってくるのが長い建物です。実は3つの建物が連なっており、内部で繋がっているこの建物。左から「橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)」「五十間長屋(ごじっけんながや)」「菱櫓(ひしやぐら)」となっており、金沢城公園の中で唯一入場料がかかる施設です。内部では、様々な展示が見学できます。
五十間長屋は一般的には多門櫓(たもんやぐら)と呼ばれ、主に武器などを保管する倉庫として使用されながら、非常時には城壁の機能を持ち合わせています。

形や仕掛けが楽しい「菱櫓」

石垣をよじ登ってくる敵を防ぐ役割を持つ石落とし
石垣をよじ登ってくる敵を防ぐ役割を持つ石落とし

菱櫓はその名の通り、建物のいたるところで菱形を楽しめるのがポイント。周辺を見張るという重要な役割をメインで担っていたことから、死角を少なくして視野を広くする効果を狙って菱形を用いたといわれています。建物の平面をはじめ、建物に使われている100本の柱も菱形になっており、優れた当時の技術を見られるのも醍醐味です。
菱櫓は高さ11.7mの石垣の上に建てられた3階建。石落としという防御設備も見学できます。

最も格式高い門を監視する「橋爪門続櫓」

3階から望める絶景
3階から望める絶景

「二の丸」の正門である「橋爪門」を見下ろす位置にあるのが、橋爪門続櫓です。三の丸広場から「橋爪橋」を渡り、二の丸へと向かう人々を見張るための櫓として重要な役目を担っていたといいます。
橋爪門続櫓を訪れたらぜひ3階からの景色を楽しんでください。3階の窓にはガラスが入っていないため、きれいな写真が撮れるスポットとしても人気を集めています。石川門や三の丸広場、「鶴の丸休憩館」を上から眺められる絶景ビューはここならではです。

キャッスルビューでひと休み

五十間長屋を眺められる休憩スペース
五十間長屋を眺められる休憩スペース

歩き疲れたら、絶景ビューを堪能できる「鶴の丸休憩館」へ向かいましょう。こちらの休憩スペースは、窓ガラス越しに五十間長屋や橋爪門を間近に眺められる、絶好のフォトスポットとしてもおすすめです。
併設している展示スペースでは、金沢城公園と兼六園の見どころや歴史などを紹介したオリジナル映像が流れています。クイズコーナーもあるので、時間がある方はぜひチャレンジしてみてください。
館内にはカフェも併設されており、伝統工芸品の器で提供されるお寿司やお菓子を堪能できます。

独創的な大名庭園をゆっくり望む

江戸時代の姿を見事に再現した庭園
江戸時代の姿を見事に再現した庭園

三代目藩主である利常が作庭を始め、歴代藩主により手を加えられながら廃藩時まで存在していたのがこの「玉泉院丸庭園(ぎょくせんいんまるていえん)」です。城内に引かれた辰巳用水を水源とする池泉回遊式の大名庭園は、明治に廃絶しましたが、2015年(平成27年)に見事に再現されました。
高低差22mの斜面を生かした立体的な庭が特徴で、滝と一体となった色紙短冊積石垣は見どころのひとつです。

金沢城公園の最新スポットへ

黒い海鼠漆喰が美しい「鼠多門」と、尾山神社に続く「鼠多門橋」
黒い海鼠漆喰が美しい「鼠多門」と、尾山神社に続く「鼠多門橋」

かつて玉泉院丸庭園と尾山神社を結んでいた門と橋を復元した、2020年7月に完成したばかりの最新スポットです。明治に焼失して以来140年ぶりに復元され、話題となりました。黒い海鼠漆喰が特徴の「鼠多門(ねずみたもん)」と、城内で最大規模を誇っていた木造の橋「鼠多門橋(ねずみたもんばし)」は存在感も抜群。鼠多門は、内部を無料で見学できます。
金沢城公園から鼠多門・鼠多門橋を通って尾山神社に行けるようになったことで、新たな動線ができ、金沢観光がより容易になりました。

全国的にも貴重な石垣の博物館

左右で積み方が違う石川門の石垣
左右で積み方が違う石川門の石垣

約290年の歴史の中で、様々な石垣が作られてきた金沢城。「石垣の博物館」と称されるほど多種多様な石垣を見られ、石垣巡りの散策コースも作られています。自然石を積みあげただけの石垣から、石を加工して隙間なく積まれた石垣まで、バラエティに富んだ石垣を楽しめます。
また、石垣をよく見てみると、○や△、□や卍などの刻印が掘られているものがあります。その種類は200種類以上あり、どんな模様が描かれているのか探してみるのもおすすめです。

日没後は大名庭園のライトアップを楽しんで

カラフルな光にライトアップされた玉泉院丸庭園
カラフルな光にライトアップされた玉泉院丸庭園

毎日、日没から午後9時まで無料で開催しているライトアップもお忘れなく。石川門、河北門、菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓、橋爪門、鼠多門、鼠多門橋、鶴丸倉庫、三十間長屋、玉泉院丸庭園、石垣でライトアップを楽しめます。5ヶ所ある入り口のうち入場できるのは、石川門口、玉泉院丸口、鼠多門口のみなので要注意。
ライトアップにより浮かび上がるお城の輪郭を楽しめるのは、夜の時間ならでは。玉泉院丸庭園では、音楽に合わせて移り変わる演出が楽しめます。

金沢城公園
  • URLhttp://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/
  • 住所石川県金沢市丸の内1-1 MAP
  • アクセスJR金沢駅から車で約7分
  • バスアクセスJR金沢駅からバス乗車、「兼六園下・金沢城」下車徒歩約3分
  • 営業時間3月1日~10月15日 7:00~18:00 、10月16日~2月末日 8:00~17:00
  • 定休日無休
  • 入場料菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門について(入館料)
    大人(18歳以上)320円、小人(6歳~18歳未満)100円
  • TEL076-234-3800(石川県 金沢城・兼六園管理事務所)
  • 駐車場なし
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