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知る人ぞ知る、金沢の穴場スポット

「兼六園」や「金沢城公園」、「ひがし茶屋街」などの定番観光地以外にも、金沢でぜひ訪れたい隠れた人気スポットをご紹介します。驚きの仕掛けがある通称・忍者寺、加賀藩祖・前田利家を祀った神社、九谷焼や加賀友禅の老舗など、知る人ぞ知る名スポットを巡ってみませんか。

複雑な構造と仕掛けが満載、人呼んで「忍者寺」

押入れの襖を開けると階段が。右の床の間は、掛け軸をめくると扉の先に部屋がある
押入れの襖を開けると階段が。右の床の間は、掛け軸をめくると扉の先に部屋がある

金沢の繁華街、片町から徒歩約10分。およそ70軒もの寺が集まる寺町に、1643年(寛永20年)、金沢城近くから移築建立した寺院です。当時は幕命で3階建て以上の建物が禁止されていたため、一見すると2階建てですが、実は内部は4階建て7層構造。複雑な構造の建物内に、23室もの部屋と29カ所もの階段があり、まるで迷路のようです。敵の目を欺く落とし穴などの仕掛けが多く作られていることから、忍者がいたわけではありませんが、忍者寺と呼ばれ親しまれています。

巧妙な隠し階段や落とし穴は必見

窓から中庭を見ると、複雑な構造がよくわかる。中央には井戸が
窓から中庭を見ると、複雑な構造がよくわかる。中央には井戸が

本堂正面には1畳ほどの大きな落とし穴があり、賽銭箱としてカモフラージュされています。渡り廊下に見せかけた隠し階段は、床板を外すと敵が落下する仕組み。住み込みで奉公する下男(げなん)部屋前には明かり取りの階段があり、映る影によって素早く侵入者に気づける構造です。また中庭には、金沢城まで逃げ道が続いているといわれる伝説の井戸も。この他、加賀藩主の奥方の打掛が飾られた大名茶室など、見どころ多数。参拝は予約制で約40分間、案内人による楽しいガイドとともに見て回れます。

妙立寺
  • URLhttp://www.myouryuji.or.jp/
  • 住所石川県金沢市野町1-2-12 MAP
  • アクセスJR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「左回りルート」乗車約15分、「広小路」下車徒歩約3分
  • 営業時間平日、冬季9:00〜16:00、土・日曜・祝日〜16:30 ※要予約(予約の電話は8:00~受付)
  • 定休日法要日
  • 入場料1,000円、小学生700円 ※未就学児は拝観不可
  • TEL076-241-0888
  • 駐車場無し

前田利家とその妻お松の方を祀った由緒ある神社

どっしりとした入母屋造りの屋根瓦葺の拝殿にお参り
どっしりとした入母屋造りの屋根瓦葺の拝殿にお参り

1873年(明治6年)、金沢城のすぐ近くに創建された神社で、加賀藩祖・前田利家公が祀られています。武将の御祭神ゆえ、「文武両道」や「必勝」の御利益があるといわれ、地元では強運をもたらすパワースポットとして知られています。また1998年には正室であるお松の方も合祀されました。夫婦仲が良かったことから、「家内安全」や「恋愛成就」、「子宝安産」を祈願する人も多いそうです。敷地内には、前田家二代目以降の当主とその奥方が祀られた金谷神社もあります。

異国情緒漂う神門は金沢のシンボル

神門の第三層に設置された避雷針は、現存する日本最古のもの
神門の第三層に設置された避雷針は、現存する日本最古のもの

目を引くのは、1875年(明治8年)に建築された神門です。和漢洋の三様式を用いた異色の門で、金沢市のシンボルにもなっています。第一層は重厚な室戸石でできた門。第二層・三層は白漆喰の壁を銅板で覆った造りで、特に第三層には四面に五彩のギヤマン(色ガラス)が張られ、朝日や夕日に照らされてキラキラと輝きます。境内には、池泉回遊式の神苑やガラス張りの授与所もあります。日没から22時までは神門のライトアップも行われており、大通りから幻想的な景色が眺められます。

尾山神社
  • URLhttp://www.oyama-jinja.or.jp/
  • 住所石川県金沢市尾山町11-1 MAP
  • アクセスJR金沢駅から車で約5分
  • バスアクセスJR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「左回りルート」乗車約7分、「南町・尾山神社」下車徒歩約3分
  • 営業時間自由
  • TEL076-231-7210
  • 駐車場無料

加賀藩主が愛でた美しい庭園が復活

金沢城内に再現された風光明媚な大名庭園
金沢城内に再現された風光明媚な大名庭園

歴代の加賀藩主が手を掛け、眺め親しんだという美しい庭園が、かつての金沢城玉泉院丸にありました。明治時代に廃絶されたものの、平成になって7年の歳月をかけて再現。江戸時代初期に城内に引かれた辰巳用水を水源とする、池泉回遊式の見事な大名庭園が蘇りました。池や橋、滝などの他、22mあった高低差まで忠実に再現された立体的な造り。坂の上から見渡す優美な庭の眺めに心が奪われてしまいます。毎週金・土曜、祝前日の日没~21時には、季節をテーマにしたライトアップも行われます。

庭園を望む休憩処でほっと一服

抹茶730円にはオリジナル生菓子付き
抹茶730円にはオリジナル生菓子付き

庭園の風情をより味わいたいなら、案内所と休憩処、茶室を併設した「玉泉庵」へ。本格的なお茶会が催されることもある広々とした茶室は、正面に池と木橋、その先に重厚な石垣群を望む素晴らしいロケーション。ここでは緑豊かな絶景を眺めながら、抹茶と生菓子をゆったりいただくことができます。2カ月に1度替わる生菓子は、季節に合わせて金沢市内の和菓子屋が作るオリジナル。お殿様、お姫様気分に浸りながら、優雅なひとときが楽しめます。

手頃な豆皿から人間国宝の九谷焼まで勢揃い

色とりどりの九谷焼の器や置物、グラスがずらり
色とりどりの九谷焼の器や置物、グラスがずらり

1822年(文政5年)創業の歴史ある九谷焼窯元。武家屋敷跡が連なる長町の一角、のれんをくぐり、靴を脱いで建物の中に入ると、色彩豊かな九谷焼の器が美しく並んでいます。中には明治~大正時代の九谷焼や人間国宝の作品が飾られた一室もあり、ミュージアムのような趣です。2017年には、3軒隣に工房併設の新店舗「春日山窯 木米庵(もくべいあん)」がオープン。月替わりのかわいい招き猫など、若手女性職人が作るオリジナルアイテムが充実しています。

お酒のおいしさを引き立てる、形と絵柄

古九谷鳥紋の酒グラス(L)は17,000円(税別)
古九谷鳥紋の酒グラス(L)は17,000円(税別)

とりわけ人気なのが、ヨーロッパのグラスと九谷焼の陶器を組み合わせた、華やかなワイングラスと酒グラスです。ワインや日本酒に精通した八代目当主が、酒の種類や味わいに合わせて、よりおいしく飲めるグラスを選んでほしいと考案したものです。店内には庭を眺める開放感あふれるカフェや、和御膳、加賀野菜カレー、金沢おでんなどが味わえる食事処もあります。北陸の銘酒やビール、ワインも提供してくれるので、こちらでグラスの飲み心地を試してみるのも一興です。

鏑木商舗
  • URLhttps://kaburaki.jp/
  • 住所石川県金沢市長町1-3-16 MAP
  • バスアクセスJR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「右回りルート」乗車約10分、「香林坊」下車徒歩約5分
  • 営業時間9:00~22:00 日・月曜~18:00
    食事11:30~15:00、18:00~22:00(L.O.21:30)、日11:30~15:00
    喫茶10:00~22:00 日・月曜~18:00
  • 定休日無休(年に数回不定休あり) ※食事は月曜休み
  • TEL076-221-6666
  • 駐車場無し

430年余の伝統を誇る老舗酒造

JR金沢駅から北東へと車で10分ほど、古の藩主が参勤交代で使った北国街道の面影を今に残す街並みに、一軒の酒造が見えてきます。創始者の神谷内屋仁右衛門(かみやちや じんうえもん)が、前田利家の酒を造るため尾張から金沢へ移ったのが始まりの酒造で、創業は1583年(天正11年)。藩政末期に建てられた酒蔵は250年以上の歴史を刻む土蔵造りで、母屋の柱も街道へ向けてお辞儀するように傾けてあるなど、興味深い建築が見られます。酒蔵も母屋も、共に文化庁の登録有形文化財に指定されています。

「酒蔵見学」コースでは工程見学や「加賀鶴」の試飲ができる

利き酒をして好みの一本を旅のお土産に
利き酒をして好みの一本を旅のお土産に

入り口をくぐると、歴代藩主が愛した銘酒「加賀鶴」の直販スペースがあります。「加賀鶴」という酒銘は1628年(寛永5年)、「やちや」の屋号とともに、加賀の国の「加賀」とおめでたい「鶴」を合わせた銘として三代藩主から拝受したもの。地元契約農家が作る酒米「五百万石」「石川門」他と、水は医王山(いおうぜん)水系の伏流水を使い、能登杜氏の高い技術によって伝統の旨みのある酒の味を守り続けています。
「酒蔵見学」に申し込むと、土蔵内部や酒造工程の見学、利き酒ができます。

やちや酒造
  • URLhttp://www.yachiya-sake.co.jp/
  • 住所石川県金沢市大樋町8-32 MAP
  • アクセスJR金沢駅からタクシーで10分
  • 営業時間9:00~12:00、13:00~16:00
  • 定休日日曜(月曜が祝日の場合は日曜営業、月曜休み)、年末年始
  • 入場料酒造見学500円(売店で酒購入の際に500円割引)
  • TEL076-252-7077
  • 駐車場無料
  • メモ酒造見学 1日3回10:30~、13:30~、15:00~(各40分)開催。営業時間内に電話にて要事前予約。

    酒造見学 1日3回10:30~、13:30~、15:00~(各40分)開催。営業時間内に電話にて要事前予約

加賀友禅の彩色体験で、世界で唯一のアクセサリー作り

彩色体験&工房見学で所要約60分。彩色後約4週間で製品に仕上げ送ってもらえる
彩色体験&工房見学で所要約60分。彩色後約4週間で製品に仕上げ送ってもらえる

加賀友禅の有名作家のいる工房。加賀友禅は草花や古典をモチーフにした品の良いデザインで知られ、ここでは作業風景の見学や着物と同じ染料を使った彩色体験ができます。
特に人気なのは、ピアスやイヤリングの彩色体験。約5種類の中から好きなデザインを選べ、春は桜、夏は花火や金魚、秋はモミジといった季節の柄もあります。配色は手本が用意されていますが、色合わせを変えたり、ぼかしを入れたりとアレンジも可能。工夫次第で世界で一つだけの作品になります。
他に、小風呂敷や一筆だけの彩色体験もできます。

洋服に似合うファッション雑貨もラインアップ

シルク100%の「手描き加賀友禅ピアス」各7,800円(税別)
シルク100%の「手描き加賀友禅ピアス」各7,800円(税別)

三代続く「加賀友禅 毎田染画工芸」では、分業制の加賀友禅には珍しく、図案作成から仕立て上がりまで工房内で行っています。その分、作品にアイディアを反映しやすいのがメリット。伝統美に今風のセンスを加えた品が揃い、現代の暮らしに取り入れやすいと評判です。
併設のショールームでは、作品の一部を展示・販売しています。まるで1枚の絵画のような美しい着物がある他、友禅を額に収めた「染額(そめがく)」も。ストールやアクセサリー、ネクタイといった服飾雑貨や、名刺入れなどの小物も手に入ります。

加賀友禅 毎田染画工芸(まいだせんがこうげい)
  • URLhttp://www.maida-yuzen.com/
  • 住所石川県金沢市本多町3-9-19 MAP
  • バスアクセスJR金沢駅東口から北鉄バス城下まち金沢周遊バス「右回りルート」または「東回りルート」乗車約19分、「本多町」下車徒歩約4分
  • 営業時間9:00~17:00、彩色体験10:00~16:00(最終受付)
  • 定休日日曜、月1回土曜、祝日
  • 入場料彩色体験 ピアス4,000円(税別、送料800円別)、小風呂敷15,000円、一筆体験&見学1,500円
  • TEL076-221-3365
  • 駐車場無料
  • メモ彩色体験・見学は2営業日前までに要予約、2名~受付、小学生以下は要保護者同伴

発酵食文化を発信する小さなテーマパーク

金沢港近くの風情ある町並み。シンボルの煙突が目印
金沢港近くの風情ある町並み。シンボルの煙突が目印

金沢市郊外の港町・大野は、江戸初期を起源とする醤油の全国五大産地のひとつ。「ヤマト味噌醤油」は、大野で創業して100年以上の歴史を持つ老舗。その蔵などを活用して、発酵食文化を楽しんでもらおうと開設したのが「ヤマト糀パーク」です。
創業当時、醤油を醸造していた蔵は「発酵食美人食堂」として、寝かせ玄米と月替わりの糀料理を提供しています。直売所「ひしほ蔵」には、蔵元の醤油や味噌、ポン酢、甘酒などが揃うので、試食してお気に入りをお土産に。また、しょうゆ味や玄米甘酒味のソフトクリームも味わえます。

多彩な体験プログラムを楽しもう

みそぼーる作り体験は所要時間20分ほど(3名以上は要予約)
みそぼーる作り体験は所要時間20分ほど(3名以上は要予約)

ここでは発酵食文化を暮らしに取り入れてほしいと、様々な体験プログラムを用意しています。スタッフが糀パーク内を案内する「糀蔵ガイド付きツアー」や「糀手湯」(ハンドバス)、「みそ汁飲み比べ」、「塩糀・醤油糀作り」など、手軽に楽しめるものばかり。おすすめは、自家製の生味噌と出汁、ネギやワカメなど好きな具材を3つ選んで作る「みそぼーる作り体験」です。かわいくラッピングしたみそぼーるは、お湯を注ぐだけで即席味噌汁に。味噌のお土産まで付いて1,000円とお得です。

ヤマト糀(こうじ)パーク
  • URLhttps://www.yamato-soysauce-miso.co.jp/koujipark.html
  • 住所石川県金沢市大野町4丁目イ170 MAP
  • アクセスJR金沢駅から車で約15分
  • 営業時間10:00~17:00、発酵食美人食堂11:30~14:30(L.O.13:30)
  • 定休日水曜日(発酵食美人食堂は水曜日、第1・3火曜日、みそぼーる体験は水曜日、第2金曜日)、年末年始
  • TEL076-268-5289
  • 駐車場無料
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