金沢グルメの代表格「金沢おでん」がおいしいと評判の名店9選
全国でも指折りのおでんの街、金沢では、おでんは1年を通して味わう定番グルメ。「金沢おでん」として独特のおでん文化が発達し、名産品の車麩(くるまふ)をはじめ、バイ貝やカニ面といった海鮮に加賀野菜まで、地元の食材をふんだんに取り入れた郷土色豊かなおでん種が揃います。
市内には、名店と呼ばれる店も数多く点在。老舗から味自慢の店まで、地元の方も足しげく通うおすすめ店をご紹介します。
「金沢おでん」とは?
「金沢おでん」について、金沢市内の創業50年以上の老舗でつくる「金沢おでん50年会」では、「金沢らしい地元の食材を使用する」「一年中食べられる」ということを定義しています。出汁は素材の旨みを引き立てる個性を感じさせてくれる上品な味が多く、金沢の「大野醤油」を使用しているお店も。2010年にテレビ番組で「人口あたりのおでんの店舗数が日本一」と話題になったことで、以来メディアで盛んに取り上げられるようになり、“金沢と言えばおでん”と有名になったようです。北陸新幹線の延伸により、今では全国の旅人を惹きつける金沢グルメの代表格となっています。
1あまつぼ柿木畠本店
醤油を使わず仕上げた、黄金色に透き通る秘伝の出汁が特徴
1964年(昭和39年)に創業し、半世紀以上にわたり地元で愛され続ける名店です。最大の特徴は、醤油を一切使わずに仕上げる黄金色のつゆ。昆布とカツオをベースに自然の恵みを凝縮した出汁は、上品でやさしい味わいです。
金沢ならではの「車麩」や「赤巻」に出汁がじゅわっと染み込んだ一品は、ひと口ごとに幸せが広がります。近江町市場の老舗豆腐店から届く具だくさんの「がんも」や、メギスを使った自家製の「つみれ」など、職人のこだわりが詰まった具材も豊富です。
伝統料理と温かなもてなしに心ほどけるひととき
近江町市場から直送される「じわもん(地物)」にこだわり、おでん以外の地産地消メニューも充実しています。加賀野菜の本来の甘みが際立つ「加賀野菜セイロ蒸し」や、金沢の郷土料理である「鴨治部煮」など、金沢に来たら味わいたい品々が揃います。
店内には掘りごたつ席もあり、家族や友人とゆったり過ごすのに最適です。お店の方との距離も近く、金沢の観光情報やお料理に合う地酒について気軽に相談できる温かな雰囲気も、多くのファンを惹きつける理由の一つです。
ご当地
サポーター
おでんにはやっぱり地酒がおすすめ。石川県内の主要な酒蔵から厳選された銘柄が揃っていて、お料理とのペアリングを考えるのも楽しいです。店員さんのアドバイスも的確で、ついついお酒が進んでしまいます。
2季節おでん じゅん
「金沢おでんをポップに」をテーマに掲げる、新進気鋭の注目店
金沢の人気おでん専門店「ちくわ」で7年間働いた店主が、2022年に独立開業した金沢おでんの新星。羅臼昆布や大野醤油、特注の削り節を用いた関西風のつゆは、素材の味を優しく引き立てます。梅貝や車麩などの定番の種はもちろん、よもぎの焼き生麩やカニ面など、季節ごとの旬を閉じ込めた創作おでんも常に数種類用意。
また、魚のすり身に様々な具材を入れた紅しょうがボールやトマトボールといった変わり種もあり、訪れるたびに新しい発見があります。古い九谷焼やレトロな洋皿を使うなど、盛り付けの工夫もされています。
おいしい料理とアットホームな雰囲気で、金沢の楽しい夜を
カウンター8席のみのコンパクトな店内は、店主の気さくな人柄も手伝って、和やかな雰囲気に包まれています。観光客と地元客が自然に会話を交わせる空間で、温かなコミュニケーションが生まれるのもこの店の魅力です。
地元の熟成みりんとポン酢を使ったサワーや、金沢のクラフトジン、能登の梅酒など、地元にこだわったドリンクも豊富。「メロンクリームソーダ」は隠れ人気メニューです。おでん以外に、地魚のカルパッチョといったおつまみも充実しています。
ご当地
サポーター
屋台風の店が集まる「とおりゃんせ KANAZAWA FOODLABO」内にあり、ガラス張りの開放的な雰囲気なので入りやすいです。人気店なので予約してから行くのがおすすめです。
3ちくわ
職人の手仕事が光る、自家製練り物とこだわりの出汁
店名が象徴するように、練り物一つ一つに魂を込める職人気質なお店です。はんぺんやごぼ天などはすべて自家製で、素材の風味を大切にしています。
味の決め手となる出汁は、丁寧に時間をかけて引いた3種類の削り節と昆布を独自にブレンドしたもの。味のベースとなる醤油には金沢の「大野醤油」を選び、季節ごとに使う塩を使い分けることで、常に理想の味わいを追求しています。盛り付けも美しく、シンプルながらも奥行きのある、洗練されたおでんの世界を楽しめます。
和と洋が織りなす、おでんの新しい可能性
フレンチやイタリアンでの経験を持つ店主が、おでんという日本の伝統料理に新たな感性を吹き込んでいます。店名の「ちくわ」は「和を築く」という意味と、練り物のルーツはちくわではないかとする説に由来しています。
おでんに加え、「大根の唐揚げ」や「おでん出汁とブルーチーズのリゾットコロッケ」といった、独創的な一品料理も見逃せません。金沢の食文化を継承しながらも、枠にとらわれない新しい提案を続ける姿勢は、食通たちの間でも高い注目を集めています。
ご当地
サポーター
店主の丁寧な仕事ぶりが料理の端々から伝わります。料理には妥協を許しませんが、接客はとても穏やかなのでリラックスできます。カウンター席があるため、一人でも気兼ねなく入れますよ。
4おでん高砂
創業80余年、三代続く金沢おでんの老舗
1936年(昭和11年)に創業した、おでん居酒屋。イワシやアジなどの削り節、利尻昆布で出汁を取り、醤油で味付けした関東風のおでんを味わえます。種は巻貝の一種の「ばい貝」、魚のすり身を蒸かした伝統食「ふかし」他、金沢らしい品が約25種類。
おすすめは「金沢ひろず」という特製のがんもどきで、県名産のシイタケ、「加賀れんこん」といった具がふんだんに入ります。また、初代から受け継ぐ味噌ダレも名物。白味噌におろしショウガを混ぜてあり、「すじ」(牛)や「大根」などと格別の相性です。
「カレーおでん」などの創作メニューも好評
代々伝わるショウガ味噌に加え、魚のすり身を麺状にした「魚麺(ぎょめん)」、マグロとネギを串に刺した「ねぎま」など、三代目の当主が考案したオリジナルメニューも評判。
中でも「カレーおでん」は、ご当地名物の「金沢カレー」をベースにしたひと品です。こってりとしたカレーにおでんのスープで旨みを足した和風テイストで、具にちくわ、糸こんにゃく、焼豆腐、大根、車麩(くるまふ)といったおでん種が入ります。ご飯やそうめんを追加(別料金)することもでき、締めのひと皿として人気です。
5おでん 一品料理 三幸(みゆき) 犀川(さいかわ)店
地元客が太鼓判を押す金沢おでんの店。人気は冬限定の「カニ面」
常連客が8割という地元の人気店。「車麩(くるまふ)」や赤い渦巻き模様のかまぼこ「赤まきはべん」といった金沢おでんの定番に、「だし巻き卵」などの変わり種まで約40種類のおでんを楽しめます。タマネギを隠し味にした出汁がほんのりと甘く、どの食材にも良く馴染みます。
特に冬は「白子」、加賀野菜の「源助大根」他、おすすめが目白押し。中でも香箱ガニの殻に脚身を詰めた「カニ面」は11月中旬から年末までの限定で、数カ月前から予約が入るほどの逸品です。
天然物を使った海鮮料理や多彩なオリジナルメニューにも注目
お面や凧を飾った民芸調の店内では、おでんだけでなく、女将お手製のおばんざいや一品料理も多彩に楽しめます。特に海鮮は天然物しか扱わないこだわりで、鮮魚店で20年以上経験を積んだ料理人がハモや白エビ、トラフグ他、選りすぐりの旬のネタでもてなしてくれます。
また、自家製さつま揚げの「三幸揚げ」、とろろにエビやタコを加えて焼いた「とろろ鉄板」といった創作料理も好評。売り切れ御免の「おでんラーメン」は、おでんの出汁を使ったオリジナルです。石川県の銘酒も10数種揃います。
- おでん 一品料理 三幸(みゆき) 犀川(さいかわ)店
-
石川県金沢市片町1-9-8 ベルガモビル102号 MAP
JR金沢駅から車で約10分
JR金沢駅から周遊バス乗車、「片町(パシオン前)」下車徒歩約2分
18:00~22:00(L.O.21:30)
日曜、祝日
076-262-1332
無し
クレジットカード不可、「カニ面」は完全予約
クレジットカード不可、「カニ面」は要予約
6おでん 菊一
金沢ならではのゴージャスおでん「カニ面」の発祥と言われる店
冬の北陸名産「香箱蟹(こうばこがに)」は、雌(メス)のズワイガニ。甲羅に脚身をぎっしりと詰めた「カニ面」は、ひときわ豪華なおでん種です。この店はカニ面の発祥店として知られ、身の他に外子や内子ものせて贅沢に提供しており、卵やカニ味噌も堪能できる香箱蟹の魅力を存分に楽しませてくれます(11月初旬~年末頃)。また、金沢おでんの定番「ふかし(はんぺん)」に加賀野菜の「金時草(きんじそう)」を練り込んであったり、地元の季節野菜が登場したりする独特のおでん種も好評です。
金沢おでんの先駆け店、女将の笑顔に心もホッコリ
1934年(昭和9年)にオープンした金沢屈指の老舗おでん店。壁には店の変遷を物語るモノクロ写真が飾られ、昔懐かしい趣が漂います。店を切り盛りするのは、二代目となる母と2人の娘。温かい笑顔で迎えてくれ、女性1人でも入りやすい家庭的な雰囲気にあふれています。
魚介をベースにした関西風の出汁も開業以来守り続ける伝統の味。出汁が良く染みたおでんは熱燗と相性抜群です。
一品料理の「どて焼」も自慢のひと品。蒸し焼きにした豚のハツやロースに白味噌を絡めてあり、旨みたっぷりです。
- おでん 菊一
-
石川県金沢市片町2-1-23 MAP
JR金沢駅から車で約9分
JR金沢駅から周遊バス乗車、「香林坊(アトリオ前)」下車徒歩約2分
17:30~22:00(L.O.21:30、おでんがなくなり次第終了)
火・水曜、不定休
076-221-4676
無し
予約不可
7季節料理・おでん 黒百合
金沢の玄関口、金沢駅の「駅ナカ」にあるおでん専門店
金沢駅構内の商業施設にあるおでん店。創業以来継ぎ足している出汁は、カツオやサバの節、煮干し、昆布を使い、関西風に仕上げています。おでん種は、「赤巻」「梅貝」といった金沢伝統の品から「シュウマイ」などの個性的なものまで約30種類。中でも自慢の出汁をたっぷりと吸った「車麩(くるまふ)」や、しっとりとした食感の「鰯つみれ」はおすすめです。
この他、春は山菜、晩秋から年末頃は「カニ面」、冬は「イイダコ」や「里いも」と、地元の季節の味覚も加わります。
石川県の郷土グルメや銘酒も味わえる
店内は、L字型のカウンターを中心にした造り。カウンター越しにおでんがコトコトと煮込まれていく様子を眺められ、食欲をそそられます。
また、鴨肉や加賀の麩などを具にした椀物の「治部煮(じぶに)」、サバの糠漬け「へしこ」、重石をのせて水分を抜いた「白山堅豆腐」他、石川県の郷土料理も充実しています。さらに、名物の「どて焼き」(16時以降)や地元産の新鮮な魚介といった居酒屋メニューも豊富。
石川県の地酒も多彩に揃い、新幹線を待ちながら金沢の旅を締めくくるのに最適です。
- 季節料理・おでん 黒百合
-
石川県金沢市木ノ新保町1-1 金沢百番街「あんと」 MAP
JR金沢駅直結
11:00~21:30(L.O.21:00、おでんがなくなり次第終了)
無休
076-260-3722
無し(金沢百番街提携駐車場の割引あり)
予約は平日のみ可(受付は前日まで)
8近江町市場 金沢おでん いっぷくや
金沢・近江町市場の食材をふんだんに使ったおでん
金沢市民の台所「近江町市場」にあるフードコート「いっぷく横丁」の1軒。食材のほとんどを市場内の店から仕入れており、豆腐や蒲鉾(かまぼこ)などの専門店が丹精込めて作った品々を味わえます。
中でも目を引くのは、ゆで卵を丸ごと魚のすり身で包んで揚げた「ばくだん」。野球ボールほどの豪快なサイズで、食べ応え十分です。また、カニの甲羅にぎっしりと甘エビを詰め、さらに甘エビのすり身で蓋をした「えび面」は、人気の高いオリジナルおでん。のどぐろを使った「のど黒面」も好評です。
浜焼きや地酒の店も揃うフードコート内に
「いっぷく横丁」には、この店を含め3軒の店があります。市場の新鮮な魚介を味わえる「市場の浜焼き・市場めし七福丸」では刺身や寿司に加え、焼きカキ、白エビのから揚げ、あら汁など一品料理もバリエーション豊か。
また、「北陸の酒蔵六角」では約50種類の北陸の地酒が揃います。日本酒を「近江町市場 金沢おでん いっぷくや」で「だし割」にしてもらうのが通の楽しみ方で、昆布やカツオの旨みが効いた出汁とのコンビは格別です。
- 近江町市場 金沢おでん いっぷくや
-
石川県金沢市上近江町50(近江町市場内) MAP
JR金沢駅から徒歩約16分
JR金沢駅から周遊バス乗車、「武蔵ヶ辻・近江町市場(いちば館前)」下車徒歩約2分
9:00~17:00(L.O.16:30)※おでんがなくなり次第終了)
火・水曜(祝日・祝前日は営業)
076-223-3789
無し
土・日曜、祝日は全席立ち飲み
9おでん よし坊
オリジナリティーに富んだ自家製おでん種が魅力
女将と息子の二人三脚で営むおでん居酒屋。手作りの味を大切に、いなり揚げにヨモギ餅を詰めた「もちきんんちゃく」、糸こんにゃくを四角く固めた「寄せ糸こんにゃく」他、この店ならではのおでんを揃えています。日替わりには「能登原木しいたけ入り鶏団子」、能登・舳倉(へぐら)島産の手摘みワカメなど珍しいおでん種も。季節限定で「香箱カニ面」もあります。サバ、イワシ、ムロアジといった魚の節、シイタケ、昆布から引いた出汁は優しい風味で、これをたっぷりと注いだ「汁かけごはん」も人気です。
石川県産の新鮮な食材を使った手料理と地酒もおすすめ
店内は1階にカウンター席とテーブル席という造り。カウンターにはホタルイカやタコ、イチジクといった手作りの燻製をはじめ、ガンド(小さいブリ)の南蛮漬けや甘エビの炒め物他、女将自慢のおばんざいが並びます。毎日、内容は入れ替わるものの10品ほどを楽しめ、金沢港で水揚げした魚介や朝摘みの産直野菜など新鮮な食材を使った料理も味わえます。
お酒に合う味付けのものが多いので、「天狗舞」や「菊姫」「手取川」といった石川県産の銘酒とのマリアージュを堪能できます。




