#ステークホルダーツーリズム
持続可能なホテル運営
は地域とともに
ハワイ屈指の観光地として知られるハナウマベイ。ターコイズブルーの遠浅の珊瑚礁が広がり、海水浴やスノーケリングの適地として人気を集めてきました。そんなハナウマベイでとても興味深い出来事がありました。コロナ禍で入場規制をしたところ、海水の透明度が上がり、多様な魚やウミガメが戻ってきたのだそう。人が来ないことで、自然が回復し、本来の姿を取り戻したのです。
いまでは入場者を制限し、週に2日の自然のための休日を設けることで、オーバーユースを防ぐ施策が施されています。オーバーツーリズムによるネガティブな影響は、自然だけでなく、都市でも起こっています。日本でも、京都をはじめとする人気観光地で同じような事例が見られていました。
そこでわたしたち星野リゾートは、旅行者数や経済効果のみを追求するのではなく、地域の持続可能性に配慮した新しい旅を提案したいと考えています。
わたしたちを含め、旅行に携わる仕事をしている企業や人は恩恵を受けています。しかし、星野リゾートでは、地域全体を見わたし、長期的な視点で旅の魅力を高め、ローカルコミュニティにもフェアなリターンを提供していきたいと考えています。その活動の軸となるのが、わたしたち宿泊施設と地元の環境や人びと、そしてお客様が一体となり、地域を盛り上げていく「ステークホルダーツーリズム」です。
山口県を代表する温泉街にある「界 長門」では、温泉宿を中心に旅行者が滞在を楽しめる街づくりを実施。星野リゾートは、長門湯本温泉の再生にむけた全体構想を提案しました。街のリニューアルが進むなかで、地域の方が飲食店を開いたり、新しく路線バスの運行がはじまったりと、広がりを見せています。
また、世界自然遺産の島として近年注目を集めている西表島では、環境負荷を抑え、滞在の魅力を高める連泊を推奨すると同時に、地域のガイドとのエコツアーの実施や、地元の飲食店へのご案内など、地域と連携して旅行者の旅をよりよいものにしています。
ほかにも、都市型ホテル「OMO」では、地元の方の協力のもとスタッフが、地元の方が通う飲食店やガイドブックに載らない地域に根差した魅力あるスポットをご案内する「OMOレンジャー」によるツアーを設けています。「ステークホルダーツーリズム」を今後も各地で拡大していく予定です。