金沢で冬のカニを堪能。王道の加能ガニから贅沢な朝粥まで蟹名店5選
冬の日本海の味覚といえば、なんといっても「ズワイガニ」。各地にブランド蟹が存在しますが、石川県産の「加能ガニ」もそのひとつです。近海中心の日帰り漁で獲れるカニのため、鮮度の良さは格別。美食の街・金沢の料理人が仕立てるカニ料理は、ひと味違ったおいしさです。金沢一の繁華街・片町周辺で、心ゆくまでカニを堪能できる名店をご紹介します。
「加能ガニ」と「香箱ガニ」。石川県で味わえるカニの特徴とは?
石川県を代表するカニといえば「加能ガニ」と「香箱ガニ」。石川県で水揚げされたズワイガニのうち甲羅が9cm以上で身入りの良いオスは「加能ガニ」と呼ばれます。脚につけられた青いタグがブランドの証で、タグには水揚げされた港の名前も入っています。
一方、メスは「香箱ガニ」と呼ばれ、漁期が短く貴重な冬の味覚。濃厚な内子(卵巣)とプチプチとした食感がたまらない外子(卵)が特徴で、甲羅にカニの身やカニミソなどが美しく盛り付けられた「カニ面」は、金沢おでんのネタとして大人気です。
加能ガニには「輝(かがやき)」、香箱ガニには「輝姫」という最高峰のブランドも存在。さらに2025年からは第3のブランドとして、各漁船の一番推しのカニに付けられる「一番推し」も誕生しました。
漁期はオスが11月6日〜3月20日、メスは12月29日まで。目利きから茹で加減まで、カニを知り尽くした料理人が多いのも名産地ならでは。ぜひ現地を訪れて、その美味しさを味わってみてください。
1酒と食遊人 みなと
信頼の目利きが選ぶ「加能ガニ」は、旨みが詰まった冬の贅沢
金沢の人気居酒屋「いたる」で15年ほど修業を重ねた店主が、2021年に開業しました。金沢の冬の風物詩でもある「加能ガニ」や「香箱ガニ」は、信頼できる仲買人が目利きしたものだけを仕入れています。
店主おすすめの食べ方は、なんといっても茹でガニ。試行錯誤してたどり着いた茹で方により、カニの旨みがぎゅっと閉じ込められた絶品です。他にも、カニ味噌グラタンやカニ味噌甲羅焼きなど、この店ならではの自慢の味覚が並びます。
人が集う「湊」のような場所。店主厳選の地酒で和むひとときを
店名の「みなと」には、湊のように人が集まる場所にしたいという想いが込められており、一人でも気軽に入りやすい雰囲気です。旅や音楽が好きな店主の遊び心が、メニューをはじめ随所に散りばめられています。
店名に「酒」を掲げているだけあって、日本酒には特にこだわっています。店主が自ら蔵元を訪ね、その哲学に共感した石川・富山の地酒をラインナップ。街歩きで冷えた体をおいしいカニと熱燗で温める、そんな贅沢な時間を過ごせます。
2味処 髙﨑
割烹で愛される洋食の味。名物「カニクリームコロッケ」
1971年(昭和46年)に洋食店として創業し、現在は割烹として親しまれているお店です。創業当時からの名物が「カニクリームコロッケ」。実は金沢では昔から和食店でも提供されるほど馴染み深いメニューでもあります。
同店のコロッケは、紅ズワイガニの身がたっぷりと入った、濃厚でなめらかなクリームが後を引くおいしさ。昔から変わらぬ味を守り続けて、洋食店時代からのファンもたくさんいる逸品です。通年でオーダーできるため、金沢を訪れたらぜひ味わってみてください。
活きたカニをその場で選び、好みの調理法で味わう
店の入り口近くには、たくさんのカニが入った大きな水槽が。カニは水から揚げると身が痩せるため、水槽での管理を大切にしています。価格は時価で、水揚げの状況などによって大きく変動します。
同店では大・中・小の3サイズの活きたカニを目の前で見比べ、予算や量に合わせてその場で選べるので安心です。選んだカニは、刺身や焼き、茹でなど、好みの調理法でオーダー。刺身にするなら少し大きいものを、寒ブリやのどぐろ、加賀野菜など、他にも色々と味わいたいなら、小ぶりなサイズがおすすめです。
3割烹 たけし
犀川沿いの名店で味わう、絶品カニ尽くしコース
犀川沿いにあるカニの専門店。シーズン中はカニ尽くしのコース料理のみを提供しています。カニは時価という店が多い中、年間契約をしている鮮魚店から大量に仕入れることで、シーズン中は固定価格で提供しているため安心です。
コースはメインを「カニ刺し・焼きガニ」と「カニしゃぶ鍋」から選択、またはその両方を堪能できる「プレミアム」の3種類。さらにオプションで「茹でガニ」を追加することもできます。これだけ充実した内容を提供できるのは、カニの扱いに慣れたスタッフが多く、厨房の設備が整っているからこそです。
花咲くカニ刺しと大将の笑顔に癒やされる
お客さんに喜んでいただけるようにと、様々な趣向が凝らされています。カニ刺しは予約時間に合わせて直前に調理され、まるで花のように美しく咲き誇ります。全てのお客さんへ大将自らが挨拶に回り、焼き加減の難しい焼きガニの世話も焼いてくれるなど、気配りやきめ細やかなサービスも魅力。店内には常に笑顔が絶えません。
金沢で感動的なカニを心ゆくまで味わいたいなら、訪れてみてはいかがでしょうか。なお、カニシーズン以外も「のどぐろ尽くし会席」など幅広い料理を楽しめます。
4海鮮市場料理 市の蔵・片町店
一年中、活カニを堪能!選べる調理法で味わう贅沢なおいしさ
一年中、活ズワイガニを使った本格料理が楽しめるお店です。入り口には巨大な水槽があり、たくさんのカニがお出迎え。夏場はオホーツク海産を活きたまま空輸しているため、刺身やカニ味噌も、本来のおいしさで味わうことができます。
もちろん、冬には「香箱ガニ」や「加能ガニ」も登場。新鮮な活カニは丸ごと一杯を、刺身、炭火焼、蒸しの3種類から調理法を選択できます。脚を焼きまたは刺身にした場合、甲羅は焼きに、脚を蒸しにした場合は甲羅も蒸しとなります。一年中調理しているからこそ、職人の技術も光ります。
金澤おでんや郷土料理も。予約なしで気軽に楽しめる片町の名店
2025年にリニューアルオープンした同店。片町交差点に面し、モダンで落ち着いた店内です。運営は北陸のソウルフード「8番らーめん」を手掛けるハチバン。食文化を大切にする企業だけに、「治部煮」や「はす蒸し」といった郷土料理にも力を入れています。
さらに、片町店では「金沢おでん」を通年提供しているのもうれしいポイント。カニシーズンは予約必須の店が多い中、ふらりと立ち寄ってカニや地元の味を様々に楽しめる、使い勝手の良い一軒です。
- 海鮮市場料理 市の蔵・片町店
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金沢市片町1-6-13 アパ片町第3ビル2階 MAP
JR金沢駅から車で約15分
JR金沢駅からバス乗車、「片町」下車徒歩約1分
17:00〜23:00(L.O.22:30)、土・日・祝日16:00~23:00(L.O.22:30)
無休 ※臨時休業あり
076-263-9898
週末は予約がおすすめ
5つば甚
老舗料亭でいただく、朝一番の贅沢な「かに粥」
約350年という歴史を誇り、加賀料理の真髄を今に伝える金沢最古の料亭。同店で味わえるのは、少し贅沢な朝食です。犀川や兼六園をはじめ、街を一望できる窓辺の席に着くと、まずはアオサの香りに優しく包み込まれた出汁巻き玉子や、とろけるようなくずし豆腐などが並ぶ「一の膳」が運ばれてきます。
同店の歴史や料理に込めた思いなどを聞きながら食した後、続いて供されるのが主役の「かに粥」。焼いたカニの殻でとった昆布出汁にカニの身を贅沢に使った珠玉の一杯。ひと口含めば、濃厚なカニの風味がふわりと広がります。
季節のカニと絶景を堪能。五感で味わう至福のひととき
かに粥に使うカニは季節によって変わり、11~12月は「香箱ガニ」、1~3月は「加能ガニ」や紅ズワイガニ、それ以外の期間は紅ズワイガニや地物のカニを使用。かに粥は趣向を変えて2杯が提供され、例えば香箱ガニの2杯目には、出汁を凝縮した餡と外子(卵)が添えられます。お粥のなめらかさと外子の食感が重なる、奥深い味わい。お好みでアオサや自家製の塩麹を加えれば、風味の変化も楽しめます。
器やもてなし、窓からの景色まで、全てに美学が宿る空間。四季折々の金沢の街並みを眺めながら、至福の朝食で一日を始めてみませんか。
温泉旅館「界 加賀」で堪能する、至福の蟹会席
山代温泉に佇む、加賀文化にひたる温泉宿「界 加賀」。
ここでしか味わえない名物が、「蟹のしめ縄蒸し」。塩水に浸した縄を蟹に巻きつけて蒸し上げるダイナミックな料理は、見た目のインパクトも格別です。縄を介してじっくりと熱を通すことで、蟹の旨味がぎゅっと凝縮され、驚くほどふっくらと柔らかな食感に。
美食の街・金沢から少し足を延ばし、歴史ある名湯とともに、カニを味わい尽くす贅沢な冬の旅はいかがでしょうか。
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