帯広・十勝でおすすめのジンギスカンの名店6選
北海道を訪れたらぜひ味わいたいグルメの一つがジンギスカン。道内各地で特色が異なり、帯広・十勝エリアではタレに漬け込んだ「味付け」タイプが主流。定番から近年人気の「生ラム」タイプまで、地元の人たちに愛されるジンギスカンの名店をご紹介します。
1本場北海道のジンギスカンとは
中央が盛り上がった専用の鍋で、羊肉とモヤシやカボチャ、タマネギなどの野菜を一緒に焼いて味わう北海道の郷土料理。鍋表面には溝が刻まれており、中央の高い部分で肉を、外周の低い部分で野菜を焼くことで、羊肉から出た肉汁が溝を伝って野菜に染み込む造りになっています。
肉の種類は、生後1年未満の仔羊の肉「ラム」と生後1年以上の成羊の肉「マトン」があり、タレに漬け込む「味付けジンギスカン」と、焼いてからタレに付けていただく「生ラムジンギスカン」に分かれます。
ジンギスカンのルーツには諸説ありますが、そもそも北海道で羊肉が食べられるようになったのは、昭和初期頃といわれています。開拓期から防寒具を作るための「めん羊(よう)」が飼育されていたことから、北海道では昔から比較的手に入りやすかった羊肉。当初は「マトン」の独特の匂いを消すため、タマネギやリンゴなどに漬け込んだのが味付けジンギスカンの始まりだそうです。
十勝や札幌市の北側に位置する空知(そらち)エリアでは味付けジンギスカン、札幌では生ラムが主流。焼き方も、野菜を敷き詰めた上に肉を置いて蒸し焼きにする地域もあります。
北海道ではお花見や海水浴、キャンプなどでもジンギスカンを楽しむほど、道民の食文化に深く根付いた、まさにソウルフードなのです。
2ジンギスカン白樺 帯広本店
半世紀以上味を守り続ける十勝の名店
ジンギスカン専門店として創業したのは1957年(昭和32年)。ジンギスカン一筋に、肉の切り方やタレのブレンド方法などにこだわってオリジナルの味を守り抜く老舗です。肉のメニューはマトンとラムの2種類。マトンはモモ、ロース、バラのミックス、ラムは肩ロースのみ、それぞれ食感が良く感じられる一口サイズにカットし、注文が入ってから肉にタレを軽く揉み込んで提供しています。余計な水分を出さないために、肉と一緒に焼くのは地元産のタマネギのみ。これも白樺流の味わい方です。
肉の旨みを最大限に引き出す、こだわりのタレ
「ジンギスカン白樺」の味を象徴するのがフルーティーなタレです。青森産リンゴ「ふじ」と北見産タマネギをふんだんに使用し、醤油仕立てにした甘口のタレは羊肉の旨みを最大限に引き出します。提供する前にさっとタレで肉を揉み、焼いてからは付けダレとしていただきます。
焼き加減はお好みですが、おすすめはミディアムレア。噛む度に口の中に肉の旨みがじゅわっと広がります。この味が忘れられないと、地元を離れても帰省の度に訪れるという長年のファンに愛されています。
- ジンギスカン白樺 帯広本店
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- http://www.hokkaido-shirakaba.com/
- 北海道帯広市清川町西2線126 MAP
- JR帯広駅から車で約30分、帯広空港から車で約18分
- 11:00~14:00(L.O.) ※売り切れ次第終了
- 月曜(祝日の場合は火曜休み)
- 0155-60-2058
- 無料
3平和園 本店
焼肉レストランで味わうジンギスカン
1959年(昭和34年)に帯広で創業し、今では十勝エリア6店舗、札幌市内3店舗を展開。人気メニューはジンギスカンですが、ここは焼肉レストラン。ジンギスカン鍋ではなく、焼肉用のロースターでジンギスカンとその他の肉を一緒にいただきます。
大切にしているのは、機械を使わず職人さんが肉の状態を見極めながら行う「手切り」と、注文が入ってからタレを調合し肉に揉み込む「一丁付け」。手間を惜しまず下ごしらえすることで、絶妙な柔らかさと食感を守っています。
各種焼肉や定食など、豊富なメニュー
ジンギスカンの味付けは、タレ、塩タレ、塩味、ピリ辛の4種類からお好みで選べます。丁寧に仕込まれたマトン肉が、1人前380円からというリーズナブルな値段で楽しめるのも魅力。
ジンギスカンの他にも、十勝和牛のカルビや北海道産のサガリ(横隔膜)、各種ホルモンなど、バラエティー豊かな焼肉メニューが揃います。手軽にいただくなら「ジンギスカン定食」などの定食メニューもおすすめです。
- 平和園 本店
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- http://www.heiwaen.co.jp/03/24.html
- 北海道帯広市大通南12丁目1 MAP
- JR帯広駅から徒歩約7分
- 17:00~25:00
- 木曜(繁忙期と祝日の場合は営業)
- 0155-22-6151
- 無料
4じんぎすかん北海道
貴重な生肩ロース肉が楽しめる
通常のマトンやラムの他に、羊一頭から500gほどしか取れないという貴重な生肩ロース肉「キングマトン」と「キングラム」が味わえるジンギスカン専門店。肉は鮮度の良いものを仕入れ、旨みが増すまでじっくり熟成させます。サシが入った「キング」は、普通のマトンやラムと食べ比べると、柔らかさや旨みの違いは歴然です。
肉を漬け込むタレは果物や野菜など10種類以上の素材を使った秘伝の味。ジンギスカンと相性抜群、食感の良い「いなきび(もちきび)ご飯」と一緒に味わうのもおすすめです。
昭和レトロな雰囲気の中で楽しむジンギスカン
店内には、畳敷きの小上がりに円形のちゃぶ台が並び、ブリキのおもちゃや黒電話、開拓時代の写真、カルタなどが飾られ、懐かしい雰囲気が漂います。北海道でジンギスカンと言えば、家族みんなで囲むもの。その温かい食卓が再現されています。
アイスキャンディーや昔のおもちゃ等も販売しており、ジンギスカン以外でも楽しませてくれます。玄関で出迎えてくれる木彫りのクマは写真撮影スポットとして観光客に人気です。
- じんぎすかん北海道
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- http://www.zin-kita.jp/
- 北海道帯広市西14条南12丁目3 MAP
- JR帯広駅から車で約6分
- 11:00~17:00(L.O.16:00)、土・日曜、祝日 ~21:00(L.O.20:00)
- 月曜(祝日の場合は営業、火・水曜休み)
- 0155-23-6389
- 無料
5十勝ジンギスカン倶楽部 北とうがらし
独自の鍋でいただく生ラムジンギスカン
味付けジンギスカンが主流の十勝にあって、生ラムジンギスカンで人気の店。肉は生後6~10カ月の仔羊に限定。柔らかくクセがない肉を新鮮な状態で1枚1枚丁寧にカットし、オリジナルのジンギスカン鍋を使い、七輪の炭火で焼きます。
一番人気は「生ラム肩ロース」。赤身と脂身のバランスが良く、ジューシーな味わいが魅力です。他にもしっかりとした歯ごたえが人気の「生ラムショルダー」や、ニンニクを合わせた「生ラムステーキ」など、いろいろと食べ比べするのがおすすめです。
自慢のタレがおいしさの決め手
味のついていない生ラムは、自家製のタレを付けていただきます。醤油ベースのさっぱりとしたタレは、生ラムとの相性抜群。お好みでスプーン1杯のトウガラシやすりゴマ、ニンニクを加えれば味の変化も楽しめます。クセがなく柔らかい生ラムを使用しているので、ジンギスカンは苦手という人や初心者にも食べやすいと評判。また、店内には個別クローゼットを設けており臭いにも配慮しているので、心置きなくジンギスカンが堪能できます。
- 十勝ジンギスカン倶楽部 北とうがらし
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- http://kitatougarashi.co.jp/
- 北海道帯広市西1条南10丁目6の内 MAP
- JR帯広駅から徒歩約10分
- 17:00~24:00(L.O.23:30)
- 不定休
- 0155-24-6858
- 無し
6しあわせ田丸屋
塩で味わう「塩ラム」と絶品「ホルジン」が人気
地元の常連客に愛されるユニークなジンギスカン専門店。多くの常連客が予約してでも食べたいという看板メニューが「塩ラム」。タレの代わりにつける塩が肉の旨みを引き立てるよう、入荷時の肉の状態を見ながら数種類をブレンドし、肉のランクによっても使い分けるなどこだわりが光ります。
もう1つの人気メニューが1日20食限定の「ホルジン」。豚ホルモンとラム肉を味噌ダレで煮込む十勝地方ならではの料理です。野菜が柔らかくなったら食べ頃。うどんを注文し、鍋に入れるのもおすすめです。
料理にも店内にも、店主のこだわりが随所に光る
ラム肉やホルモンは、長年、肉を扱う大手食品メーカーに勤務していた店主が自ら目利きしたものを使用しています。ジンギスカン用のラム肉は特上、上、並とランク分けされていて、特上は塩のみで味わい、上、並は塩またはつけダレを選べます。
こだわりは鍋にもあり、ジンギスカンもホルジンも、それぞれオリジナルの鍋を職人に発注しています。また、ほとんどの方がジンギスカンとホルジンを同時にオーダーするため、各テーブルには焼き台を2台配置。どちらも堪能したい方におすすめの1軒です。
- しあわせ田丸屋
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- 北海道河東郡音更町木野大通東6丁目1 MAP
- JR帯広駅から車で約10分
- 12:00~14:30(L.O.)、18:00~22:30(L.O.) ※ランチタイムは要予約
- 火曜
- 0155-31-7530
- 無料
7みどり食堂
地元で愛される「ホルジン」専門店
鉄板の上に豪快にホルモンとジンギスカン、モヤシやタマネギ、ピーマンなどの野菜を乗せて食べる「ホルジン」の専門店。醤油ダレで下味を付けたジンギスカンと豚ガツ(胃)は、特製味噌ダレを少しずつ絡めながら焼きます。ベースとなる白味噌を秘伝のレシピでじっくり時間をかけて、赤味噌のような色になるまで煮詰めたこの味噌ダレが味の決め手です。肉に半分ほど火が通ったあたりでうどんを入れるのがおすすめ。タマネギが柔らかくなったら食べ頃です。
ホルモンとジンギスカンは、好みの割合でオーダー可能
1966年(昭和41年)の開業当時はラーメンが中心の食堂でした。その後、サブメニューだったジンギスカンとホルモンが人気を呼び、いつの間にか「ホルジン」の専門店になりました。
ホルモンとジンギスカンは、それぞれ好きな割合でオーダーすることができ、ホルモンだけ、ジンギスカンだけも可能です。焼き方は時々混ぜながら焦げないように気をつけるだけ。この味を求めて家族3世代で通う常連客も多く、地元を離れて暮らす方からは発送の依頼も多いという、まさに故郷の味です。
- みどり食堂
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- 北海道帯広市西7条南34丁目17 MAP
- JR帯広駅から車で約8分
- 11:30~20:30
- 日曜
- 0155-48-2219
- 無料