ご当地サポーター
こけしやこぎん刺しなど、青森・津軽の民芸品づくりを体験できるスポット

その土地ならではの民芸品は、旅の楽しさを広げてくれます。
弘前市とその近郊には、金魚ねぷた、こけし、こぎん刺しなどの名産品があり、それらを手づくりする体験できる施設もたくさんあるので、気軽に参加してみませんか。

歴史ある米蔵で手づくり体験に挑戦

はけと筆を使い、赤、黄、ピンクの染料を塗っていく
はけと筆を使い、赤、黄、ピンクの染料を塗っていく

弘前城公園のそばにある「津軽藩ねぷた村」では、藩政時代から残る米蔵が民芸品、工芸品の製作工房として利用されています。建物の中では津軽塗(つがるぬり)、こぎん刺し、こけし・こま、津軽錦絵(ねぷた絵・凧絵)の職人たちの製作風景を見学できる他、金魚ねぷたやりんごの形の土鈴(どれい)、鳩笛などの絵付け体験ができます。
金魚ねぷたは、あらかじめ紙が貼ってあるねぷたに墨で顔を描き、溶かしたロウで顔、尾びれ、うろこなどを描き、最後に染料で色を付けます。尾びれや胴体は大胆に色を塗っても大丈夫ですが、顔は細部に気を配りながら仕上げましょう。

かわいい民芸品はお土産にぴったり

手づくり体験できるものの一例。金魚ねぷた、りんご土鈴、鳩笛
手づくり体験できるものの一例。金魚ねぷた、りんご土鈴、鳩笛

金魚ねぷたは、「弘前ねぷたまつり」の時に子どもたちが持ち歩く灯篭として生まれました。勇壮な絵が施された大型のねぷたと違い、小ぶりでかわいらしいねぷたです。金魚ねぷたの絵付けは1時間から1時間30分程度、りんご土鈴や鳩笛の絵付けは30分から1時間程度でできます。
その他にもたくさんの体験が用意されているので、気になるものがあれば、どんどん挑戦を。陶芸や津軽塗を除けば、完成した作品はそのまま持ち帰れるので、旅のお土産にも最適です。また、手づくり体験だけでなく、津軽三味線の演奏体験(要予約)もあります。

ご当地サポーターコメント
ねぷた祭りで使う太鼓を叩く体験もできました。お土産も充実しています。
津軽藩ねぷた村
  • URLhttp://neputamura.com/
  • 住所青森県弘前市亀甲町61 MAP
  • アクセスJR弘前駅から弘南バス浜の町・石渡線乗車約15分、「亀甲町角」下車徒歩約1分
  • 営業時間9:00~17:30(最終入場は17:00)
  • 定休日無休
  • 入場料入場料:大人550円、高校生・中学生350円、小学生200円、幼児(3歳以上)100円
    体験料:金魚ねぷた絵付け・りんご土鈴絵付け1,150円/鳩笛絵付け1,350円
  • TEL0172-39-1511
  • 駐車場有料(施設の利用状況により1~2時間無料)

丁寧な指導が評判!予約制の陶芸体験

木のへらを使って茶碗の内側の形を整えていく
木のへらを使って茶碗の内側の形を整えていく

五所川原市の郊外、金山大溜池のそばにある「金山焼 陶芸教室ちゅうばち」。こちらでは水辺の風景を楽しみながら、ろくろや手びねりでの器づくりを体験できます。ろくろを回す場合は、茶碗や湯飲み、皿など、好きなものに挑戦できます。粘土が濡れている状態を常に保つことや手首の角度、指の置き方、力を入れる場所など、気を遣うことがたくさんありますが、常に講師が付いて補助をしてくれるので初心者でも安心です。自分の手の動きで粘土の形がどんどん変化していく様子がおもしろく、充実感を味わえます。

仕上がりの予想がつかない、おもしろさ

完成品の一例。素朴な風合いが美しい
完成品の一例。素朴な風合いが美しい

金山焼は、金山大溜池で取れる粘土を使った陶器です。釉薬を一切使わず高温で焼き固めるのが特徴で、鉄分をたっぷりと含んだ粘土が、火の当たり方や灰のかぶり方によって様々な色に変化し、独特の風合いを生み出します。
ろくろの体験では、粘土1.5㎏分を自由に使えます。同じものを2つ作っても、違うものを1つずつ作ってもかまいません。所要時間は器の種類によって異なりますが、30分から1時間30分程度。ろくろから切り離した器は、後日講師が仕上げの削りをして乾燥させた後、窯に入れて焼き上げます。完成した陶器が届くのは2~3ヶ月後です。

ご当地サポーターコメント
派手さはないけれど手になじみ、使えば使うほど味が出てきます。
金山焼 陶芸教室ちゅうばち
  • URLhttps://yakimonoya3.localinfo.jp/
  • 住所青森県五所川原市金山千代鶴107-4 MAP
  • アクセスJR五所川原駅から車で13分
  • 営業時間応相談、要予約
  • 定休日不定休
  • 入場料ろくろ体験指導料(60分以内)1,728円、粘土1.5kg3,240円
    ※手びねり大人1,512円、子ども1,188円(いずれも作品の送料は別料金)
  • TEL080-8488-2485
  • 駐車場無料

世界にひとつだけのこけしを作ろう

筆で好みの顔を描いていく。緊張の一瞬
筆で好みの顔を描いていく。緊張の一瞬

黒石市にある「津軽伝承工芸館」には、津軽三味線の生演奏が行われる劇場や伝統工芸の職人の工房を兼ねたショップ、「津軽こけし館」などがあり、津軽塗、ウッドクラフト(ブナのパズルやヒバの表札作り)、陶芸、津軽こけしの手づくり体験が楽しめます。なかでも人気が高いのが津軽こけしの絵付け。津軽こけし工人会の工人が講師となって、描き方のコツやバランスのとり方などを教えてくれます。伝統的なこけしをまねるも、オリジナルを貫くも自分次第。黒、黄、赤、緑、青の5色の使い方もセンスの見せどころです。所要時間は40分から1時間です。

ご当地サポーターコメント
自分だけのオリジナルこけしが作れます。ゆるキャラの「こけシケ子ちゃん」にも会えるかも?

全国からこけし好きが集まる「津軽こけし館」

売店には若手作家のこけしやキュートな雑貨が並ぶ
売店には若手作家のこけしやキュートな雑貨が並ぶ

ここ数年は、伝統的なこけしのかわいさが見直され、若手作家による斬新なデザインのこけしも増えました。津軽こけし館のショップでは、有名な作家の作品だけでなく、マトリョーシカのように入れ子になったものや帽子をかぶった作品など、キュートなこけしがたくさん並んでいます。また、こけしをモチーフにした雑貨や文房具も充実。2階の有料展示室には、津軽系を中心に全国11系統の伝統こけし4,000本が展示されており、見応えがあります。

津軽伝承工芸館・津軽こけし館
  • URLhttp://www.tsugarudensho.com/
  • 住所青森県黒石市袋富山65-1 MAP
  • アクセスJR弘前駅から車で約25分
  • 営業時間9:00~17:00(12~3月 ~16:00)
  • 定休日無休(工房は店舗ごとに定休日あり)
  • 入場料体験料:津軽塗、ウッドクラフト、陶芸、津軽こけし絵付け 各1,500円
    有料展示室入館料:大人320円
  • TEL0172-59-5300
  • 駐車場無料

昔ながらの空間で藍染めを体験

染液に浸す回数によって、青の濃淡が変わっていく
染液に浸す回数によって、青の濃淡が変わっていく

弘前城公園のそばにある「川﨑染工場」では、藍染めの体験が行われています。まずはハンカチやバンダナなどのアイテムを決めて、好きな模様を選びます。布をつまんで輪ゴムで止めて円を描く手法と、ねじったりつまんだりした布をかごに入れて染める手法がありますが、どちらも作業自体はシンプル。初心者には完成図の予想がつきませんが、それもおもしろさです。準備が出来たら染液が入った甕(かめ)に2分間浸します。引きあげて空気と触れさせることで酸化して色が変わります。同じことを2、3回繰り返したら水洗いし、乾かして完成。所要時間は30分程度です。

目にも鮮やかな藍色に感動

伸子針(しんしばり)と呼ばれる竹で布をピンと伸ばし、乾燥させる
伸子針(しんしばり)と呼ばれる竹で布をピンと伸ばし、乾燥させる

「川﨑染工場」は津軽藩の御用商人として発展しました。工場は江戸時代後期の建物で、藍染め体験の前には、藍染めの歴史と建物に残された昔の人々の生活の知恵を学びます。また藍染めの仕組みについても詳しく説明してもらえます。布をつける染液は、発酵させた藍の葉と、木灰汁(もくあく)を混ぜ、さらに発酵させたもの。微生物が活発になるほど染まりがよくなるので、職人さんたちは日々、染液の温度、アルカリ度の調整を欠かさず、微生物の餌として日本酒を注いでいます。自然の素材だけで創られる伝統的な染め物の奥深さに驚かされます。

ご当地サポーターコメント
藍瓶には、それぞれ異なる時期に仕込んだ染料が入っていて、仕込んだ時期によって微妙に染めたときの色合いが変わってくるそうです。
川﨑染工場
  • URLhttp://kawasaki-somekojo.com/
  • 住所青森県弘前市亀甲町63 MAP
  • バスアクセスJR弘前駅から弘南バス浜の町・石渡線乗車約15分、「亀甲町角」下車徒歩すぐ
  • 営業時間9:00~17:00(冬期~16:00)
  • 定休日木曜日
  • 入場料ハンカチ1,100円/バンダナ2,000円/絹スカーフ2,200円~など
  • TEL0172-35-6552
  • 駐車場無料

一針ごとに現れる美しい幾何学模様

初心者には薄い色の布がおすすめ。濃い色より生地の目が数えやすい
初心者には薄い色の布がおすすめ。濃い色より生地の目が数えやすい

弘前市内の手芸店「しまや」では津軽伝統の刺し子である「こぎん刺し」のワークショップが人気を集めています。まず、布と糸の色の組み合わせと好きな模様を選びます。刺し始める場所を決めたら生地の目を数え、何目あけて、何目糸を出すかを見本で確認しながら、一列ずつ横に刺していきます。最初は生地の目を数えるのに苦労しますが、模様が現れてくると目を数えやすくなり、作業に没頭できるように。刺し終わったら、機械でプレスしてクルミボタンにしてもらい、ゴムを付けて完成。所要時間は30分から1時間です。

こぎん刺しは生活の知恵とセンスの結晶

左の2つは「きくらこ」模様。右は「結び花」模様
左の2つは「きくらこ」模様。右は「結び花」模様

ワークショップでは、「こぎん刺し」が生まれた背景や、特徴なども教えてもらえます。江戸時代に津軽藩の農民の間で生まれた「こぎん刺し」は、手持ちの衣類に刺繍を施し、生地に厚みをもたせることで防寒性を上げ、擦り切れやすい部分を補強する目的があったと言われています。もちろん、おしゃれも兼ねていたようで、数百種類の幾何学模様が生み出され、その模様の多くに津軽弁の名前がついています。紺地に白の糸が伝統的なスタイルですが、色の組み合わせによっては北欧風のパターンに見えるのも魅力。「しまや」では、カラフルなこぎん刺しの制作キットも販売しています。

ご当地サポーターコメント
慣れるまでは難しく感じましたが、コツがつかめてくると楽しくなってきます!
しまや
  • URLhttps://shimaya.info/
  • 住所青森県弘前市百石町13-1 MAP
  • バスアクセスJR弘前駅から弘南バス100円バス「土手町循環」乗車約10分、「下土手町」下車徒歩約2分
  • 営業時間9:00~18:30
  • 定休日日曜日
  • 入場料こぎん刺しワークショップ540円
  • TEL0172-32-6046
  • 駐車場無料
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