会津若松でおすすめしたい蕎麦の名店5選
全国有数のそば処として知られる福島県。県西部の会津地方は古くからそば栽培が盛んで、会津在来種の「会津のかおり」や「山都（やまと）そば」を使った香り高い蕎麦が人気を集めています。中でも会津地方の中心部である会津若松市には、そば店が多く点在。地元ならではのおすすめ店をご紹介します。
1香寿庵（こうじゅあん）
十割そばと会津の郷土料理を堪能
毎朝店内で手打ちする十割そばの店。自然豊かな南会津地方で栽培された「会津のかおり」を自家製粉し、つなぎを使わず打ち上げています。かえしには、熟成期間が長く旨みの強い「再仕込み醤油」を使用。鰹節の最高級品である本枯れ節など厳選素材から取った出汁と合わせて、丸みのある味わいに仕上げています。
蕎麦の他、「馬刺し」や「鰊（にしん）の山椒漬け」、まんじゅうを天ぷらにした「まんじゅう天」など、会津の郷土料理も充実。蕎麦と郷土料理がセットになった「そば御膳」も人気です。
タクシー乗り場併設で観光もスムーズ
店があるのは、会津若松のシンボル「鶴ヶ城」の北門からすぐの場所。黒板と白壁の武家屋敷風の建物が、歴史ある町並みに溶け込んでいます。店内にはテーブル席と広い座敷があり、グループやファミリーにも好評です。また、特製のそばつゆやそば茶の他、冬季のみ生そばを販売。タイミングが合えばお土産にしたい一品です。
店舗脇にはタクシー乗り場があり、蕎麦と一緒に会津の地酒を楽しみたい人は、タクシーで観光するのもおすすめです。
- 香寿庵（こうじゅあん）
-
http://aizutabinet.co.jp/soba/
福島県会津若松市東栄町1-84 MAP
JR会津若松駅から車で約7分
JR会津若松駅から周遊バス乗車、「北出丸大通り」下車徒歩約1分
11:00～15:00、17:00～20:00
無休
0242-26-8484
無料
2桐屋・権現亭（ごんげんてい）
石臼で自家製粉するこだわりの蕎麦
創業は1971年（昭和46年）。品質の高い会津産玄そばを使用し、石臼挽き、自家製粉、手打ちを徹底した蕎麦は、香りと弾力のあるコシが特徴。名物の「こだわりそば三種盛り そば三昧」は、「飯豊（いいで）権現そば」「会津頑固そば」「会津のかおり」の3種類の蕎麦を一度に味わえ、香りやのどごしの違いが楽しめます。そばつゆにつけず、生わさびをつけて味わうと、蕎麦の香りがより引き立ちます。
木のぬくもりあふれる安らぎの空間
飲食店が軒を連ねる繁華街にあり、古い蔵から譲り受けた趣のある瓦屋根が目を引きます。入口に掲げた大きな看板は店主が手彫りしたもので、味のある書体から人柄が伝わってくるようです。
店内には古民家の古材を使用し、拭き漆をほどこした柱や梁、窓枠も落ち着いた空間を演出。また、酒樽の蓋を利用した半円形のテーブルをはじめ、そば殻を埋め込んだ壁や、麺棒に見立てた階段の手すりなど、随所に遊び心が光ります。こだわりの詰まった店内で味わう蕎麦は、一層おいしく感じられそうです。
- 桐屋・権現亭（ごんげんてい）
-
- http://kiriyasoba.co.jp/
- 福島県会津若松市上町2-34 MAP
- JR会津若松駅から車で約6分
- JR会津若松駅から周遊バス乗車、「会津若松市役所前」下車徒歩約7分
- 11:00～15:00 17:00～21:30（L.O.21:00）、日曜･連休最終日11:00～15:00、祝日11:00～15:00 17:00～19:30（L.O.）
- 水曜
- 0242-25-3851
- 無料
3かみしろや
香りと食感を追求した職人技が光る蕎麦
「毎日食べても飽きない蕎麦」を目指し、挽き方の異なる2種類のそば粉をブレンドして打つ蕎麦が評判です。会津地方を代表する在来品種「山都（やまと）そば」を、香りと食感それぞれが際立つように挽き、香りを飛ばさないよう水を使用して根気よく手でこねるのが信条です。
一番人気の「天ざるそば上撰」は、会津の「高遠（たかとお）そば」の食べ方である辛味大根のおろし汁と、温かい鴨汁の2種類のつけ汁が付いて、まったく違う味わいが楽しめます。
市内観光に便利なロケーション
夫婦二人で切り盛りする店は、アットホームな雰囲気。座敷の他、テーブル席もあり、一人でも気兼ねなく食事ができます。
毎年3月20日頃から約2週間限定で、蕎麦の実の芯だけを使った真っ白な「更科そば」が登場。のど越しのいい、上品な味わいが人気です。店の隣には「福島県立博物館」があり、「鶴ヶ城」へも徒歩約1分の好立地。観光の合間にふらりと立ち寄れる、おさえておきたい一軒です。
- かみしろや
-
- http://www.kamishiroya.com/
- 福島県会津若松市城東町1-1 MAP
- JR会津若松駅から車で約9分
- JR会津若松駅から周遊バス乗車、「文化センター前」下車徒歩約3分
- 11:00～15:00、17:30～19:00
- 月曜（祝日の場合は営業、翌日休み）
- 0242-26-8648
- 無料
4そば処 和田
新鮮で香り高い自家栽培の蕎麦で勝負
南会津地方の畑で自家栽培した「会津のかおり」を使用。昔ながらの石臼製粉機でゆっくり時間をかけて粗めに挽いたそば粉を、つなぎを使わず打ち上げた十割そばが楽しめます。一番のこだわりは、玄そばを低温倉庫に保管し、毎日使用する分だけ取り出して使い切ること。挽き立ての粉で打つ蕎麦は、フレッシュな香りと甘みが格別です。
蕎麦を陶器に盛るスタイルもこの店ならでは。そばつゆをたっぷり絡めて味わうのが会津流の食べ方です。
歴史ある古民家で優雅に食事を
南会津地方の古民家を移築した建物は、柱や梁に歴史を感じる重厚な造り。座席をゆったり配し、くつろげる空間を演出しています。店内では生そばをはじめ、そば粉やそば味噌、そば茶などを販売していて、お土産に人気です。
毎年12月の第1土･日曜日は「新そばまつり」を開催。11:00～20:00の間、2時間3,000円で新そば食べ放題・ドリンク飲み放題になる恒例イベントで、多くの人でにぎわいます。旅の思い出に参加してみるのも楽しそうです。
- そば処 和田
-
- http://www.wada-soba.net/
- 福島県会津若松市和田2-2-9 MAP
- JR会津若松駅から車で約8分
- JR会津若松駅から周遊バス乗車、「和田」下車徒歩約3分
- 11:00～15:00、17:00～20:00（L.O.19:30） ※1～2月の夜営業は予約制
- 火曜（祝日の場合は営業、翌日休み）
- 0242-28-1001
- 無料
5手打ちそば・うどん 徳一
会津の食文化が詰まった天ざるが名物
会津在来種の「会津のかおり」の玄そばを石臼挽きで製粉し、店内で打ち上げる二八そばが人気。蕎麦は、昼と夜の営業に合わせて1日2回仕込み、香りや食感を大切にしています。店主おすすめの「会津の天ざる」は、大根のしぼり汁と辛味大根で味わう会津の「高遠（たかとお）そば」に、みがきニシンと一夜干しのスルメイカ、まんじゅう、山菜の天ぷら、ニシンの山椒漬けが付く、郷土色豊かな内容。新そばの季節だけ、つなぎ一割で打った九割そばが味わえます。
地元で愛されるメニュー豊富な食事処
1980年（昭和55年）に、地元の人の食事処として創業。そのため、蕎麦以外のメニューも豊富で、山の幸と海の幸を取り合わせた汁煮「会津こづゆ」や「鯉の天ぷら」といった郷土料理も味わえます。
また、店主はうどん専門店での修業経験もあり、手打ちうどんも隠れた人気メニューです。蕎麦と日本酒の楽しみ方も提案していて、約30℃の日向（ひなた）燗から約55℃の飛び切り燗まで6段階の燗酒を用意。温度によって異なる蕎麦の風味が味わえるので、飲み比べるのもおすすめです。
- 徳一
-
- http://aizu-tokuichi.com/
- 福島県会津若松市東千石1-5-17 MAP
- JR会津若松駅から車で約7分
- JR会津若松駅から周遊バス乗車、「和田」下車徒歩約6分
- 11:30～14:30、17:00～20:15
- 月曜（祝日の場合は営業、翌日休み）
- 0242-28-5681
- 無料
この記事を担当したご当地サポーター
- 小野ひろ子日本酒利き酒師
-
会津の地酒について語らせたら大変。一日中でも語り続けるのではと思うほどの日本酒通。スタッフからは「先生」と呼ばれていて、日本酒講座などを行っている。日本酒好きが高じて、とうとう酒造りに参加してしまったとか。飽くなき探究心はどこまでいくのでしょう。
