「ZEB Ready認証」と「CASBEE建築評 価認証(Sランク)」、国内ホテル初の同時取得

リゾナーレ下関は、複数の環境技術を複合的に導入することで、エネルギー消費量を基準値に対して、53%削減し、「ZEB Ready(ゼブ・レディ)認証」と「CASBEE(キャスビー)建築評価 認証」の最高Sランクを国内ホテルで初めて(*1)同時取得しました。

また、「ZEB Ready認証」の評価対象外となる要素においても、関門海峡の海水や客室排水熱を利用したプール熱源システムなど、地 域の特性を活かしながら、先進的な環境技術(*2)を導入し、CO2排出量の削減と快適な空間の両立を図っています。

*1 2025年10月現在 CASBEE建築評価認証データベース及びBELSデータベースより自社調べ

*2 地球環境に及ぼす影響を少なくする技術、環境汚染物質を出さないための技術、悪化してしまっ た環境を修復する技術のこと。

1. 2つの環境認証を国内ホテルで初めて同時取得

リゾナーレ下関は、「ZEB Ready認証」と「CASBEE建築評価認証」の最高Sランクを国内ホテルで初 めて同時に取得しました。また、ホテル業界の脱炭素化を推進するリーディングプロジェクトとして、 国土交通省の令和5年度「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」(*3)にも採択されています。

*3 国土交通省 サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)

「BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System/ 建築物省エネルギー性能表示制度)」は、建築物の一次エネルギー 消費性能を第三者機関が評価し、結果を表示する制度です。この制度の中で、基準建物と比較して一次エネルギー消費量を50%以上削減した建物が「ZEB Ready」として位置づけられます。リゾナーレ下関は、複数の省エネ技術を組み合わせることで、基準値に対して53%の一次エネルギー消費量削減を達成し、ホテル単一用途(10,000m2以上/新築)では、日本で初めて「ZEB Ready認証」を取得し ました。

「CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environ ment Efficiency/建築環境総合性能評価システム)」は、建築物の 環境性能を総合的に評価・認証する制度です。エネルギー効率や環 境負荷の低減に加え、室内の快適性や景観などの環境品質を含めた バランスを評価し、その結果を5段階(S・A・B+・B-・C)で格付 けします。リゾナーレ下関は、環境負荷を抑えながら高い快適性と 環境品質を両立した建物として、最高評価の「Sランク」(*4)を 取得しました。

*4 CASBEEの評価は、「BEE(Built Environment Efficiency/建 築物の環境性能効率)」値に基づいて行われます。Sランクは、BEE値が3.0以上かつQ値(環境品質)が50点以上の建物に付与されま す。

2.省エネ設計により一次エネルギー消費量を基準比53%削減

リゾナーレ下関では、複数の省エネ技術を組み合わせることで、基準値に対して一次エネルギー消費量を53%削減しました。例えば、客室入口の照明スイッチと空調・換気システムを連動させ、お客様が不 在時には換気量を低減し、空調設定温度を自動で緩和する仕組みを採用。先進的な制御技術、設備容量 の適正化、高効率設備の導入などを組み合わせることで、「ZEB Ready認証」に求められる基準を満た す省エネ性能を実現しています。

3.地域特性を活かした、先進的な環境技術の導入による快適なリゾー ト空間

また、「ZEB Ready認証」の評価対象外となる要素においても、地域資源や建物特性を活用し、環境負荷の低減や資源循環を図る取り組みを行っています。以下の技術を導入することで、設計段階から運用段階まで多面的に環境配慮を進めています。

客室排水熱を利用した「インフィニティプール」
客室排水熱を利用した「インフィニティプール」

客室排水熱をプール昇温エネルギーに有効利用

通常はそのまま捨てられてしまう客室のユニットバスや洗面台から出る雑排水の未利用熱に着目しました。客室の雑排水を貯留し、未利用エネルギーである客室排水熱を温水プールの水温維持に有効利用することで、一般的なボイラー方式と比較すると、プール昇温に必要なエネルギーを年間で約38%削減できる試算結果となっています。このように、日常的に発生する排水熱を効率的に利用することで、プールの運用段階におけるエネルギー使用量の削減を目指しています。
エントランスに設置された膜ひさし
エントランスに設置された膜ひさし
日差しを跳ね返す膜ひさし

快適な屋外空間の形成と建設段階のCO2排出量も削減

1階の屋根やエントランスには、日差しを跳ね返す白くて薄い膜ひさしを採用。直射日光を和らげ、夏季の日中でも屋根下の温度上昇を抑えることで、利用者が快適に過ごせる屋外空間を形成しています。また、膜ひさしは一般的な金属製ひさしに比べて軽量です。資材の調達から製造、施工、解体・廃棄に至るまでの全体で排出されるCO2排出量、約258tの削減につながっています。運用段階だけでなく、建設段階におけるCO2排出量削減の取り組みも積極的に行われています。

屋上の緑化で快適な温度の維持と景観形成

1階屋上には植栽を設け、日射による蓄熱を抑えることで、建物内部の温熱環境を快適に保つ設計 としています。緑化された「なみなみテラス」では、自然を感じながら、時間とともに移り変わる関門海峡の景色を楽しむことができます。
関門海峡の海水を滅菌に利用している「ふぐプール」
関門海峡の海水を滅菌に利用している「ふぐプール」

関門海峡の海水を利用したプール滅菌システムで塩素臭を低減

ホテルの目の前にある関門海峡の海水を電気分解し、生成した電解次亜水をプール滅菌に利用しています。電解次亜水生成装置に食塩を投入する代わりに、海水を利用することで、省資源につながります。また、通常のプールで使用されている次亜塩素酸ナトリウムによる滅菌方法と比較し、電解次亜水で滅菌することで、塩素臭を低減できま す。このように、海水を利用することで、省資源と利用者の快適性の向上の両立を図っています。
目の前の関門海峡の海水を利用した「インフィニティ プール」
目の前の関門海峡の海水を利用した「インフィニティ プール」

関門海峡の海水をインフィニティプールに使用

目の前に広がる関門海峡の海水を一部利用したインフィニティプールは、水面が海や空と一体となるように設計されています。護岸が多く、日常の中で海に触れる機会が限られている下関の立地において、海を眺めながらその海水に触れられるこのプールは、地域ならではの自然体験を提供します。かつて塩づくりが盛んだった土地の歴史にも 通じる「海水との上手な関わり方」を、現代のリゾートとして再解釈しました。
SDGsの目標7:エネルギーをみん  なにそしてクリーンに
SDGsの目標7:エネルギーをみん なにそしてクリーンに

SDGsへの貢献について

リゾナーレ下関を運営する星野リゾートは、経済価値と社会価値を 両立するCSV経営(*5)を重視しています。SDGs(*6)をCSV経営を促進するためのフレームワークとして捉え、さまざまなサステナビリティ推進の取り組みを実施しています。リゾナーレ下関における省エネルギー化や環境配慮技術の導入は、SDGs目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に寄与する取り組みです。 *5 共通価値の創造。事業を通じて社会課題の解決を目指す考え 方 *6 持続可能な開発目標

リゾナーレ下関

海峡のデザイナーズホテル

絶景を望む全室オーシャンビューの客室や潮風が心地よいテラス。ふぐと海鮮が彩る美食を堪能し、インフィニティプールで幻想的な夜景に浸る。海峡で心ほどける優雅なひとときをお過ごしください。

2025.10.29 更新
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