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Artists Archives

この地でアートを紡いだ人々

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この地でアートを紡いだ人々

国内外から12名のアーティストが、界 仙石原に「アーティスト イン レジデンス」として滞在し、「箱根」や「仙石原」をテーマに制作をしました。 完成作品は界 仙石原の客室に飾られています。アーティストはアートを通じて、箱根仙石原という土地から何を感じたかを、表現し、私たちを自由な感性へといざないます。

あなたはこの土地で何を感じますか?

岡野 里香

遠くに見える水面のきらめきは、魚の群れが背びれを濡らしすべらかに動きまわるようで、夕刻の風にSummerの横顔が涼やかでした。芦ノ湖、大涌谷、箱根神社どこも歴史と自然と文化の詰まった素晴らしい場所で、そこから得たエッセンスを絵に表現しました。

加藤 正二郎

箱根の緑が最も美しいと言われる7月にこの宿に滞在し、目に映る具体的なイメージを表すことはありませんが、箱根の豊かな自然、光と風と水が制作の大きな要素となりました。この部屋に滞在し、朝、昼、夜と外の景色と共に部屋も表情を変えることに気付きました。太陽のように強いメッセージを主張する絵ではなく、月のように見る人の思いを反映し様々なイメージを引き出す絵であったなら幸いです。

鈴木 泰人

私の制作スタイルは、経験した形や色を絵の中で発見をしながら、2次元や3次元の形に描き起こしていきます。フィールドワークによって五感による景色が記憶され、心の地図が出来上がります。今回は箱根仙石原の景色が作品となりました。

田中 紗樹

窓の美しい景色、土壁のザラザラ、美しい鳥の声・・・五感を刺激されるこのお部屋に、芦ノ湖でインスピレーションを得た風と光のリズムを描きました。たっぷりと風を受けとる帆のように、この空間が豊かに膨らんでくれたらと想います。悠々と穏やかに進む船に乗って、 皆様の旅が心地の良い光と風に包まれますように。

鳥越 義弘

箱根仙石原の大地の景色を記録しました。 この土地には、水の記憶とともに豊かな草本植物が存在しています。 瑞々しさ。 雨上がりの生長する植物を想い、描きました。 雄大な仙石原の景色とともに、朝・昼・晩の光によって表情を変えていく作品を楽しんでいただけたらと思います。

宮塚 春美

仙石原のススキ草原は、古くから人々に守られて維持されてきたことを知りました。 大涌谷の噴気地帯と対照的な、どっしりとした木々に囲まれた草原。 そこには人の気配を感じる柔らかさがありました。 箱根火山の歴史が身近に感じられる変化に富んだ地形は、まるで箱庭の中に入ったようです。全て表現しきれませんが、作品を通じて滞在のよろこびをご一緒に味わいたいです!

Kathleen Caprario キャサリーン キャプラリオ

わたしの作品は人と文化のアイデンティティを周囲の風景と繋ぎ直し、環境によって自分がどのように形づくられていくのかを問うものです。箱根は美しくて、とても特別な場所です。皆様が作品に促され、この地域で得られたわたしの無二の体験をじっくり間近で存分味わっていただけることを願っています。

Maša Gala マーシャ ガラ

わたしは制作の過程で、周囲の環境から取り込んだ色をよく使います。光、空、緑、そして箱根の地形のほか、 この宿の現代的建築にも感銘を覚えました。山の新鮮な空気感を出すために銀、白、青、竹林には淡い緑、 そして自然のなかのお寺には赤といった具合に、さまざまな色を使いました。わたしの作品で最も重要なことは、様々な素材の実験で、集め方は現地調達です。わたしが体験した空間を感じていただけるよう努めています。

Jeronimo Maya Moreno ジェロニモ マヤ モレーノ

わたしの作品を見てくださる皆様への重要なメッセージ、それは、わたしたちの現実の環境は純然たる形として描かれたものを越えているということです。 それは旅人のそれぞれの表現方法--彼または彼女は旅の目的地に到るまでさまざまな 局面をくぐりぬけ意識から無意識へと向かいます--を映しています。

Julia Ziegler ジュリア チーグラー

初めて紙垂を見たとき、けばけばしいカラフルな東京の夜とは無縁のジグザグの無の空間のようでした。単純明快で素敵な幣は、心のための自由な空間を表していたのです。この絵では、箱根の10の印象を、テープを貼った幣の形の上に何度も重ねて描いています。画面にさまざまな色が確認できると思います。最後にテープをはがすと、ふたたび自由な空間が生まれます。

Marco Useli マルコ ユッセリ

私がまずインスパイアされたのは、箱根にむかう観光で目にした緑の豊かさでした。 さらに建築も興味深いと感じました。小さなパーツで構成されながらも、実に機能的なのです。 最後に気づいたことは、現代建築がいかに周囲の自然と完璧に融和しているかということでした。

ぶらぶらすることが好きなわたしがこの作品で皆様をお連れしたい場所は、箱根の古い神社の庭です。 樹々はロープのようで、視線を上にやり階段を昇っていくと、皆さんの体は日本の八百万の神へと導かれます。

Xia Hua 夏華

わたしにとって、あらゆるものは生きて呼吸しています。人間や動物のみならず、植物も、そして岩さえも。それらがそばに寄ってくると、わたしはことばを交わし、対話や調和の感触を得ます。箱根仙石原がわたしに与えたインスピレーションは、とくに岩や火山の噴煙、湖面や滝の水面の反射に由来するものです。「呼吸すること」という作品を描きました。