「ひとさら de ご馳走パス」誕生秘話

五反田グルメを並ばずサクッと楽しむ裏ワザ!OMOレンジャーが足で稼いだ舞台裏

「夜景とご馳走のパラダイス」をコンセプトに掲げ、2024年4月に開業した「OMO5東京五反田」。高層階からの素晴らしい夜景とともに、ホテルが特に力を入れたのが、都内有数のグルメ激戦区である「五反田」の食の魅力をゲストに届けることでした。

その目玉アクティビティとして誕生したのが、「ひとさら de ご馳走パス」。予約不要で五反田の名店を訪れ、名物料理のひとさらをサクッと味わえるという、新しい食体験の提案です。

開発を担当した常松 美鈴と、運用を牽引する柚木 志帆。五反田の魅力に圧倒された開業前の出会い、人気店へのアプローチ、そして試行錯誤を経て街とゲストを結ぶ架け橋となるまでの、OMOレンジャーと呼ばれるスタッフの裏側を追いました。

「いい大人が肩肘張らずに楽しめる」通って実感した五反田のすごさ

五反田は、鳥料理や青魚料理など、一つの食材に特化した実力派専門店がひしめく隠れたグルメ激戦区です。

しかし開業前の常松は、その評判に半信半疑でした。鮮魚や質の高いグルメに恵まれた熱海エリアで勤務していた彼女にとって、「本当に五反田がグルメの街なのか?」と疑問を抱くのは自然なことでした。

そこで、真相を確かめるべく総支配人と夜な夜な街へ繰り出し、10軒以上の飲食店を巡ると、その疑念はいい意味で裏切られることになります。

常松:「専門店のこだわり抜いたお料理やおもてなしがありながら、気取らない雰囲気なんです。スタッフの方が『このお酒と合いますよ』と熱心に提案してくれて、総合的な時間の満足度がすごく高い。『いい大人が、肩肘張らずに本当においしいものを楽しめる』——それこそが、五反田の魅力なんだと実感しました」

柚木:「周辺の街と比べても、初めてでも温かく迎えてくれるあたたかさやフラットさがあるんですよね。その魅力を、そのままゲストに体験してもらいたいと思ったんです」

しかし、ここで一つの壁にぶつかります。五反田の名店はいずれも人気が高く、当日ホテルでおすすめしても、予約なしの飛び込みではなかなか入れません。「名店の味を何とか気軽に体験してもらう方法はないか」と考えた常松は、一番惚れ込んでいた、青魚を中心とした居酒屋「酒肴あおもん」へ、その糸口を探そうと通い詰めました。

何度も通って掴んだ「開店直後の30分」という隙間時間

時間帯を変えて何度も通い詰め、混雑の波を慎重に観察しました。すると、平日でも満席になる人気店でありながら、開店直後の早い時間帯には比較的空きがあることに気づきます。

常松:「あおもんさんはメニューも豊富で、スタッフの方が美味しい食べ方やお酒を熱心に提案してくれるんです。お魚の新鮮さや、アジフライやお刺身などの料理の味はもちろん、食事の時間の満足度がすごくて『ここに行けば絶対に五反田を好きになってもらえる』って確信がありました。だからこそ開店直後の早い時間でお店の邪魔にならない方法はないかと思って、ご相談に伺ったんです」

「『自分たちがこれで利益を得たいわけではなく、お客様に五反田の良さを伝えたい。お店のご迷惑にならないかたちでご一緒できませんか』と、震える思いでご相談に伺いました。ダメ元での提案だったのですが、店主の方は『提供するメニューを限定していいなら協力しますよ』と、拍子抜けするほど温かく快諾してくださいました」

看板メニューの「ひとさら」とドリンクだけに限定することで、ゲストは予約なしで並ばずに名物の味を楽しめ、お店は開店直後の隙間時間を有効活用できる。双方にとって理想的な「ひとさら de ご馳走パス」の仕組みが完成した瞬間でした。

「この時間に来たら買えるって…」フロントで直面した悔しさ

しかし、開業初期には思わぬ課題が立ちはだかります。当初は2店舗でスタートしたため、定休日や満席が重なり、せっかく楽しみに来館されたゲストをご案内できない日が発生してしまったのです。

柚木:「フロントでゲストから『この時間に来たらできるって書いてるじゃない!』とお叱りのお声を直接受けて……申し訳なさと不甲斐なさで本当にもどかしくて悔しかったです」

「このままではOMOへの期待を裏切ってしまう」と危機感を持ったチームは、その日の夜から必死で新しいお店探しに走り出しました「楽しみに来てくださった方を、このままお断りし続けるわけにはいかない」。掲げた基準は、「単においしいだけでなく、OMOレンジャー自身が衝撃を受け『ここでの時間そのものが特別な体験になる』と確信できるお店であること。柚木自らが街を巡り、味はもちろん、空間やおもてなしも含めて深く心を動かされた焼き鳥の名店「とり口」が加わりました。

さらに、もう一つのきっかけとなったのが、ホテル14階にある「OMOカフェ&バル」での地元の方々との交流でした。日常的に訪れる近所の方が、ご近所マップを見ながら声をかけてくれたのです。

常松:「常連のおじさまが『ここを知らないの?絶対にこのお店を載せなきゃダメだよ!』と熱心に教えてくださったのが、串揚げの名店『花林糖(かりんとう)』さんでした」

柚木:「足を運んでみると、軽やかで上品な串揚げや、見た目も味わいも驚くようなメニューばかりで『ここだ!』と確信しました。地元の方の『おいしいお店を教えたい』というあたたかいおせっかいが、新しいお店とのご縁をつないでくれたんです」

さらに「開店直後の早い時間帯だと予定が合わない」というゲストの声に応えるため、「花林糖」ではピークが過ぎた20:30からの時間枠での体験を実現させました。

「自分では絶対に行き着けない名店だった」街とゲストを結ぶ循環へ

現在では4店舗に拡大し、実際に体験されたゲストからも嬉しい反応が届くようになりました。

柚木:「ある夜、パスを使って『酒肴あおもん』から戻られたご夫婦が、満面の笑みでフロントに寄ってくださったんです。『ホテルで紹介されなかったら絶対に行き着けない名店でした!』と興奮気味にお話ししてくださって……。案内をきっかけに街の魅力を全力で楽しんでもらえたことが本当にうれしくて、『こんなお言葉をいただきました!』とすぐチームに共有しちゃいました(笑)」

「ひとさら de ご馳走パス」をきっかけにお店を知ったゲストが、後日プライベートでコース料理を予約して再訪するなど、新たなご縁も生まれています。

常松:「五反田って、来る前のイメージ以上に『こんなにおいしいお店が多いんだ!』って驚かされる街なんですよね。だからホテルの中に閉じこもっちゃうのは本当にもったいなくて。これからも街のお店のみなさんと一緒に、気取らずにおいしいものを楽しめる体験を作っていきたいです」

柚木:「ゲストから『五反田の街が好きになった』って言ってもらえるのが、やっぱり一番嬉しいですね。自分たちだけじゃなく、街の人たちと一緒にこの企画を作れている実感が持てるのが、ここで働いていて一番楽しい瞬間です」

街とゲストをつなぐ小さなきっかけとして生まれた「ひとさら de ご馳走パス」。ホテルと街が一体となって届ける五反田の夜の楽しみ方は、これからも少しずつ広がり続けていきます。

常松 美鈴(つねまつ みすず)

2018年入社。リゾナーレ熱海等で広報を経験後、23年9月よりOMO5東京五反田の開業準備に参画。「ひとさら de ご馳走パス」や「五反田ヒルズツアー」など、独自の食体験を企画。自ら街の飲食店へ90店舗以上通い詰め、地域との信頼関係を築く。

柚木 志帆(ゆのき しほ)

2022年入社。OMO3赤坂での勤務を経て、OMO5東京五反田の開業時に異動。五反田の街を愛するOMOレンジャーとして、100店舗以上の飲食店を自ら開拓。「ひとさら de ご馳走パス」の現場運用と参画店舗拡大を牽引し、街とゲストをつなぐ架け橋として奮闘中。

OMO5東京五反田

夜景とご馳走のパラダイス

昔ながらのお店から、近代的な高層ビルまでが入り混じる五反田は、実は名店ひしめくグルメシティ。ご馳走でお腹いっぱいになった後は、客室から東京の夜景に酔いしれる、まるでパラダイスにいるような幸せなひとときが待っています。朝目覚めたら木立が茂る地上60mの空中庭園で深呼吸、爽やかな気分で1日が始まります。