なぜ星野リゾートだったのか?
森川――私は明日香村をただの観光地やリゾート地にしたくなかった。もちろん過度なオーバーツーリズムにもなりたくない。 2015年当時に星野リゾートの担当者とお会いした時、「とりあえずホテルを建てて、地域を開発する」だけの会社には感じなかった。どちらかというと「明日香村に深く身を沈め、何回も来たくなる、ゆっくり過ごしたくなる場所にしたい。そういう宿をつくりたい」というような思いを感じたし、地域をどうつくるかを一緒に考えてくれると思った。明日香法*に対応できるのは星野リゾートしかないと感じ、こちらからお願いしました。
森川――世界文化遺産に選ばれることを見据えて、地域の運営をどうするのかを検討していかなければなりません。明日香村は法規制が厳しく、自治体と開発者(星野リゾート)が一緒にクリアしなければならない課題が多いので、「企業立地に関するパートナーシップ協定」をまずは結ばせていただきました。 そして、第2弾として、持続的な協働の推進を行う包括連携協定に進みました。第3弾は、星野リゾートの運営に関する具体的な内容になると思います。ぜひ、村の住民が心豊かになるような運営にしてほしいと思っています。
渡部――第三弾の協定は、まだですか。
森川――現在、調整中です。開業後の運営の内容が固まるであろう開業の1年前までに協定を締結したいと思っています。
*明日香法:正式名称は「明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法」。村全域に厳しい建築・開発規制が課せられており、景観を守りながらの地域づくりが求められます。