自然が生む、雪の絵画や氷の彫刻
エントランスが昨年リニューアルされ、炎がゆらめく屋外のファイヤープレイスが誕生。よりスノーリゾート感が高まりました。 もちろん奥入瀬渓流ホテルはスキー客も利用するので、寒い中を帰ってきてこの炎のゆらぎが目に入るのは、なんとも優雅で贅沢なことなのでしょう。
東館の「ロビー 森の神話」、そして西館の「渓流-BASE」にはホテルの象徴でもある岡本太郎作の大暖炉が守護神のごとく雄大な姿を披露しています。どちらも暖炉の向こうにある大きな窓一面には雪景色が広がり、思わず息を呑む美しさ。緑の季節とはまた違う迫力に、美術館で名画を前にしたような高揚感を感じ、これが冬の奥入瀬の魅力なのかと、しばし動けませんでした。
奥入瀬の冬といえば、自然が作り出した氷の芸術と呼ばれる“氷瀑”が名物です。氷瀑とは寒さで滝や湧水が凍りついたもの。奥入瀬渓流には14本の滝があり、それぞれに氷の壁や柱、幾重にも連なるつららが生まれ、巨大な彫刻のようなアートを作り出しています。
それをホテルの露天風呂の周りに人工的に作り、冬限定の「氷瀑の湯」にしたというのが、奥入瀬渓流ホテルの冬の試みです。わざわざ滝まで足を運ばずとも、湯船に浸かりながら眺められるのだから、これほど贅沢なことはありません。
氷瀑の湯のおすすめタイムはやはり夜。内湯からドアを開け、寒さの中つま先立ちで屋外の露天に向かうと、渓流の水音が響く中にライトアップされた氷瀑に「おおっ」と思わず声をあげてしまう。スタッフ考案のこの氷瀑の湯は、毎年12月上旬になると壁に霧状の水を吹きつけ、時間をかけて高さ3.5m、幅16mの氷瀑を作っていくのだそう。そこからさらに冬が厳しくなると雪が積もり、凍った水飛沫が重なり、氷瀑は日々表情を変えていきます。
お湯はpH8.5以上の単純泉なので、とにかく肌あたりが柔らかい。首から上が涼しいせいか、氷瀑を眺めるのが楽しいせいか、うっかり長湯をしてしまい、気づいたら頭の上に雪が積もっていました。お湯から上がると肌はつるっと滑らかで、目に麗し、肌に優しい極上のお湯でした。
