設計・デザインは隈研吾氏が担当
急坂をタクシーで登っていくと、右手に迫力ある由布岳が見えてきました。由布岳は、見る角度によって、様々に表情が変わります。そんな景色に見とれつつ、10分ほどで到着したのは竹に囲まれた「界 由布院」。うぐいすが鳴く声だけが響き渡る、静かな時間が流れています。
なんと「界 由布院」の建築デザインは、建築家の隈研吾さんが設計しています。丸竹がずらっと並んだエントランスからして、隈研吾さんらしさが溢れていますね。 こちらの建物のコンセプトが、「上質な農家」。さらに農家の空間である「たたき」「板間」「座敷」を現しているとのこと。どういうことなのか、考えつつ入ってみます。
フロントへと続く空間は、まるで土間のよう。そう感じて聞いてみると、まさにここは「たたき」を表現しているとのことでした。「たたき」とは、農家の玄関などにある土間空間のこと。 そして土間に続くのが農家の台所。その位置にはフロントカウンター、そしてまさに台所らしく「かまど」のオブジェが設置されていました。蓋を開けてみると、お米がちゃんと入っています。遊び心が楽しいです。
その先は界でおなじみ、「トラベルライブラリー」。こちらの床は竹のフローリングが敷き詰められている「板間」です。照明は和紙で出来た軽やかなデザイン。 鳥みたい、と思ったら、こちらの照明も隈研吾さんオリジナルデザインで、蝶を表現したそう。ちょっと惜しかったです。
建物を抜けると目の前に広がるのが見事な「棚田テラス」。ここは隈研吾さん言うところの「座敷」です。眼下に見える棚田は夏なら緑が映え、さぞかしきれいなのだろうな、と想像します。 私が訪れた時期は冬ですが、冬も水が張られ、空が映り込んでいました。夕陽は山の向こうに沈みますが、わずかに陽が映り、それも美しかったです。
