海が目の前!「界 別府」で浸かって作って音を楽しむ温泉時間

こんにちは、漫画家&文筆家の「やすこーん」です。別府といえば、言わずとしれた日本一の温泉地。「界 別府」は、別府駅からゆるやかな下り坂を海に向かって歩き、10分ほどにあります。私が訪れた日は小雨が降っていたので、タクシーを使いました。街なかにあるので、タクシーもすぐに拾えて便利です。

やすこーん

漫画家&文筆家

駅弁、駅そば、お酒、温泉を楽しむ「鉄道ひとり旅」が好き。 温泉ソムリエマスターで食べた駅弁の数は2500個以上。テレビやラジオでも活躍中。 最新刊は「ひとりで楽しむ鉄道旅 駅弁めぐり篇」(玄光社) 「イラストで読む!鉄道知識と旅の基本 鉄道イロハ」 (イカロス出版)yascorn.com

全室に海が見えるピクチャーウィンドウあり

1階エントランスから入ってエレベーターに乗り、2階のロビーへ。エレベーターを降りると、「湯の広場」があり、その向こうには海!これは部屋からの景色も期待できます。

天井の印象的な照明、これはもしかしたら……と思ったら、やはり隈研吾さんでした。「界 別府」でも、隈研吾さんのデザインに出会えるとは思ってもみませんでした。 隈研吾さんは、この「湯の広場」や後ほど紹介する「ラボ」、客室などを手掛けられているそうです。

私の部屋は最上階にありました。中に進むと、暖色の内装と照明が部屋全体を包みます。そしてその先にある窓からは、対象的な色合いの青い海! まさに隈研吾デザインです。すばらしい。

海の色を引き立てるため、室内の壁は別府の名所「血の池地獄」の赤から着想を得た、古代色の「柿渋色」にしているそう。なるほど、この演出は納得です。

部屋の外には露天風呂が備え付けられていました。独り占めできる贅沢な空間です。 そして「界 別府」の温泉の泉質は、ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉。重曹成分を含むので、角質を軟化させ、肌がやわらかくなります。さらに塩化物泉なので、湯冷めしにくい泉質です。

隈研吾さんデザインのラボで「温泉いろは」

「界」ではおなじみ、「温泉いろは」に参加しました。こちらの「温泉いろは」は、なんだか一味違います。まずこの場所は「ラボ」と呼ばれ、まるで実験室のような雰囲気。さらに紙芝居ではなく、プロジェクターで別府の温泉について学んでいく、未来型の「温泉いろは」です。

そしてさらに通常と違うのが、温泉やグリセリン、オイルなどを混ぜて「温泉ミスト」が作れること。目の前のビーカーやピペットは、飾りではありませんでした。これらを実際に使い、オリジナルの温泉ミストを作っていきました。良い香りに包まれて、夜はぐっすり眠れそうです。

器や演出も楽しい「海鮮豊後鍋会席」

夕食は、すだれで仕切られた、半個室の食事処にて「海鮮豊後鍋会席」をいただきました。まずはお楽しみ「先八寸」。これに合わせたのは、クラフトビールのIDAラガーという豊後大野市、藤居醸造のお酒。てっきりIPAかと思いました・笑

お品書きを見ながら一口食べては一口飲んで。至福の時間です。

大きなお皿に盛られたお造り……いえ、よく見たら、お皿ではなく、風呂桶! こんなところにも、温泉の街、別府らしさが溢れています。輪切りした竹の上にかぼす、薬味も竹風の陶器の皿に盛られ、それぞれがコーディネートされていて、味だけでなく見た目も楽しめます。

煮物や揚げ物を経て、最後に出てきたのは魚介と旬野菜の豊後鍋。海鮮は、ふぐ、伊勢海老、はまぐり、と贅沢な素材ばかり。これらを鍋にくぐらせ、かぼすポン酢、かぼす胡椒でいただきます。

ビールはなくなってしまったので、ここでかぼす酒を追加。プリプリの甘みがすごい海老、しっかりした味のふぐなどに大変よく合いました。

お鍋が終わると、最後のシメは大分の郷土料理「りゅうきゅう」。「りゅうきゅう」とは、地元で穫れた新鮮な魚を醤油、ネギ、しょうが、ごまなどで作るタレとあえていただく料理。この日のお魚はブリでした。 さらにお出汁を入れて、出汁茶漬け風にして食べます。お茶漬けにしては具材が贅沢すぎますね。飲んだあとにぴったりで、大変おいしくいただきました。

夜のお楽しみも盛り沢山

食後もまだまだお楽しみがあります。「湯の広場」では屋台やお座敷遊びが並んでいます。いくつかお座敷遊びがある中で、私は投扇興をやってみました。これは扇子を投げて、離れた台の上の的を倒す遊び。倒し方によって点数が決まります。最初は全く当たりませんでしたが、慣れてくると命中するようになりました。

のどが乾いてきた頃に、葛アイスバーのサービスも! これはうれしい。地元の和菓子屋、荒巻商店さんで、このサイズを特別に作っていただいているそうです。おなかいっぱいのはずなのに、おいしくてスッと食べてしまいました。

さらに「湯の広場」では、「湯治ジャグバンド」の演奏が始まりました。しかし台に並べられているのは、楽器ではなく大きな風呂桶。しかも中には温泉が入っているようです。 これを小さな桶で流して音を立てたり、風呂桶を叩いたり。それがどんどんリズムとなっていきます。

盛り上がってきたところで、会場のお客さんたちに、ケロリンの石鹸箱が手渡されます。どうやらこれも楽器の様子。カチカチ、と鳴らして風呂桶太鼓のリズムに合わせます。小さなお子様から大人まで、みんなが楽しめる楽しいイベントでした。

朝日を浴びて起きる

翌朝は、この大きなピクチャーウィンドウから見る日の出を楽しみにしていました。この日、日の出時間は7時9分。 早起きして、しばらく待ちます。水平線には分厚い雲が張っていましたが、その上から太陽が、ついに顔を出しました! 海に見事なサンロードができています。なんて気持ちのよい朝でしょう。

「湯の広場」に降りると、足湯に入っている人も。ここから日の出を見るのもいいですね。この時期は寒いかもしれませんが、海から上ってくる太陽の陽をじかに浴びるのは、ご利益もありそうです。

朝食の前に温泉に入ります。大浴場の内風呂は、温度が41.5度の「あつ湯」と、37.8度の「ぬる湯」があります。「あつ湯」は源泉かけながしです。「ぬる湯」は温泉成分を体に浸透させるため、「あつ湯」と交互に入るのがよいでしょう。ちなみに岩風呂風の露天風呂の温度は40度です。

あさごはん後は「別府温泉絞り」体験

あさごはんでは、ごまだし海鮮汁が目を引きました。ごまだから味が濃いのかと思ったら、かなりあっさり。海鮮出汁と合わさって、上品な味でした。中に入った青く細いものは「糸すじ青のり」と言って、1〜2月にしか穫れないそう。細いのに風味が強い。貴重なものをいただきました。

最後にまたまたアクティビティを体験しました。「別府温泉絞り」は温泉で染料を落とし、模様を浮かび上がらせる技法。あらかじめ染められた木綿布に自由にボールや木の棒を輪ゴムで縛っていき、模様を作ります。それを温泉に浸して色抜きし、できあがったデザインを楽しむというものです。

そしてできあがったのがこちら! 正直、作業している時はどんな模様になるのか想像がつきませんでしたが、なかなかよい感じにできました。自分のお土産にもなりますし、なんといってもこういう珍しい体験は、一生の思い出になります。

豊かな温泉と景色を楽しめるだけでなく、様々なアクティビティと、スタッフさんたちのおもてなしにあふれた「界 別府」は、楽しい宿でした。 さて、すでに盛り沢山でしたが、フロントに荷物を預けて、街歩きをしてきたいと思います。駅や街へのアクセスがよいところも、この宿の大きな魅力ですね。

ご紹介した温泉宿

界 別府

ドラマティック温泉街に逗留する宿

館内は和紙のちょうちんが彩り、石畳が連なる湯の広場など、賑やかな別府の温泉街を彷彿とさせます。全室オーシャンビューの客室からは海景を絵画のように楽しめ、時の移ろいによりドラマティックに表情を変化させます。