星野リゾート　リゾナーレ熱海が位置する静岡県は、変化に富んだ海域を有し、特色ある多種多様な漁業が各地域で発達しています(*1)。この立地を活かし2020年より開催しているのが、実際に漁師の仕事を体験し学べる「Fisherman's Academy〜夏休みの自由研究〜」です。

このプログラムがどのように誕生し進化してきたのか、その裏側と軌跡をご紹介します。

*1 静岡県漁業協同組合連合会ホームページ参照（http://www.sogyoren.jf-net.ne.jp/gyogyo_gaiyou.html ）

小学校の夏休みの宿題の定番である自由研究は、どんなテーマにしようか、どうやってまとめようかなど、お子さまはもちろん、サポートする親御さまにとっても色々と悩ましいものです。そこで、夏休みの家族旅行中に親子で一緒に自由研究を楽しみながら、旅の間に完成できるプログラムを提供できないかと考えました。

静岡県は漁業が盛んな地域。この立地を活かし、地元の漁師や市場の協力を得ながら、漁師体験プログラム「Fisherman's Academy ～夏休みの自由研究～」を企画。漁に出るだけではなく、漁師とどのような魚が獲れるのか予想を立て、網を仕掛ける体験をしたり、獲った魚を魚市場に卸したりと、漁師の仕事全体を深く知り、体験することができます。

このプログラムを実現する中で一番の大きな壁となったのは、この企画に協力してくれる漁師や魚市場を見つける事でした。やったことのない挑戦のため、はじめは難色を示す方もいましたが、「地元漁業を一緒に活性化し、熱海を訪れる観光客に熱海の海や漁業の魅力を届けたい」という熱い想いを伝え、粘り強く交渉を重ね、無事に実現することができました。

以降、漁師や魚市場の皆さまに協力いただきながら、年々プログラムの内容を充実させてきました。

このプログラムの競り体験にご協力いただいている魚屋の宇田さんが、熱海魚市場を運営する中で課題として捉えていたのが、「サイズが不揃い」「漁獲量が少ない」「鮮度が落ちやすい」などの理由で、魚市場に出回らない「未利用魚」という魚の存在でした。

この課題について、宇田さんをはじめ、みなさんが熱心に取り組まれている様子を見てきたスタッフは、開催5年目となる2024年、「熱海を訪れる子どもたちにも漁師の仕事を学ぶだけでなく、プログラムを通して未利用魚の存在を知ってほしい」という想いで、未利用魚の活用方法について学び、調理して味わう体験をプラスしました。さらに、宇田さんから未利用魚の現状や活用方法についてレクチャーしていただける事になり、今まで以上に充実したプログラム内容へと進化を遂げました。

2024年6月末に本プログラムの体験会を開催し、体験された方からはこのような声をいただきました。

「ちょっとハードで本格的な漁体験、活気のある魚市場の見学、和気あいあいとした食体験の3本立ての内容のバランスが良かったです。子どもが前のめりに体験をしていて、特に市場では自分が獲った魚を金額に換算するなど、一生懸命計算していたのも印象的でした。本物の漁師さんの元、本格的な漁体験ができたことは、子どもだけでなく親にとってもかけがえのない経験となりました。」

リゾナーレ熱海では、今後も熱海で活動されている方々と一緒に、様々なアクティビティを通じて、四季折々の熱海の魅力を体験できるプログラムを企画・運営していきます。また、これにより熱海で行われている取り組みや、地域の魅力に触れていただける機会となる場所を目指していきます。

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